■『ミパッション』 〜華胥の夢〜 中編■ |
■セブンフォートレスX3 リプレイ 〜ミパッション 華胥の夢〜■ ■プリプレイ GM:……ジャックのプレイヤーがいないけど、時間もないことだし、中篇を始めましょう! リネット:あれ? ジャックってかなり中心的なキャラじゃなかったっけ? GM:ええ。今回のPC1です(笑)。ちょっと、遅れて来るらしいので……。 リネット:分かった。それまでに空気を温めておけって事だな……OK! じゃあ、絶望的な状況を用意しておこう(笑)。 GM:では、ハンドアウトを読みまーす。……PC1は飛ばしてPC2、リネット。 リネット:ホーイ! ■リネット用ハンドアウト “彼”に出会ってから、君は急速に昔の記憶を取り戻しつつあった。 彼の振るう剣。敵をなぎ倒す剣。……その剣が君の愛する人々を切り裂く! シナリオコネクション ……グマーグマー リネット:あれ? “彼”?(笑) GM:まあ、だいたい予想はついていると思いますが(笑)。 リネット:誰だろうなー……まだ来てないみたいだけど?(笑) GM:困ったもんです……次ー、音音。 音音:(元気よく)……はい! 音音です! よろしくお願いします! GM:今日は明るいですね(笑)。 ■音音用ハンドアウト 皇玉を取り戻し、幾度となくそれを守り抜いてきた君は、明日ようやくファー・ジ・アースへと帰ることになった。 音音:やれやれだぜ……(ジョジョっぽく)。 リネット:キャラ違ぇーよっ!(笑) だが、まだ事件は解決したわけではない。このまま帰って良いのだろうか……? 音音:はい。帰ります!(即答) GM:ぐはっ(一同笑)。 ……ま、迷う君の前に…… リネット:全然迷ってなーいっ!(笑) 迷う君の前に、スペードに乗っ取られたウェッジが現れる。 シナリオコネクション ……ウェッジ GM:ウェッジ。覚えてますか? 音音:あー……覚えてます。ワタシの里の門番で、ビッグスの相棒ですね(笑)。 GM:そうです。今はスペードに体を乗っ取られているらしいです。 音音:はい。歯牙にもかけません。 GM:ぐはっ。 ヴィーヴォ:微妙なシナリオコネクションだな(笑)。 GM:えー、おれの中ではカッコいいキャラだけど……名前が悪いのかなぁ?(笑) ■ヴィーヴォ用ハンドアウト また、夢。 だが、それはいつもと違う夢。 大樹に一輪の白い花が咲いている。 白い花を見上げる君の手の中には、皇玉が輝いている。 そして、君の後ろにはでちゅぴーが……他人の夢に入って来るな! 君は思わず、ツッコミを入れた。 シナリオコネクション ……でちゅぴー ヴィーヴォ:……変なの(笑)。 GM:ごもっともです(笑)。……えー、では気を取り直して、オープニングシーンいってみよー! ■オープニング 01 〜皇花(おうか)〜 PC:ヴィーヴォ・メルルッツォ■ いつもとは違う夢。 うっそうと生い茂る木々の間を君は彷徨っている。空は枝葉に覆い隠され、辺りは暗い。 やがて君は、木々の切れ間に光を見つける……。 ヴィーヴォ:あれは……ミパミパの実?(一同爆笑) 暗い森は突如終わり、光差す開けた丘に、その大樹は在った。 ヴィーヴォ:……これはっ? GM:「これは、『神皇樹』でちゅぴー」ヴィーヴォの後ろにでちゅぴーが現れる。 ヴィーヴォ:うおっ(笑)。……神皇樹とは、いったい何なんだ? GM:えーっと……「すごいミパミパの実がなる木でちゅぴー」(笑)。 ヴィーヴォ:す、すごいみぱみぱっ!(一同笑) GM:神皇樹は確かに、超でかいミパミパの木に見えなくもないです。 ヴィーヴォ:……言われてみれば、そこはかとない威厳と、荘厳さと美しさ……。 音音:……そして女の子が告白に行きそうな……(一同笑)。 ヴィーヴォ:ラブリーさが相まった……素晴らしい木だなっ!(笑) GM:「告白……してみるでちゅぴー?」。 ヴィーヴォ:私が告白する相手は、すでに決まっている……(真剣な眼差し)。 GM:「えっ……だ、誰でちゅぴー?(ドキドキ)」。 ヴィーヴォ:それは……この世界だ!(一同笑)。 GM:「へーそうでちゅぴー(呆れ)。……ヴィーヴォ、もうすぐ『すめらぎばな』が花開くでちゅぴー!」。 ヴィーヴォ:……は? ……すめらぎばな? GM:でちゅぴーが指差す先、神皇樹の枝の1つに、花のつぼみをたった1つ、見ることができます。 ヴィーヴォ:あの、すめらぎばなが開くという事は即ち……どういうことなんだ? GM:「すめらぎばなに、すめらぎたまをあげると……」。 ヴィーヴォ:……あげると? GM:「すごいミパミパの実ができるでちゅぴー!」。 ヴィーヴォ:凄いでちゅぴー!(一同笑) GM:「ちょっとやってみるでちゅぴー」。 ヴィーヴォ:しかしでちゅぴー、私はすめらぎたまを持ってないでちゅぴー……。 GM:(ヴィーヴォの手を指して)「見るでちゅぴー。持ってるでちゅぴー」。 ヴィーヴォ:(手を見て)……あれ? おっかしいなっ! ……いつの間にっ?(笑) GM:「ヴィーヴォ……これは夢でちゅぴー」(笑)。 ヴィーヴォ:なるほど……ではこの夢見る力、存分に利用させて貰おう!……花のところまで、フワフワ〜って飛んで行こう(笑)。 GM:では君が近づくと、白いつぼみがゆっくりと、開いてゆく。 ヴィーヴォ:これは……なんと美しい! GM:「タマタマを、すめらぎばなに捧げるでちゅぴーっ」。 ヴィーヴォ:では、ゴトンと置く。 皇玉は皇花に吸い込まれる。皇花の美しい白い花弁が1枚1枚、ゆっくりとおちてゆく。 美しい花が散る姿……しかし今、ヴィーヴォの心にはかつてない喜びと、興奮が訪れていた。 ヴィーヴォ:……素晴らしい……!! 花弁が散った後に残るもの。そこにある、1個の果実。それこそヴィーヴォが求めるもの。 ヴィーヴォ:これが……グレートミパミパの実!(一同笑) それこそ究極の存在……至高の果実……黄金のミパミパの実。 ヴィーヴォ:黄金の……ミパミパの実っ!? GM:そう(笑)。 ヴィーヴォ:……まさしく、これが……黄金体験ということか!(一同爆笑)音音:……言うと思った(笑)。 リネット:ゴールド・エクスペリエンス?(笑) GM:どうしますか? 目の前に、まばゆいばかりの黄金のミパミパの実が、ぶらりんっぶらりんっと、なっているわけですが? リネット:……嫌ななり方だな(笑)。 ヴィーヴォ:じゃあ、その果実を……もぎ取るっ! GM:ヴィーヴォは果実に手を伸ばす……だが! 黄金の果実はヴィーヴォが掴み取ろうとした瞬間、その姿を消してしまう! ヴィーヴォ:……っ! 何故だっ? GM:果てし無い絶望と喪失感! ヴィーヴォ:何故っ、この私の手の中に黄金のミパミパの実がないんだっ! 相応しいのが誰か! よく考えてみろ──っ! 手に入れるのは私でなければならぬっ! 力ある者でなければならぬのだっっ!!(一気にまくし立てる) 音音:力が足りないんじゃない?(笑) ヴィーヴォ:……許さん! 私は必ず手に入れる! そしてっ……絶頂にっ……返り咲くのだぁっ!! GM:「少し落ち着くでちゅぴー」(笑)。 ヴィーヴォ:はー、はー……すまん。少し激昂し過ぎたようだ(笑)。 GM:「この夢の中では、まだ体験してない黄金のミパミパの実を手に入れた時の至上の感覚は、感じることができないようでちゅぴー」。 ヴィーヴォ:……なるほど。つまり、実際に私がすめらぎたまを手にし、大樹に赴き、すめらぎばなにすめらぎたまを捧げて、この私の手の中にあの至高の黄金のミパミパの実を掴み取れば、味わえるのだなっ! GM:「そうでちゅぴー」。 ヴィーヴォ:それが私の成すべきことっ。それこそが闇の宗教が真の理想郷へと至る道にもなる! GM:ほんとか?(笑)……「急ぐでちゅぴー! すめらぎばなが散ってしまう前に神皇樹にたどり着かないとダメでちゅぴーっ!」。 ヴィーヴォ:分かった……だが、1つ聞きたい。神皇樹とは何処にあるんだ? GM:「それはおまえがこの前のセッションで言ったでちゅぴー」(笑)。 ヴィーヴォ:おろ? GM:『それは……グマーグマーが知っている』って最後の方で言ってました(笑)。 ヴィーヴォ:……うむ。己の発言には責任を持たねばならんな(笑)。 GM:「それじゃあ、そろそろ起きていいでちゅぴーよ」。 ヴィーヴォ:ふっ。面白くなってきたじゃないか(にやり) ヴィーヴォ・メルルッツォは不敵に微笑みながら、ゆっくりと目を覚ました。 * * * 直後、ジャックのプレイヤーが到着。主人公不在のままシナリオを進める危険を冒さずに済んで、ほっとするGMです。 ■オープニング 02 〜異世界の再会〜 PC:風華輪 音音■ GM:んでは、シーンプレイヤーは音音。 音音:はい、音音です! よろしくお願いします! GM:本当に今日は明るいですね(笑)。……皇玉を取り戻して数週間経ち、明日ようやく、音音はファー・ジ・アースへと帰ることができます。 リネット:おめでとー。 音音:皆さん、今までありがとうございました。 ジャック:あれ、帰っちゃうんだ? ヴィーヴォ:ちぃっ……すめらぎたまを手に入れるチャンスは、あと1日かっ(一同笑) GM:里長から届いたメールを音音は一人、部屋で確認しているところです。 「音音。あなたが皇玉を取り戻してくれたこと、嬉しく思います。 あなたが無事でいてくれることを神木に感謝します。あなたにだけ辛い旅をさせてしまい、本当にすいません。 次元門を開く準備がようやく整いました。そちらの時間で、『○月×日△時□分』にゲートは開きます。 音音に神木の加護があらんことを。 