■N3 第二話■


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セブン=フォートレスX3 in Night Wizard ! 
                       N3 〜コメカミノ銃創 後篇〜

 ──プリプレイ── 

     S? M?


 反省。
 前編のプレイでは、俺がシナリオにこだわりすぎて、プレイヤーの行動をかなり束縛してしまった。
 さぞかし、不満が溜まっていることだろう。
 今回は、なるべく皆を自由に動けるようにしたいと思ってはいるのだが……。

 GM:いかん……あ〜、また君たちを縛りそうだわ。
 イカバー:あんまり縛られるのは、好きではないなぁ。
 U-式:縛るのも縛られるのも、あんま好きじゃない(笑)。
 GM:そうなんだよなー。君ら2人はまず確実にサディストなんだよな(笑)。
 イカバー:俺は阿部ちゃんもサディストだと思う(笑)。
 GM:あ、阿部ちゃんもか(笑)。
 イカバー:鋼氏は、どっちもいけそうな気がする(一同笑)。
 鋼:ああ、うまく転じるよ(笑)。
 GM:マッチどうだろ?(笑)
 イカバー:マッチは微妙だよ。ノーマルだよな。
 鋼:Mかと思って突っ込むと、そうでもないし、だからS?ってわけでもないんだよね。
 マッチ:はい?(笑)
 GM:じゃあ、この中で純粋なMは、俺だけってことか?(笑) ……あ、マッチ。そろそろ録音開始。レッツゴー!
 マッチ:あ、もうしてる(笑)。
 GM:え? じゃあ、今のSとMの話しも?(一同爆笑)
 イカバー:こんなオープニングか!(笑)


今回予告とハンドアウト

 GM:ではまず、今回予告を送信するよん。

 ピロリロリ〜ン♪(着信音)

 GM:今回予告!
 イカバー:(ケータイを見ながら、渋い声で)……おまえは存在している──

 おまえは存在している。
 おまえは知っているだろうか?
 私はいつも、おまえを見ている。
 …………。

 阿部屋:貴様、見ているなっ!(←そんなこと書いてない)(一同笑)
 U-式:どこのストーカーさんですか!?(笑)

 おまえに触れることもできる。
 おまえを愛しく想う。
 おまえに教えてやりたい……この俺の、Sさ加減をっ!!

 (↑そんなこと書いてない)(一同爆笑)。
 GM:おい、ちょっと待って!(笑)……ちゃんと読みやがれ!(一同笑)

 おまえに教えてやりたい。
 おまえがこの世界に生きていること。存在していることを。
 そのためならば、私はこの世界から全ての人間を消すことを厭いはしない。

 S=F V3 in ナイトウィザード
リプレイ 『コメカミノ銃創』 後編 

「おまえという存在が、私に、力を与える」

 GM:なお、プレイ内容は予告なく変更されることがあることを、あらかじめご了承ください!(笑)
 U-式:えー(笑)。
 GM:次にハンドアウト〜、送信!

 ピロリロリ〜ン♪

 鋼:おお、良いね。だいぶアレだね、ケミカルじゃないけど……。
 一同:ケミカルっ?(笑)
 GM:メール送信のどこがケミカルだとっ?(一同笑)
 鋼:あ〜、いやいや……間違えた(笑)。
 マッチ:テクニカル?
 イカバー:あれだ。ITってやつでしょ?(笑)
 マッチ:それもちょっと違う気が(笑)。

 ハンドアウト……PC1:神薙

 存在消失事件発覚から半年、君の内に空いた穴が埋まることはなかった。
 しかし突如、君の前に君の父親であると名乗る男が現れる。
    シナリオコネクション……父親

 イカバー:お父、様?
 鋼:あれから半年も経っているのか。
 マッチ:半月じゃなくて?
 GM:うん。半年。……次ー、竜崎桃子。
 阿部屋:はい! 

 ハンドアウト……PC2:竜崎桃子

 存在消失事件の拡大は、君の指揮するチームの捜査を行き詰まらせる。
 そんな折、アンゼロットが君に、喝を入れる。
 かつての君自身の記憶とともに。
 シナリオコネクション……アンゼロット

 阿部屋:かぁぁつ!
 イカバー:「いれる」のは喝だけなの?紅茶じゃなくて?(笑)
 マッチ:沸騰した紅茶を……。
 U-式:注ぎ込む!(笑)
 阿部屋:やめてぇぇ!(一同笑)

 ハンドアウト……PC3:イシュタリア

 第八世界に来て半年。君はまだ、「彼」に会えていなかった。
 誰も、彼の存在を知らなかった……前編では忘れていたくらい(一同笑)。

 だが、確かに彼はいるのだ。
 君の記憶の中に。
  シナリオコネクション……オジサマ

 鋼:オジサマって、誰だよ?(笑)
 U-式:ドロボーさん、なんだよ?(笑)
 イカバー:ああ、大切なものを盗んでいったんだ(笑)。

 ハンドアウト……PC4:レイン

 言霊の書に新たな文字が浮かび上がる。
 存在消失事件に関係しているようだが……。
 君は仲間たちを導くことができるだろうか?
 シナリオコネクション……言霊の書

 鋼:ほいほい。

 ハンドアウト……PC5:鳳成天志

 君はアヴェンジャー。
 君の特別な女性を奪ったのは、エンサイクロペディア・ヴェルムの所持者だ。
 それ以外に、君に必要なことは何もない。
 シナリオコネクション……八幡ゆかり

 イカバー:PC5だな。ハンドアウトが。
 GM:いやまあ、ひとりずつずらしたってだけなんだけどね。
 U-式:ほんとだ。4から3に格上げになった(笑)。
 マッチ:1から5に格下げですか!(一同笑)
 阿部屋:格下げとかないから(笑)。それにきっと、5が一番自由に動けるよ。
 鋼:それで、存在消失事件はまだ続いているわけだ?
 GM:まだ続いてます。しかも拡大中でしてね。現在の……。
 イカバー:でもさー、存在消失事件が続いているっていっても、誰にもそんなこと分かりゃしないんじゃないの?
 GM:ところがですね、現在の世界総人口が40億人。すでに20億の人間が消されているんだよ。
 一同:えええええええっ!?(笑)
 GM:んで、大量に人々が消されたことによって、世界結界の記憶改ざん能力、情報処理が追いついてないんです。
 阿部屋:それで、覚えてる人が増え始めたんだ?
 GM:そう。ナイトウィザードは覚えてられる。イノセント、普通の人たちは記憶を改ざんされなきゃいけないんだけど、処理が遅れて いるからとりあえず、「おまえ、ボーっとしてろ!」と言われて……。
 イカバー:影人間になってる!(笑)
 GM:そう(笑)。いわゆる無気力症と呼ばれる状態になっている。
 鋼:無気力症? 原因不明の意識不明。混濁状態みたいなもんか?
 GM:いや、そこまでじゃなくて、具体的にはずっと「あぁー…うぅー……あぁー」しか言わないような感じ?(笑)
 鋼:う〜ん……とりあえず、ニートが増えてるって認識でいいか?(笑)
 GM:うん。じゃあ、それで(笑)。
 U-式:しかし、全人口の三分の一を消すってのは……GM、無茶するな。
 GM:うん。まあ、最終回だし、派手にいこうと思いまして(笑)。

 成長報告

 今回、PCたちには前編からレベルを2上げてもらっています。

 GM:じゃあ、PC1からお願いします。
 神薙:私か。……ナイトウィザードを2レベル上げて、チャンピオンにクラスチェンジした。
 一同:チャンピオン!?(笑)
 GM:また、突然だなー(笑)。
 神薙:そうか? 『ヴォイドアタック』を取得し、あとは『闘気法』をいろいろとった。それと、武器を2つ購入。
 GM:また、攻撃力が上がったと思って良いのですか?(笑)
 神薙:攻撃力自体はアップしてないと思うが、戦い方の幅が増えたと思ってくれ。
 GM:そうですか(笑)。……次、PC2。
 桃子:竜崎桃子です。……大いなる者、陰陽師を1レベルずつ上げ、ちょっとリーダーらしくなろうかと、コマンダーにもクラスチェン ジしました。
 GM:おー、それは良いことですね(笑)。
 桃子:大いなる者から『次元断』。コマンダーから『深謀遠慮』と『陣形構築』をとってます。あと、魔法。星落とします(笑)。
 神薙:アクシズ落としますか(笑)。
 桃子:はい。落とします!(笑)
 リア:次、PC3。イシュタリア・ホワイト。……ナイトを2レベル上げました。以上。
 GM:新たな特殊能力取得は、なし?
 リア:あるある。『無敵防御』を取りました。これで、ダメージ無効の能力が3回使えます。
 レイン:おお、すごい! トリプルブロウがきても防げるぜ(笑)。
 リア:1度に全部使ってどーすんだ!(一同笑)
 神薙:(レインに)……次は君だぞ?
 レイン:うむ……オーガスト・レイン。エクセレントウォーリアと夢使いを1こずつ上げた。『助言』と『鏡の中の真実』をとった。新 しく魔法を、『ディプスクァ』と『ゼクフェート』をとったぞ。以上だ。
 GM:『鏡の中の真実』で、また言霊使いとしてのレベルが上がったんですね。
 レイン:そういうこっちゃ……ほんとだぞ、本当に言霊使いになってるぞこれは、素晴らしい!(一同笑)
 GM:(笑)……では最後。アヴェンジャー先生。
 天志:はいはい、鳳成天志です。……ナイトウィザードとエクスプローラーを1ずつ上げて、『イレイズ』、『無音移動』『バタフライ ダンス』を取得。さらに強化人間にクラスチェンジして、『幻想舞踏』のみ、2レベル取得しました(笑)。
 GM:キタネェー!(笑) クリティカル効果、狙いすぎ!
 神薙:よし。今日の幻想舞踏の練習は、ランバダだ!(←なつかしいなおい)
 天志:ほかに覚える魔法もないし、買うものもない。……あ、いまだに神薙に8万2千GPかしたままだ(笑)。
 神薙:(無駄にかっこ良く)……フッ。その金は、永遠に返らない(一同笑)。
 GM:それは死にフラグ? …あ、返すって言ったら死ぬのか(一同笑)。……よし。それでは、本編をはじめます!

オープンニングッ!

