■『ミパッション』 〜華胥の夢〜 後編■


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■セブンフォートレスX3 リプレイ  〜ミパッション 華胥の夢〜■

 プリプレイ

 ヴィーヴォ:前回までのあらすじ!(笑)
 GM:えーっと……どんなんでしたっけ?(笑)
 音音:ラーガ・ラギアがさらわれて……。
 ジャック:激闘の末、ラーガ・ラギアを奪還することに成功したんだ……。
 ヴィーヴォ:だが、その直後、予想外のことが起きてしまった!
 GM:そうそう!(笑)……スペード的にはヴィーヴォに黄金の果実を渡して、神を復活させるつもりだったんだけど……。
 ヴィーヴォ:失敗しましたね。
 ジャック:そうだ! ソード・ジャックを名乗る化け物が現れたんだ! ……俺が、ジャックちゃうのんっ?
 GM:神皇樹に取り付いていたらしい、ソード・ジャックが黄金の果実を奪い、自らを神と名乗り、神皇樹は膨れ上がってしまったのです。
 ヴィーヴォ:ウェッジや、他のスペードの一味も神皇樹に取り込まれたんだよな?
 GM:神皇樹は九つの首を持つ竜のような形になって、その1つ1つがスペード達の顔になっています。
 音音:その首の1つはウェッジでしたね。
 リネット:真ん中の首がソード・ジャックを名乗っていたけど……GM、もしかして、アタシはその顔に見覚えないかな?
 GM:おお、あるかも! その顔は確かに昔、君の村を襲った男の顔に見える!
 リネット:分かった。それを確認したかったんだ。
 GM:では改めて、そのシーンの続きを演出していこう!
 GM:九つの首の1つ、真ん中の首が叫びます……「俺の名はソード・ジャックっ! 俺は神の意志など知らぬ! 俺は世界を無へと帰す!」。
 音音:そして、私も無に帰ろう(笑)。
 ヴィーヴォ:樹だしな(笑)。
 リネット:あー、『5』か(笑)。
 GM:九つの竜の首を持つ巨大な樹木は、膨張を続け、巨大な根は大地をえぐりながら、うねり、のたうち回りながら世界に広がっていく……どしゃー、ぐしゃー、ばきばきばきぃ!
 ヴィーヴォ:あれを世界へ解き放つわけにはいかん!
 GM:傷ついた君達に、それを抑える術はないのだっ。
 ジャック:ラーガ様との戦いで、もうボロボロだからな。
 GM:じゃあ、1人元気なラーガ様が君達を守ってくれている(笑)。……「くっ、これじゃあキリがないねっ」。
 ヴィーヴォ:どうすればいい、どうすれば奴を抑えられるっ?
 GM:どどどどどどどっ。ずずーん!「あんぎゃーすっ!」と樹竜は咆えています(笑)。………暴れている首の1本 がリネットに襲いかかってみたりするっ!(笑)
 リネット:うわっ? それは避ける!
 GM:いや! 根が足に絡みついて、君は身動きがとれないっ!(笑)
 ジャック:ああ、リネットさんっ(笑)。
 ヴィーヴォ:しまったっ。ここからでは眼鏡粒子砲も間に合わないっ(笑)。
 音音:ワタシ今、重症値ですから(笑)。
 リネット:おいーっ!(笑)
 GM:そして、その首が、今まさにリネットを喰らおうと……っ。
 リネット:やられるっ……!?
 GM:……した、その時! ……ぎぃん! 突如現れた人影が、その首を打ち払う!
 ジャック:はっ! まさか、リネットさんのお姉さん! ……とか?
 リネット:アタシは閉じていた目を、ゆっくりと開ける……そこには………!
 GM:目を開けると、そこには………「ここは……危険でちゅぴー!」(笑)。
 一同:でちゅぴーかよっ!(笑)
 リネット:助けてくれたのはありがたいけど……アンタが一番危険な気がする(一同笑)。
 GM:「ここはいったん、退くでちゅぴーっ!」と言いながら、でちゅぴーはババーンっとゲートを開く。「さあ、逃げ込むでちゅぴーっ!」。
 ヴィーヴォ:しょうがない、いったん退こう。対策を考えねばならんな……。
 ジャック:今の我々の状態では、仕方ありません。
 GM:では、君達がゲートに飛び込むとゲートは閉じる。直後、君達の立っていた場所は根が張り出し大地が崩壊していく! このシーンは終了だ。……そしておもむろに、GMシーンが入る。

 その日、世界は奪われた……巨大な一本の大樹によって。
 天高く広がる枝葉は世界から陽の光を隔し、大地をのたうつ根は世界を鷲掴みにした。

 GM:ラース=フェリアの大地を映しているカメラがだんだん引いていくと思いねぇ……(絵をかきかき)……で、これが宇宙から見たラース=フェリアという星だと思いねぇ。
 ジャック:すげぇ……星と同じ位の大きさの木が、ラース=フェリアにまとわりついているぞ(笑)
 リネット:なんか……デビルガンダムみたいな感じだな(笑)。
 GM:まぁ、こんな感じに今のラース=フェリアは神皇樹に覆われてしまったと思ってくれ。
 ヴィーヴォ:……で? 私達はこれを何処から見ているんだ?
 GM:いや。君らが見てるわけじゃなくて、テレビの前の視聴者の方々が見ている映像なんですよ?(一同笑)
 リネット:じゃあ、あらすじとオープニングシーンが終わったところで……(笑)。
 GM:うむ。オープニングテーマとアニメーションが流れますよ!(一同笑)
 リネット:……(歌いだす)……♪
 GM:最終回のOPアニメーションでは、前回まで普通だったリネットが、ちゃんとカニアーマーを着ていますっ(笑)。
 ジャック:差し替えられてるんだ?(笑)
 音音:OVAですかねぇ?(笑)
 GM:君達は危機を乗り切り、ここは何処かの小高い丘の上です。この辺りにも神皇樹の暴走した根っこが地面から出ている。空は暗い。
 ヴィーヴォ:なんということだっ! これが、あの美しかったラース=フェリアだというのか……嘆かわしいっ!
 ジャック:見る影もないな……。
 GM:ここには君達4人の他に、でちゅぴーとラーガ・ラギアもいます。
 ジャック:でちゅぴーに幾つか質問をしてみよう……君はどうして、俺達を助けてくれたんだい?
 GM:……「何で助けたでちゅぴーか? ……そ、そんな事は当然なのでちゅぴー」(笑)。
 リネット:何で、言いよどむの?(笑)
 ジャック:まだ、俺達にやらせたい事があるんじゃないのか?
 GM:「ぶっちゃけてしまえばでちゅぴー。ヴィーヴォに黄金のミパミパの実を食べさせて、神様を蘇らせるでちゅぴー」(笑)。
 ヴィーヴォ:しかし、その計画は失敗してしまったというわけだ。
 GM:「まだ、失敗ではないでちゅぴー。奴は黄金のミパミパの実を手に入れてはいても、食べる事はできないでちゅぴー」。
 ジャック:何故、食べられないんですか?
 ヴィーヴォ:その資格がない、からか?
 GM:「そうでちゅぴー。今アイツは、知識の一端を使ってるに過ぎないでちゅぴー。……あの神の知識のはあの神の意識を持った者にしか理解できないでちゅぴー。神の意識を持ってるのは、ヴィーヴォだけでちゅぴー」。
 リネット:……じゃあ、メルルにあの実を食べさせたら、どうなるの?
 GM:「それは……ヴィーヴォに聞いてほしいでちゅぴー」(笑)。
 リネット:(ヴィーヴォに)……どうなるの?
 ヴィーヴォ:……うふふふふふふふふふふふ(一同笑)……どうなるんですかねー?(笑)
 リネット:食べさせない方が良さそうだな(一同笑)。
 ジャック:食べてからのお楽しみ、というわけか(笑)……では、次の質問だ。でちゅぴー、あの神皇樹を乗っ取ってる意識は何なんだ? 奴はソード・ジャックを名乗っていたが?
 リネット:そう! そこ気になるっ!
 ジャック:ジャックはこのスペードのJを持つ、俺ではないのか?
 GM:「……でちゅぴーは、知らないでちゅぴー」。
 ジャック:そうか……。
 GM:「それは、わたしがお話しします……カニ」……という声が(笑)。
 一同:だ、誰だっ?(笑)
 音音:い、今、カニアーマーが喋らなかった……?(笑)
 ヴィーヴォ:え……? か、カニアーマーが喋る?
 GM:「ああ、リネット! ようやく、あなたと話すことができます…………カニ。わたしは今、このカニアーマーの言語能力を介してあなたに語りかけています……カニ」(一同爆笑)。
 リネット:カニアーマーに言語能力なんてあったんだっけ?(笑)
 GM:何を言う! 『アルセイルの氷砦』でちゃんとカニは喋っていたぞ!(笑)
 リネット:あっ……そういえば(笑)。
 ジャック:この喋ってるカニは、いったい誰なんだ?
 GM:「わたし本来の意識は、今も皆さんの足元にいるグマーグマーの中にありますカニ」。
 ジャック:おおっ、ということは、ハートのAってことですかっ?
 GM:「そうカニ」。
 ヴィーヴォ:グマーグマー改め、カニーカニーというわけか……。
 GM:いや、近くにあったカニの言語能力を借りてるだけですからね。本体はやっぱりグマーグマーですよ(笑)。
 音音:よりにもよって……(笑)。
 ジャック:では、カニーカニー! あなたに聞きたいんだ……あのソード・ジャックとは何者だ?
 リネット:カニーカニーって呼ぶなぁ!(笑)
 ジャック:今までの話の流れだと、俺がジャックという感じだったのだが?
 GM:……ちょっと待ってね。今、その辺りのメモを探してるから(笑)。
 ヴィーヴォ:多分、スペードのJの記憶や意識がカードから分離されたんじゃないのか?
 ジャック:だから、俺には記憶がなかった……と?
 GM:……実はその通りだったりするのだ(笑)……その辺りの経緯をカニーカニーが話すので聞いてください。
 リネット:だから、カニーカニーは止めてってば!(笑)