P.S. くどいようですが、お土産は要りませんからね? 里長 」 音音:部屋の中には、どどーんとお土産の山があります(一同笑)。 GM:では、音音が一人、部屋で物思いにふけっていると……。 音音:(勝手に)……何奴っ!(笑) ヴィーヴォ:(勝手に)(曲者のセリフ)「……バレてしまっては仕方ない」(笑)。 音音:2人いるなっ!(笑) GM:……まぁ、大体あってますが(笑)……「確かに、見方によっては“2人”なのかもしれん……久しいな、音音」。 音音:ウェッジっ! GM:闇の中からスッとウェッジは現れる……「音音、おめぇ本当に帰ぇっちまうのか?」。 音音:この世界に未練などありません。 GM:「おめぇに未練がなくとも、その皇玉だけは置いてって貰わなきゃならねぇんだがな?」。 音音:……どうしても欲しいのならば、力ずくで奪ったらどうですか? アナタは昔からそういう男だった。 GM:……(なんか言い回しが危ないな)。「今の俺ぁ昔の俺じゃねぇ。スペードの8に体を乗っ取られ……いや、半ば融合した意識を持った存在だ」。 音音:随分前から気付いていました。アナタの野心にはね……。 GM:お、俺の野心ーっ?(なんじゃそらーっ)(笑) 音音:里を自分のものにしようとした……アナタの野心っ(笑)。 GM:やめてーっ! おれ的にいい奴になるはずのウェッジが悪い奴になってしまうーっ! ヴィーヴォ:大丈夫。最期に愛に目覚めれば良いんだよ(笑)。 GM:「まぁ、待て。俺の話を聞け(笑)……俺ぁこのスペードの8と一緒になってから分かっちまったことがあるんだ……」。 音音:知らなくてもいい事を知ってしまうと、自分の行動に迷いが生まれる……。 GM:「……そうかもしれねぇ。だが、迷いがなさ過ぎるってのも、人間としてどうなんだろうな? ……おめぇは少し、強化され過ぎなんじゃねぇのか?」(笑)。 音音:……確かに(一同笑)。でも、歪んではいない。 GM:「おめぇは真実を知らねぇ。……音音、おめぇは帰るべきじゃねぇ! これは半分は俺たちスペードの都合だが、もう半分はおめぇの為に言ってんだぜ?」。 音音:……それは、どういうこと? GM:「皇玉のこと、俺たちの里のこと、里長が目指していること、そして音音、おめぇ自身のこと……そういったもんが、こっちに残りゃおめぇにも見えてくる」。 音音:……興味、ないな。 GM:「……興味ない、か……まいったなぁ(一同笑)。……まぁ、いい。俺の伝えてぇことだけは伝えたぜ。一晩ゆっくり考えな」。 音音:考える? ……もう結論は出ているのに?(笑) GM:「そう結論を焦るねぃっ(笑)。とりあえず、今夜はひとまず退散するぜ」。 音音:意外とおとなしく帰るのね?(笑) GM:「ああ。……だが、明日おめぇが出す結論によっては、俺もおとなしくはしてられねぇだろうさ」。 音音:ワタシとアナタのこれまでの戦績は……ワタシの33勝0敗(笑)。ワタシに一度も勝ったことがないのに? GM:次から次へと勝手なことをっ(笑)……「それぁ、俺がおめぇのことを……っと、そいつぁ俺の甘酸っぺぇメモリーだ……言わせるんじゃねぇぜ!」(一同爆笑)。 ジャック:甘酸っぱいメモリーって(笑)。 リネット:なんだよ、それ! ……言いたいことは分かったけどさ(笑)。 音音:……ワタシはここから、今直ぐにでも帰りたくなりましたっ!(笑) GM:「じゃあな、音音。また明日、会おう……」。シュバッ(消える擬音)。音音:それが最後の別れになるだろうけどね……。 GM:「……そうは、ならねぇよ……」。……いかん。このままじゃ、音音が帰っちまうよー(一同笑)。これはもう、ヴィーヴォ先生になんとかしてもらうしかないな!(笑) ヴィーヴォ:ウムゥ……今、その為の策を考えているのだが……音音は私にとって天敵だからなぁ(笑)。 ■オープニング 03 〜君は僕の誇り〜 PC:ジャック・ローズ■ GM:次はジャックのシーンだ。変則的だが、まずはハンドアウトを読もう。ジャック:うむ。頼む。 ■ジャック用ハンドアウト 次元門多発事件は更なる危機の、ほんの序章にすぎなかった。しかも、その危機は君の運命に大きく関わっているらしい。 そして、君は知るのだ。主君ラーガ・ラギアの口から衝撃の真実を。 今、君の物語は急激に加速を増し、終幕へと突き進む! シナリオコネクション ……ラーガ・ラギア ジャック:終幕へ向かうのかっ?(笑) GM:さあ?(笑)……というわけで、ジャックはラーガ・ラギアの執務室の前に来ている。 ジャック:うむ。……あ、いちおー聞き耳をたててみる(笑)。 GM:……「こらぁ、そんなとこ噛んじゃだめだろぉ? フフ諱@そんな悪い子には、お仕置きしちゃうぞぉ?」。 ジャック:……あ〜あ(がっくし)……がんがんっとノックする! GM:「はっ……!」ばたばたっ(笑)。 ジャック:ラーガ様。インペリアルガード、ジャック・ローズ参りました。 GM:「……入れ……」。 ジャック:失礼します。ばたんっ。 GM:「……やあ、ジャック。報告は聞いているよ。……どうやら今回の件は、君の過去に深く関わっているようだね?」。 ジャック:はい。そのことで1つ、お許し願いたいことがあります。 GM:「何だろう? 言ってごらん?」。 ジャック:わたしはあの女性に、暫く同行しようと思うのですが……。 GM:「へぇ……音音くんと言ったかな。でも彼女は明日、皇玉を持って元の世界に帰ると聞いてるけど……君も?」。 ジャック:はい……皇玉はわたしの過去の手掛かりです。おそらく皇玉と共にあれば、奴ら……わたしの過去を知る者達と接触できると思うのです。 GM:「そうか。君の決意は固いようだね……暫く会えなくなるなら、僕が知っている昔話を1つしておこう」。 ジャック:……ラーガ様? GM:「5年前……」。 5年前、リネットの故郷シュッツバルトの村からフレイスに使者が現れた。 使者によると、村には世界の存亡を左右するアイテム、『SEED』が隠されているのだが、SEEDを狙う者達が現れたので力を貸して欲しい、という事だった。 ラーガはその要請に応じ、灼熱騎士団の部隊を編成した。 しかし、戦士の1人が既にカードに乗っ取られていたため、シュッツバルトにSEEDがある事を知られてしまった。 騎士団が村に到着したときには既に、村は壊滅していた。 壊滅した村から騎士団が回収してきたのは、カードに乗っ取られていた騎士の死体と、その騎士の剣『魔剣グラム』、そして騎士を乗っ取っていた『スペードのJ』のカードだけだった。 GM:「……僕はカードに新たな肉体を与え、情報を引き出そうとした……でも、彼は何も覚えていなかった。………そして、それは今に至っても、ね」。 音音:(ラーガ)「それが君だよ……ジャック」(笑)。 GM:そうそう。 ジャック:がびーん! ……では、ラーガ様! わたしは誰なんですか?今喋っているわたしはスペードのJなのですかっ? それともスペードのJに与えた肉体の意識なのですかっ?GM:「僕がスペードのJに与えた体は、記憶も意志も、意識もないホムンクルスの肉体だよ……」。 ジャック:……ではやはり、わたしはスペードのJ……。 GM:「……そうなるね。でも君はスペードのJとしての記憶や意志を持っていない……人間の記憶喪失と同じように、スペードのJは何らかのショックを受けて記憶を失っているのかもしれない」。 ジャック:……くっ……。 GM:「……ジャック、これだけは言っておくよ……これから先、君と君の物語がどんな風に流れてゆくのかは分からない……」。 リネット:GMにも分からない……(笑)。 GM:「……だけどねジャック。君はこの5年、このフレイスを……いや、世界を幾度となく救ってきた。このラーガの……僕の期待に応え続けてくれた。……フレイスのインペリアルガード、ジャック・ローズの名は僕の誇りだ。この事を覚えておいてほしい……」。 ジャック:……おお、ラーガ様……!ご安心下さい。……たとえ全てを思い出しても、わたしはわたしです。スペードのJじゃない……わたしは貴方に仕える、ジャック・ローズです! GM:「ありがとう、ジャック。……君が彼女について行くのもどうすのも、君の自由だ。君が決めるといい。……ただ、君の帰る場所は、このフレイスだよ?」。 ジャック:……はい! ……ジャック・ローズ、暫しお暇を頂きます。 GM:「いってらっしゃい、ジャック」。……ジャックが部屋を出たところで、このシーンは終了。 リネット:あれ? ラーガ様、もう子猫とは遊ばないんですか?(笑) ■オープニング 04 〜悪夢 語られた真実〜 PC:リネット■ それは記憶の奥底に封じられていた筈の過去の事実……それが見せる、悪夢。 リネット:アタシも夢見てるのか。 村が襲われている。君の目の前でおじさん、おばさん、友人、そして家族が無残に殺されていく……。 一本の剣が舞う。その剣は“彼”が持つ剣と同じもの。 幾筋もの血煙があがる。剣……魔剣グラムはやがて君にも迫る。体中に返り血を浴びて、君に迫る男の顔。 知らない男の顔……だがその顔が、“彼”の顔になる……。 ジャック:(スペードのJになって)……「SEEDを出して貰おうか?(一同笑) おまえも見ていただろう? 我々は女子供とて容赦はしない!」……“ぶしゅぅっっ”……と側にいた老人を殺す! GM:「ぎゃあぁぁ!」。 ジャック:「さあ、SEEDは何処だ!」と少女のリネットに剣を突きつける。リネット:この時のアタシは村の秘密なんて知らなかったから……知らない! ……って答える。 ジャック:「では……死ね!」。