 ◆ Opening 00 ◆  

    暗所

GMシーン

GM:ピ、ピ、ピ……。
桃子:影時間が!?(笑)
GM:ちゃうちゃう! ちゃうねん!(一同笑)
天志:メメントモリ?(笑)

 ピ、ピ、ピ……。
 一定のリズムを刻む、電子音。
 薄暗い部屋で、2人の男が話している。

 「目覚めが、近いな」
 「ああ。こいつが起きるなら、あとはどうなろうと構わない」
 「私も、好きにやらせてもらう……じゃあな。……あばよ」
 「ああ」

 ピ、ピ、ピ……。

リア:……別れ際の言葉。「あばよ」ですか?(笑)
GM:いいじゃないか。好きなんだよ、おれが(笑)。
神薙:死にフラグか? ……あ、それともベベか?(笑)
桃子:オバ上がひょっこり死んだー!(一同笑)

 ◆ Opening 01 ◆ 

   アヴェンジャー

 それは忘れてはいけない、顔。
 忘れられない、悪夢。

GM:まずは、鳳成天志くんのシーン。
天志:はーい。……じゃあ俺は、夢をみてまーす。
GM:ハイ、夢です……じゃあ、えーっと。
神薙:強化手術を受けているときに、夢を見ていた……(笑)。
天志:いやだーっ!(笑) じゃなくてっ……カラオケで歌っている夢です!
GM:「北条くん……わたしの中で君の存在が、少しずつ大きくなってる……」。とエコーのかかった声が(笑)。
神薙:「……北条くんのナニかが、少しずつ大きくなってる……」って?(笑)
GM:ちょっと待てェーいっ! そこまでいってない筈!(一同笑)
天志:(笑)……えーっと、カラオケで2人で楽しんでいる姿。笑っている2人の顔……突然、画面がブラックアウトする。次の瞬間には 、俺の手刀が彼女の胸を貫いている!
GM:肉の感触、骨の砕ける音……血の臭い!
天志:俺は目を覚ます……手を、見る。
GM:──赤い!
天志:────ッ!!
GM:赤い!──ように見えた……でも、それは一瞬後には消えている。
天志:…………まだ、か。……もうすぐだ。待っててくれ──。で、俺は今日も強化人間になるための訓練をします。
神薙:(教官)「君はたしか、幻想舞踏を専攻していたね?」。
天志:え……はい。
神薙:「さっきも言ったように、今日の授業はランバダだっ。ワタシと、きわどいところまで踊りたまえ!」(一同爆笑)。
天志:艶めかしいほどに、腰がっ!(一同爆笑)
リア:それが、幻想舞踏!(笑)
GM:ナニか、あたってます!(笑)
桃子:それは、「幻想」なんだよ?(一同爆笑)
一同:そうなのかっ!!(爆笑)
レイン:(教官)「ちなみに、そっちで高倉が舞っているのが──暗黒舞踏だ!」(一同爆笑)。
リア:白塗りだーっ!!(爆笑)
GM:って! なんで高倉がいるんだぁ!!(爆笑)
桃子:強化されてるし!(爆笑)
神薙:やべぇ……!!(爆笑)
GM:「おまえも、ウィザードだったんだな!」。とかいってくる(笑)。
リア:カクカクしながら(笑)。
天志:えー……(笑)。俺は汗を撒き散らしながら、舞い続ける。その口元を歪ませながら。
GM:うむ。じゃあ、君のこのシーンは終了でいいかな?
天志:はい。……あ、ついでにひとつ。夢の中の八幡ゆかりの顔が 、ちょっとぼやけているって感じでお願いします。
GM:おお。いいですね。

 北条は高倉に気が付かない。
 なんという集中力だろうか。
 だが、半年ぶりに会う北条の顔。
 彼のあんな表情を、高倉は見たことがなかった。

 ◆ Opening 02 ◆ 

   守られて…

雨。
 あの日も、雨が降っていた。

GM:次は、竜崎桃子先生。
桃子:はい。先生です。
GM:君はアンゼロット様の私室に呼び出されました。
桃子:はーい……お呼びでしょうか?
GM:「SAT隊長、竜崎桃子さん……以前話したように、すでに世界は、エンサイクロペディア・ヴェルムによってかなり蝕まれているようです」。
桃子:そのようですね……。
GM:「わたし達が掴んだ芽も、次々に消されてしまい、ほとんど手掛かりがない状況です」。
桃子:打つ手が、ない。ですか?
GM:「はい……ですが、わたし達は諦めるわけにはいかない。そうですね?」。
桃子:はい。諦めるために、SATがあるわけではありません。不可能を可能にする。それがわたし達の努めです!
GM:君のその言葉を聞いて、アンゼロットは微笑む……「半年前と比べると随分、強くなりましたね」。
桃子:そうでもありません……でも、この強さは、みんながくれたものですから。
GM:「あなたにはこれから、もっと強くなってもらわなければならない……」。
桃子:なりましょう!(即答) ……この世界の全てを守るために!
GM:「……そのために、あなたには、あの時のことを思い出してもらわなければなりません」。
桃子:……あの時の、こと?
GM:(オドロオドロしく)……「そう……あなたが死んだ。あの日のことを──!」。────ビガーン! ドンガラッシャーン!!
桃子:ぐっぎゃあああああぁぁぁぁぁっ!
GM:いやいやいや、今のは窓の外のただの演出ですから!(笑)
桃子:あ、そうなの(笑)……でも、アンゼ宮って異次元にあるんじゃないの?
レイン:今のは、アンゼロット自身の演出なんだよ(笑)。
GM:あ、そうかもしれないね(笑)……とにかく、いきなり回想シーンです。んで、どんな死に方がお望み?(笑)
桃子:え……ん〜、考えてませんでした。
GM:じゃあ、テキトーに提供しましょう……君のお父さんとお母さんは、とっても大変な仕事をしていました。
桃子:はい。してます。
神薙:ラブホテルの運営(一同笑)
桃子:そう、アミューズメント・ホテルです……って、勘弁してください(一同笑)。
GM:(笑)……本当は、お父さんもお母さんも、ウィザードの仕事をしているんですよ。
桃子:そのとき、わたしはまだ、8才でした。
GM:ほう、8才ですか。いいですね8才。素晴らしいですね8才(←アホ)……その日は、たまたま、お父さんお母さんのお仕事見学会 がありましてー(笑)。
天志:ホテル経営の見学会ですかー。
桃子:違う違う! そっち違う!(笑)
神薙:それはトラウマになりそうですな(笑)(↑どっちの仕事が?)。
GM:父と母が、エミュレイターをぐしゃっと倒すんですよ。すると案内のお姉さんが……「あなたのお父さんとお母さんは強いでしょう ?」。と褒めてくれたりするんだ(笑)。
桃子:はぁ……よく分かりませんが(笑)。
GM:「ぐ、ぐぇえ!」。と案内のお姉さんがいきなり、死ぬ(笑)。
桃子:ええ?!
GM:お姉さんの後ろには巨大な斬馬刀を構えた男が立っている。「竜崎。あなた方の命、貰い受ける」。と男が父と母に向かって言う。 桃子:この時のわたしは、何もできない。
GM:まず、お父さんが殺されます。
桃子8才:お父さんっ!! 駆けよります!
GM:そして、お母さんが追い詰められる。
桃子:じゃあ、その前に立つ!
GM:だが、そのときには巨大な刀はすでに突き出されていた!
桃子:そこでわたしは、母親ともども、刺されるわけですね?
GM:「フッ…だんご☆三兄弟っ!!」って訳わかんね! そんなこと言わねぇ!!(爆笑)
リア:あほう!(爆笑) お父さん抜いてからにしろ!!(一同爆笑)
GM:あ、そっか(爆笑)。
レイン:あぁ、せっかくの美しいシーンが(爆笑)。
リア:お父さん抜いてから刀振れ! お父さん抜かないまま、お母さん刺すな!(爆笑)
GM:し、しまった……殺し屋がアホになってしまった(笑)。
桃子:(爆笑)……せ、せめて、お父さんが2人を守ろうとタテになった時にまとめて、ってことにしようよ!
GM:じ、じゃあ……(想像)……やっぱだんご☆三兄弟! (爆笑)
天志:はい。ここでの推奨BGMは『だ〇ご三兄弟』になっております(笑)。
GM:ヒーヒー、フー(呼吸整え)……わ、わかった。とりあえずこうしよう。君は父と母に抱かれるようにして……しかし、刃は君の体をも貫いている。
桃子:…おとうさん……おかあさん……。鋼:だんだん四肢の感覚が失われていくんだ。
GM:君の意識は遠のいていこうとする……かすかに息のあった母親が、桃子になにか言った──。

 桃子。あなたをひとりにして……ごめんね。

GM:次に桃子が気が付いたとき、いつの間にか降りだした強い雨が、桃子の体を激しく打っていた。

GM:夢は終わり、ここはアンゼロットの私室……「つらいことを思い出させてしまいましたか?」。
一同:だんご☆だんご☆だんご☆……(爆笑)。
神薙:もういいよ、それは!(笑)
桃子:……いえ。私のやるべき事が、わたしの守りたいものが、はっきりとまた心に刻まれました。
GM:「……あなたが何故、生かされたのか。それをあなたには考えてほしい」。
 桃子:わたしが、生かされた意味……生きている意味……わたしは────。