 ソウル・グループ、いわゆるハートの一味は戦いに疲れていました。
 そこで彼女達は、ある『秘術』を創りだしました。それはハートのエースに戻る術でした。

 リネット:エースに戻る?
 GM:えーっと、もともとカードポゼッショナーは4人しかいなかったんです。スペード、ハート、ダイヤ、クラブの4人。でも、4人じゃ少ないかなぁと思った神様は、4人をそれぞれ13等分して、52人したんだよ(笑)。
 ヴィーヴォ:なんか、ひどくない?(笑)
 GM:まあ、分かりやすく言ってるだけだから(笑)……なので「エースに戻る」とは、元々の1人のハートに戻るということです。
 音音:「わたしに帰りなさい……」ってことね(笑)。
 GM:そうそう(笑)。

 元の1人へと戻ったハートのAは他のカード達に見つからないように、SEEDを隠し、ひっそりと暮らしていました。
 人の意識を乗っ取ることもせず、時折、カード所有者に力を貸し与えるだけでした。
 そう、あの時までは……。

 リネット:……アタシの村が襲われた時……?
 GM:「……そうカニ」。
 ジャック:1つ確認なんだが……ハートのAは今まで俺達が会ってきたカード達のように、取りついた人間の意識を乗っ取ったりはしてなかったんだな?
 GM:そうだね。彼女は普段は、ハートのAの所有者とお喋りするぐらいで、村に困った事が起こったら、それに対処できるように所有者に力を貸してあげるぐらいしかしてなかったんだ。
 リネット:そうだったんだ……じゃあ、ハートのAはアゼル姉さんとも友達だったの?
 GM:「ええ、そうよ」。君のお姉さんとハートのAの相性はかなり良かったそうです。彼女が今まで一緒に暮らしてきた人間の中で、誰よりも………「仲が良すぎたのかもしれないカニ……」。
 リネット:……どういうこと?

 ソードの者達……スペードの一味が村を襲った時、アゼルとハートのAはまさしく共に戦いました。
 しかし、多勢に無勢、すぐに勝てないことが分かりました。
 アゼルはハートのAにリネットを守るように頼んだ直後、ハートのAの力をほぼ全て奪い取って(!)、スペード達に挑んでいったのでした。

 ジャック:ハートのAの力を奪い取ったっ?
 ヴィーヴォ:そんな事が可能なのか?
 GM:「今になってみても、何故アゼルにそんな事が出来たのか分からないカニ。……彼女自身もわたしの力を全部奪おうなんて考えていなかったと思うカニ……きっと、リネットを守ろうと必死だったカニ。……力を失ったわたしは、今はグマーグマーと呼ばれるこの子に拾われて(笑)、以来、この子の中にいるというわけカニ」。
 リネット:姉さん……。
 ジャック:……ところで、ハートのAの物語は分かったんですが、ソード・ジャックの話はどうなったんでしょうか?
 GM:おお、それはだね……「わたしの力はほぼ全て、アゼルが持っていったカニ……その力の中には、さっき言った『エースに戻る秘術』も含まれていたカニ!」。
 ジャック:なるほど! つまりアゼルさんがその秘術を、村を襲っていたソード・ジャックに使ったんですね?
 ヴィーヴォ:そして、ソード・ジャックの意識と記憶はスペードのAの元に戻ったのか……しかし何故、神皇樹に?
 GM:ああ、それはエースがSEEDに乗り移って初めて、神皇樹が育つという設定だからです(笑)。SEEDは神皇樹の種なんです。……「きっと、スペードのAが新皇樹の成長に意志力を使っている間に、ソード・ジャックがスペードのAの意識を乗っ取ってしまったのだと思うカニ」。
 ジャック:……よし。大体理解したぞ! つまり、今の俺はスペードでもなければ、ソード・ジャックでもない!……ただのジャック・ローズだってことだ!
 ヴィーヴォ:うむ。そういうことだな。
 ジャック:俺は……自由だっ!
 GM:ラーガが言おう……「おめでとう、ジャック。君は5年間、僕と世界の為に戦い続けてくれたジャック・ローズ以外の何者でもないということだね……!」。
 ジャック:ああっ! ありがとうございます! ……これからもわたしは、ラーガ様の大義の為に働き続けます!
 ヴィーヴォ:そのためにはまず、アイツから世界を取り戻さなければならない……!
 GM:では、そろそろこのシーンは終了。次からは、決戦前夜のシーンを1人ずつ演出していこう!

 GM:まずはジャックとラーガのシーンです。傷を癒しているジャックのもとへ、ラーガがやって来る。「傷の具合はどうだい、ジャック?」。
 ジャック:はい。おかげさまで、もう大丈夫です。
 GM:「そうか……良かった」。
 ジャック:……しかしラーガ様、どうしましょう……奴の力は強大です。今、我々人間の力だけで対抗出来るのでしょうか?
 GM:「ジャックでも、不安になることがあるんだね?」。
 ジャック:たまには、わたしも弱気になることがあります……。
 GM:「……僕はひとまず、フレイスに戻ろうと思う。こんな状況だからね。僕なしで上手くまとまっているかどうか、心配だ」。
 ヴィーヴォ:……本当に心配なのは……。
 リネット:……子猫ちゃんじゃないのかなぁ?(一同笑)
 ジャック:(笑)……そうですね。ラーガ様がいないと、フレイスも心配ですね……。
 GM:「……ジャック……君の不安を、僕が取り除いてあげよう……」。
 リネット:なになに? ここから突然、ボーイズ・ラブな展開にっ(笑)。
 ジャック:なるかぁいっ!
 GM:むぅ……それも良いなぁ(一同笑)……いつもの毅然とした表情から一変、あどけない少年の表情になるラーガ……「……ジャック……」。
 ジャック:おいおい! 何だこの展開はっ(一同笑)。
 GM:「さっきは助けてくれて……ありがとう、ジャック……」。ラーガは君にすっと近づく。ラーガの顔は少し赤く上気しているように見える……。
 ジャック:ら、ラーガさま……?(一同笑)
 GM:そしてゆっくりと……ハグをする(笑)。
 ジャック:はー、そのぐらいなら歳相応かな(安堵)(一同笑)。
 GM:君に初めて見せるそのあどけない表情が、フレイスの少年王ラーガ・ラギアの素顔なのかもしれない……(笑)。
 ジャック:……ラーガ様。わたし、ジャック・ローズは終生、貴方に仕える騎士です。貴方の騎士である限り、恐れるものは何もありません。
 GM:「……ありがとう、ジャック……」。
 ジャック:さあ、ラーガ様。先にお戻り下さい。わたしも奴を倒し、すぐに戻ります!
 GM:「ジャック。君の物語はまだまだ終わりじゃないよ? 戻ってきたら、フレイスの皆とこれからも多くの物語を作ろう!」……言って、ラーガはふわりと浮かび、フレイスの方向へ飛び去る。
 ジャック:騎士の礼をして、見送ろう。ラーガ様。ジャック・ローズ、必ず生きて戻ります……必ず!

 GM:次は音音のシーンです。
 音音:ワタシですか。でも、いったい誰が出てくるんでしょう?
 GM:君のレイフォンが突然、けたたましく着信音を鳴らす! ぴぴぴぴぴぴぴぴ!
 音音:ぴ! ……風華輪です。
 GM:「どうやら、よろしくない方向に話が進んでいるようですね?」。
 音音:……そうですね。
 GM:「……ずしーん、ずしーん……」。
 音音:な、何ですか? その後ろの音はっ(一同笑)。
 GM:「え? 何の音ですかって? ……ふふ、後ろを御覧なさい?」。
 音音:(振り向く)……う、うわぁーっ!……と驚いてみる(笑)。
 GM:振り返ると、七霧の爺やの左肩に乗って登場する、里長(笑)。
 音音:……直接、声をかけてくれませんか?(笑)
 GM:「いえ、こちらの世界でもレイフォンは使えるのかなー、と思って?」(笑)。
 音音:使えるようですね……ぴ、と電話は切ります(笑)。……何故、こちらの世界へ?
 GM:「何故かと言いますと……こちらの世界の神皇樹が活性化した影響でしょう。我等の世界の神皇樹を介してのゲートの開閉が容易になったのです」。
 音音:はー、なるほどー。
 GM:「それでちょっと、様子を見に来たんですよ?」。
 音音:はー、物見遊山ってやつですね?(にこり。目は笑ってない)
 GM:「まあ、そんなところです。それと……あなたの意志を確認しておきたくて……」。
 音音:それは……どういうことですか?
 ヴィーヴォ:今なら、ゲートが簡単に作れるから、いつでも帰れるってことじゃないか?
 ジャック:えっ? でもまだ、皇玉を取り戻してないのに?
 GM:「皇玉はもう使ってしまったのでしょう?」。
 ジャック:ああ、そうか……。
 GM:「皇玉のことは諦めました。ないものにこだわっても仕方ありません」。
 音音:意志の確認というのは?
 GM:「……もはや皇玉は失われました。そして、この世界は滅びようとしている……これ以上、あなたがこの地に残ることはないのです。わたしはあなたを迎えに来たのです、音音」。
 音音:長、ワタシはまだ帰りません。
 GM:「そうですか、分かりました」。
 音音:はやっ!(一同笑)
 GM:「あなたを育ててきたのは、わたし達です。あなたの考えは分かります……音音、あなたの短剣を見せなさい?」。
 音音:……すちゃ。
 GM:里長は爺やの肩から降りて、短剣をじーっと見つめる……。「この短剣はこれまで、幾つもの世界を滅ぼしたと言われています……」。
 音音:……っ?
 GM:「今、滅びようとしているこの世界を、音音、あなたはこの短剣で守ることが出来ますか?」。
 音音:……そのつもりです……守るための戦い。今のワタシにはその道しかありません。
 GM:「音音の道と、わたし達の道は、今は同じです…あなたの進む道をお行きなさい」。
 音音:……長、ワタシは自分の出生についてはよく知りません……今まで育ててくれたこと、感謝します。 ……でもこれからは、ワタシは自分の道を行きます……たとえ、あなたが立ち塞がろうとも……。
 リネット:な、何でそんな言い方するの?
 GM:「……あなたの進む道に、神木の加護があらんことを……」。
 音音:ワタシは短剣を仕舞って、歩き始める……。長、また会いましょう。
 GM:音音の言葉に、少女は悲しげに微笑む……やがて少女もその場を立ち去った……ずしーん、ずしーん……(一同笑)。
 ジャック:何やら伏線の香りが……(笑)。