言いながら、剣を振り下ろそうと……。 GM:ぎぃん! リネットの姉がリネットを庇う! ジャック:「む…できる! ……女っ、SEEDを渡せ!」。 GM:「SEEDは渡さない!」。 ジャック:「……感じる。感じるぞ! この先にSEEDがある!(ニヤリ)」。 GM:「くっ!」っと動揺する姉(笑)。 リネット:アタシ、覚えたての弓でお姉ちゃんを援護しようとする! ジャック:じゃあ、そっちに『リブレイド』とかが飛んでいく(笑)。 GM:「リネットっ、あぶなーい!」……どーんっ! ……とリネットを突き飛ばす姉(一同笑)。 ヴィーヴォ:で、勢い余ってリネットは谷に落ちていくわけだな(笑)。 リネット:ねえさ──────んっ! GM:んで、君は夢から覚める。 リネット:がばぁ! ……また、あの夢か……っ? GM:グマーグマーが心配そうに、リネットを見ています。「ぐまーぐまー」。 リネット:黒くてつやつやな毛をそっと撫でつつ……あの夢は……と呟く。 GM:……「ぐるるるるぅ」と唸り始めるグマーグマー。 リネット:口をぎゅって抑えて、唸るのを止めさせる(笑)。 GM:「ぐむぐむぐむぅ……」。グマーは窓の外を見ろって言ってるらしい(笑)。 リネット:ぐまぁ? GM:窓の外を見ると、天使が飛んでいます……ばっさばっさ……。 音音:「エルフレア弁当いかーすかー?」(笑)。 ジャック:なんでお城に、天使の弁当屋がっ!(笑) GM:違う! どっからわいて出た!(笑) ……知ってる天使だね。アウローラだ。 リネット:アウローラって、今はスペードのKだよね? GM:うん(ニヤリ)……天使は君に気付いて近づいてきます。……ばっさばっさ。 リネット:う〜ん……窓を開けようかな……がちゃ。 GM:「お招き、感謝するよ?」(笑)。 リネット:おまえはどこの吸血鬼だっ!(一同笑) ……いったい、何の用? 戦いに来たって感じじゃなさそうだけど? GM:「先日会った時から気になっていた……昔馴染みに会ったんだ、挨拶くらい当然だろう?」。 リネット:昔馴染み? GM:「しかし、解せんな……何故、その娘の体を使わないのだ?」。 リネット:……何のこと? GM:「5年前は、その娘とほぼ変わらぬ固体を使っていただろうに……?」。 ジャック:あ、まさか……っ? GM:「……それとも、貴様はそれだけ力を減じたというのか? ……どうなのだ? ソウル・エースよっ!」。 リネット:アタシは全く要領を得ない……ちょっとアンタ、人の話し聞いてる? GM:「別に、わたしはおまえと話しているわけではない」。 リネット:見えない何かと話してるんだったら、どっか人のいない所でやってよっ! GM:「見えているよ。いるではないかっ……おまえの、足元に……」。 ジャック:「ぐまーぐまー」。 リネット:アタシの足元には、グマーグマーしかいない……っ? GM:「娘よ、知らなんだか? こやつは我等と同じ存在。ソウルの……いや、ハートの最後の生き残りよ!」。 リネット:ど、どういうことっ? GM:「……このハートのエースこそが、おまえの姉の体を乗っ取り、死に至らしめた張本人ということさっ! けーっけっけっけっけっっ!」(笑)。 リネット:……で、でたらめを言うなっ! GM:「くふふ、くっくっくっ……はーっはっはっはっっ! ……もう1つ、面白いことがある!」。 リネット:まだ、あるんだ? ……GM、何でそんなに活き活きしてんの?(笑) GM:いやー、バラすの楽しくて(笑)。……「おまえの姉の体を滅ぼした……即ち、直接手を下したのは、おまえ達と一緒にいる……ジャックだったなぁっ! あーっはっはっはっはっはっっ!」(悦)。 ジャック:なにぃーっ! GM:「愚かな娘よっ。自らの仇……その2人と行動を共にしているとはなぁっ! ……あー、可笑しいっ!」(一同笑)。 リネット:…………。 ジャック:やべぇ……GMのこの楽しそうな顔っ(笑)。 リネット:その喋り方……むかつくっ!(笑) GM:「はーっはっはっはっはっ!」。高笑いを残してスペードのKは去って行く(笑)。 リネット:……アタシの心に暗い影を落とした天使。その無防備な背中に、追い撃ちをかける気力もないアタシ……。 GM:「ぐ、ぐまー……」。 リネット:…………。 ■GMシーン 〜迷子の子猫〜 ■ GM:ふー。やっとオープニングが終わりました。続いてミドルフェイズの前に、GMシーンを1個入れます。 かつ、かつ、かつ、かつ……。 フレイスの美少年王は足早に、王城の暗い廊下を歩いている。 ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ……ぴ。 ラーガはふところから、魔道携帯通信端末機を取り出す。 「僕だ。今、発令所に向かう。……。そうか、直ちに灼熱騎士団をフォーラに向かわせろ。……。フォーラとは僕が交渉する。それから……、っ!」 ぴっ。 ラーガは携帯を切る。彼の目の前に天使が舞い降りる。 「炎導王、ラーガ・ラギア様ですね?」 「そういう君は、アウローラ……いや、今はスペードのキングだそうだね?丁度良い。君に直接、話しを聞きたいな?」 ラーガは戦いの構えをとる。 「今は、貴方と戦いに来たのではない。貴方に、協力してもらおうと思いましてね」 すっ、とキングは手に持った『モノ』をラーガに見せる。 ……“にゃー”……。 「き、貴様ぁ────────っ!」 「おっとぉ、おとなしくしてて下さい?君のお友達が可哀相なことになりますよ?(ニヤリ)」 「くっ……!」 「そう、それでいい。……子供は、大人の言うことを聞くものです……」 美しい天使の顔が……ニタリ……と歪んだ。 一同:……っ!(爆笑) ジャック:ちょっと待てぇーい!(爆笑) GM:はい。GMシーン終了(笑)。 ジャック:ラーガ様! そんな脅しに屈しないでーっ!(笑) リネット:無理だろー(笑)。 ■ ミドルフェイズ 01 〜誘拐事件発覚〜 GM:ミドルシーンいきまーす。早朝、PC全員に召集がかかる。 ジャック:……きたか(一同笑)。 リネット:じゃあ、すぐ着替えて、陰気な顔して行く。……途中で、同じく優れなさそうな顔したメルルッツォに会う。 ヴィーヴォ:……夢か……(ブツブツ)……あれは言うなれば『華胥の夢』……。 リネット:お、おはよー……? ヴィーヴォ:(ブツブツ)……その昔、第八世界のことであった……。 リネット:な、何しゃべってんの?(笑) ヴィーヴォ:……太古の昔、ある国に黄帝と呼ばれる王がいた。黄帝は若き時は善政を行なったが、老いて後は何事も上手くいかなかった……そんな時、黄帝は華胥の国の夢を見た……。 GM:おお。このキャンペーンの副題の事ですね!(笑) ヴィーヴォ:……その華胥の国に住む人々は皆、生からも死からも解放された、真に精神の自由な人々であった……そここそまさに、真の理想郷。夢を見て後、黄帝は夢で見たような国を作ろうとし、そして国は再び栄えていったという……。 リネット:……で? ヴィーヴォ:……まさしく、私が見ている夢は華胥の夢……。 音音:いや、違うでしょう!(一同爆笑) ヴィーヴォ:……違っている点はたった一つだけ……その真の精神の自由が、ミパミパの実によってもたらされるということだ……っ!(一同爆笑) リネット:なんだ。浮かない顔してるけど、いつも通りだ。ちゃんとみぱみぱ言ってる(笑)。……ほら、メルル。呼ばれてるんでしょ? こっちだよ。 ヴィーヴォ:みぱみぱ〜?(一同笑) ジャック:(爽やかに登場)……やあ、二人とも。こちらにいらっしゃっいましたか。そろそろ会議が始まりますよ。 リネット:……っ! ジャックを見て、不自然に歩みを止める。 ジャック:……? どうかしましたか、リネットさん? リネット:……別に……ちょっと夢見が悪かっただけだから。 ジャック:そうですか……そちらの彼は……。 ヴィーヴォ:みぱみぱ〜? ジャック:いつも通りですね(笑)。・・・…会議室はこちらです。行きましょうか。 リネット:…………ええ。 GM:会議室に皆、揃いましたか? 音音:はい。ワタシは先に来ていました。 GM:では、会議室には偉い文官の人が待っていて、少し慌てた気味に話し始めます。 音音:何でしょうか? GM:「え、炎導王が……誘拐されてしまいました……っ!」。 ジャック:な、何ぃっ!? ヴィーヴォ:それは本当ですか? GM:「……はい。詳しい事は、こちらの娘に聞いてください……」と言って部屋に入って来るのは、アウローラですね。 リネット:おいっ? GM:「どうも……カードからは解放されたアウローラです……」。 音音:どうやら、正気に戻っているようね? ジャック:確かに、彼女からはスペードの気配はしない。キングは出て行ったようだな……。 GM:そのようですね。「はい……スペードのKはこう言いました……『炎導王を返してほしければ、皇玉と交換だ』……と」。 ジャック:……馬鹿なっ! 素晴らしい英知と共に、最強の肉体を持っておられる、あのラーガ様がっ!? リネット:どうやって誘拐したの? あの得体のしれない王様を?(笑) GM:「……そ、それは……すいません。わたしの口からは……」(笑)。 ジャック:アウローラさん……それは、みなまで言わずとも……っ(笑)。 リネット:卑劣なっ(笑)。 音音:……つまりは、ワタシの持っている皇玉が必要というわけですね?ヴィーヴォ:そういう事になりますね。 リネット:引渡し場所は? GM:「……『神皇樹へ持って来い』……と」。 ヴィーヴォ:神皇樹っ! ……やはり……。 