 わたしは世界を守る。

 ◆ Opening 03 ◆ 

   ラース=フェリア

GM:次は、イシュタリア。回想シーンです。
リア:はい。
GM:まずは、回想シーンをやらないと、オジサマというのがどんなキャラなのかわからないので(笑)。

 フォーチューンの神殿。
 数人の男たちが人質をとり、立て籠もっている。
 神殿騎士のリアも、人質のひとり。

GM:(銃を構えて)「動くなーっ! 動いたら、人質を殺すぞーっ!」(笑)。
リア:ちょっと待て! ラース=フェリアでなぜ、拳銃を構える!?(一同笑)
GM:(下卑た声で)「コレはなぁ、第八世界のチャカってもんだぜー!」(笑)。
リア:どっから手に入れてきた! そんなもん!(一同笑)
GM:「げははー! ダマレ!」。パーン!(笑)
リア:くっ……神殿中の人が人質になってるなら、ここはおとなしくするしかない! なにより、彼らの引き金はえらく軽そうだ(一同笑) 。
GM:……で? ……この状況で、オジサマはどうやって助けに現れるのだ?(笑)
リア:アンタが用意したんだろうが!(一同笑)
GM:む、むう……そうだ! オジサマはいちおー第八世界の人間だ。ここは何か、ケミカル的な方法で……(笑)。
リア:やっぱりケミカルなんですか!(一同笑)
GM:それでは、突如ガラスが割れる。そして、「シュー」っとガスが部屋に満たされる! 「ゲホゲホゲホ……!」(笑)。
レイン:じゃあそこに、ガンシップに単身乗り込むユパ様のように現れる男! 次々にテロリストをなぎ倒していく!(笑)
GM:カキンカキンカキンカキ! 「……つ、強い……!」(一同笑)。
天志:「……コルベットは戻らん」と、意味不明なことを言う(一同笑)。
リア:あんたら……(笑)。
GM:そんな感じで、10人ばかりをあっという間に倒してしまうオジサマ……「皆さん、安心してください。これは毒ではありません。ただ30分ぐらい、涙とくしゃみが止まらなくなるけど、大丈夫」(笑)。
リア:人質たくさんいるのに、そんなことして(笑)。
GM:で、オジサマは不器用に人質の縄を解いてあげようとしてる。だがテロリストの中に気絶したふりしている奴がいるんだ……「おにょれー、奴を倒して名をあげるぅ!」(一同笑)。オジサマは気がついてない。
リア:では、私はすぐに縄を解いてもらって、他の人の縄を解いてたと……。
レイン:(テロリスト)「コイツ、ゲロ甘だぜ、とっつぁーん!」。とチャカで狙ってる(笑)。
リア:じゃあ、それに気づいて……オジサマの得物は何ですか?
GM:オジサマの得物? (ちょっと考えて)……超ロングレンジライフルとか?(一同笑)
リア:なんで?(笑) ……じゃあ、それをガッて掴んで、──危ない! ブンと投げる!(笑)
GM:「ゴァヘッ!!」(笑)。……「ありがとう。助かったよ」。とオジサマ。
リア:いえ、こちらこそ。ありがとうございました。
GM:「私は……」。いかん、オジサマの名前を考えてなかった(笑)。えーっと……。
神薙:じゃあ……戸谷ゴー(一同笑)。
GM:「私の名前は、戸谷ゴー……」。いや、戸谷ゴーはマズイだろ! ゴーを変えよう(笑)。戸谷……。
神薙:……ゴットン(笑)。
リア:ゴットン・ゴーから離れろ!(一同笑)
GM:……駄目だ。ろくなのが思いつかん……もう、戸谷剛でいいや!(笑) ……では、神殿を出てから君に聞こう。「この辺りに、フリーシェン翁のお屋敷があったと思うのだが、君は知らないだろうか?」。
リア:え? ……フリーシェンは私の家ですが?
GM:するとオジサマは目を丸くして……「そうか! もしかして君は……イシュタリアか!!」。
リア:なぜ私の名前を……?
桃子:「私は君のオシメを変えてあげたこともある」(笑)。
リア:16〜17の女の子に、それはどうだろう?
神薙:周りには人がいっぱい(笑)。
GM:それはなしで(笑)。……「私はある調査のために第八世界から来ているんだ。知己であるフリーシェン翁に協力願おうと思ってね。昔、お爺さまには世話になった。その時に、君にも会っている」。
リア:そうですか……。彼の考え方を知りたいから質問します。……先ほどは、どうして私たちを助けてくださったのですか?
GM:むぅ……「力ある者が力ない者のために、持てる力を最大限振るうのは当然のことだ。君たち騎士と同じさ」。あ、さらに続けて……「ただ、時には何も考えず、感じたままに思う様正義をつらぬくことを忘れないようにもしているけどね」。といってスマイル。
リア:……以前だした結論とは矛盾した行為であっても、そのとき自分が正義だと思ったことを貫くと?
GM:そうそう(笑)。……「しばらく、君の家に厄介になる。困ったことがあれば、なんでも言ってくれ。……私にも君ぐらいの娘がいてね。だから、というわけではないのだが……(笑)」。
リア:あ、はい……では、屋敷までご案内します。

 アンゼロット宮殿の自室で、イシュタリアは戸谷剛のことを思い出していた。
 ファー・ジ・アースに来て半年。
 まだ、彼には会えていない……。

 同じ時刻。
 アンゼロット宮殿、正門前。
 ひとりの男が、立っていた。

 ◆ Opening 04 ◆  

   チチ、襲来

GM:神薙のシーン。アンゼロット様に呼ばれまーす。
神薙:お呼びでしょうか。アンゼロット様。
GM:「よ……よく来てくれました。か、神薙……」。
神薙:……? なぜ、そんなに引き気味なんですか?(笑)
GM:「い、いえ……わたしもどう対処していいか、すこし困っていまして」(笑)。
神薙:それは、私に対してでしょうか?(一同笑)
GM:「いえいえ(笑)……ですがあなたに関係していることなので、呼んだのです」。
神薙:私に関係していること?
GM:「あなたに……紹介したい人が、いるのです(笑)」。
神薙:なぜ、笑うのですか。そこで?(笑)
GM:「いや、お見合い写真を出しそうになったので」(一同笑)(←過去ネタ)。
神薙:……私は、ホモの男性でなければ興味が持てません。

一同:…………は?
一拍おいて、一同爆笑!

桃子:意味が分かりません!(笑)
レイン:どんだけ歪んでんだよ、この人は(笑)。
GM:「か……彼がホモかどうかは、まだ、確認していません。ちょっと、自分で確認してみてください」(笑)。
リア:どーやって?(笑)
GM:「……では、入ってください」。アンゼロットはその人物を招じ入れる。
レイン:……バタン!(←擬音担当)
GM:ここで、神薙に質問。……君の本名はなにが良いですか?
神薙:は?
GM:この人は、君の本名を知っている人物なので。
神薙:……決めてないんですけど?(笑)
GM:じゃあ、勝手に決めていいの? 嫌でしょ……いきなり、「カヲリ!」。とか呼ばれても?(一同笑)
神薙:それは嫌だな(笑)。えーっと……(名前のネタを求め、手近のプリントを手に取る)。
レイン:……それは参考にしないほうがいいぞ?(笑)(↑鋼氏が持ってきたナレーション原稿)
神薙:……そうだな……「真っ赤に熟れたイチゴと、毒のミルク……(音読)」(一同笑)。
レイン:かなりエロいからな(笑)。
神薙:駄目だ。思いつかん……「カヲリ」でいいよ(笑)。
GM:では……「カヲリ!!」。現れたオジサンは君に抱きつきそうな勢いだよ(笑)。
神薙:……あなたは、誰ですか?
GM:「……そうだったな。こちらの世界では、すでに私の存在は消されている。そう、アンゼロット様にうかがった」。
神薙:こちらの世界? 消されている?……あなたは……!?
GM:「私は、おまえの父……戸谷剛だ!」(一同笑)。
神薙:じ、じゃあ……私の本名は………戸谷カヲリ────っ!?(爆笑)

 一同爆笑。
 世界中の戸谷カヲリさん、すいません。

神薙:ま、まて(笑)……あなたが私の父親であるという証拠はあるのか? ……いや、出そうにも無理か。この世界では、すでに存在が消 ているというのであれば。
GM:「そうだな……だが、私は知っているぞ。おまえの体にある聖痕の位置は、×××(笑)。それはおまえが生まれた時からついていたものだ」。
神薙:なるほど……しかし、私自身に生まれた時の記憶などありはしない。
GM:「まあいいさ。時間は、ある。……私もヴェルムの事件を追って、今まで異世界に行っていたが、これからはおまえたちと行動を共に することにしよう。よろしいですか、アンゼロット様?」。「まぁ、どうでしょうねぇ……神薙さん?」。
神薙:……ひとつだけ聞く。
GM:「ん?」。
神薙:あなたは────ホモか?(一同笑)
天志:なにを聞いてるんだ?(笑)
GM:「おまえが……それを望むのならば!」(一同笑)。
天志:なにをいってるんだ!(笑)
GM:「目覚めるよ! いや、いま目覚めた!!」(一同笑)
リア:どんなパパだよっ!(笑)
GM:「おまえがパパと呼んでくれるまで、ガンガルよ! ……さて、まずはめざとい男を物色するか」。……なにさせる気だよ!(笑) 桃子:なにさせるというよりは、なにする気ですか!?(一同笑)

 ◆ Opening 05 ◆ 

   新たな予言

レイン:今のシーンに参加したいんだけど、良い?
神薙:別にいいよ。
レイン:じゃあ、戸谷剛が入ってきた扉から、入ろう。
神薙:赤目か……アンゼロット様の私室に、無断で侵入か?(目が☆ギラン)
レイン:慌てないでほしい。私は先客だったのです(一同笑)……この世界で存在が消されても、別の世界にいれば助かるようですね?
GM:「ああ。世界結界の影響を受けない。ということなのだろう」。
レイン:なるほど……しかし、本当に神薙さんのお父上は生きていらしたのですね。
神薙:まだ、あの男が父かどうかは分からない。
桃子:目の前で言ってるし(笑)。
GM:「あうう……(泣)」(笑)。
レイン:私の預言書に、また新しい言葉が浮かびました。……GM。文章決めてる? もし決めてないなら、俺は自分で勝手に書いたのを読むつもりだが(一同笑)。
GM:いちおー用意してる。そっちでもいいよ(笑)。
レイン:む。では、こっちを読んでみる!(笑)

 存在の消失は日増しに拡大を続ける。

それはまるで花嫁を包む
ベールのように。

求めるほどにその姿を暗ます。

目覚めの日は近い。

我々は知らなければならない。

真なる名を記すもの。

見えざるその意味。

GM:おお!
レイン:こう書かれていました……これは私の記憶が確かならなのですが(一同笑)。もう1度、見てみましょう!(笑)
GM:(笑)……では、メール送信!

N3

再生と崩壊 世の理

子らはまた裁定の時を知る

眠れる辞書は目覚めを求め頁を繰る

目覚めを助けるは闇 光は崩壊を望む

山動き天駆ける堰失われ止まるを知らず

闇光に潜み飲み込む

天に蒔かれし星火の粉混じる

公V3S格GO秘R12橋EL機EN
私Ch2

裁定の時名無き者夢語る

そは闇

尚予言内容は予告無く変更される事が有る事を予め御了承下さい(笑)

リア:って最後の一文! これも書いてあるんですか!?(一同笑)
レイン:まあ、最後の一文は試験的な試みでしょう(笑)。しかし、むぅ……これはGMに読んでもらった方がいいな。どこに句読点つけていいかよく分からん……?
GM:読み方や、どこで句切るかは君が判断してくれ。それこそが、言霊使いの真骨頂でしょ(笑)。
神薙:(横から覗き込んで)……文字バケしてるところがあるぞ?「公V3S……」。
GM:ああ、それは文字バケじゃないから。その通りに送ったから(笑)。
レイン:解読はまだできていませんが、世界が崩壊に向かっていることは確かですね。
神薙:今の予言の内容とは全く関係ないのだが……そこの戸谷剛という男。
GM:「はい。あなたの戸谷剛です」(笑)。
神薙:この世界では存在を消されたと言ったな? つまりあなたは、ヴェルムの所有者と……。
レイン:……接触したことがある?
GM:「そうかもしれない。しかし、私は犯人の特定には至っていない。それが分かれば、すぐにアンゼロット様に報告している」。
神薙:では、あなたはいつ頃、自分が消されたのか分かっているか?
GM:「ああ、それは分かっている。調査した結果、半年前。ちょうどプルート事件があった時だ」。
神薙:それは……く、くやしいことに、その時の私の想いと一致しなくもないところが。
GM:「フフーン。なにか思い当たる節でもあるのかな?」(笑)。
レイン:あなたの父親の可能性が、増しましたね。
神薙:……いや。あれを父親と認めていいのか? 私のお父様は、あんなものだったのか!?(笑)
リア:気持ちは分かります(笑)。
レイン:まだ、会って数分の人間です。そこまで言うのは、あまりにも……(笑)。
神薙:だって……だって、彼はホモではないのだっ!!
一同:そこですかっ!(爆笑)
リア:あなたの求める父親像って、なんなんですかっ!(爆笑)
レイン:(笑)……しかし、戸谷さんがこうしてロンギヌスに戻ってきたことには、意味があるのでしょう。決着が、近いのかもしれませ ん。
GM:「そうなのかもしれないな。私はこの件に関わって早2年半は経つ。聞きたいことがあれば、なんでも聞いてくれ」。
神薙:それは別のシーンでお願いしよう。
GM:「そうしよう」(笑)。
神薙:次のシーンまでに、ホモになってくれ。
GM:「……が、頑張るよ。カヲりん!」(一同笑)。

リスアァァッチ!