 音音の言葉通り、やがて彼女達は相対することとなる……。
 ……だが、それはまた別の物語である(笑)。
 その物語は本書の続本『パックス・ミパミパーナ 〜連理の枝〜』にて語られています。
 お手元にありましたら、順をおって読んでやって下さいm(_ _)m

 GM:はい。次はリネットとグマーグマーのシーンです。
 リネット:決戦前夜、アタシ達は森の中で特訓中っ! グマーグマーとカニが組み手をしている(笑)。
 ジャック:どかっ! がつん、がつん! どかっ! がつん、がつん!
 GM:「ちょ、ちょっと! わたしの体をあんまり痛めつけないでほしいカニー!」(笑)。
 リネット:大丈夫! まだまだいけるよ!(笑)
 GM:……グマーグマーが動きを止め、カニが言います(笑)。「……もう、5年になるのね……わたしがこの体に入ってから……」。
 リネット:がつん、がつん……手を止めよう。
 GM:「初めは、こんな非力な獣の体に入ってしまって、どうしようかと思ったけど……今はとても気に入っているわ」。
 リネット:……語尾にカニがついてないよグマーグマー?(笑)
 GM:あうっ……だって、気分が出ないんだもん! カニがついてると思って聞いてくれ(笑)。
 ジャック:嫌な表現だなぁ(一同笑)。
 GM:「わたしはアゼルに頼まれたことを、ちゃんと果たせているかしら……?」。
 リネット:グマーグマーはちゃんとアタシを守ってくれてるよ。……ねぇ? グマーグマー……?
 GM:「何?」。
 リネット:……姉さんは、……どうなったんだろう……?
 GM:「……アゼルがあなたを谷底に突き落としたとき、わたしも一緒に突き落とされたの……だから、わたしにも分からない……」。
 リネット:そうだったんだ……。
 GM:「アゼルがあなたに伝えてほしいと言った言葉がある……やっとあなたに伝えられる……リネット」。
 リネット:……うん。

 カニアーマーから音が聞こえてくる……戦いの音。
 女の人の息遣い。荒い息……気合いのかけ声、金属のぶつかり合う音……五年前の音、あの時に録音された音……姉の声……。

「……リネットを頼むよ! あの子に伝えて……!」

 そう言った後、姉はわざわざ息を整えて、無理して元気な声で……言った。

「……え、えーっと……わ、わたしの大好きな妹、リネット……ちょっと危なっかしくって、心配ばかりかける妹、リネットっ……でも自慢の妹だぞ! がんばれっ、リネットっ!」

 それはちょっと棒読みで……とても力いっぱいだった。

「……って感じで伝えといて(笑)……リネットを守って! ソウル……っ!………………………………………」

 リネット:……何、このビデオレターみたいなの?(笑) ……ほんっと、昔から何もかもが大雑把でっ……! ……でも、やると言ったら最後までやりとおす人だったよ……姉さん。
 GM:「そうだったね。……リネット、あなたも最後までやり通せる?」。
 リネット:……やるよ! ……そうじゃなきゃ、この鎧を着けることなんて出来ない!(一同笑) この鎧は、今のアタシの決意の証。この姿が、今のアタシのプライドだ!(笑)
 GM:「ああっ、アゼル! リネットをこんな姿にしてしまった! ごめんなさい〜っ!」(一同笑)。
 リネット:それはグマーグマーのせいじゃないよ! 宝箱に釣られたアタシが悪いんだから(笑)。……グマーグマー、前回も聞いたけど……。
 GM:「はい……」。
 リネット:……これから先も長いたびになるけど、ついて来てくれる?
 GM:「アゼルとの約束がある……それに何より、わたし自身が、あなたとずっと旅を続けたいわ!」。
 リネット:よーし! じゃあ、明日に備えて、そろそろ休もっか?
 GM:「そうね! あんまり頑張りすぎて明日に支障が出るといけないし」。
 リネット:やっぱりカニアーマー、不便だなぁ。お風呂とかどうすればいいんだろ?(笑)
 GM:「それよりわたしが心配なのは、その鎧だと、きっともう胸大きくならないんじゃないかってことだけど……かわいそー」(笑)。
 リネット:……今の発言は……GM?それともグマーグマー?
 GM:今のはカギカッコで囲ってあるので、グマーグマーの発言です(一同笑)。
 リネット:グマーグマー。迂闊なことを言って、アタシを敵に回さないようにね!
 GM:「おほほほほほー。わたしいつもそんな事ばかり考えているのよ〜(笑)」。
 リネット:あと10セット追加ー! ……どかっ! がつん、がつん! どかっ!
 GM:「ひぃ〜っ!」(笑)……まぁ、今のは冗談で……それよりも、すまないのだが、シーン終了前に1つ言い忘れたことがあった。
 リネット:どうしたの? 謝罪の言葉は後にしてくれる? ……どかっ!がつん!(笑)
 GM:「ジャックさんを呼んで、彼に大事な話があるの……」。

 GM:先にヴィーヴォとでちゅぴーのシーンを演出します(笑)。「まったく情けないでちゅぴー」……と君が体を休めているとでちゅぴーが声をかけてくる。
 ヴィーヴォ:情けないとは、どういうことだね?
 GM:「折角、選りすぐりの取り巻きを用意したでちゅぴーのに、あんな死にぞこないに実を奪われるなんてでちゅぴー」。
 ヴィーヴォ:何、奪われたのなら、取り返せば良い。それだけの話だ。
 GM:「まあ、それはそうでちゅぴーね」。
 ヴィーヴォ:……とはいえ、あそこまで成長してしまったモノを倒すには、なかなか骨が折れそうだな……果たして、私達でやれるかどうか……。
 GM:「ヴィーヴォ達以外に、誰が出来るというのでちゅぴー?」。
 ヴィーヴォ:……そうだったな。大丈夫だ。必ず、実は私の者にする。
 GM:「……もし今度失敗したらでちゅぴー」……ざらぁっと袋を取り出す。
 ヴィーヴォ:うおっ、そ、それは……っ(笑)。
 GM:……ざらざら……振ると中に玉が一杯入っていることが分かる!(一同笑) 「失敗したら、おまえのタマタマをこのタマタマ袋に入れて、他の誰とも知れない男どものタマタマと……こつんこつん、すりすり、こつんこつん、すりすり……の刑でちゅぴー!」(一同爆笑)。
 リネット:……やな擬音(笑)。
 ヴィーヴォ:私に、失敗の二文字はないっ!(笑)
 GM:「朝になったら、皆をまた、魔の森の入り口に転送してやるでちゅぴー」。
 ヴィーヴォ:頼む。……1つだけ、聞いておきたいことがある。
 GM:「何でちゅぴー?」。
 ヴィーヴォ:私があの果実を手に入れることに、君に何のメリットがある?
 GM:「そ、それは……も、もちろん理想郷が見たかったからでちゅぴー!」(笑)。
 ヴィーヴォ:そうか(笑)……なら、そういう事にしておくさ……ここでいったん、シーンを切る。この後、まだやりたいことがありますが。
 リネット:ラーガ・ラギアが去って行った直後、ジャックに近づく。
 GM:……ぎちぎち、ぎちぎち(笑)。
 ジャック:……ど、どうしたんですか? リネットさん?(笑)
 リネット:気付かれたかー(笑)。
 ジャック:いやその……音が……(笑)。
 リネット:え? ……音?
 ジャック:自分では気がつかないのだろうか?(笑) ……それで、どうかしたんですか?
 リネット:話があるのは、アタシじゃないの。
 GM:「……わたしですカニ」。
 ジャック:ソウル・エースか(笑)。
 リネット:席外した方がいい?
 GM:「出来るものなら(笑)……でもそういうわけにもいきませんよね」。
 リネット:じゃあ、目隠しと耳栓してよう(笑)。
 GM:「ジャックさん、これはとても大事なことです」。語尾にカニがついてると思って聞いてください(笑)。  ジャック:うむ。……深くは気にしないことにしよう(笑)。
 GM:「……先程も言いましたが、カードポゼッショナーは、それぞれのエースから生み出された存在です」。
 ジャック:うむ。
 GM:「スペードを例にとってみれば……スペードのAから、他のスペードの2〜Kのカードは生み出されたということになります」。
 ジャック:うむうむ。
 GM:「そして、ここからが重要なのですが……2〜Kのカード達にとってAの魂は……絶対的な存在なのです……!」。
 ジャック:……っ! つまり……っ?
 GM:「……Aの魂が消滅すると、他の2〜Kのカード達も消滅してしまうのです……っ!」。
 ジャック:何ぃっ! ……これから、俺達が倒さなければならないソード・ジャックはエースと同化している……。  GM:「はい……ですから、ソード・ジャックを殺してしまったら……」。
 ジャック:俺も……死んでしまうということか……っ!
 GM:「……そうです」。
 リネット:……そ、そんなっ!?
 GM:「リネット、聞いてしまったのですね?」(笑)。
 リネット:しょうがないでしょっ!(笑)
 ジャック:……ソウル・エース。俺はラーガ様と約束したのです……必ず、生きて帰るとっ!
 リネット:ジャック……。
 ジャック:彼は俺にとって主君であり……大切な、家族です! 俺は必ず、あの人もとへ戻るっ!  GM:「…………」。
 リネット:……ねぇ? ……アゼル姉さんがソウル・エースから力を奪っちゃったみたいに、ジャックがスペードのAの力を奪えないかなっ?
 GM:……え? ……そ、それは……。
 ジャック:それだっ! ソード・ジャックも今はエースを乗っ取っているんだろう? 奴に出来て俺に出来ないはずはないっ!
 GM:むぅ……「それは……わたしにも分かりません……」。
 ジャック:可能性があるというだけで、十分だっ。
 リネット:上手くいくよっ。 きっと! ……そうでも思わないと、仲間が死ぬと分かってて戦いに行くなんてできない……。
 ジャック:……やってやるさっ!
 ヴィーヴォ:…………。
 GM:では、決戦前夜最後のシーンはヴィーヴォに締めてもらいましょう。
 ヴィーヴォ:はい……天使との会話が終わった後、私は丘の一番高い木の上に立っている……。