GM:「神皇樹の場所までは、わたしは知らされませんでした。でも、その場所のことは……そこの、リネットさんのペットが知っているとキングは言いました」。 リネット:……っ!! 音音:行きましょう! 今、すぐにでも! ジャック:音音さん……良いのですか? 音音:人の命には代えられませんから。 ジャック:……ありがとう。 ヴィーヴォ:神皇樹……どの道、私もその場所へ行かなければならない……皇玉を持って(にやり)……私もお供しましょう! リネット:裏があるなー(笑)。 ヴィーヴォ:大丈ー夫ですよ。私に裏があるとすれば、それは闇の宗教に関しての事だけです(笑)。 音音:それだけでも、十分すぎる程の裏ね(笑)。 ジャック:当然ながら、俺も行きます。主君を救うのは騎士の務めです! 音音:それじゃあグマーグマー? 連れて行ってくれる? その神皇樹のある所へ。 GM:グマーグマーはリネットに「ぐ、ぐま〜?」と言いますけど? リネット:…………。 ヴィーヴォ:どの道、彼女が決断しなければならないか。グマーグマーは彼女の使い魔なのだからな。 リネット:本来なら……「使い魔じゃない!」……と反論するところだけど、今は……。「じゃあ、連れて行って」……と言うだけにする……。 GM:では、君達の話がまとまると、文官のおじさんが言います。「……ラーガ様救出はあなた方4人だけで行って貰わねばなりません……。大きな理由は2つ。1つは、王が誘拐された情報をこれ以上広めないため。もう1つは、現在、灼熱騎士団は隣国フォーラの異常事態に備えており、動けないのです」。 ジャック:少数精鋭なのはいつものこととして……異常事態というのは? GM:「……数年前に焼き払われたフォーラの魔の森の一部が、緑を急速に取り戻し、しかも、そこに魔物や異界の者達が集まっているらしいのです」。 ヴィーヴォ:なるほど、了解した。有益な情報かもしれないな。 GM:「もしもフォーラに行くようなら気をつけて下さい。……ラーガ様のこと、お願い致します」。 音音:分りました。さあ、行きましょうっ! ■ミドルフェイズ 02 〜神話〜 ■ GM:君達はグマーグマーの導きで街道を進んでいます。方向的にはフォーラに向かっているようですね。 ヴィーヴォ:まあ、そうだろうとは思ったが。 GM:出発して間もなく、△時□分になった時のことです……。 ジャック:そうか、音音さんが帰る為のゲートが開くんだった。 GM:音音の背後の空間に突如、黒い穴が現れます。 ヴィーヴォ:な、何事ーっ?(笑) 音音:黒い穴からは、バァーン!っと巨大な左腕が出てくる!(笑) GM:そうでしたね(笑)。……穴の向こうから、「さあ、その掌に乗るのです。音音」と、女の子の、里長の声が聞こえてくる。 音音:……里長。ワタシはこちらの世界でやらなければならない事が出来ました。 ヴィーヴォ:はぁ、良かった(一同笑)。 GM:「やらなければならない事? ……まさか、皇玉を使うつもりなのですかっ?」。 音音:分りません。ワタシはただ、命と皇玉の重さを考えると、命の方を守りたいと思うだけです。 GM:「命? それは幾つの命ですか?」 音音:……命に、数など関係ありません! GM:「……そんな事はない……とわたしは思っているけど、そういう事を言うと最近の若い人は反発するだろうから……えーっと……」(一同笑)。 リネット:里長さん! 喋っちゃってるよっ!(笑) 音音:里長、話しは以上です。ワタシは戻りません。 GM:「くくぅ……し、仕方ありません!爺やっ!」と言うと、左腕がぐわぁーっと音音を捕まえようと伸びてくる!(笑) 音音:バックステップを踏んで回避する! GM:「遅いっ!」。命中値36を回避しろっ! 音音:くっ、それはプラーナ使わないと無理……。 ヴィーヴォ:彼女を今、連れて行かれるわけにはいかんっ。眼鏡粒子砲を撃つ! ばーんっ! GM:「あじゃじゃーっ」というジジイの野太い叫びがあがる(一同笑)。 音音:ひるんだところに、エクスカリバーで追い打ちを!(笑) GM:「うおおぉぉっ?」……ちょ、ちょっと、爺やの手がっ!(爆笑)……「音音、どうしても戻らないと言うのですね?」。 音音:ワタシは目の前で助けを求める命を救いたいだけ……それに何か問題が? ヴィーヴォ:……命は救うけど、命さえ救えば、あとはどうなっても構わない的な考え方してないか、君は?(笑) 音音:いや、あの爺さんの腕はすぐに再生するから大丈夫!(一同笑) GM:おいっ、ちょっと待て!(笑) ジャック:すごい爺さんだ(笑)。 リネット:今、お爺さん……「そりゃ、初耳だ!」って顔してるよ、きっと(笑)。 GM:「……仕方、ありませんね……あなたを派遣したときから、こうなるかもしれない事は覚悟していました……」(笑)。 ジャック:それ、大いなる人選ミスじゃないか?(一同笑) GM:「いえ、彼女でなければ、この任務を果たすことは出来ないでしょう。……かくなるうえは、音音……超すごいお土産を持ち帰りなさい! でないと、許しませんからね!」(笑)。 音音:買っておいた沢山のお土産を、どさどさっと黒い穴に入れる(笑)。 GM:持ってきてたんかいっ!(笑) ヴィーヴォ:……その中に、ミパミパの実を1個入れておこう(一同笑)。 GM:「長、ご覧下さい。これはミパミパの実ですぞ!」「まぁ、懐かしい!」(一同爆笑)。 ヴィーヴォ:懐かしいのかっ?(爆笑) ジャック:……少し、里長さん達とお話し出来ないかな? GM:「はい。何でしょう?」(笑)。 ジャック:……すいません。彼女は私の主君、ラーガ様を助ける為に力を貸してくれているのです。 GM:「はあ、余計なことを」(ボソ)。 ジャック:我が主君を助けた暁には、必ず皇玉と一緒にお返しします。約束します。 GM:「皇玉と一緒に返す? ……しかし、あなた達は神皇樹のもとに向かっているのでしょう。……そして、皇花に皇玉を使うつもりでいる者がこの中にいるのを、わたしは感じますよっ?」(笑)。 ヴィーヴォ:駄目ですよ、そんなこと考えちゃっ。グマーグマーっ(一同笑)。 GM:「ぐ、ぐまっ?」(笑)。……「いいですか……スペードの手によって、神を復活させることはなんとしても避けねばなりません。皇玉は使ってはなりませんよ!」。 ジャック:……神の、復活? 音音:ならば、出来る限り善処します。 GM:「……神の復活は、我等の手によって果たされるべき偉業なのです!」(笑)。 一同:おいっ!(爆笑) ジャック:その話って、初めて聞くよね? GM:そうだね。 ジャック:すいません! その辺りの話をもう少し詳しく! ヴィーヴォ:神の復活? ……理想郷の話は知ってるけどなっ(笑)。 GM:君だけだろ、狂った理想郷を追っかけてるのは(一同笑)。 ジャック:……あなたは知っているのですか? スペード達の目的を? GM:「スペードの目的……」。少し長くなるけど、順序立てて説明しよう。 かつて、超至高神の命令に従い、百八の神々が主八界を創った。 我等の神は、その百八の神々の中の一柱だった。 ヴィーヴォ:今では古代神と呼ばれる神々の一柱だったと。 音音:古代神達は、ワタシの世界を狙うエミュレイター達の元締めのような存在ね。 我等の神は主八界創造の折、真の理想郷を創るために全身全霊を込められた。そうして生まれた理想郷は、本当に素晴らしい世界だった。 一本の大樹の下に全ての存在が協調できる、美しい世界。 だが、超至高神はその理想郷を独り占めしようとし、古代神達もその世界を渡すまいとした。 我等の神が創りだされた理想郷がもとで、神々の戦は始まった。 リネット:かなり偏った解釈だな(笑)。 神々の戦が続く間は理想郷の想像は出来ないと判断された我等が神は、 自らの知識や肉体を引き裂き、主八界に散らばらせ、しかる後に自らを復活させるプログラムを残した。 我等の神を復活させるため、我等の神の欠片を集めるプログラム……それが我等、カードポゼッショナーなのです。 ジャック:……カードポゼッショナー……欠片を集め、神を復活させるプログラム……俺も、そのプログラムなのか……? リネット:……皇玉やSEEDが、その神様の欠片ってとこかな? ヴィーヴォ:……話の中で、『我等』って言ってるけど……里長さんも? GM:うおっ! いかん、余計な事をっ! ヴィーヴォ:どうやら、口を滑らせたようだな(笑)。 ジャック:あなたも……そうなのですか? GM:むぅ……「我等はセプター……クラブに属する者です」。 ジャック:……では、音音さんも? GM:うっ……(まだ、言いたくない)……「え、えーとぉ……彼女は……」。 音音:ワタシはそんな神話なんかに興味はありません。カードだって持ってないし。 GM:(助かった)……「あ、そろそろ時間切れです。お土産よろしくー!」……ばたんっ!(笑) ヴィーヴォ:今、空間に穴が開いてた筈なのに……“ばたんっ!”って閉まるの?(笑) 音音:なんか、変な音ね(笑)。 GM:さあさあ、旅を続けましょうよ!リネット:誤魔化しきれてないぞ、GM?(笑) ■ミドルフェイズ 03 〜野営〜 ■ リネット:GM。旅の途中で町には寄れるかな? 買い物がしたいんだけど。 GM:目的地までは随分ありますから、途中で幾つも町を通るでしょう。 リネット:なら……えーっと、コンポジット・ボウを買いました。 GM:……今さら? 何に使うつもりなんだ? ヴィーヴォ:セニョリータには、何か策があるのだろう。 リネット:いや、策なんてないよ……。ヴィーヴォ:じゃあ……「ボウが好き」とか?