 ◆ Research00 ◆ 

      山動く

GM:まず、GMシーンを1コ入れまーす。

 アンゼロット宮殿。発令所。

「月軌道上に、多数のエミュレイター出現! 数、5千! 地球に進路をとっています!」
「各ウィザード組織に通達。スクランブル要請」
「敵旗艦と思われる戦艦から、全呪的チャンネルにメッセージが発信されています!」
「なっ!? なんですってぇ!?」

桃子:戦艦?(笑)
リア:ところで、誰? こっちの指揮官?
GM:アンゼロット(笑)。
リア:無様だな(笑)。
GM:うるせぇ(笑)。0-Phone(レイ・フォン)持っている人は全員メッセージを聞くことができる。

「あーあー……私の名は、豪円山博英。わが艦隊はこれより、ファー・ジ・アースに対して、宣戦を布告する!」

神薙:コイツ、死ぬきか?(笑)
レイン:ここで奴が出てくるなんてっ!(笑)

「この通信を聞く、全ての同胞たちよ!我らに味方せよ! これより我らは手始めに、アンゼロットならびに、ロンギヌスを殲滅する!  ……私はもう、異世界でガタガタと怯えて暮らすのはイヤなのであーる!」(一同笑)

「あー……あたま痛い」

リア:ほっといても、ヴェルムに消されますね(笑)。

◆ Research01 ◆ 

     出撃前

 PC5人は話し合いの結果、豪円山迎撃と、エンサイクロペディア・ヴェルムの調査の二手に分かれることにする。

GM:ではまず、迎撃組の2人。桃子と神薙ー。
桃子:ではわたしは、神薙さんの部屋の前に来ています――ドンドンドン!(ノック) 神薙さーん出かけましょー!(笑)
神薙:ああ。私がいけば手早く片付けることが可能だからな……今度は異世界などではなく、神の国に送ってやろう(一同笑)。
桃子:じゃあ、出撃準備をして、神薙さんの箒の後ろにまたがって待ってます……あんまり、スピードださないでくださいね?(笑)
神薙:私のことは程々に信用してくれと、前回いったな?(笑)
桃子:全幅の信頼を、置いていきます!(一同笑)
GM:君たちが準備していると……「SATの2人!」。と声をかけられる。
桃子:あ、サラダを作って待ってなくていいですよ?(一同笑)
GM:「いや、おれも流れ弾で死にたくはないから(一同笑)……そうじゃなくて、豪円山の情報を持っているという人が来ている。話を 聞いてから出撃しないか?」。
神薙:フォウか?
GM:「いや、4じゃなくて……3とか2とかアイとかだ」。
桃子:……? とにかく、話を聞いてからいきましょう。
GM:待合室に入ると、そこにはフォウ・ムラマサと同じ顔をした娘が3人いる。
桃子:あなた方は?
GM:「ワタシは村正愛といいます。こっちの2人は、ツーとスリー。ワタシをもとにして作られた人造人間で、フォウの姉妹です」。
神薙:なるほど、それでフォウを助けてほしいと?
GM:「はい……あんな外道な男のもとに、妹を置いておくなんて!」(一同笑)。
神薙:それに関しては安心していい。豪円山はメカに興味はない。直接会った私が言うんだ、間違いない(一同笑)。
桃子:それより、彼女は豪円山の命令しか聞かないんですよね?
神薙:そっちの方が問題だな……重傷値にすれば倒れるのか?
GM:「いいえ。重傷値は設定していません。モンスターと思ってください」(笑)。
神薙:つまり、HPを0にした時点で死亡するということか……?
GM:「いえ、0になっても行動不能という扱いにしましょう」(笑)。
レイン:どんな会話だ!(一同笑)
神薙:ならば、マイナス50でも、マイナス100でも良いと……それを聞いて安心した(笑)。
GM:それと、彼女はエルフレア在住で、豪円山がフォウのメンテナンスのために現れた。そのまま彼はエルフレアで力を蓄えていたのだ が……「今回の進攻、豪円山をそそのかした男がいるらしいです」。
神薙:それは重要な情報だ……はっ!まさか、その男の名前は、戸谷剛というのではないだろうなっ!(一同笑)
GM:いや、彼女はそこまでは知らない。だが……「戸谷剛? 確かワタシの父のお客さんの1人がそんな名前でした」。
神薙:……その男は君の父親に何を注文した?
GM:「ワタシの父に注文するものといったら、人造人間以外、考えられません」……。
神薙:そうか。貴重な情報をありがとう。……あとで、問いただしてみるか。とりあえず、まずは豪円山を処理しよう。
桃子:そろそろ、行きましょう。神薙さん。

「フォウのこと。よろしくお願いします!」

 同じ顔をした3人が、同時に頭を下げた。

 ◆ Research02 ◆ 

      再会

レイン:私は預言書の方からヴェルムについて調べようと思います。
GM:戸谷剛がレインに接触する……「カヲリンは出撃してしまったか……私もヴェルムについて調べようと思う。君、私と一緒に動かん かね?」。
レイン:そうですね。ご一緒しましょう……ただ、ひとつ言っておきましょう。
GM:はい?
レイン:私に、そっちの趣味はありません!(一同笑)
GM:「チッ……そうか、残念だ」(笑)。
天志:エンサイクロペディアの調査……俺も一緒に行動させてもらう。
GM:「おお! 新しい男が来た!」(一同笑)。
レイン:では、場所を移して、食堂でリアさんを拾いましょう(一同笑)。
リア:はい。私は食堂にいますよ(笑)。
レイン:リアさん。我々とヴェルムの調査をしませんか?
GM:「初めまして、お嬢さん。戸谷剛です。残念だけど、私は女の子には興味ないんだ」(一同笑)。
リア:既視感?(笑) ……いや、なんだろう? 記憶の中にあるあの人は、もっと美化されていたような気がする(一同笑)……初めまし て。
GM:話していれば分かるけど、どうやら戸谷剛は、イシュタリアのことは知らないようだ。
リア:他人の空似でしょうか?
GM:名前も同じでか?(笑)
リア:う〜ん……?
GM:「……とりあえず、私は私のやり方で調査をしよう。分かったことを互いに交換するということでいいかな?」。
リア:……なにか調査をされるなら、人手はいりませんか?
GM:「君はパソコンには強いかね?」。
リア:はい(即答)。
一同:え?(おいおいラース=フェリア人だろ、アンタ)
リア:大丈夫です。半年もありましたから。もう、0-Phoneだって使えますし……向こうの魔道ヴィジョンみたいなものでしょう?(笑)
GM:「分かった。では一緒に来てもらおう」。
レイン:あ、そうだ……戸谷さん。あなたは「N3」という言葉をご存知ですか?
GM:(お、きたか) 「……N3? いや、はじめて聞くが? それがなにか?」。
出撃中の神薙:半年前に消された、あなた自身が残したと言われていた言葉だ。
レイン:この事件の始まりに、私の預言書に記されたのです。
GM:「……そうか! (棒読みで)……もしかしたら、この世界で私の存在が消されたことによって、世界結界の外にいたとはいえ、ある程度、私の記憶にも何らかの障害があるのかもしれない!」(笑)。
出撃中神薙:なんだその、いかにも「知らない振りしてます」。な言い方は(笑)。
リア:今、何か読んでました?(一同笑)。
GM:「とにかく、私は知らないなぁ」。
出撃中神薙:それなのに、私の父であることは覚えているんだな?
GM:「それを忘れるわけないだろう!」ってか、さっきからここにいない神薙と喋ってる(笑)。
レイン:本当に覚えてないんですね?
GM:「ああ、すまないな……それじゃあしばらく、情報処理に適した部屋を貸してもらうよ」。と、戸谷剛は話を切り上げてこの場を後 にする。
リア:では、私はそれに手を貸すという形で、ついて行きます。

 戸谷剛。
 本当に記憶にソゴがあるのだろうか? それとも……?
 あれから、2年が経っていた。

 ◆ Research03 ◆ 

      光と闇

レイン:アンゼロットの部屋へ行きます。
天志:付き合う。
レイン:まず、この預言書の謎の文面に関して質問したい。
GM:「はいはい。どの辺ですか?
レイン:まずはこの、文字化け部分……さっぱり分かりません──公、ブイ、さん、エス。格、GO! ……このGO! というのが非常に 気になる(一同笑)。
リア:(笑)……私たちのレイフォンにも送ってもらえませんか?
GM:あ、そうだね。送ってあげよう。
レイン:……そして、R12というのも、気になる(一同笑)。
リア:12歳以下っ!?(笑)

 メール送信。
 みんなで吟味。

GM:「……まだ、時が来ていないのではないでしょうか?」。
レイン:時が来ていない?
GM:では、ヒントをあげましょう。えーっと……この「山動き天駆ける」というのは、豪円山が進軍してくることを表している。
リア:アレが「山」ですか!?(笑)
レイン:たしかに……確かにあれは、(豪円)山が天(宇宙)を駆けてる!
リア:アレを山と称するには、スケールが小さいような気がしますが(一同笑)。
桃子:「目覚めを助けるは闇 光は崩壊を望む」のとこ、なんで闇と光の間だけスペースがあるの?
GM:それは……まぁ、ヒントみたいなもんだ。
神薙:(深海魚の)アンコウって、「闇光」って書くのか?
GM:おー、確かに深海の闇の底で光を灯す存在ですな!(笑)
レイン:む! その「闇光に潜み飲み込む」は、「闇、光に潜み飲み込む」と読むわけだな!
GM:うん。まぁ、そう(笑)。
レイン:闇の侵食か!?
GM:預言書には、過去にあったこと、現在のこと、未来に起こることが書いてある。通称文字化け部分も、今は意味分からなくても、い ずれ役立つかもしれない、と(笑)
レイン:これだけのヒントから、何か導き出せるものってある? 『鏡の中の真実』使いたいんだけど?
GM:ほう、おれにバラせと? ジャッジせよ!
レイン:プラーナ10点使う(krkr)……うん成功!
GM:予言の中の「闇」は、エンサイクロペディア・ヴェルムの所持者。「光」は、我々人間を指す!
レイン:……「闇、光に潜み飲み込む」ってのが。どうしても、仲間に敵がいそうな感じがして気になるんだよな(笑)。
桃子:……戸谷剛が、アヤシイ(笑)。
神薙:私が信じるのは……ホモ、だけだ!(一同笑)