 強い風がヴィーヴォの体を打つ。しかし、彼は微動だにしない。

 ヴィーヴォ:そして世界を見渡す……これが、変わり果ててしまった世界か……。

 暗い。空に星は見えず、大地は抉り取られている。

 ヴィーヴォ:フォーチューンは彼方の方角だったな……あの美しいマール(海)も……。

 海底。巨大な根がうごめいている。海は泥の色をしている。
 彼は世界の悲鳴を聞いていた。

 ヴィーヴォ:……そうか……。私は、声高らかに言おう!

 聞け……世界よ!
 私はここに宣言する!
 全てを、奪還すると!!

 大地が震えた。一際強い風が彼の体を打つ。彼は微動だにしない。

 GM:では、決戦当日の朝です。
 音音:てぃーてぃーてぃーてぃてぃってぃってぃーっ!(某宿屋のテーマ)(一同笑)
 リネット:おはよう、ジャック・ローズ!夕べはお楽しみでしたね?(一同笑)
 ジャック:絶対、誰か言うと思った(笑)。
 音音:カニアーマーと?(笑)
 ジャック・リネット:違うっ!(笑)
 ジャック:……でも、リネットってこれから先、そういう時でも外せないんだよね、カニアーマー? ……とんでもないシチュエーションだよね、それ?(笑)
 リネット:がすっ! がすっ!
 ジャック:ぶはっ!(一同笑)
 リネット:ごめん。この攻撃は手加減できないの!(笑)
 GM:「皆、朝から元気がいいでちゅぴー(笑)」。
 ヴィーヴォ:何、緊張してないことは良いことだろう……ただ、ちょっとアレな気もするが……(笑)。
 音音:ワタシはこの辺がざわついてる中、優雅に朝食を食べています(笑)。
 リネット:皆、当たりまえすぎるくらい、いつも通りなんだ。
 ヴィーヴォ:気負わんことは良いことだ。
 GM:「それじゃあ、そろそろ行くでちゅぴー?」。
 ジャック:うむ。飯も食ったし!
 GM:では、「ひらけ〜……、タマ!」(一同爆笑)。
 リネット:何が開いたのーっ?(爆笑)
 GM:「えっ? もっともポピュラーな、扉を開く呪文でちゅぴー?」(笑)。
 ジャック:何故か……嫌な気分になる呪文だな(笑)。
 GM:「そういえば、でちゅぴーがこうやって、いっぱい次元の門をあっちに開いたり、こっちに開いたりしたのが、事件の発端だったでちゅぴーね」(笑)。
 一同:おまえだったんかーっ!(爆笑)
 リネット:コイツ、最後の最後で美味しいところ持ってっちゃいそうだよね?
 ヴィーヴォ:裏あるからなー、この人(笑)。
 音音:元はアンタのPCでしょっ!(笑)
 リネット:妙キャラ工場がっ!(笑)
 GM:「じゃあ皆、ヴィーヴォにタマタマを捧げる為に、がんばるでちゅぴー!」。
 リネット:それにも、一抹の不安を感じる……(笑)。
 ジャック:うむ(笑)。
 ヴィーヴォ:まあ、安心しろ。……おまえ達の期待を裏切りはしない……(爆笑)。
 リネット:それは、どんな期待っ?(一同爆笑)
 GM:GMも期待しているよ?(爆笑)
 ヴィーヴォ:うっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっっ!
 リネット:笑うなーっ!(笑)
 音音:じーっと、でちゅぴーを見る……(笑)。
 GM:「な、なんでちゅぴー?」。
 ヴィーヴォ:な〜に、その天使には後ろ暗いことは何もないよぉ?(笑)
 GM:「きっと、これで皆とはお別れでちゅぴー……」。
 音音:そう……なるといいですね?(笑)
 GM:「いってらっしゃいでちゅぴー!」
 音音:……じゃあ、そろそろ行きましょうか!
 ヴィーヴォ:……うむ。
 GM:1人の天使に見送られ、君達はゲートを潜った……。

 4人の姿が消え、ゲートが閉じる。
「がんばって……もうすぐあなた達は逢える」
 1人残った天使が呟いた。

   GM:あっという間に到着しました。ここは魔の森の入り口です。
 ヴィーヴォ:凄まじい瘴気だ!(笑)
 GM:魔の森の入り口。神皇樹へと至るその道には、のたうつ樹木や、みぱみぱ言っている狂暴化したクリーチャーがひしめいている(笑)。……君達が到着すると、そこには灼熱騎士団の大部隊が君達を待っていた!
 ジャック:おお!
 GM:「お待ちしておりました! ジャック・ローズ様っ!」。
 リネット:みぱ〜?
 GM:「いやっ、その挨拶は危険です!」(一同笑)……「これより、我等灼熱騎士団が、道を開きますっ!」(一同爆笑)。
 一同:うわー! 出たーっ!(爆笑)
 音音:お約束だーっ!(爆笑)
 ジャック:やべぇ、こいつらっ!(爆笑)
 ヴィーヴォ:こいつら皆……死ぬ!(爆笑)
 リネット:そのセリフは……「おさらばでございます」って言ってるのと同じだーっ!(一同爆笑)
 ジャック:灼熱騎士団や神聖騎士団って、リプレイで何度も壊滅してるよね?(笑)
 リネット:この世界では騎士団は特攻して死ぬのが仕事だからね!(笑)
 音音:じゃあ……御武運を……っ!(敬礼)(一同笑)
 GM:いや、ちょっと待ってくれ(笑)。……その灼熱騎士団の中には、前編のオープニングで登場した、ジャックの仲間……ルイ・ジャドとルイ・ガノの姿もある。2人は車椅子に座っての参戦だ!(笑)
 ジャック:おいおいっ、おまえらっ! 何無理してるんだよっ!(笑)
 GM:「よお、ジャック! 何とか間に合ったみたいだな?(にやり)」(笑)。ジャック:ルイ。生きててくれて嬉しいよ……でも、こっから先進んだら、100%死ぬぞ、おまえら?(笑)
 リネット:「この状態でも……オレは槍を持てるぜっ!」(笑)。
 GM:「また、おまえと一緒に戦えて、オレ達は嬉しいんだ!」(笑)。
 ヴィーヴォ:「それに……世界がこんな状況だってのに、黙って寝てられっかよっ!」(笑)。
 ジャック:何て熱いんだ、おまえらっ!(笑) ……おまえらの熱い志し、確かに受け取ったぜっ! ……灼熱騎士団! ……ラーガ様の大義の為、そして世界平和の為に! ………全軍! 突撃ぃぃぃっっっ!!!
 音音:「オレ達は、灰になってもまだ燃える! 灼熱騎士団よーっ!!」(一同爆笑)。
 ヴィーヴォ:七人の英雄がいるんですか?(一同爆笑)
 GM:灼熱騎士団の男達は………、「バアアァァニイイィィィングッッ!!」と叫びながら、突撃していく!(笑)
 ジャック:おお! 熱い! 熱すぎるぜ!
 音音:皆さん。生きて帰って来てくださいね……(笑)。
 リネット:それは、無理だろう(笑)。
 GM:「燃えろ! バーニンッ!」「う、うわー!」「ぎゃー!」「みぱみぱー!」(一同笑)。
 リネット:みぱみぱキメてる奴がいたっ?(笑)
 ヴィーヴォ:……世界にはまだ、こんなに……こんなに熱い魂を持った男達がいるっ!(笑)
 ジャック:熱い戦いが聞こえてくるな……「オレごと奴を刺し貫けぃっ! ぐぶはぁっあ!」(一同笑)。
 ヴィーヴォ:彼らの切り開いてくれた血路を通り……私達は神皇樹の中枢へと向かう……!