(笑)(←何が面白いんだか) GM:……はっ! グマーグマーを使わないつもりかっ? ジャック:……そういうことか。 GM:グマーグマーが悲しそうに「ぐま〜ぐま〜……」と……。二人の間には、なんか倦怠期なムードがっ(笑)。 リネット:倦怠期とは違うだろうけどね……。 GM:そして、リネットが距離を置いているのは、グマーグマーだけではなく……。 ジャック:俺かっ? ……ああ〜、気まずいパーティだなぁ、これは……。 リネット:まぁ、アタシの方から一方的にって感じだろうけどね……。 音音:じゃあ、ワタシがグマーグマーを慰めてあげよう……おいで、グマーグマー。 リネット:音音がグマーと一緒にいるなら……アタシはミパミパ星人と一緒にいるしかないのか(笑)……それもアレだから、皆とは少し壁を作っていよう……。 ヴィーヴォ:「アレ」とは何ですか?(一同笑)……駄目ですよー。皆と仲良くしないとー。 リネット:皆の意見に従わないってことはないけどね……火の番だって、見張りだってやりますよー……。 GM:……では、次のシーンは……。 ジャック:……今日はこの辺りで休みましょう。野営の準備を始めます。 GM:……ぱちぱちぱち……(焚き火の爆ぜる音)。 ヴィーヴォ:……ほーほー……(フクロウの鳴き声)。 音音:ワタシは毛布を体に巻きつけて寝ます。ワタシの番になったら、起こしてください。 ジャック:初めは俺が火の番をしよう。 GM:……ぱちぱちぱち……。 ヴィーヴォ:……ほーほー……。 ジャック:……そろそろ交代の時間だ……リネットさんを起こそう。 リネット:あまり眠れなかったので、すぐに起きる……。 ジャック:じゃあ、リネットさん。次の火の番をお願いします。 リネット:分りました……。 ジャック:…………リネットさん、少し話しませんか? リネット:……寝なくていいんですか? ジャック:……ちょっと寝付けなくて……このミルクを飲んだら寝ますよ。 リネット:……分りました……それで、何ですか? ……ぱちぱちぱち……。 焚き火の火を挟んで、彼は腰掛けている。 ジャック:……俺には、5年前以前の記憶がないのですが……先日、ラーガ様から聞かされた事があります。……SEEDに関してのことです。 リネット:…………それで? 何か分ったの……? 5年前……SEED……炎の色が、リネットの目に飛び込む……。 ジャック:…………5年前、あなたの村を襲ったのは…………俺かもしれない……っ! リネット:…………っ! 炎に照らされる……剣。 炎の向こうに見える……顔……! ジャック:いやっ、確かに俺なんだ!その時、俺はスペードのJで、他のスペードの一味と君の村を滅ぼした! GM:その時、村で何があったのか、やはりジャックには分らない。スペードのJは記憶を失い、ラーガ・ラギアに新たな体を与えられ、ジャック・ローズとなった。 ジャック:記憶がないなんて、言い訳にしかならない…………っ。 記憶……村人達を切り裂いた剣。剣を持つあの男の顔……炎の中に浮かび上がる……! ジャック:……でも……1つだけ、分っている事が……ある……! リネット:…………。 ……二つの男の顔を……炎が……近づける……。 ジャック:……俺は、あの人を………ラーガ様を助けたいっ! この事だけは、信じてほしい! …………重ならない。 彼は、あの男ではない……。 リネット:(ニッコリ)…………あなたを見ていれば、どれほど王様を好きかって事、分るよ。……それに……仇だなんて思ってない! ……ただちょっと、落ち着く時間が欲しかっただけ……気に障ったのなら謝るよ。 ジャック:もしかしたら……本当の俺の事を知っているんじゃないか? ……俺自身よりも……。 ……重なるわけがない。 リネット:さーねっ? ……アタシが知ってるのは、別の男だよ! アンタの事なんか、知らないよーだっ! 彼は、仲間なのだから……。 ジャック:ありがとう……リネットさん。リネット:話したら、アタシもちょっと楽になったかな。 ジャック:……じゃあ、火の番をお願いしますね。 リネット:ふー……。人間関係は良しとして、問題はグマーグマーの方だ。 ジャック:あ、じゃあ寝付く前に……リネットさん、相棒とも早く仲直りした方が良いですよ? リネット:余計なことを(笑)……ご忠告、感謝する! ……そして、彼女とも……。 リネット:さて、と……次は誰を起こそうかな? ……こっちを起こそう! ヴィーヴォ:みぱみぱ〜?(一同爆笑) ジャック:寝起き、やべーなぁ(笑)。 リネット:メルルッツォ! 交代の時間だよ!(笑) 音音:GM。1人ずつ回していくの?このシーン長くない? GM:そうだねぇ。何もネタが無ければ、このシーンは終わりにしますが? ヴィーヴォ:私に、任せておきたまえっ! ……火の番? その前に……不審者が2人、近づいてくるぞ!(一同爆笑) GM:また、いい加減なことをーっ!……誰が出て来るんだよっ?(一同爆笑) 音音:ワタシも起きて、もう火の前にいます(笑)。 ジャック:俺は寝ながら、剣の柄に手を掛ける(笑)。 ヴィーヴォ:いやいや、敵とは限りませんよ?(笑) リネット:じゃあ、アウローラとか? GM:アウローラはもう、用済みじゃ! リネット:んじゃ、アタシのコネで『放浪の魔術師カザマ』とか?(笑) GM:今さら、いらねーわ!(笑) ヴィーヴォ:誰が出るかなっ? 誰が出るかなっ?(←無責任男) GM:……えーいっ、しょうがない! ここはまた、ウェッジに登場してもらおう!(笑) ヴィーヴォ:ほう? どうやら私の客ではないようだが……君の客ではあるようだ……セニョーラ。 音音:……ウェッジ。 GM:「やあ、音音」(一同笑)。 音音:ウェッジ。あなたの言う通りになったようね。 GM:「ああ。聞いてたぜ、長との会話」。 音音:今夜は、何の用? GM:「な、何の用?(一同笑) ……ふっ、決まってるじゃないか……俺達と一緒に、来ないか?」って、前と同じこと言ってるな(笑)。 音音:お断りします。 GM:「そうだよね」(笑)。「俺は何しに出てきたんだ?」(一同笑)。 ヴィーヴォ:最後通告じゃないの?(笑) GM:う~ん……おっ、こんなのはどうかな……。 リネット:何か思いついた?(笑) GM:……「おまえ達は、神皇樹に向かっている……そうだな?」。 ジャック:ああ。 GM:「時間が無い。あと3日もすれば、皇花は枯れてしまう。おまえ達のペースでは間に合わないぞ?」。 ヴィーヴォ:何っ? では、どうすればいい? 音音:ワタシにとっては時間は関係ありません。ワタシは皇玉を渡すだけ……。 GM:「それでは意味が無い。間に合わなければ、ラーガ・ラギアは殺す」。 ジャック:それでは困るっ! GM:「ふっ、では間に合わせるんだな」。 リネット:どうやって? GM:「そんな事は、おまえらで考えろっ」。 リネット:ゲートを用意してくれるとかしてよっ。そっちだって、交渉が決裂したら困るでしょ? ジャック:俺達は渡す気がないとは言ってない。ラーガ様を助けたい! だが、時間がないならなんとかしてくれ! GM:「う~ん……しょうがないなぁ……あ、そうか! 俺ぁ、おめぇ達を迎えに来たってわけだぜ!(一同爆笑)……これで納得がいったぜ」(爆笑)。 音音:さあ、とっとと連れてってもらおうか(笑)。 GM:「おお。準備はいいのか? ……じゃあ、やるぜ? ……ゲートよ……開けっ! ……さあ、出来たぜ。入んな!」(笑)。 ジャック:簡単にできるんだな(笑)。 音音:じゃあ、率先して入ろう。 ジャック:同じく。 リネット:アタシも入る。 ヴィーヴォ:……彼らはいったい何処へ向かうのか……。それを見届けるのも、面白い。 GM:1人残っているヴィーヴォに、ウェッジが話しかける……「わたしは貴方様がどちらに向かわれるのかが、とても気になります」。 ヴィーヴォ:ほう? 何を言っているのだろうか、おまえは。 GM:「お帰りをお待ちしております。今は、神皇樹のもとへお急ぎください……」。 ヴィーヴォ:まあいいだろう……どちらに転んでも、面白くなる事だけは、確かだ(にやり)。 GM:ヴィーヴォがゲートに入った後、ウェッジも入る。そしてゲートは消える……このシーンは終了だ。 リネット:何? 最後の意味深な会話は?(笑) ヴィーヴォ:私は、何も考えてませんよ?(笑) GM:いちおー考えはある。良い反応でしたよ(笑)。 ■ダイブ 〜仲直りとカニ〜 ■ GM:ゲートを抜けると、君達の目の前には森が広がっている。……「こっから先は、おめぇら自身の力で進め。向こうで待ってるぜ。……またな、音音」。 音音:やれやれ。あんな馬鹿なところは変わらないんだから……。 数年前まで『魔の森』として恐れられ、ラグシア新興国によって焼き払われたはずの森。(←フォーラの森砦参照) しかし今、4人の目の前にはうっそうと木々が乱立している。集まってきたクリーチャー達が徘徊するこの森は、もはや、魔の森呼ぶに相応しい姿を取り戻していた。 ただ1つ、過去と違う点をあげるとするならば、それは乱立する木々には一様に、赤い果実がなっていることだった。 ジャック:みぱみぱかっ!(笑) ヴィーヴォ:ここは……楽園なのかっ?(一同爆笑) 音音:ミパミパ・ファーム・プロジェクトっ?(笑) GM:グマーグマーが「ぐまーっ」と言います。『こっちだ』と言っているようです。 音音:ついていこう! ヴィーヴォ:(錯乱)……おおーぅ!?わ、私はどうしたら……いいんだーっ!? ……みぱっ? みぱっ?(一同爆笑) 音音:この人、もう駄目ですよー?