 アンゼロットと天志は空気。

 ◆ Research04 ◆ 

   天に蒔かれし星


桃子:宇宙はわたしたちに任せてください!
GM:すでに各ウィザード組織からウィザードたちが出撃して、小競り合いを始めている。
神薙:そこで、豪円山が言うわけだ……「圧倒的ではないか! 我が軍は!」(一同笑)。
GM:そう! まったくその通りでしてね。ウィザード側は大苦戦している!(笑)
神薙:意外とやるな。

 「戦力が圧倒的に足りないぞ!」
 「衛生兵! 衛生兵!」
 「なぜだ!? なぜ衛生兵がひとりもいないっ!?」

神薙:消されているのか!?
桃子:つまり、豪円山は裏でエンサイクロペディア・ヴェルムと繋がっている?
GM:「ファー・ジ・アースのウィザード供は、こんなものだったのか! もっと早く、世界征服でもしていればよかったなぁ! プッハァー(笑)」(一同笑)。
神薙:コイツはただの、かませ犬だとは思うが(笑)。
桃子:味方が浮き足立っている……陣形を立て直しなさい! といって、『陣形』を使う!(笑)
GM:桃子の呼びかけに応じて、陣形を整えるウィザードたち……だが! 片っ端から存在を消されていくぞ(笑)。
神薙:おかしい。味方の数は、こんなに少なかったか!? いや、いまは覚えていられるんだったな……。
GM:うん。だから、次々に目の前から消えていくのを目撃できる。
神薙:……やってくれたな!
桃子:戦艦ごと、消されているの?
GM:いや、ウィザードの人たちは、箒にまたがって突撃してたから(笑)。……気がつけば、ウィザード側は君ら2人しかいない!(一同笑)
桃子:戦闘宙域に2人だけ!?(笑)
レイン:それは、こっちでもモニターしているの?
GM:うん。アンゼロットが言う……「いくらなんでも、2人だけでは、無茶です!SATに非常招集を──」。
神薙:……無茶ではないさ。
GM:え?
神薙:私一人いれば、事足りる……といいたい所だが……桃、ついてきてくれるか?
桃子:はぁ……久しぶりですね……2人で、特攻なんて。
神薙:私たちには、この方が性に合っている。
桃子:……背中は、任せてください!
神薙:任せた! SAT最強コンビの力、見せてやろうじゃないか!
桃子:はい! 行きましょう!!

 5×10スクエアの戦闘フィールドに、GMは敵駆逐艦6、巡洋艦2、旗艦豪円山を配置する。
 艦隊に突撃するのは、神薙の箒にまたがる神薙と桃子の2人のみ。

神薙:行動値からだな……『フェイバーオブジアース』を頼む──『ストームラン』!
桃子:『フェイバーオブジアース』!
神薙:(krkr)……ち、行動値は19。
桃子:わたしはプラーナを15点使って(krkr)……36。
GM:むぅ……旗艦豪円山が14。あとは全部16だ。
桃子:36のわたしから……詠唱を始めます──『スター・フォール・ダウン』!
GM:いきなりキタ────ッ!(一同笑)
桃子:カウントを9つ落として27。発動します! ……ここ中心で(笑)。
レイン:あ、全部入る(笑)。
GM:うおー! 豪円山以外が範囲内かよ! 一掃されそう?(笑)
桃子:(krkr)……発動がファンブル。幸福の宝石を使って、発動成功。(krkr)……命中は50!
GM:(サイコロ振らずに)……そんなもん、避けられません!(笑)
桃子:じゃあ攻撃力は (krkr)……… 83!
GM:(サイコロ振って計算して)……駆逐艦、巡洋艦それぞれ中破ってとこですな。
神薙:さて、私の番だ……今の攻撃で、中破と言っていたな。(少し考えて)……いや、出し惜しみは良くないな──私は『コンビネーシ ョン』を使い、『アンブッシュ』と『渾身の一撃』を使用する!
GM:「な!? 敵が消えたッ!?」(笑)。神薙:私は虚数と実数の空間を、自由に行き来することができる!(一同笑)──サンライト・ソニックスピア! 『衝撃の嵐』を使う!
GM:まあ、そうくるよね(笑)。
神薙:対象は、視界内の全対象!
桃子:『シャドウ・ブレード』!
神薙:よし……これで私の攻撃力が53。これが4倍になって212!
GM:うわー、だめだー!(一同笑)
神薙:命中にプラーナを5点使用する(krkr)……命中は27!
GM:(krkrkrkr…)……だめ(笑)。
神薙:攻撃力は212+(krkr)……クリティカル!(krkr)……227……さらに『ハードマッスル』で+15だ! 242点ダメージを敵全艦に与える!!(一同笑)
桃子:どんな戦略兵器ですか!(笑)
レイン:半端ねえなー(笑)。
GM:ちゅどどどどどどどどおんッ! 「ば、馬鹿なあああ!? 豪円山様に栄光あれー!!」(一同笑)。
神薙:言ったろ? 私のまえでは、距離も数も無意味なのだと。
桃子:わたしたちは、こうやって生き延びてきた(笑)。
GM:「ぐうう……まだだあ。所詮、雑兵どもがやられたに過ぎん!」。旗艦豪円山のターン! ……「ゴーエングリン砲、発射ああああああッ!!」(笑)。
一同:ゴーエングリンッ!?(笑)
GM:対象は、神薙!
天志:対象……単体なの?(笑)
リア:マップ兵器にしとけよ!(笑)
GM:……あ、しまった……!
一同:?
GM:ゴーエングリン砲……対艦隊戦用だから、命中値が低いいいぃぃぃ!(一同笑)

 実はこの戦闘は、PC全員がアンゼロット宮殿で出撃することを想定して作られていたのです(笑)。

リア:アンゼ宮で出撃ってなんだよ!(笑)
GM:細かいことは気にするな(笑)。

 結局、ゴーエングリンは神薙に回避された。
 形勢不利と見た豪円山博英は、艦内に監禁していた少年少女を盾にする。

 戦場は、膠着状態となった(笑)。

桃子:仕方ありませんね……いったん、シーンを切り替えましょう(笑)。

 ◆ Research05 ◆ 

     オジサマ

 情報処理ルーム。
 複数のディスプレイを前に、戸谷剛がキーボードを操作している。
 その側についている、リア。

GM:(世間話)「……リアさんは、ご実家はどちらなんですか?」(笑)。
リア:フォーチューンの方なんですよ(笑)……来たこと、ありますか? 風光明媚で良いところですよ?
GM:「ええ、何度か行ったことがあります……あのお爺さまは元気かなぁ?」(笑)。
リア:…………。ではあの、神薙さんに忘れられてしまった時も、ラース=フェリアにいらしたんですか?
GM:「いえ。プルート事件の頃は、エルフレアに調査に行っていました」。
神薙:……やはり、豪円山の後押しをしているのはコイツか……?
桃子:う〜ん……。
リア:ではやはり、世界結界の外にいたから、自分自身の存在は消されなかったわけですか……私も確かに、戸谷剛のことを覚えているし ……。
GM:「この件は非常に危険だが、私は存在を消されている人間だ。きっと、有利に動けるだろう」。
リア:……でも何故ですか? 一度は自分の存在を消される程の危険に遭われているのに、戸谷のオジサマはどうしてまた、この危険な任務に?
GM:「……力ある者には、力なき者を守る義務がある。たとえ命を落としても、立ち向かわなければ、私は自分が生きているとは思わない」。
リア:たとえ失うものが命ではなく、存在そのものだったとしても、ですか?
GM:「リア。君は、自分が死んで百年経って、そのとき君のことを覚えている人間が、どれだけいると思う?」。
リア:……なるほど。よほど、伝説にでもならない限り、答えは「いない」ですね。
GM:「そうだ。つまり、死ぬことと存在が消えることは、ほぼ同義といってもいい。遅かれ早かれ、存在は消える。私は死を恐れない。だから消えてしまうことも、恐れはしない」。
リア:……ですが、それは消える当人にとってはですよね? 残される人にとっては、覚えていられないことって、悲しいことだと思います。
GM:「そうかも、しれないな」。
リア:だから……自分が消えてしまうことに、無頓着になってはいけないと、そう思います。
GM:「……そうだな」。
リア:こんな流れの話を、以前にもしたということにして、良いですか?(笑)
GM:では、それで(笑)。目の前の彼は、覚えていないけどね。
リア:それなら、あの時のオジサマだと、なんとなく思えてきてはいるけど……。
GM:うむむ……何かもうひと言、インパクトのある言葉を言いたい──。
神薙:「──私はホモである」(一同笑)。
リア:いや、今さらインパクトないから、もう(笑)。
レイン:じゃあ、「──我輩はホモである!」(笑)。
神薙:「──経験はまだない!!」(一同爆笑)。
リア:最悪だ!(一同笑)
GM:……もういいや(笑)。「とにかく私は、そんな感じにイイ男なわけだ……こんなイイ男は、う〇こなんてしないからな!」。といって、席を立つ(笑)。
リア:トイレですか?(一同笑)
GM:「さすがに、そこまではついてこないでくれよ?(笑)」。
リア:じゃあその間に、宇宙の戦闘の実況中継でも見ていましょうか……。

 戸谷剛が部屋を出る。
 やはり、彼なのだろうか?
 モニターの向こう。宇宙の戦いは、膠着状態になっているようだ。

 ◆ Research06 ◆ 

   止まるを知る

 膠着状態の戦場。

神薙:私ならば、姿さえ見えればどこにいようと攻撃できるのだが……(『魔弾の射手』)。
レイン:ただ、聞きたいことがあるから、それはできないと(笑)。
神薙:そういうことだ。私の威力では、殺してしまいかねない(一同笑)。
GM:むう……よし。もう豪円山は切ろう! コイツはここまで追い詰められたら、もう駄目だ(笑)。
桃子:もし、その引き金を引いたら、あなた方もただでは済まないと思ってください?
GM:(震える声で)「そ、そのときは……終わりだろうなぁ!」(笑)。
桃子:ならば、投降しなさい!
GM:「と、投降……で、できるものか!ここまでアンゼロットを愚弄したのだ。私はもう、生きてはいけまい……ならば、いっそ!」(笑)。
神薙:いいや……ひとつ貴様に、アンゼロット様の特性を教えてやろう。
GM:「……?」。
神薙:あの方は、無限大。あの方の慈悲も、無限大!
一同:おお〜(笑)。
GM:「だ、だが……私は、おまえの事をいっているのだよっ。神薙〜っ!」(笑)。
神薙:私か?(笑) ……アンゼロット様が許すのであれば、私も許そう。
GM:「そ、そうか! ……では、アンゼロット様! なんでもします! 足でも舐めます! だから許してぇ〜」(笑)。
桃子:舐めろなんて、言ってません!(一同笑)
GM:「ちぃ……私の心を読んだかっ、小娘!」(笑)。
リア:むしろ、舐めさせてくださいってか?(笑)
GM:「いや、わかった。そっちの小娘でいい! アンゼロット様は諦める! そっちの小娘で……って、私はなにを口走っているのだぁ〜!?」(一同笑)。
桃子:……あたま、痛い……なるほど、アンゼロット様の気持ちが少し分かった気がします(笑)。
神薙:それでは、投降するのだな?
GM:「し、しかたない……慈悲深い裁断を、お願いします」。といって、白旗ぴろぴろ(笑)。
神薙:それでは、敵旗艦、アーク豪円山を収容してください(笑)。
GM:では、ワープしてきたアンゼロット宮殿に旗艦豪円山は収容され、武装解除された(笑)。
神薙:じゃあ、身柄を拘束する……フォウは抵抗するか?
GM:いや、主人が諦めたから、抵抗はしないよ……豪円山は拘束具つけられて、「モガモガ……」。
リア:なんで、ギャグボールまで?(笑)
神薙:ギャグボールはちょっと……(笑)。
GM:「コフーコフー……」(笑)。
神薙:豪円山博英。おまえをそそのかした男とは、いったい何者だ?
GM:「コフーコフー……」(笑)。
神薙:……それは、外せ!(一同笑)
GM:では、ギャグボールを外された豪円山は(笑)、しばし逡巡した後、その男の名を口にする……「彼の名は……」。