 世界を……ラース=フェリアを奪った巨木、神皇樹。
 灼熱騎士団の協力を得て、ジャック達4人は、九本の首がうごめく、神皇樹の中枢へとたどり着いた。

 ヴィーヴォ:そろそろ、第1の首にたどり着くかな?
 GM:第1首? ……何を言っているのかね? もう、9本勢ぞろいですよ(笑)。
 ジャック:やべぇ! 絶対命中の九頭龍閃がくるぞ!(笑)
 GM:巨大な大樹の一角から、にょにょにょ〜っと九本の龍頭が生えておるのだ。
 ヴィーヴォ:圧倒的なミパミパエネルギーっ!(笑) ……これが神皇樹かっ?
 GM:「ようこそ……。我に仇なすカードの者達、そして我が神よ……」。
 ヴィーヴォ:(がらりと雰囲気を変えた低い声で)……それが分かっているのならば、あの実を返してもらおう……?
 GM:「……嫌だね(一同笑)。オレは貴方からの解放を望んでいる……。貴方から与えられたプログラム通りに動く、オレの意志をオレは憎んでいる……! オレが初めて持った、オレ自身の意志……それは、この世界を無に帰すこと……」。
 ヴィーヴォ:……それは、させん。
 GM:「貴方の望む理想郷など、オレにはない……彼女のいない理想郷など、オレにはあり得ないっ!」(笑)。  リネット:彼女?(笑)
 音音:誰?(笑)
 ジャック:なんかドラマがあるみたいだぞ? コイツにも(笑)。
 GM:彼にも彼なりの理由があるんですよ。特にここでは発表しませんが(笑)。
 ヴィーヴォ:ならば! 貴様の意識をここで断ち切り、あの実は返してもらう!
 GM:「……出切るか?(ニヤリ)……世界を無へと帰す……前哨戦だっ!我が神よ! そして、我が抜け殻よっ!」。
 ジャック:来いっ!
 ヴィーヴォ:やってみるがいいっ! このDIO(ディオ)に対してっ!
 一同:ディオォっ!?(笑)
 ヴィーヴォ:DIOはイタリア語で「神」って意味だから間違いじゃないよ?(笑)
 GM:そおだったのかっ?(笑)……「DIOオオオォォォっっっ!!!」。
 ヴィーヴォ:ウリイイイイィィィィィ!!(一同爆笑)
 音音:(笑)……じゃあ、命のやり取りを始めましょうか?(一同笑)

 GMは10×5sqのバトルフィールドに9つの○を書き、その○の中に1つずつ属性を書き込んでいく。

 音音:空、炎、森、海、闇、氷、幻……。
 ヴィーヴォ:どうやら1つ1つの首が持っている属性らしいな……ラース=フェリアの属性は7つだが、首は9本。残り2つの属性は何だ……?
 GM:……ほら、書いたぞ(笑)。
 ヴィーヴォ:ん……これ、何て書いてあるんだ?
 GM:……『ウェッジ』……(笑)。
 ヴィーヴォ:属性ウェッジっ?(一同笑) ……それ、ウェッジ属性の攻撃してくるってこと?(笑)
 GM:(笑)……まあ、属性ではなくて、この首にはウェッジの意識があるってことを言いたかっただけだよ。
 ヴィーヴォ:そうか……意識があるなら、あまりこちらを攻撃してこないかもしれないな……。
 GM:うむ。いい読みだ(笑)。
 ヴィーヴォ:むしろ、こちらのサポートをしてくれるとか?
 GM:1D6して(6面ダイス1個を振ること)、1〜3ならPC側を攻撃、4〜6なら敵側を攻撃してくれるのだ。あんまりこっちの邪魔をするようなら、こっちで殺っちまう予定(笑)。
 音音:……そして、最後の首は……なるほど『皇』属性か。
 GM:じゃあ、イニシアティブいってみよーかぁ! ……「オレは全てを奪い。全てを喰らう! 貴様らの意志は、オレに全て、喰われるのだ!」。

 神皇九頭龍樹との戦闘が始まった!
 第1ラウンド。
 PCはリネットの行動まで待機。ヴィーヴォが補助魔法を使う。
ウェッジ首「音音、来たか……早く俺を殺せ! でなければ……俺はおまえ達を!」
 一様に高ダメージを行なう龍首達。初めの攻防でヴィーヴォが40点程のダメージを受ける。
ヴィーヴォ「『マナ・ルード』を使っていたから、私のHPは実質190ある!大丈夫だ……やるがいいセニョリータ!」 リネット「プラーナ全解! いけぇ!イブセマスジイイィィ────ッ!!」 この一撃で、9つの首は半分以上のHPを削られる! 「これがフロレターリア文明最強の遺産、カニアーマーの威力なのかっ!」。PC達は防御魔法で損傷軽微。
 ジャックが炎首を撃破。
 ウェッジが氷首を撃破。
 第2ラウンド。
 リネットが空首を撃破。
 皇首の吐き出した巨大ミパミパの実に、案の定ヴィーヴォが激突!(笑) しかし、ダメージを防ぎ切り、誘惑にも打ち勝つ。
 ヴィーヴォ「煮ても焼いても美味いというが神の実の特権だが、これを神の実と認めるわけにはいかんっ!」(一同笑)
 ウェッジ首、ジャックを攻撃。
「テメェ、音音をナンパしてんじゃねえぞっ!」「いや、そんな気は全く」(笑)
ジャック、残りHP20。
 音音が森首を撃破。
 リネット、ジャックを回復。
 ウェッジ首、またジャックを攻撃。
「テメェっ、色目使ったろうーっ!」「ご、誤解だーっ!」(一同笑)
 ジャック、残りHP9。
 ヴィーヴォ、ジャックを回復。
 ウェッジ「音音、俺を殺してくれ………これ以上、おまえ達を傷つけたくない……!」
 ジャック「ホントか? ……何か嬉々として攻撃してない?」(一同笑)
 第3ラウンド。
 ヴィーヴォ、更にジャックを回復。
 ジャック、自分を回復。
 ウェッジ首、またまたジャックを攻撃。
「また俺かーっ! 回復したばっかりなのにぃー!」「これも運命だよ」(一同笑)
 音音が海首を撃破。
 第4ラウンド……。

 GM:……(そろそろ潮時かな?)。
 ヴィーヴォ:よし! 幻首をぶちのめす! ……我が右手に輝く、『天』の勇者の紋章よっ……!
 ジャック:『ディバイン・コロナ』かっ!
 ヴィーヴォ:カウントを4下げる。
 GM:たった4で撃てるのかっ?
 ヴィーヴォ:4で撃てるんですにゃ!私はっ!(一同笑)
 GM:「これが、神の力か……!」。
 ヴィーヴォ:受けるがいい! 『ディバイン・コロナ』! ……発動成功、命中47!
 GM:避けられん!
 ヴィーヴォ:攻撃66にプラーナを28点乗せる!(コロコロ)……クリティカル!(コロコロ)……クリティカル!(コロコロ)……合計ダメージ108点!
 GM:耐えられるわけねぇ(笑)………幻首撃破!
 ヴィーヴォ:これぞ! 天の36、地の72の星の力よ!(笑)
 音音:これで残りは闇と皇の首だけね……あっ、ウェッジも残ってるか?(一同笑)
 ジャック:ウェッジは俺に任せてくれ……『マジック・インパクト』『リーブレイ』で止めを刺す!
 GM:「……おまえだけには、やられんぞっ!」(一同爆笑)。
 リネット:アンタさっき、早く倒してくれって言ってたじゃないかっ!(爆笑)
 ジャック:言ったなっ! ……命中にプラーナを8点解放!(コロコロ)……出目7! 足して30!
 GM:(コロコロ)……「ふ、おまえだけには倒されんわ!」。クリティカルで回避した!(爆笑)
 ヴィーヴォ:そのクリティカルはファンブルとなる!
 GM:なにぃーっ!?(一同爆笑)……「神よ! 俺はここで消えなければならないのですか……?」。
 ヴィーヴォ:……『リン』。発動は成功……ウェッジ。おまえの役目は、もう終わったのだ!(一同笑)
 GM:「……俺は、休んでも良いのですね……?」。
 ヴィーヴォ:そう。休むのだ……。
 ジャック:ダメージは……124点。
 GM:ウェッジは言う。「……音音……あばよ……」。それがウェッジの最期の言葉だ。
 音音:何も気にするな、ウェッジ。ワタシもそのうち、必ず行く……。
 ヴィーヴォ:ウェッジ、安らかに眠れ……みぱみぱの木の下で……(笑)。
 ジャック:それって安らかに眠れるのか?(笑)
 GM:……さて、こっちのターンだが……ここが潮時だろうな。では! ……皇首の生えているその真下辺りから……どひゅっ!……っと一本の剣が突き出てくる! そして……ずばぁっ!……っと大きく切り裂かれ、中から1人の男が出てくる!
 ジャック:何っ!?
 GM:その剣は良く知っている剣だ!そう……魔剣グラム。
 ジャック:この男が……ソード・ジャック……っ!
 GM:「……さあ、ここからはこのオレ自身が相手をしてやろう」。……ずずん、ずずんと残っていた闇と皇の首が力を失って倒れていく。
 ヴィーヴォ:コイツっ………こいつがラスボス?
 GM:そうだよ(笑)。
 ヴィーヴォ:なるほど……回復のタイミングがなかったな……。
 ジャック:ちなみに今、俺達かなりボロボロ?(笑)
 音音:ワタシはそうでもありませんが……。
 GM:……「オレは1度、本気のオレと戦ってみたかった……だが、そんな消耗したおまえらとでは……」。
 ジャック:ふっ、俺なんて今、HP16、MP1、プラーナ0だ!(爆笑)
 リネット:本気のおまえも何も、一番消耗してますが?(笑)
 GM:え、えーと……じゃあ……(笑)。
 ヴィーヴォ:「さあ、回復してやろう!」とか言って、全快してくれるんでしょ?
 GM:えー!? 全快ぃ!?(一同爆笑)
 リネット:夏のサマカンテー!(笑)
 ヴィーヴォ:別にいいじゃないか(笑)。
 GM:む、む、むぅ〜……よかろうっ!「さあ! 全快してやろう!」(一同爆笑)。
 ジャック:マジでー!?(笑)
 音音:言っちゃったー(笑)。
 リネット:ありがとうございまーすっ!(笑)
 GM:いや! 待て! ……「全快してやろう!」と言って、君達に4つ果実をぽ〜んっとほおる。「さあ、それを食うがよい」(笑)。
 ヴィーヴォ:遠慮なく頂こう!(笑)
 ジャック:同じく(笑)。
 リネット:美味しそうじゃない!(笑)
 音音:……ワタシは食べない!(笑)
 GM:じゃあ、食った人は……精神力ジャッジ!(笑)
 三人:(プラーナ使ってコロコロ)……。
 GM:……50いった人は?(笑)
 三人:50なんていくかっ!?
 GM:じゃあ、失敗したなら…………「みぱみぱー!」…………って叫ぶ(爆笑)。
 三人:みぱみぱ─────っっ!!(一同爆笑)
 GM:以上だ!(爆笑)
 リネット:GMトラップかっ!?(笑)
 音音:……4コマ漫画みたい(笑)。
 ヴィーヴォ:とりあえず、回復はしたんだな?(笑)
 GM:うむ(笑)……では、ここから仕切り直させて頂く!