(爆笑) リネット:グマーグマーとミパーミパーを連れて、冒険しよう!(爆笑) ヴィーヴォ:「みぱーみぱーっ!」 (一同爆笑)。 今回のフォートレスはこの「魔の森」改め「みぱみぱの森」である。 みぱみぱの魔力による幻覚作用なのか、いわゆる『迷いの森構造』のフォートレスである。 正しい進み方をしないと、同じ所をぐるぐる回ってしまう。それも、まともな思考回路では正しい道を見つけることは出来ない。 ヴィーヴォ「惑わされてはいけない。さぁ君達もこの実を食べるんだ!大丈夫、みぱみぱの力を信じたまえっ!」 一同「みぱみぱーっ!」 ミパミパの実を食べ、みぱみぱ言いながら進む4人。 しかし、ゴール間近、グマーグマーを使っていないリネットは罠の発見に失敗してしまう。 リネット「グマーグマーの『ワイルド・パーセプション』使ってれば……」 リネットは他の3人とはぐれ、独り、木の洞の中に閉じ込められてしまう……。 リネット:……どうやら、閉じ込められたみたいだな……。 GM:「ぐま〜……」と君の足元にいるグマーグマーが心配そうに言います。 リネット:え、グマーグマーもいるの? GM:そりゃあ、データ的には君の持ち物みたいなものですから、一緒にいるのが自然でしょ? リネット:う〜ん……GM。グマーなら、この小さな穴から外に出られる?GM:むぅ……そうだね。さっきも言ったが、外に通じてるこの小さな穴は、君には通れない。でも、グマーグマーなら辛うじて通れるだろう。 リネット:よし、じゃあ(冷たく)……アンタだったら、ここから出られるでしょっ……アンタは皆を案内しなきゃいけないんだしっ。 GM:「ぐまーっ」……首をふるふる振りながらグマーグマーは『君といる』と言う。 リネット:アタシの事はほっといてっ……行きなさいっ、グマーグマーっ! GM:「ぐまーっ!」……グマーグマーは動かないよ。 リネット:グマーグマー……。 GM:……グマーグマーはどこからともなく、1枚のカードを取り出す。それは、ハートのAのカードだ……。 リネット:……それはっ! ……じゃあ、キングの言ってた事は……本当の事……。 ヴィーヴォ:そうではないっ! 今、セニョリータが信じなくてはならないのは、グマーグマーだ! キングの戯言ではない! ジャック:それに、リネットさんは俺を信じてくれた。だったら、グマーグマーのことも信じられるはずです! 音音:アナタが全てを失ってからこの5年間、共に戦い、アナタを守り続けたのはグマーグマーよ? ヴィーヴォ:グマーグマーを信じず、他の誰を信じるというのだ、セニョリータッ? GM:あの〜、リネット以外の3人はこの場にいないんですけど?(笑) リネット:それじゃあ……このカードは? GM:それは……。 ヴィーヴォ:それは、『私の命をあなたに預ける』! そういう意味だろう、GM? GM:……「ぐまー」(一同笑)。 リネット:……バカだなアタシ。皆の言う通りだ……。 GM:いや、だから、3人はここにはいない……。 リネット:ずっと一緒にグマーと旅してきたんだよね? それなのに……ごめんね、グマーグマー。 GM:……「ぐまーっ」。 リネット:……これからも、ちょっと長い旅になると思うけど……ついてきてくれる? グマーグマーっ? GM:「ぐまーっ!」。 リネット:ありがとう、グマーグマー。……よーっし! そうと決まれば、さっさとこんな辛気臭い所からはおさらばしようっ! GM:はいはい。では、すっかり忘れてるようですが、この木の洞の中には宝箱が1つあるのですが?(笑) リネット:……ああっ、そうだったね!(笑) ……きっと、この中にここを脱出するためのアイテムがあるに違いない! 宝箱を開けるっ! GM:すると、中にはこんな物が……。 リネット:……っ! こ、これはっっ! それは確かに、この窮地を脱することを可能にするモノだった。 しかし、それを使うためには“覚悟”を決めなければならない。まだ若い彼女に、それは酷な決断を迫る。 ……だが、彼女はもう迷わなかった! 仲間が、相棒が、そして姉を求める彼女自身の意志が、彼女に力を与えてくれる……! リネットは“覚悟”を決める。 GM:では、リネットを残し、先に出てきてしまった3人にカメラを移しましょう(笑)。 ヴィーヴォ:ああ……セニョリータは大丈夫だろうか? ああ……心配だ(笑)。 ジャック:グマーグマーも一緒だろうし、多分、大丈夫ですよ(笑)。 音音:グマーグマーがいないと、ワタシ達も先に進めないですし……待つしかないですねぇ。 GM:という感じに3人がくだを巻いていると……。 「イブセマスジィィィ──ッ!!」 一同:おおお──っっ!?(大爆笑) GM:爆煙と閃光がはしるっ! ヴィーヴォ:こ、これはいったいっ? GM:土煙の中から、上半身が奇怪な形をした人影が現れる……! ジャック:敵かっ? ヴィーヴォ:な、なんだ? ……蟹の……化け物なのかっ? GM:キチキチ、キチキチ、キチキチ。 ジャック:……っ! 見ろ! あの化け物、リネットさんを喰っているっ? GM:ギチギチギチギチギチギチィ。 ヴィーヴォ:おのれぇっ! ジャック:リネットさんの仇ーっ! ……と言って突っ込む(笑)。 音音:待ちなさいっ! ジャック・ヴィーヴォ:え?(笑) 音音:(辛そうに)……あの蟹は…………リネットさん、本人よっ! ジャック・ヴィーヴォ:そ、そんなぁっっ!?(爆笑) GM:上半身に巨大な蟹の鎧を着けてはいますが、紛れもなくリネットですよ(笑)。 リネット:側にグマーグマーもいるよ! あ、今は仲直りしたから、アタシの首に巻きついてる(笑)。 ジャック:ああ、リネットさん……とうとう、社会に戻れない体にっ……(一同爆笑)。 リネット:すごいんだよ! これ装備すると、不老不死にもなるんだよ! ヴィーヴォ:……もう一生、外せないけどな(笑)。 音音:まあ、本人は喜んでいるみたいだし、良いんじゃないですか?(笑) リネットがその身に纏いしは、セブン=フォートレスに於いて最強、サイアクの鎧、『カニアーマー』。 数々の伝説を生み出した鎧を身に着け、リネットもまた、伝説となるのだろうか……? ■クライマックス 01 〜楽園〜 ■ なにはともあれ、合流した4人はみぱみぱ依存症の泉の妖精に傷を回復してもらい、神皇樹を目指して進む。 ヴィーヴォ:回復のみぱみぱがあったという事は、神皇樹はもう少しということか……。 木々が空を隠し、暗い森の中をグマーグマーの先導で進む4人。 ヴィーヴォはここに来たことがある……夢の中で進んだ道。 ヴィーヴォ:ここは……。 木々の向こう、光が見える……。 ヴィーヴォ:この先に、華胥の国がある……? 突如、森は終わり、光が溢れる……。 光に目が慣れ始めると、目に映るのは……小高い丘の上に、一本の大樹。 ヴィーヴォ:みぱみぱ〜(一同笑)。 小さなテーブルと椅子を並べて、数人の人間が和やかに談笑している。その中から1人の少年が立ち上がり、君達を向かえる。 ジャック:……っ! ラーガ様っ! ヴィーヴォ:どうやら、私達は間に合ったみたいですね? GM:「ああ。見てごらん、美しいだろう……あれが、皇花さ」。ラーガの指差す枝の先には白い花が咲いている。その花は、この美しい世界の中でも、一際、輝いて見える。 ヴィーヴォ:ああ……実に……あれこそが、すめらぎばな……っ! ジャック:ラーガ様っ、ご無事でしたか! ……良かった(安堵)。 GM:……「まだこの体には、傷1つつけてないから、安心したまえ(ニヤリ)」。 ジャック:……っ! ま、まさかっ? きさまは、キングっ! 一同:…………。 ジャック:あ、あれ? 皆さん驚かないんですか? リネット:……とゆーか、ジャック? 今、気付いたの?(笑) ジャック:え? ……い、いや、アウローラさんが正気に戻ってたから、怪しいなぁとは思ってましたが……(汗)。 音音:あなた以外は皆、確信してました!(笑) ヴィーヴォ:気がつかなかったのか?(笑) ジャック:そ、そうだったのかっ!……いや、ほら、ジャックは信じたくなかったんですよっ。ラーガ様が敵に乗っ取られてるなんて……。 リネット:じゃあ、そういうことにしといてあげよう(一同笑)。 ジャック:うう……(恥)。 GM:「さあ、では皇玉を渡して……」。 音音:ラーガ・ラギアを渡してもらおうっ! GM:「……皇玉を渡してもらおう」。 音音:どっちが先かは……。 GM:「……分っているだろうな?」。 ヴィーヴォ:……このままでは、いつまで経っても平行線ですね? 音音:……そうね。 GM:「平行線? 何を言ってるんだい? ……君達が、渡すんだよ?」。 リネット:何でよっ! GM:「これを見れば、その気にもなる」。……ラーガは剣を……。 音音:……っ(皇玉を投げる仕草)。 GM:「おっと」……ぱしっ(皇玉を受け取る)。「腕の1本でも切り落とそうと思ってたが……痛い思いをしなくて済んだ。ありがとう」。 ジャック:キングっ! きさま……っ! 音音:(ジャックを手で制して)さあ、すぐにラーガの体から出て行きなさいっ! GM:「……待て。これが本物かどうか、確かめさせてもらう」と言って、ぽーいっとウェッジに渡す。 音音:ウェッジ! それは使ってはならないと、あなたも分っているでしょうっ? GM:「確かに、あの里にいる時は俺もそう思ってた……だが、スペードの8と一緒になって分ったんだよ……こんな生き方もあるって、な」。 音音:生き方……? ヴィーヴォ:……セニョーラ。私にも教えてくれないか? 何故、皇玉を使ってはならないのか? 