 「彼の名は……戸谷…剛だ……!」

 ◆ Research07 ◆ 

      潜む闇

 モニターを見つめるリア。
 外の戦闘は決着したらしい。
 ……戸谷剛は戻ってこない。
GM:トイレに行ってから、彼は帰ってこないよ(笑)。
リア:おや〜(笑)。
神薙:だって奴が真犯人で、奴が全ての存在を消しているんだから、帰ってくるわけないじゃないか。
桃子:断定してるし(笑)。
リア:じゃあ、遅いな〜と思ってトイレに声をかけに行く……コンコン……戸谷のオジサマ?
GM:…………。
リア:コンコン……コンコン……コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコ!
GM:…………。
リア:……失礼します。といって、開けてみる。
GM:べつに臭いはしないよ?(笑)
リア:いや、そーでなくて(笑)。
GM:うん。彼はいない。
リア:……窓から逃げた?
GM:じゃあ、それで(笑)。
リア:ため息をつくこともできずに、呆然とします。
レイン:ここで、登場していい?
GM:いいですよ(笑)。
レイン:どうしたんですか、リアさん?
神薙:男子便所の真ん中で(一同笑)。
桃子:ちょうど入ろうとしたら……アレ?(一同笑)
リア:戸谷剛が……いなくなりました。
レイン:彼はいったい、なにを調べていたんでしょうね?

 2人は部屋に戻り、戸谷剛の使用していた端末を調べてみた。
 超A級の諜報員である戸谷剛は、リアにばれないようにウィザードとロンギヌスの名簿を手に入れたようだった。

レイン:このことを全員に報告しましょう。
神薙:く……やられたな。
レイン:私の推測では、彼がこのアンゼロット宮殿内でやるべきことは、もう無いと思います。
桃子:であれば、彼はここから逃亡することを考えるでしょうね。
レイン:宮殿内に逃亡に適した手段や、施設はありますか?
神薙:宮殿にある施設は、全てアンゼロット様の許可が必要だ。
桃子:つまり……収容されたばかりの、豪円山なら!
神薙:アーク豪円山か……分かった。すぐに豪円山を破壊しよう。……と、豪円山の目の前で言う(笑)。
GM:「き、貴様〜ッ! それがアンゼロットのやり方かぁ!!」(一同笑)
天志:その話を聞いて、俺はアーク豪円山のところで、待っていよう(ニヤリ)。
桃子:アーク豪円山のクルーも全員、艦から降ろされていますよね?
GM:うん。……だが! その豪円山一味が、アンゼ宮内の各所で暴動を起こし始める! 「「抵抗するは、我にありいいいいい!!」」( 笑)。
一同:なにいいいいッ!?
リア:豪円山本人は、ここにいるのに?(笑)
GM:しかも、暴動を押さえるロンギヌスは、いない!
神薙:……消されたのか!?
桃子:ロンギヌスの名簿が盗まれたとすると、私の名前……そして犯人が戸谷剛であるならば、神薙さんの本当の名前も知られているはず ですよね?
神薙:……その割りには、戦っている最中には消さなかったな……いや、今もまだこうして私たちを消さずに置いているのは、何故だ…… ?
GM:「それはね……」。

 カツーン、カツーン、カツーン……。
 靴底の響く音が、神薙の耳に届く。
 戸谷剛。

 「それはね……私が、おまえの父親だからだよ……」

 ◆ Research08 ◆ 

     サイテイノ時

 神薙、桃子、リア、おまけの拘束された豪円山の目の前に、戸谷剛がゆっくりとその歩みを進めてくる。

GM:「……私が、おまえの父親だからだよ……」。
桃子:わたしは、娘じゃありませんよね?(笑)
GM:「君の名前を探したが、辞書には載っていなかったんだよ。竜崎桃子くん……よく探したつもりなんだがね?」。
桃子:わたしの名前はヴェルムに載っていない……?
神薙:……それは、死んだ人間の名前は勝手に消えてしまうのか?
GM:「ああ、その通りだ」。
桃子:へえ……ならばわたしは、その辞書に対しては、無敵ということですね(笑)。
GM:「どういうことか教えてもらいたいものだが、そんな時間はないのかな?」。
神薙:……ヴェルムを使って、人口を減らしているのは何故だ?
GM:「私はきっかけを与えたに過ぎない。辞書はもう、目覚めようとしているのさ」。
神薙:目覚め?
GM:「もともと辞書には、人間を消す力があった。その力が目覚めた。と思っておくがいい」。
桃子:あなたの目的は? 人を消す力を目覚めさせて、何がしたいのっ?
GM:「……ひとつは、約束。もうひとつは、愛……かな」。
桃子:約束と愛? 綺麗ごとですね!
GM:「奇麗ごとを並べたつもりはない。私を支えているのは、紛れもなく、その2つなんでね」。
桃子:……わたしが今、生きているのもその2つのお陰かもしれない……けど、あなたとは決して相容れない! わたしはあなたを、許しません!
リア:私も一歩前に出ます。
GM:「お嬢さん、さっきはすまなかったね。騙して申し訳なかった」。
リア:私がついていながら、失態でした……しかし、あなたのことをもう少し信じていたかったことも、事実です……あえて聞きましょう 。何故──っ?
GM:「信じていればいい……君の知る男と、今ここにいる私は、違う人間だ」。
リア:……そう、ですか。
神薙:もうひとつ聞きたい……私は自殺したアルフレッドのことは覚えている。だが、異世界に逃れていたおまえのことはまったく覚えて いない。この差は何だ?
GM:「人は死ぬことによってしか、ヴェルムの力から逃れる術はない。戸谷剛は確かにこの世界から消えてしまっている」。
神薙:だが、おまえはここにいる。
GM:「例えば……今は墓石の下にいる八幡ゆかりだけが、この世界の八幡ゆかりなのか?」。
リア:いえ、彼女は私たちの心の中にも確かにいます。
GM:「つまり、もしも彼女が私と同じように世界結界の外に逃れていたとしたら、彼女自身は助かるが、おまえたちや北条くんの記憶の中の八幡ゆかりは、やはり消えてしまっていたわけだ」。……この説明で分かったかな?
リア:よかった。彼(天志)がここにいなくて(笑)。

アーク豪円山の前で暴動鎮圧中の天志:しまった……待機場所を、見誤った(一同笑)。

神薙:……なるほど。すまないな、私は高校に行ってないほど頭が悪いんだ(一同笑)。
リア:じゃあ、行かせてもらえなかったってことか、この戸谷剛にっ?(笑)
GM:「私が、イカせてあげるよ!」。……いや、変な意味じゃなくて(笑)。
神薙:(笑)……生憎と、私は人の手を借りるのが、大嫌いでな!
GM:「娘が……娘が父の手を借りるのに、何を躊躇する必要がある!」(笑)。
神薙:私は、ホモでない人間はキライだと言っただろう!(一同笑)
レイン:またかよ(笑)。
GM:「私は、ホモになる! と言い切っている!」(一同笑)。
神薙:ならば、その証明を今ここで、やってみせろ!!
GM:「よかろう!!!」(一同笑)。……拘束された豪円山博英のズボンを──っっっ!!!

 ピ────────────────────ッ。

 自主規制(一同大爆笑)。

レイン:……おれ、そろそろこのシーンに出たかったんだけど……すごく、出づらいんだけどっ!(爆笑)
桃子:あっ……わたし、向こう行ってますね(爆笑)。
GM:……ややあって、戸谷剛はこう口を拭いながら……(一同爆笑)。「……これで分かっただろう! この私は──」。
神薙:…………おまえは、バカだろう。
桃子:──バカでしょう。
リア:──バカですね。
GM:「──っ!? なんでっ? どうしてっ…………はっ!! まさか、謀ったのかあっ!!?」(笑)。
神薙:……気がつかなかったのか?(笑)
GM:「そ、そんな……こんな恐ろしい嘘を、カヲリが……それほどまでに、この父の愛が受け入れられんというのか!?」(笑)。
神薙:生憎と、おまえが私を愛するのは勝手だが、私がおまえを愛するかどうかは、また別問題だからな。
桃子:ほら、お父さんの愛って、たまにウザイじゃないですか?(笑)
GM:……前にも、そんなこと言われたような気がする(一同笑)。
リア:このGMが出すお父さんって、こんなのばっかりですか!(笑)
GM:「……やはり、私では、駄目なのかぁ!? ……くぅ! ここはひとまず退散させてもらおう……」。
桃子:逃げられると、思いますか?
GM:「私を、捕まえられると思っているのか……?」。
桃子:『タンブリング──』。
GM:(コメカミに銃を押し当てるポーズ)──バスッ!(銃声) バタッ(倒れる音)。
桃子:──あっ!
GM:しゅううううううううううう……って消えます。
神薙:……それは、死んだと思っていいのか?
GM:消える前の痙攣の仕方は、確かに人が死ぬ時のものだったね。
レイン:……ここで登場します。
GM:あっ、ゴメン。戸谷と喋れなかったね(笑)。
リア:出るタイミングを窺ってるうちに……まあ、アレじゃあ、出るに出られなかったですよね(一同笑)。
レイン:いえ……計らずとも、預言書の通りになりました。
一同:ええっ? マジでっ!?(笑)
リア:本当ですか!?(笑)
桃子:GMすらも、びっくりしてるけど?(笑)
レイン:彼が皆さんの前に姿を現したことで、「裁定の時」が訪れた。と思ったのですが……いや、やはり違いますね(笑)。
神薙:別な意味の……「最低の時」だったな(一同笑)。
リア:最低でしたねー(笑)。
桃子:わ、わたしは見てませんからね!わたし、清純派ですからっ!!(笑)
神薙:やはり、あーゆーのは妄想の中だけで楽しむものだということが、よく分かった(笑)。
桃子:それを教えるのも、お父さんの愛だったのかもしれませんよ?(笑)
神薙:……いや、あれは父ではない────。