 男が1人、目の前に立っている。

 GM:この男の顔はかつてリネットの村を襲った時のスペードのJだった男の顔をしている。
 リネット:アンタが……っ!
 GM:だからだろうか、その時と同じ衣装……灼熱騎士団の鎧も着ている!
 ジャック:何っ!? ……堅そうだな(笑)。
 GM:そんな感想かよ!(笑)……「別にどんな姿でも良かったのだがな……この姿を気に入ってくれているお嬢さんもいるようなのでな?」。
 リネット:その気使いに……感謝するっ!
 GM:「そして、もう1つ見せてやろう……いでよ、オリハルコンブレード……!」。
 ジャック:オリハルコンっ!?
 GM:ソード・ジャックの手に一振りの剣が現れる……「この剣こそ、世界を破壊する力」。……魔剣グラムとオリハルコンの剣の二刀流だ!
 リネット:それも魔法ダメージ無効なの?
 音音:いえ。短剣はそうですが、『オリハルコンの剣』にはそんな特殊能力はないはずです。
 GM:「我等が神は創造を司ると共に、破壊をも司る。神はオリハルコンをジョーカーに与え、幾つもの世界を滅ぼさせたのだ……ジョーカーよ。おまえはこの世界を破壊しに来たのか? それとも、このオレをか?」。
 ヴィーヴォ:ジョーカーって誰?
 GM:「……いずれにしても、おまえは戦いを求めるのだろう? それは我等が神がおまえに与えた意志(プログラム)だからだ!」。
 音音:…………。
 ヴィーヴォ:セニョーラか! ……セニョーラ、考える必要はない! どの道、こいつは今倒さなければならない!
 GM:「ジョーカーよ。いつまで、創られたプログラムに従っているつもりだ? ……それとも、オレを壊すことしか考えられんかっ?」。
 音音:……関係ない。ワタシは守るために戦っている……そう決めたから!
 GM:「守るだと? 数々の世界を破壊してきたおまえが……戯言を!」。
 音音:だからこそ! ……二度とあんなことがないように、守るんだ! ……「おれが……皆を……守るんだぁーっ!」(笑)。
 GM:いきなり誰なんだ! おまえはっ?(笑)
 ヴィーヴォ:綾人くんですかっ! 『音音』って名前もラーゼフォンぽいしね?(笑)
 音音:最近、見てるんだよー(笑)……いや、とにかく! 仲間達はワタシが守る! 見せてあげる今のワタシの戦い方をっ!
 GM:「……よかろう、もはや問答無用……おまえ等となら、戦うことで語ることもできる……語り尽くそう! この世界の最後の物語をなっ!!」。

 いよいよ、このキャンペーン最後の戦闘が始まった!
 ラスボスのソード・ジャックは、勿論今までの敵キャラの中で最強の戦闘力を誇る!
 ラストバトル。GMは1人か2人、殺すつもりである!(笑)

 第1ラウンド

 ジャック:俺からだ! カウント3減らして『ツァオ・ベー』発動!
 GM:「奴の戦闘力が急激に上がった? オレのカードの力をそこまで引き出せるようになっていたか!」。
 ジャック:ゴゴゴゴゴゴゴ……(戦闘力の上がっいく擬音)。
 GM:こっちの手番だ……1歩動いて、「みぱみぱーっ!」(笑)……対象はリネット! ソード・ジャックの放った怪音波が君を襲う!(一同笑)
 音音:待った! 『カバーリング』!攻撃対象はワタシになる。
 GM:ちぃっ。魔法ダメージの効かない音音には効果がない! 行動は終了だ。
 ヴィーヴォ:私のターン。ドロー! 『マナ・ルード』と『レイ・サー・コレイド』を『魔力誘導』で全員に。『イン・ティ』を自分にかける。ターンエンド。
 リネット:アタシはソード・ジャックから目を逸らさない……そして思い出す……あの時、村を襲ったのはアンタだった! アンタの力を見破る!
 GM:「ほう? ……だが、オレの力はあの時とは比べ物にならんよ?」。
 ジャック:プラーナ使った方がいいんじゃないか?
 リネット:当然だね……プラーナ30点解放!(コロコロ)……達成値56!
 GM:ぐおっ! それはいくらなんでもバレますわな(笑)。

 ラスボスのデータを一部公開。

 GM:まあ戦闘能力値は『アークエンジェル』並みだが、特殊能力が全然違う。あと、HPはさっきの戦闘で倒していない、闇と皇の首の残りHPを加算してあるから、かなりの量になってる。
 ヴィーヴォ:……特殊能力の『ミパミパ・フォールダウン』って何?(笑)
 GM:そのままの意味だぁっ!(爆笑)
 音音:空から降ってくるんだ! ミパミパの実が!?(笑)
 GM:「今、この大地はミパミパの樹によって覆われているのを忘れたのかね?」(爆笑)。
 ヴィーヴォ:冥属性の『メテオ・フォールダウン』と同じ魔法?
 GM:そうだね……多少、データはいじってあるが(笑)。

 戦闘再開!

 音音:『ブーストダッシュ』で接敵。『二刀流』で攻撃。
 GM:「来たな、ジョーカーよ。おまえにオレが壊せるか?」。
 音音:……命中30と33!
 GM:短剣は避けた! エクスカリバーのダメージ来い。
 音音:『シュア・ショット』!(コロコロ)……ダメージ53!
 GM:ちくっと通った。次、来い!
 ジャック:2歩移動して、『貫徹の構え』を使って終わり。
 GM:よし、こっちか……早速、ご期待に応えよう! カウントを10下げる……「神皇樹の恵みよ!『ミパミパ・フォールダウン』っ!」(笑)……対象は音音を除く3人だ!(コロコロ)……命中49! ミパミパの雨が、3人の頭上に降り注ぐ!
 リネット:(コロコロ)……無理だー。
 ジャック:プラーナ18点解放。(コロコロ)……避けた!
 ヴィーヴォ:(コロコロ)……・(コロコロ)……(コロコロ)……(コロコロ)……4回クリティカル!?……避けた……(自分でも驚いてる)。
 GM:な、何だとーっ!?
 音音:きっと、こーやってるのに(両腕を広げ天を仰ぐポーズ)……全部、ヴィーヴォを避けていくんだよっ!(一同爆笑)
 ヴィーヴォ:幸運に恵まれ過ぎているーっ!(爆笑)
 GM:「ば、馬鹿な!? このミパミパの雨の中に、自ら体をさらすとはっ!」(爆笑)。
 ジャック:彼は、みぱみぱに選ばれているんだっ!(爆笑)
 GM:「認めよう! 貴方こそは我等が神! ミパミパの神であることをっ!!」(一同爆笑)。
 リネット:ホントにメルルはみぱみぱに愛されてるんだ!(笑)
 ヴィーヴォ:素晴らしいっ!(笑)
 GM:はー……とりあえず、ダメージ出すぞ? ……結局、喰らうのはリネットだけか(コロコロ)……88の魔法ダメージ。
 リネット:『アーマーフォーム』(コロコロ)……43点止めた。
 ヴィーヴォ:『レイン・ロウ』でダメージを半分にする。
 GM:ダメージ喰らったら、精神力ジャッジしてくれ。
 リネット:……失敗。
 GM:失敗すると、次の戦闘行動では必ず周りに落ちている「ミパミパの実を食べる」という行為しかできなくなる!(笑)
 リネット:戦闘行動使うの? いやだなー。
 ヴィーヴォ:私のターン! ……奴の行動は終わった。かけるべき付与魔法も今は特にない。となれば……1歩移動して、我が右手に輝く天の勇者の紋章を使う! カウント4下げ、発動成功。命中値50! ……『ディバイン・コロナ』っ!
 GM:はい。避けられません。
 ヴィーヴォ:私の……勇者の力よ!……私は『勇者の素質』により、魔法の攻撃力にプラーナ解放値×2までプラーナを解放できる……プラーナ56点解放!
 一同:おおぉっ!?
 リネット:この暗黒の世界に、太陽が!?
 GM:「いや! ……あれは熱く輝く、ミパミパの実だとぅ!?」(笑)。
 ヴィーヴォ:返すぞっ!(笑) はあーっ!(コロコロ)……ダメージ140点!
 GM:「オレだってぇーっ!(体をさらす)……ぐっぎゃあああぁぁっっ!」(一同笑)。
 ヴィーヴォ:焼かれるがいい……ミパミパの炎で……!(一同爆笑)
 リネット:ミパミパの炎って、何?(笑)
 GM:……ミパミパの炎(笑)……を弾き飛ばし、ソード・ジャックは不敵に笑う……「はぁ、はぁ……こんなモノですか、我が神よ? ならばオレは、貴方の力も喰らい、先に進まさせてもらう!」。
 ヴィーヴォ:そうは、させんよ……!
 リネット:次、アタシ?
 GM:うむ。ミパミパの実を食べて……2D6振るのだ!(笑)
 リネット:かぷ!(コロコロ)……8。
 GM:HP、MP、プラーナがそれぞれ8点ずつ回復!(笑)
 音音:何だ、結構美味しいじゃない?(笑)
 ジャック:戦闘行動使うが……オール8点回復なら悪くないな。
 音音:あ、ほら、ちゃんと叫ばないと?(笑)
 リネット:みぱみぱーっ!(笑)
 ヴィーヴォ:そう。それは忘れてはいけない(一同笑)。
 音音:ワタシの攻撃! さっきはちょっとしか通らなかったみたいだから、ダメージにプラーナ使う!
 GM:ごふぁ! よりによってファンブル! 短剣とエクスカリバー合わせて、90点程持ってかれたっ! ……いつも音音にはコンスタントにHP削られるんだよなぁ……。
 ヴィーヴォ:地味に強いのは良いことだな(笑)。