音音:えっ? ヴィーヴォ:……あれは、この世界に永劫のパラダイスをもたらす物ではないのか?(一同笑) 音音:……楽園というものは、人間を腐らせる……。 ヴィーヴォ:ほう……。 GM:「それは、そこが真の理想郷ではないからだ」。 音音:……楽園は、新たな争いを呼ぶ! GM:「確かに、かつての我等が神が創り出した理想郷も、神々の戦の引き金となった……しかし、我等が神はその事を嘆いておられた。我等が神は新たな理想郷を、更に進化した真の理想郷を探求なされるのだ! そのお手伝いをするのが、我等の務め」。 「な〜に、すぐに新しい理想郷が生まれるわけじゃねぇ……でもよ、理想郷が出来た時は、おめぇを招待してやるよ! それまで、気長に待ってくれねぇか? 音音?」。 リネット:なんか、ウェッジがどさくさまぎれに言ってるよ(笑)。 音音:……つまらない。 GM:「つまらない?」。 音音:ワタシは楽園なんて必要としていない……ワタシは戦いの中でしか生きているという実感が湧かないから……っ! GM:「やっと本音が聞けた……おめぇは昔からそういう奴だったよ」。 ヴィーヴォ:悲しい生き方だな……君は本当にそれで良いのか? セニョーラ? 音音:ワタシは……戦う為に、生まれてきたから……。 GM:「……だからさ。俺ぁ、おめぇに見せてやりてぇのさっ。俺が見つけたみてぇに……新しい、生き方ってやつをっ!」。 ヴィーヴォ:なるほど……彼はいい奴だ!(一同笑) リネット:生き方なんて、そんなにすぐに変えられないし、決められないよ。そういうのは、この戦いが終わってからにしようっ! 音音:……そうね。 GM:ではキングが……「エイトっ! お喋りは終わりだっ。儀式を始めろっ! ……その間、僕はこいつらと遊んでいよう!」(ニヤリ)。 ジャック:キングっ! ラーガ様の体を返すんだっ! GM:「ああ……返してやろう! 貴様等を、この土の下になぁーっ!」(笑)。……言いながら、戦いの構えをとり、叫ぶ! ……「デュエルっ・スタンバイっっ!」(一同爆笑)。 リネット:アンタまで、何、手に着けてんだーっ!(爆笑) ヴィーヴォ:き、貴様も、デュエルをっ!?(一同爆笑) GM:君達とラーガを取り囲むように、炎の壁が立ち昇り、バトルフィールドが作られるっ!(爆笑)……「さあっ、デュエルを楽しもうっ!」。 ■クライマックス 02 〜VS炎導王〜 ■ ジャック:……キングの体はラーガ様なんだよね? GM:勿論っ(笑)。 ジャック:くう。やりづらいぜ……。 ヴィーヴォ:『重症値』まで落とせばいいのか? GM:えーっと、……では、一瞬ラーガの意識が前に出てきて言う……「ジャック……僕を…殺すんだ……!」。 ジャック:ラーガ様っ! GM:「……大丈夫……僕は大丈夫だから……」。 ヴィーヴォ:……あまり、こういう賭けには頼りたくないが……ジャック、彼は『EX』的には『不老不死』をレベル4で持っているはずだ。 GM:ええっ? ……そうなの?(笑) ジャック:いや、確かにそんな感じだったはず(笑)。 GM:ちょっと待ってーっ?(一同爆笑) ヴィーヴォ:まぁ、あくまでもEX的にはということだからな(笑)。 ジャック:でもここでは……分りましたラーガ様がそう仰るのであれば、わたしは貴方の言葉を信じます! GM:「ああ……期待しているよ、ジャック!」。 ヴィーヴォ:なかなか肝っ玉の据わった王様だ。 ジャック:ラーガ様作る世界こそ、本当の理想郷です。貴方の理想郷建設のために、わたしはこの身を捧げます! GM:「くっくっくっ……。さぁ、話は終わったかな? どの道、このラーガ・ラギアに君達が勝てるわけがない! この体は、36レベルもあるんだよっ?」(笑)。……そしてこのGMは、わざわざ36レベルでラーガのキャラクターシートを作ったのだ!! ジャック:キング! おまえが本当にラーガ様の肉体を、全力で使えると思っているのか? 彼の意志力を甘くみるなっ! GM:貴様っ! このGMを侮りおって!(一同笑) リネット:このGMは本当に、ポカが多いからな(笑)。 GM:むぅ……確かに、36レベルともなると、データ量が半端じゃない。しかも、2週間も前に作ったデータだから、コンボとか覚えてないんだよね……(笑)。「ちぃ……確かにまだ、馴染んではいないが……」(一同笑)。 音音:どっかのマンガのギニュー隊長のようにね?(笑) ヴィーヴォ:なに。実際に戦ってみれば分ること。 世界で最も、守護者の寵愛を受けている者の1人、炎導王ラーガ・ラギアとのデュエルが始まった! 第1ラウンドの先攻は、プラーナとクリティカルで、行動値60! のラーガ。 GM:げっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃあっ! 流石はラーガ・ラギアだ!いっくぜぇ! ……「僕のターン! ドローっ!」(一同笑)……これ、言いたかったんだー!(笑) ヴィーヴォ:楽しそうだな、GM(笑)。 GM:「マジックカード『ツァオ・ベー』を発動! この効果により、僕の未装備戦闘能力値が3ラウンドの間、2倍になる! そして、カードを1枚伏せて(『発動遅延』)、ターンエンド!」。 ジャック:いきなり『ツァオ・ベー』か! GM:まだだ、更に続けて……「僕のターン。ドローっ! マジックカード『フレイアミス』を発動! 対象は、音音の『オリハルコンの短剣』だ!」。 ヴィーヴォ:カウンターマジック『カウ・スー』を発動! 3レベル以下の魔法を打ち消す! GM:あまい! 「特殊能力『魔力改変』を使う! 『カウ・スー』の属性を氷属性に変え、カウンターマジック『フォイブリス』を発動! 3レベル以下の氷属性の魔法を打ち消す!」。 リネット:え? え? どういうこと? ヴィーヴォ:くっ、『カウ・スー』を消されたということだ。 GM:そう、つまり『フレイアミス』は正常に発動する。「『フレイアミス』の効果により、対象の武器を装備する者は抵抗判定を行なう。失敗した場合、その武器は1ラウンドの間、装備が不可能となる」。 音音:そっちの発動値は? GM:(ニヤリ)発動値は……105だ。 音音:……105っ? 駄目、そんなの抵抗できるわけない! GM:ではこのラウンドの間、『オリハルコンの短剣』は装備できない……「ふふ。これで君にも、魔法攻撃が効くというわけだ……カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」。 ジャック:やべぇ、魔法戦闘って熱いな!(笑) ……ようし。俺のターン。ドローっ! スペードのJをドローっ!(笑) GM:ちぃ、きたかっ(笑)。 ジャック:俺も『ツァオ・べー』を発動!ターンエンド! 音音:ワタシのターン! ワタシは武器を持ち替える。エクスカリバーと呪文詠唱銃の二刀流よっ! ヴィーヴォ:おお! カッコいい!(笑)……では、私のターン。ドロー!まずは自分に『イン・ティ』。そして貴様にマジックカード『ラミア』を発動する! GM:「プラーナを5点使用して、カウンタースキル『絶対魔法防御』を発動する! この効果により、僕はその魔法の対象にならない!」……どうだっ? ヴィーヴォ:別に構わないさ。更にもう1枚、『ラミア』を発動する! GM:ちっ、「一回のドローで、カードを3枚も引けるのかっ! 流石だね」(笑)。 ヴィーヴォ:『ラミア』の効果により、貴様の攻撃による物理ダメージは魔法ダメージとなり、更にダメージも半分になる。 GM:つまり、物理攻撃が弱くなったってことだな? ……分った。まだまだー! リネット:アタシのターン! ……ねぇ、ラーガって知名度判定できる? GM:う~ん……まぁ、良いでしょう。出来る事にします。 リネット:じゃ、プラーナ13点使って、(コロコロ)……達成値37! GM:はい、目標値はレベルにちなんで36でした。 ここで暫し、ラーガのデータ公開。 PC達は『炎−炎』属性のため抗魔力の低いラーガは魔法ダメージに弱いことを確認し、戦術を立てることにしたようだ。 GM:さーて、データもバレて不安になってきたことだし、さっさと大技使ってみようかな?(笑)……いくぜ! 「おまえら、『すべて燃えてしまえ』っ!」。絶対命中! 炎属性魔法ダメージ、73点っ! 音音:『物質透過』と『霧散』で回避。 リネット:えーっと……9点喰らった。ジャック:『エンフォイル』を使って、ダメージ0。 ヴィーヴォ:25点ダメージを『リーヴァイス』で防ぐ。 GM:あれ? リネットに9点ダメージだけ? ヴィーヴォ:ふ、こんなものなのか? GM:「ちょっと意外だったな……じゃもう1回、『すべて燃えてしまえ』っ」。 一同:げっ? ヴィーヴォ:同一カウントに2度の『すべて燃えてしまえ』って、鬼かあんたはっ! GM:弱いラーガ・ラギアなんて見せられないだろう? 全国のラーガファンのお姉さま方の期待に応えるためだ!(笑)……(コロコロ)……げっ、ファンブルっ? 何故だーっ! ……ダメージ、60点……。 一同:はー……あぶねー(笑)。 音音:……ワタシがクリティカルと『霧散』で回避。あとの3人も10点前後のダメージで済んだみたい。 GM:ぐふふふふふ……まだだ、まだ終わらんのよ? 更に同一カウントで……「伏せていたマジックカードをオープンっ! 『ブロウ・ファントム』発動! 攻撃対象は、ジャックを除く3人だ!」。(コロコロ)……命中値40! 攻撃力70っ! 音音:『幻想舞踏』、『霧散』で回避! GM:ぐえ……音音、魔法3連射を全部回避したのっ? ……折角、今なら魔法ダメージ入るのにーっ! ヴィーヴォ:私は、もう1度同じ攻撃がくると危険だが、まだ大丈夫だ……セニョリータは? リネット:危なかった。