 ────肉体が違えば、それはもう父ではない。
 そう、思った。

 ◆ Research09 ◆ 

     闇の侵食

GM:まず、GMシーン。

 薄暗い病室。
 男がひとり。一定のリズムを刻む電子音に耳を傾けている。
 もうひとり、男が病室に現れる。

 「……生き返ったか」
 「私を消せるのは、コイツぐらいさ」
 「そろそろだな?」
 「ああ。……我が主。世界の守護者様にも、ご退場願おう」
 「……彼女を消しても、世界は保たれるのだな?」
 「ああ。たとえエミュレイターが侵入してきても、コイツがそれを消してくれる。コイツは緑豊かな世界で、死ぬまで幸せってわけさ」
 「分かった……任せる」
 「じゃあ、創めよう。……新しい世界のはじまりを──」

神薙:新世界の神にでもなるつもりか?(一同笑)
レイン:ついに、アンゼロットが消されそうだな(笑)。
GM:はいはい。改めて君らのシーン。
リア:ブリーフィングルームで、情報の整理でもしましょうか?
桃子:そうしましょう。
神薙:……奴は、どこに消えた?
桃子:あの消え方は……。
レイン:戸谷剛は、死んでいませんね。死の間際ですが、彼の意識がどこかに移動したように感じました。
神薙:戸谷剛という男は、生前、ホムンクルスの製造を依頼していたようだ。
桃子:たくさんのクローンを作って、それに転生を続けている……?
神薙:私が考えたのも、それだ。
レイン:彼は目的のようなものを、何か言っていましたか?
桃子:いえ、具体的なことは言っていなかったように思います。
神薙:きっかけを与えたに過ぎない。と言っていたな。
リア:辞書に人間の味を覚えさせて、あとは勝手に人間を捕食するようにした。ということでしょうか?
桃子:結局、わたしたちがしなければならない事は、戸谷剛を捕まえることなのですけど……。
神薙:動きようが、ないな。
GM:では、ここでまたGMシーンを入れて状況を動かします。
リア:こっちの状況は動かないのに、GMシーンですか?(笑)
桃子:事件は刻一刻と、動いてるわけですね。
GM:すまねーことです。

GMシーン

 アンゼ宮発令所。

 「アンゼロット様! 大変です!!」
 「どうしました? 世界の状況は掴めましたか?」

神薙:「UMNの全コラムが、消失しましたー!」(笑)。
GM:「いや、それは初めからないですから! UMNってなんですか!?」(笑)。
神薙:なんでもないです(笑)。

 「現在の世界人口……お、おい、これあってるんだよなぁ?」
 「なんですか? 早く報告しなさい!」

神薙:「──1万……2千人です!」(笑)。
GM:少ねええええええええっ!?(笑) 神薙:あれ? ダメ?(笑)
GM:じゃあ、それで(笑)。
一同:おいおいおいおい!(笑)
GM:むう……(1万2千人ぐらいじゃ目覚めてしまいそうだな)……あ、やっぱり、5億人ぐらいでお願いします(笑)。
天志:それでも、十分少ない(笑)。
リア:10分の1ですか……。
桃子:そんなに減ってしまって……どうしたらもとに戻るんだろう?(笑)

 「う、嘘だろ……え? あれ? おいっ!?」

GM:そして、発令所にいるロンギヌスも次々に消えていく!

 「ああ! そんなっ──!?」

GM:発令所にひとり取り残されたアンゼロットは、絶望したかのように、その場にがくりと膝をついてしまう……。

 「……みなさん……」。

GM:アンゼロットの言葉が君たちに届く。
桃子:アンゼロット様っ?
GM:「どうやら……わたしも、ここまでのようです……」。
リア:アンゼロット様っ!?
神薙:(かなり狼狽して)な、なにを仰っているのですっ!?
レイン:……存在が消えかかっているのですね。
GM:「信じています」。
桃子:わたしたちはSATです。全てあなたのために。
GM:「そう。忘れないで下さい。あなたたちは……スペシャル・アンゼロット・チームだということを」(笑)。
神薙:その名がある限り、あなた様は、永遠に不滅です!
GM:「世界を、頼みます……!」。
桃子:……はい!
リア:アンゼロット様が消えても、ロンギヌスの教えの通り……あとはテキトーに!(一同笑)
GM:世界の守護者アンゼロットは、消えた……そして、世界中の人々が消えていく!

 ◆ Research10 ◆ 

      ベール

 かに道楽。
 身も心も、カニとなった少女はカニを食べながら消える。
 「カニカニどこカニ〜」

 駅前。
 大自然を愛する少女は、ビラを配りながら消える。
 「二酸化炭素の削減アル〜」

 カラオケボックス。
 1組の男女。

神薙:あ、高倉(笑)。

 「ねぇ、高倉……みんな、消えちゃったね?」
 「……ああ」
 「……ゆかりと北条くんって、うまくいってるのかなぁ?」
 「……ああ。きっと、うまくいってるさ」

天志:高倉……おまえ、そんなにいい奴だったっけ?(一同笑)

 「……高倉。わたし、アンタのこと……」
 「ナッチ。おまえにこの歌を贈るぜ……聞いてくれ──!」

 ──── I LOVE YOU !

 熱唱。

 「ありがとう……高倉────!」

 消えるナッチ。

 「ナッチイイイイイイイ────!!」

 高倉は、歌い続けた。
 曲が終わる。
 ゴトリ。
 誰もいないカラオケボックスに、マイクの落ちる音だけが、響いた。

一同:高倉あああああ──!!(爆笑)
GM:うおお! 高倉かっけェェェェェ!(笑)
桃子:愛って、素晴らしいものですね!(笑)
GM:とりあえず、人々が消える演出は終了。
レイン:私は消える前のアンゼロットと話したかったんだが、彼女はもう消えた?
GM:アンゼロット? 消えた。
レイン:ああ〜、消えちゃったか……。
GM:「ああ〜、わたしの本体が消えちゃった〜!」。といって、発令所のスクリーンにアンゼロットの映像が(笑)。
一同:ええ?
GM:「これは、もしもの時のために残しておいた、アンゼロットのデータベースです」(笑)。
神薙:「この映像を見ているということは、わたしは既に、この世には存在していないのでしょう」ってやつでしょ?(一同笑)
桃子:あ、アンゼロット様(呆れ)……でも、ちゃんと受け答えできるみたいですね(笑)。
GM:さっそく、お役に立ちますよ〜。「タカユキさん、タカユキさん。外線2番にお電話です」(笑)。
天志:へ?
桃子:アンゼロット様……(呆れ)。
GM:「天志…天志か? 我らの里は、もう終わりじゃ──!」。
天志:あれ? お、御屋形様!!(笑)
GM:「じゃが、おぬしの名前だけは守った」。
神薙:どうやって守ったんだー?
レイン:きっと、奥義があったんでしょう!(笑)
神薙:その奥義、教えてくれ!(笑)
GM:「戸谷剛……恐ろしい男であった」。
天志:……御屋形様。ひとつ、伺いたいことがあります。……半年前、俺を呼び出した用事は何だったんですか?(笑)
GM:「……ああ、あれは────ッ!ツーツーツー……」(笑)。
天志:御屋形様! 御屋形様ッ! スゲー気になるじゃねーかッ!!(一同笑)
GM:「おおーっと、さらに大変ですよ!次はイシュタリアさんです!」(笑)。
リア:え?(笑)
GM:「この遠見の水晶から送られてくる映像を見るのです!」(笑)。
リア:はい? 見ます。
GM:君の実家が映っておる──。

 ──ガイィン! ガイィン!

 金属がぶつかり合う音。
 フリーシェン邸。
2人の男が戦っていた。

GM:お爺様の得物は何ですか?
リア:剣……いや、うちの家系は斧ですね。
GM:では、斧と刀の打ち合わさる音が響く!
レイン:ガイィン! ガイィン! ゴイィン! ゴイィン! ギュイィン! ギュイィン!!(擬音担当)
リア:……刀……ですか?
レイン:は! そういえば、そんな奴いた。オープニングに出てきた奴!
桃子:──斬馬刀の男!!

 何合目かの、一際激しいぶつかり合い。
 ────ガイイイィィィンッ!!!

 2人の間に距離ができた。
 睨み合う。
 斬馬刀の男は、小さな傷を幾つも負っているが、静かな呼吸で立っている。
 フリーシェン翁は、傷を負ってはいないものの、その呼吸は激しく乱れていた。

リア:なんか、ファーンとベルドなんですが(笑)。

 空気が張り詰める。
 潮合い。
 男たちが交錯した。
 フリーシェンが倒れる。

 「貴方に恨みはない。貴方が死ぬのは、あの男を知っていることによる」
 「……よい……勝負で、あった──」

リア:お爺さまあああああああああッ!!
GM:斬馬刀の男は、遠見の水晶で君たちが見ているのを知っているかのように、カメラ目線でにやりと笑って去っていく(笑)。

 戸谷剛の協力者?
 殺し屋、中津孝也。

 ◆ Research11 ◆ 

裁定の時名なき者夢語る

 守るべき者たちはすべて消えた。
 彼女たちは私怨で戦うのか?
 それでもなお、世界を守るために戦うのか?