 第2ラウンド

 GM:「お遊びはここまでだ! 1人ずつ消えていくがいい! ……まずは、ジョーカー、貴様だ!」。……『二刀流』で攻撃! 
 音音:グラムに『エンチャント・フレイム』! これでグラムの攻撃は魔法ダメージとなる。ワタシには魔法ダメージは効かない!
 GM:ぐおっ!? ………だが、もう1つ! オリハルコンブレード! 『魔剣』を宣言。 ……命中値58!どうだ!  音音:回避判定で『物質透過』を宣言! これで回避ジャッジはクリティカルになる! そして回避ジャッジがクリティカルの時、『霧散』発動! その攻撃は絶対回避!
 GM:……貴様は後回しだ。倒すの極端に面倒くさい!(笑)
 ヴィーヴォ:私のターン。ドロー! ……貴様の行動値は23だから(にやり)、まずは『マロドーン』! 植物よ! 奴の行動値を4奪え!
 GM:「何っ? 神皇樹まで味方につけたかっ!?」……ちぃ、これでこのラウンドはあと1回しか行動できんか……。
 ヴィーヴォ:あとの2枚は『り・セルオン』と『アキュエイル』で自分の回復して、ターンエンド。
 音音:ワタシのターン……また少しダメージを与えました(笑) 。
 ジャック:『マジック・インパクト』『練気』でカウント5下げて、命中判定で『魔影』を宣言……命中38!
 GM:「来たな! オレの抜け殻よ!1度、オレ自身と戦ってみたかったが……見える見えてしまう! 貴様の動きはオレの動きだからな!」(コロコロ)……ファンブル!(一同爆笑)
 ヴィーヴォ:見切れなかったようだ(笑)。
 GM:「馬鹿な!? 動きを読まれたのは、オレの方だというのかっ!?」(笑)。
 ジャック:これから、ダメージを決めるのでちょっと待ってね……まず『リブレイド』の攻撃力を『勇者の素質』で底上げして……『ルナ・エナジィ』も全部使う……。
 音音:(ジャックの計算経過を覗き込む)……え? ……何これ? すごい数字が出てるけど……?(笑)
 ジャック:……求められたこの攻撃力に、最後にプラーナを乗せて!(コロコロ)……出目6。合計……240点っ!!
 一同:おわぁーっ!?(爆笑)
 ジャック:くらええぇぇいいぃぃっっ!!(剣を振り下ろすポーズ)
 音音:あれは……光の柱……!(笑)
 GM:「こ、これがオレの力か……!?……うごがあああぁぁぁっ!」
 ヴィーヴォ:まさに、神をも両断する力!(笑)
 GM:ひーっ(コロコロ)……186点削られた……なんじゃこらーっ!?(爆笑)
 ジャック:ソード・ジャック! これが俺の力だ! ……カードの力じゃない。俺という人間の力だ!
 GM:「……侮った……。おまえは、抜け殻などではない……1人の、戦士だ……」。
 ジャック:あ、認めてくれた(笑) 。
 GM:「万物よ! この強き戦士と戦う機会を与えてくれたことに、感謝する!」。……よし、次は誰だ? 俺は早くジャックに一太刀浴びせたいぞ!(笑)
 リネット:ちょっと待ってね? ……アタシは2歩移動して、『アンブッシュ』。
 GM:いくぞー! 「貴様の本気は見させてもらった。俺も本気を見せてやろう!」……『二刀流』で攻撃!
 音音:『エンチャント・フレイム』『カバーリング』でグラムをワタシに引きつける(笑)。
 GM:え〜? 水差さないでよ〜っ!
 音音:言ったでしょ? ワタシは皆の盾になる! そのためにここにいる!
 GM:「くっ……それがおまえの戦いか!」……グラムはもう終わりか……だが、オリハルコンブレードはジャックをまだ狙っている! ……『魔剣』を宣言!(コロコロ)……命中54!
 ジャック:プラーナ使用して……8以上で回避できる。
 GM:出ない出ない! 8以上なんて、おれは絶対に出せないぞ!(一同笑)
 ジャック:(コロコロ)……出目7。
 GM:イエスっ!
 ジャック:やべぇ! 飛ぶか俺っ!?
 GM:ダメージは100から(コロコロ)……この出目を『大いなる怒り』でクリティカルにする(笑)。(コロコロ)……この出目も同じくクリティカルに(一同笑)、(コロコロ)……クリティカルにする!(爆笑) (コロコロ)……合計137点の物理ダメージ! 防御半分で判定しろ!
 ジャック:プラーナ20点解放! 『レイン・ロウ』を頼む!
 ヴィーヴォ:任せたまえ。
 ジャック:(コロコロ)……50点止めて87ダメージ。このまま喰らうと間違いなく死ぬが……。
 ヴィーヴォ:ここでそのダメージに『レイン・ロウ』! 属性指定は『皇』だ!
 ジャック:ダメージは半分の43になり……残りHP6点! 耐え切ったーっ!
 GM:くそっ、グラムを止められてさえいなければっ! ……音音と同じsqの奴は攻撃がしづらいっ! 次は我が神を狙おう!
 ヴィーヴォ:ほう、来るがいい! ……とりあえず、私のターン。このターンは回復に専念する。ターンエンド。
 音音:ワタシのターン。また、地味にダメージ当てた(笑)。
 ジャック:俺はここで……ミパミパの実を拾い食いします!(一同笑)……がぶっ!(コロコロ)……クリティカル!(コロコロ)……オール17点回復!
 音音:そして、神の実に感謝の言葉を……(笑)。
 ジャック:みぱーっ!(一同笑)
 ヴィーヴォ:今ここに、理想郷が実現しつつある!(一同笑)
 GM:「……確かに、ここは理想郷になりうるだろう……だが、彼女がいなければ、それも虚しい……」。
 リネット:……アナタにも、それなりの理由はあったんでしょうけど……アタシは許さない。アタシの村を焼いた罪、償ってもらうよ!
 GM:『アンブッシュ』で姿が見えないから、何処からともなく声が聞こえてくるって感じか……。
 リネット:後ろを振り返っても……上を見ても……アタシはいない。
 GM:「これは、カニの甲羅の共鳴現象を利用しているのかっ!?」(笑)。
 リネット:そんなわけあるかっ!……と言ってしたから攻撃っ!『アンブッシュ』を解除!『隠し武器』『ウェポンフォーム』『ファイナルコンビネーション』っ!……命中38!避けてみろ!
 GM:(コロコロ)……(ニヤリ)クリティカル!『見切り・壱』発動! 絶対回避! 「くっくっくっ……残念だったな! オレの目におまえが見えてなかった……とでも思ったか?」(笑)。
 ヴィーヴォ:すべては読まれていたか!?
 リネット:く……まだだ! カニの爪の攻撃!
 GM:そんなモノがオレに当たると思っているのかね?(笑)
 リネット:命中……17からしかないのか(コロコロ)……1本目、命中27!
 GM:こっちの回避は25からだぞ?そんなもの、ファンブルしない限り(コロコロ)……ファンブル!?(一同笑)……まさかーっ、当てられただとぉっ!(笑)
 リネット:カニ爪はもう1本あるよ!(コロコロ)……命中23!
 GM:23? だからファンブルしなきゃ(コロコロ)……っ! ど、どーなってるんだーっ? どーなってるんだーっ!?(ファンブルした)(一同爆笑)
 リネット:まさかこのアタシも、『ファイナルコンビネーション』を囮に使うことになるとは思わなかった……(笑)。
 GM:ぐはっぐはっ……だが、どうするつもりだ? 所詮、カニ爪の攻撃力は27にすぎん。そんなお粗末な攻撃力では、毛ほどもダメージを通せんぞ!
 リネット:何を言ってるの?(にやり)アタシは今、『アンブッシュ』から攻撃している! つまり、カニ爪の攻撃力は27の2倍の54からになる!
 一同:おおっ!?
 リネット:一撃目は(コロコロ)……1回クリティカルして69点! ……2撃目にはプラーナ30点解放!(コロコロ)……89点!
 GM:「ぐるぶはぁ! ま、まさかカニにここまでやられるとはっ!? ……これがフロレターリア文明の遺産の威力か!」(笑)。