カニアーマー着てなかったら、生死判定だったよ(笑)……とりあえず、重症値一歩手前で踏ん張ってる! GM:フム……ま、こんなもんか。「ターンエンド」。 ヴィーヴォ:よし! ラーガ・ラギアは行動を使い切った。このラウンドは対抗行動はできない。たたみかけるぞ! 私のターン。ドロー! 『魔力拡大』を使い、『アキュエイル』で全員のHPを回復。『レイ・サーコレイド』で全員の抗魔力アップ。そして、『マナ・ルード』を全員にかける! ターンエンド。 リネット:『アンブッシュ』。皆の邪魔にならないように、隠れる(笑)。 GM:「カニアーマーを着ても、ゴミはゴミか」(笑)。 リネット:ふん。そのゴミに見破られたくせにっ! 音音:距離を詰めて、攻撃! GM:「来たな……(ニヤリ)」。 音音:エクスカリバーっ! (コロコロ)……ファンブルっ? ダメージは33点……。 GM:「その程度の剣さばきで……」。 音音:本命は……こっちだ! 呪文詠唱銃っ! 命中(コロコロ)……37! GM:「ちっ……避けられんっ」。 音音:その弾丸に込められた呪文は……。 音音・ヴィーヴォ:『ディバイン・コロナ』だっ!(爆笑) GM:な、何ぃーっ!(笑) 音音:ダメージはプラーナも使って……100点の魔法ダメージっ! GM:ぐぅげはぁっ! 音音:エクスカリバーはフェイントだったのよ?(笑) ジャック:次は、俺だ! ……ラーガ様。今、お助けしますっ! GM:「来るかっ……ジャックっ!」。 ジャック:距離を詰める! そして……『マジック・インパクト』! 『リーブレイ』!(コロコロ)……命中49! GM:「……速いっ……」。避けられんっ、ダメージ来い! ジャック:ダメージは……134点っ! GM:ぐぶぁはぁっ! 「……素晴らしい……いつ見ても、君の剣さばきは芸術的で、そして……強い! ……あの頃と変わらないな、ジャック?(ニタリ)」。 ジャック:ラーガ様? ……いや、キングかっ! GM:「……だが、やはり貴様は私の知るジャックではない。ソード・ジャックは、こんな愚かな行動はしない!……伏せていたカードを開く! マジックカード『炎の壁』を発動!」。ジャック、音音、ラーガのいるsqとヴィーヴォのいるsqとの射線を遮るように、炎の壁が現れる! ヴィーヴォ:しまったっ! GM:「憐れなねずみが2匹、焼け死ぬ様を見せてやろう!」。 ここから第2ラウンド。 先手を取ったのは、やはり行動値にプラーナを使用したラーガ・ラギア。 ラーガは(GMは)、この一撃でジャックと音音を本気で殺す気である!(おいっ) GM:死ねぇっ! おまえら2人っ!呪文詠唱。カウントを12下げる! ヴィーヴォ:ドローしない? 何の魔法を使うつもりだっ? GM:「特殊能力『ドロウルーン』『エンシェントルーン』『パワースペル』『魔力誘導』を使う! ……喰らえっ! 『ブラストフレア』アアアァァァッ!!」 リネット:ブラストフレアーっ?(笑) ヴィーヴォ:火属性、最強呪文かっ! ャック:火属性ってことは、『エンフォイル』で防げないっ! 音音:ワタシもまだ、『オリハルコンの短剣』に持ち替えてない! リネット:メルルっ、補助魔法はっ? ヴィーヴォ:駄目だっ! 『炎の壁』が邪魔で、2人に補助魔法をかけられない! GM:けぇーっけっけっけぇっ! 万策尽きたようだな! 「絶対命中!火属性魔法ダメージ104点だっ!」……死になよっ、君達ぃーっ!! ジャック・音音:……(コロコロ)……(計算中)…………死んだ。 GM:よーしよしよしっ! 「まずは、2人っ」(嬉)。……まあまあ2人とも。生死判定でプラーナ内包値削れば……。 ヴィーヴォ:ちょっと待てっ! 2人とも、計算し直すんだっ! GM:はぁ? ヴィーヴォ:『マナ・ルード』の効果を適用してないぞ?(にやり) GM:なにっ! リネット:『マナ・ルード』? ヴィーヴォ:先程、私が全員にかけておいた魔法だ……『マナ・ルード』の効果により、対象者はダメージを受けた際、HPからではなく、まずMPからダメージを減らさなければならない!リネット:ってことは、今あるMPがそのままHPに加算されてるってことだなっ? ヴィーヴォ:その通り! 音音:……あっ、それなら生きてる!重症値の一歩手前で生きてるっ! ジャック:……俺も! 重症値にいってはいるが、俺は『不屈』をもってるから、なんとか立ってるぞ! 一同:はぁー……(安堵)。 GM:そ、そんな……馬鹿なっ!(一同笑) 「……ほう? このラーガ・ラギアの最強呪文に耐えるとはな……だが、ほんの少し、命が延びたに過ぎん!」。 ヴィーヴォ:……いや、既に答えは出た。貴様の負けだ、ソード・キング! GM:ふ。戯言を……。 ヴィーヴォ:この戦闘が始まった時、おまえの敗北は既に決まっていた! GM:はっ、何を馬鹿なことを……っ? ヴィーヴォ:私達はあと1ラウンド、貴様の攻撃を凌げばよい。 ジャック:『ツァオ・べー』か! ……対象者は3ラウンドの間、絶大な力を得るが、3ラウンド経過した後、魔法の負荷に肉体が耐え切れずHPは1となる! リネット:でも、まだこのラウンドも、アイツの行動残ってるよ? ヴィーヴォ:任せろ。私は炎の壁を乗り越えて……貴様に『マロ・ドーン』を3回かけるっ! GM:アゲハァっ! ま、またやられた!(行動値が8から0になった)……お、おのれ〜っ! ヴィーヴォ:態勢を整えろ! あと1ラウンドだ。奴の攻撃、なんとしても凌ぎきるぞっ! 一同:お〜っ! 第2ラウンドの残りの行動で、HPを回復するPC達。 そして迎えた第3ラウンド。 GMはありったけの魔法をPC達に叩きつけるが、ここまで2ラウンドの間、ラーガの攻撃を凌いできた4人を1ラウンドで削り切るのは到底不可能な話であった。 結局、最後の攻撃で音音を重症値にしたところで、3ラウンド経過。ラーガ・ラギアのHPは1となり重症状態……戦闘不能となった。 GM:……「くぅっ、馬鹿なっ……この体は、この世界最強の王の1人、ラーガ・ラギアのものだぞっ? ………くそっ、ラーガの意識に『ツァオ・ベー』を使われなければっ!」(笑)。 ジャック:おお! そうだったのか!流石はラーガ様! ヴィーヴォ:……今のは、GMの負け惜しみだろ?(一同笑) GM:うるしゃいっ!(笑)……「さあ、ジャック……僕に止めを刺すんだ……」。 ジャック:あっ、ラーガ様! ……今、お助けします! ……ラーガ・ラギアの心臓を一突きにする! リネット:し、心臓はやりすぎじゃないか? 音音:きっと、その辺りから、スペードのKのカードが出てくるのよ?(笑) GM:うむ。そうしよう(笑)……「やってくれたな……ジャック。……もう1度、おまえと酒を酌み交わしたかっ、た……」。 ジャック:キング……俺はもう、おまえの知っている『ジャック』ではないんだ。 GM:「……おまえは、何処に行ってしまったんだ……ジャック……」。キングは事切れる。それとともにラーガの体も崩折れる。 ジャック:その体を受け止める。……キング……俺の『王』はおまえじゃない……この人だ……! GM:おお! カッコいい! ……ラーガの体は突如、炎に包まれる。『フォイニス』が発動して、彼は完全復活するのだ。……「ご苦労だったね、ジャック。この通り、僕は大丈夫だよ?」(笑)。 ジャック:信じていましたっ。ラーガ様! リネット:この主従は……(笑)。 音音:それより! 早く、あの儀式を止めないと! GM:では、カメラをそちらに向けよう……皇花の前に、皇玉を捧げ持つウェッジが高らかに言う……「皇玉よ、皇花よ! いにしえよりの契りに従い、今こそ我等が神の英知、黄金の果実を与えたまえっ!」。 皇玉は皇花に吸い込まれる。 皇花の白い花弁は1枚1枚ゆっくりと落ちていく。 ヴィーヴォが見た夢と同じ光景。 花弁が落ちるとともに、光が溢れだす。 その光の源……黄金の果実。 ヴィーヴォ:ああ! ……あれこそ!黄金のミパミパの実ッ!!(一同爆笑) GM:ウェッジが君達の方を向いて言う……「さあ、神よ! かつての英知を、今こそ取り戻したまえっ!」。 ヴィーヴォ:神っ? それは即ち私のことだっ! その実を! よこせええぇぇっ!!(一同爆笑) GM:しかし! 黄金の果実が君達の目の前に晒されていたのは、ほんのわずかな間だった。……果実は、神皇樹の枝に吸い込まれてしまう! ヴィーヴォ:……っ? ……うおおおぉぉぉっっ!? GM:黄金の果実を吸収した神皇樹がうごめきょ、うごめきょと動き出し、のたうち始める! 音音:そして、スペード達を喰らい尽くすっ!(笑) GM:おお、その通り!(笑) ヴィーヴォ:これはっ? ジャック:どういうことだっ? GM:神皇樹はスペード達を絡め捕り吸収していく。「信じられないっ」、という表情で次々と取り込まれていくスペード達! やがて神皇樹は、九つの首を持つ竜のような形へと姿を変える。苦しげにのたうつ八つの首の1つが、ウェッジの顔になる! 「違う……! これは……神の意志では……ない……っ!」 音音:ウェッジっっ!! 中心の首。一際巨大なその首が…………笑った。 グゥオワアアアアァァァァッッッッ!!! 「……やってやったぞ……ついに俺は………神となったのだ………っ!……世界よ……我が身を崇めよ!……我が意志を恐れよ! ………この世界を滅ぼす者の名を知れっ!……我が名は………ソード・ジャック………っ!!」 一同:な、何いいぃぃっっ!? ミパッション 〜華胥の夢〜 中篇 …fin… |