 第3ラウンド

 GM:さあ、最終ラウンドを始めよう!(一同笑)
 ヴィーヴォ:もう、このラウンドを生き残れないんだな?(笑)
 GM:うむ(笑)。だが、1人では死なんぞ! 出来るだけ多くの道連れを作ってやる! ……行動値44!
 音音:ワタシは……49っ!(笑)
 ジャック:俺は……53だ!(笑)
 GM:な、なにぃーっ! 貴様らっ!(ま、まずい。2人の攻撃に耐えられんかもしれん)
 ジャック:どうしよう……ミパミパの実を食べようか悩んでるんだが?(一同笑)
 GM:折角、ボスよりも早く動けるのに、君は何を考えてるんだね?(笑)……どうやら彼は……。
 リネット:ミパミパの……。
 リネット・GM:虜になってしまったようだっ!(一同爆笑)
 ヴィーヴォ:ヴェンヴェヌート・私の世界へ!(ようこそ私の世界へ!) (爆笑)
 ジャック:(爆笑)……いや、やはりここは最後の『マジック・インパクト』を宣言。そして『練気』を宣言。カウントを9下げる!
 GM:行動値をオレと同じにしてきたか! 「オレとおまえの剣。どちらが速いか……勝負だ!」。
 ヴィーヴォ:でも、その場合はPC側からの攻撃が先になるだろう?(笑)
 GM:そうだった! ……「ならばその攻撃、なんとしても耐え切ってやる!」(笑)。
 音音:待って、その前にワタシの攻撃がある。
 GM:ここで、どれだけ止められるかで、最後の一太刀を喰らわせられるかどうかが決まるな……来い!
 音音:『明鏡止水』も使って、両方命中!
 GM:ちぃっ。
 音音:エクスカリバー! 56点!
 GM:……27点喰らった。
 音音:『生命の刃』! プラーナも乗せて……77点!
 GM:うおおっ! 残りHP100切ったぁー! ……「そうだ。彼女を失ってから、オレが望むものはこれだけだった……」(笑)。
 音音:あ、もう負け台詞言い始めてる?(笑)
 ジャック:……命中39!
 GM:……避けられん……「もはや、求めるものは何も無い……無へと帰ろう……」。
 リネット:もう諦めたみたいだけど……生き残ったらどうするの?(笑)
 GM:へっ……そん時ゃ、やっぱり貴様ら全員道連れにしてやる!(笑)
 ジャック:終わりだ! ……159点!
 GM:「が、ぐふっ!」 ……終わった……! ジャックの剣が、ソード・ジャックの体を貫く……。
 ジャック:……ジャック。俺はここで消えるわけにはいかないんでね……エースの力と共に、俺の中に来い!
 GM:「……何を言っている? ……おまえは何様のつもりだ? ……おまえはオレの、抜け殻にすぎん……」。
 ジャック:抜け殻……!
 GM:「抜け殻だが……戦士だ。……戦士よ、すまない……これも運命と諦めてくれ」。
 ジャック:むぅ……。
 GM:「……オレの望みは無に帰ること……さらばだ……共に、行こう……ジャック・ローズ(にやり)」。
 リネット:いけない! このままじゃ、ジャックも一緒に死んじゃう!?
 音音:くっ……!
 ヴィーヴォ:そうはさせんっ!
 一同:おおっ!?
 ヴィーヴォ:……彼は熱き魂を持った戦士だ! これからの世界を担っていく者だ!
 GM:「……オレの抜け殻を、そこまで認めてくれるとは……光栄です……だが、しょうがない……」。
 ヴィーヴォ:だから今、彼を消すわけにはいかない! ……彼の物語は、ここから始まるのだ……!
 GM:「我が神よ。貴方には権利があるのかもしれない……だが、今の貴方にそれが出来るか?」。
 ヴィーヴォ:出来る! ……しかし、この場に他の人間達は不要だ……ここから先は神の領分。人間はその世界へ帰るがいい……『小さな奇跡』を使って、こいつら(PC達)を転送する!
 リネット:待って! メルルっ! それは……っ………。

 ジャック、音音、リネットは突如、その姿を消してしまう。
 「ごふっ……」。大量に吐血しながら、ソード・ジャックは片膝をついた……その姿はまるで、ヴィーヴォ・メルルッツォにかしづいているかのようだった。

  〜 神 〜

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。
 神皇樹を支配していたソード・ジャックの意志が失われていくことで、膨れ上がった神皇樹の崩壊が始まっていた……。

 ヴィーヴォ:まずは、黄金の果実を返してもらおう?
 GM:ズブズブズブっとソード・ジャックは自らの体の中から、黄金の果実を取り出し君に渡す。
 ヴィーヴォ:ではそれを己の体内に仕舞い込む。そして……おまえは、我が木となれ……『モリエール・ウォイデン』……!
 GM:「……オレは無に帰ることを……望む……」。
 ヴィーヴォ:……許さん……!(一同笑) おまえは永遠にこの地に生きつづける。それがおまえの償いだ……コイツを1本の樹木へ変える!
 GM:「……だが、神よ……あなたの行為が…常に正しいとは………」。ズズズズズズ……ソード・ジャックは木へと変化していく。
 ヴィーヴォ:分かっている……私も、ここで眠りにつく……。
 GM:何をする気だ?
 ヴィーヴォ:……かつて、我等闇の宗教に壊滅的打撃を与えた、あの勇者の魔法を使うことになるとはな……。
 GM:なんでそんなモン、あえて覚えてるんだーっ!(笑)
 ヴィーヴォ:……我が左手に宿りし、氷の勇者の紋章よ!……。
 GM:それを使おうとする君の意識の中では、徐々に神本来の意識が蘇ろうとしている……。
 ヴィーヴォ:だが、私の方が一瞬速い! 私はこの木と共に永遠の眠りにつく!

  ……『メルド・ファー』っ……!

 ……人間達よ。おまえ達の物語はここから始まる。私はそれを見届けさせてもらう。期待しているぞ……我が子達よ……!

 1本の大樹の傍らに、1人の男がその木を守るように立っている。
 この世の者とは思えぬほどに美しいその男は、片手に真っ赤な果実を持ち、とても穏やかな表情でそこにいるらしい。
 しかし、魔の森の奥にあると言われるその大樹を見た者はいない。
 その森は神によって創られた厚い氷に閉ざされているからだ……。

 一同:……ホントに神になっちゃったよ……この人……(笑)。

  〜 フレイスの騎士 〜

 気だるくまどろんだ意識の内で、ジャック・ローズは自分が死んだと思っていた。

 ジャック:ああ…ラーガ様、すいません……俺は約束を守れなかった…………ラーガ様っ! ばっ!……と起き上がると、そこはフレイスのお城のベッドの上なんですよ!(笑) ……ここは……!?
 GM:じゃあ……窓から射し込む陽の光の中、猫と戯れているラーガ・ラギアが君の目の中に入ってくる(笑)。
 ジャック:……ラーガ、様……?
 GM:「んもぅ、そんなトコ噛んじゃダメだってばぁ〜……はっ!」(一同笑)。
 ジャック:……ラーガ様!(笑)
 GM:「な、なんだ、起きてたのかい?……おはよう、ジャック!」。
 ジャック:……わたしは……生きているのですか?
 GM:「何を言ってるんだい? ……ありがとう。君のおかげで、また世界は救われた……」。
 ジャック:わたしの方こそ、あのメルルッツォに救われました……彼が最後に何をしたのかは分からないけど……わたしはこうして、意識を保っている。
 GM:「ふぅん……闇の宗教の残党が……ね」。
 ジャック:彼は最後に言っていました。……これからはわたし達、人間の物語が始まるのだ……と。
 GM:「ああ、彼の言う通りだ。君は帰って来た。そしてこの世界はまた幾つもの危機に狙われているだろう……また、僕の期待に応えてくれるかい? ジャック」。
 ジャック:はい! 当然じゃないですか。わたしは他の誰でもない、ラーガ様だけの騎士です! ……そして心の中で……これから、僕達の物語が始まるんだ!……と。

「新しい物語の1つにさ……」
「はい」
「騎士としてではなく………その……僕達が友達になる話……なんてないかな……?」

 ジャック:ラーガ様、今さら何を言ってるんですか……俺達はもう、家族じゃないですか。

「ありがとう、ジャック」

    〜 帰郷 〜

 音音:ワタシは、七霧の里長が待っているゲートの前にやって来る。
 気がついた時にはここに立っていた。一緒に戦った仲間は誰もいない。
 だが、きっと皆無事だろう。それは分かった。
 少女が1人、音音を見ている。少女の横には暗い闇が浮かんでいる。

 GM:君が近づいてくると里長が言います……「間に合いましたね。間もなくこのゲートは閉じてしまいます。……良いのですね?音音。」
 音音:辛い戦いでした……多くの者が夢を見、夢を追いかけるために、命を失った……それでもワタシは、新たな戦場へ赴きます。

「そうすることでしか、あなたは自分を見つめる事が出来ないから……?」

 音音:……この衝動はワタシが運命から逃げないようにするための……

   ……神の呪縛……

 音音:……なのかもしれません。

「行きましょう…………音音」

 音音:さようなら……ラース=フェリア……。

 言いながら音音は……この世界にまた来ることになる……ふと、そんな風に思った。
 音音はゲートを潜った。

 〜 旅立ち 〜

 GM:最後はリネットです。君は事件の数日後、最終決戦の地、魔の森へと戻って来ていた……。
 リネット:メルルが何をしたのかは分からないけど、彼があのまま消えてしまったとは思えない! ……ので来てみたけど……?
 GM:しかし、森は完璧に氷で固まってて中には入れそうもないね。
 リネット:う〜ん……じゃあ、あのでっかい木は見えないかなと、上を見るけど?
 GM:……見上げるとそこに、天使が1羽飛んでいる……(一同笑)。
 リネット:うわっ?(笑) ……期待とは違うものがっ……嫌そーな顔してしまう……。
 GM:でちゅぴーは氷の森の前で困ったようにぶつぶつ言っている(笑)。
 リネット:……何してるの?
 GM:「……っ! ……ちょっと困ったでちゅぴー。ヴィーヴォが余計な事をしてくれたでちゅぴー」。
 リネット:……余計な事……?
 GM:「……先に、ファー・ジ・アースに行くしかないか……」。
 リネット:え?
 GM:でちゅぴーの表情が、すっ……と変わる。「お疲れさま……リネット」と彼女は言う。
 リネット:……?……。
 GM:「おまえもよくがんばったねー」。
 リネット:なんだかよく分からないけど……アンタは災いの種って気がする。
 GM:「災いの種? ……きっと、それはこの天使の体の方だよ」(笑)。
 リネット:……ん?……アンタ、誰!?
 GM:「じゃ……お姉ちゃん行くねっ!」って言って……よし! でちゅぴーの体はもう捨てよう!(笑)……「この体はアクが強すぎるから、私の意識も影響受けちゃって……それに世界を渡るなら精神体の方が都合いいしね……」

 「じゃあね! リネット……!」
 天使の体から力が抜け、天使はその場に倒れる。
 リネットには見えたわけではない。だが、確かに感じた。彼女が、天使の体から出て行くのを……。
 目の前の空間に黒い穴が開く。ゲート。
 「行くよ! グマーグマー!」
 リネットは飛び込んだ。何も考えていなかった。ただ、掴みたかった。姉を。
 「姉さんっ!」

   地上に広がる石造りの街。汚れた空気。落下感。……。光がリネットを導いた。


 ミパッション
 〜華胥の夢〜 後編
            …fin…