GM:発令所。重苦しい沈黙の中、男の声が響く。「………あーあー、ロンギヌスSATの諸君。聞こえているだろうか?」。
神薙:その声……!
GM:「……戸谷剛です」(笑)。
桃子:(暗い声で)……今、どこにいる?
GM:「もはや、私に盾突くのは、君たちSATだけとなった」。
リア:……そのようですね。
GM:「しかし、君たちの名前を知るのには少々骨が折れるようだ。よって、直接対決といこう」。
リア:何故ですか? このままでも、あなた方の勝ちは揺るがないはず?
GM:「気がついていないのなら、それで構わない。だが、私には君たちを始末しなければならない理由がある」。
レイン:『鏡の中の真実』で、推測する!(krkr)……ジャッジは成功!
GM:君たちが、彼の名前を知っていることに、脅威を感じていると思われる。
レイン:あなたの名前を、私たちが知っているから、でしょう?
GM:「……話が早い」。
桃子:……斬馬刀の男。あなたの知り合い?
GM:「ああ。私の友だ」。
桃子:……あの男も、そこに来るの?
GM:「運が良ければ会える、かもしれんな」。
桃子:……分かりました。決着を、つけましょう!
GM:「グッド! では、決戦の舞台は……どこにしよう?(笑) 私は根城のようなものを持っていない。アーク豪円山を手に入れようと したが、それは失敗してしまった」(一同笑)。
リア:といいますか……なんで、あの人。消してないんですか?(笑)
GM:「彼とは一度、酒を酌み交わした仲だからな(笑)……そして、違うものまで、組み交わしもした!」(一同笑)。
桃子:……場所は、秋葉原、輝明学園。
神薙:今夜、零時。
天志:待ってろ。絶対、殺してやる……!
GM:「ほう……八幡ゆかりを消そうとしたのは、この私だ。待っているよ」。
レイン:彼の声が消える直前に聞きます……あなたは何故このようなことをするのですか? 人類のいなくなった世界で、神にでもなるつもりですか?
GM:「愛と、約束のためだ──」。声は去る。

 男と男の約束のため、彼は多くの人々を消す。
 ひとりの娘を愛するがゆえに、彼はたったひとり、男を消した。

リア:もはや、問答無用。あとは、決するのみです!
桃子:では、時間になったら現地に集合(笑)。
神薙:リーダー。全員の体調の確認と、来られる人の出撃準備を!(笑)
GM:タルタロスじゃねーっての!(笑)
天志:……アンゼロットはもういない。俺はSATの腕章を外して出て行くぜ。
桃子:彼は、自分の意志で戦うんですね……わたしも、腕章を外します。
GM:アンゼロットの欠片は……「あうあう……皆さんが腕章を外してしまいます……あうあうあう!」(笑)。
桃子:大丈夫です。それでも私は、自分のためであり、あなたのために戦います。
GM:「……こんなわたしですが、ありがとう」。
桃子:去ります。
リア:……私はそんなに強くありません。いま暫らく、この腕章は預かっておきます。どうか私を守ってください、と。
GM:「こんなわたしですけど……分かりました!」。
リア:……いま、SATの名前がなかったら、絶対に私怨で戦ってしまうから……腕章はつけたまま、行きます。
神薙:……アンゼロット様。私はこの件に関しては、自らの心で戦うと、前回言いました。ゆえに、この腕章は外します。……ですが私は 、SATであることを忘れるわけではありません。
GM:「……はい」。
神薙:──Pax in nomine Domini──(死の名の下に平和を)。
GM:「グッ……ド・ラック!」(一同笑)。
レイン:(神薙を見送ってから)……あなたは愛されてますね、彼女に。
GM:「そう、みたいですね」。
レイン:……死ぬのは、やはり怖いですか?
GM:「……その質問は、意味のないことです。わたしは死にもしないし、消えもしません!」。
レイン:そうです。彼女の言霊は、あなたに届きましたか?
GM:(力強く)「ええ……!」。
レイン:あなたの言霊も、彼女に強い力を与えました。
GM:「……だと、いいんですけど」(一同笑)。
レイン:……計らずも、預言書の通りになりました。
一同:ホントかよッ!?(そうツッコミ!)
レイン:本当です!!

 裁定の時 名なき者夢語る

一同:おお!! 本当だ!!(爆笑)
神薙:今が、裁定の時ならば、確かに(笑)。
レイン:あなたの存在は、私たちの中にしっかりと宿っていますよ。……といって、背を向けて出て行く。

 「ありがとう。選定者よ………。
 皆さん。わたしはこの場所で待っていますよ……」

 ザ、ザザ……。
 アンゼロットの映し出されたモニターにノイズがはしる。

 「……でも、皆さんを待っているのはいまのわたしじゃなくて………」

ザ、ザザザザザァ──……。

  プツ……。

 ◆ Research12 ◆ 

       出撃

 天志の部屋。

天志:俺はひとり身支度を整えて、そして1本のリボンを取り出す。
GM:それは?
天志:ゆかりの……ポニーテールのリボンだ。俺はリボンを手首に巻く。──もうすぐだ。もうすぐ、終わる……。
GM:(小声で言ってみる)「……忘れないで……!」。
天志:ああ、忘れないよ……そう言った俺の頭の中には、そのシーンがあるわけだが……。

 ゆかりの顔が、黒く塗りつぶされたように思い出せない。

GM:いいのか、それで!?
天志:俺は大きく目を見開いて──しかし…やらなくては……!

   *   *   *

 かつて、桃子が一度死んだ場所。

桃子:……お父さん、お母さん。わたしはあの男が、憎いです……でも、私怨で戦ったらダメ、だよね? わたしが、あの男を止めるべきだと思う……ちょっと、行ってきます。世界を、守りに──。

 一陣の風が、桃子の髪をやさしくなでていく。

桃子:……お父さん? お母さん?

   *   *   *

 リアの部屋。

リア:私も同じく身支度を整えています。──斧を構え、型通りの動きをし、収める。

 星空の下。選定者はひとり、預言書を開く。

レイン:……闇を切り裂くは白き閃光……。
リア:……終わらせます。怒りも憎しみも、すべて……。
レイン:……白銀の天殺星が永き夜の終焉を告げるのだろうか……か。
リア:表情だけは静かに……部屋を出る。

 マントが翻る。
 夜闇の中、白銀の鎧が輝いた。

   *   *   *

神薙:私は、二階堂の墓の前にいるのだ。
GM:おや、誰も忘れていた二階堂さんのところ?(笑)
神薙:いちおー、手にかけたのは私だしな。
レイン:二階堂って誰だ?(笑)
神薙:おまえは、ナタリー・3ピーのことしか覚えてないのか!(一同笑)
レイン:あ、いやいや思い出した。ユキさんね。ヌイグルミの(笑)。
神薙:二階堂……おまえはかつて、この宗教のことを邪教だと言ったな。だが、宗教に正邪などないと思う。神なんて、存在してもしなく ても構わないものだと思うのだ。……ただ、祈るという行為。その行為こそが、人の魂に救済を与えるのだと、私は思った。……だから、 私は今は祈ろう。君の魂の救済と、この世界の魂の救済を──。

 父と子と精霊の御名に於いて────アーメン。

一同:おおお!
神薙:そして、ウィッチブレードを握りしめ、夜の学校に向かう!

   *   *   *

GM:それでは、夜の学校。君たち5人が並んで立っている。
桃子:みんなで時計を見ています(笑)。
神薙:11時59分55秒ぐらいから(笑)。
GM:……ピ…ピ…ピ…ボーン…!(笑)。
桃子:零時です!
GM:突如! 異形の姿に変わっていく学校!(笑)
神薙:「俺たちの学校、どうなっちゃったんだよっ!?」(一同笑)。
GM:(笑)……では、お約束も終わったところで、次からはダイブに突入だ!!

 ドゥアァァイブ!

  ◆ Dive01 ◆  

   アーク豪円山

 超変貌を遂げた、輝明学園秋葉原分校。5人はその中へと、足を踏み入れる。

GM:さっき、「俺たちの学校、どうなっちゃったんだよ!?」。って言ってたけど何故か、豪円山級の戦艦がにょっきり生えるという、 謎変化を遂げています(笑)。
リア:おかしいでしょ!(笑)
神薙:まあまあ、フォートレスを使い回したいのだろう(笑)。

 実はその通り。
 本当は、アーク豪円山の中がフォートレスだったんだけど、使えなかったので、ここで無理矢理使うことにしました(笑)。

GM:戦艦内は、6つの区画に分かれていて、チューブトレインという艦内電車で区画間の移動が行なえます。
神薙:ああ、デュランダル(ゼノ〇ーガ)?(笑)
GM:そうそう(笑)。公園、格納庫、秘密、ブリッジ、機関、私室の6区画。
神薙:どこから行ってもいいわけだな?……桃、どこから行く?
桃子:う〜ん……あの男がいるところ以外には興味ないんだけど。
神薙:だが、奴がどこにいるかもわからない。
天志:ひと通り見てまわるしかないな。
GM:スタート地点は、格納庫区画。今はそこにいますからね。
リア:この区画には何があるのですか?
GM:ここには、武器弾薬。あと……A-K(笑)。
リア:エンジェル・ナイト!?(一同笑)
GM:欲しければ、好きなの持っていってOkですよ?(笑)

 相談の結果。誰も選ばず。
 その他に気になるモノはなし。

神薙:とりあえず、移動しよう。
桃子:じゃあ、プレイヤー的に気になるので、秘密に行きます!(笑)

 秘密区画

GM:十数人の、ロリッ子やショタボーイがいます(笑)。
桃子:……逃がしてあげよう(笑)。
GM:「「えーんえーん」」(笑)。
レイン:さあ、君たちはもう自由です!
GM:「……ほんとう?」。
レイン:ええ……でも、外はまだ危ないから、今晩だけここで待っててくれるかな?
GM:「……でも、ここにいると……」「またあの男が!」「……わたしたちに!」(笑)。ヤバイ?(一同笑)。
レイン:(優しい声で)……大丈夫だよ。あの変態は、もうどこかに行っちゃったから。
GM:「うそ……うそよ! あたし、さっき見たもん!」(一同笑)。
レイン:あれ? 連れてきてないですよね?(笑)
神薙:ああ……まさか、そういう幻覚が見えるほどヤバイ状態なのか?(笑)

 レインが『そのうそホント?』の魔法で、嘘を信じ込ませ落ち着かせる。

レイン:ここで、いい子にして待っているんだよ?
GM:「うん……わかった」。
神薙:しかし、面白い情報ではあるな。

 ブリッジ区画

桃子:じゃあ、次はブリッジ。
GM:チューブトレインを降りると、エレベーターがある。このエレベーターでブリッジに上がれるらしいが、扉にロックがかかってるね 。
天志:ロックの解除はできるか?
GM:専用の呪的カードキーが必要なようだ。

 機関区画

GM:ここは機関室。エンジンルーム。
リア:何エンジンですか?
GM:謎の反応炉ですね(笑)。……簡単にガポッと開くところがあって、中は煮えたぎっています。「何か放り込むと、良いことがある よ?」。と書いてある(笑)。
一同:なんだそれ?(笑)
リア:これは……対消滅機関でも縮退炉でもない。よく分からない謎機関ですよ!(笑)
神薙:何を投げ込めば、良いことがあるんだ?

 天志の【知覚】ジャッジと、レインの『鏡の中の真実』でこの反応炉が、欲望を糧にすることがわかった。

GM:コレは欲望を力に変える機関ですな(笑)。
一同:欲望か……(笑)。

 とりあえず、色々と投げ込んでみる5人。
 お金、オニギリ、ポーション、武器。
イチャイチャパラダイス、デラべっぴん。(なに持ってんだよ!)
 最後には天志が飛び込もうとしてみたりしたが、イマイチ反応が悪い。


桃子:皆さん、待ってください! 次は私室に行ってみましょう……何か見つかるかもしれない(笑)。 神薙:私室とはつまり、豪円山の私室ということか?
レイン:……そうですね。彼の欲望を放り込むのが、一番良いのでは?(笑)

 居住区画〜豪円山の私室

GM:とても言葉では言い表せない、趣味の悪い部屋です(笑)。
桃子:あ、わたしは部屋の外で待ってますから(笑)。
レイン:本棚の書籍を確認してみましょう。
GM:イチャイチャパラダイス!(笑)
神薙:イチャパラあるじゃないか!(一同笑)
GM:まあ、待て。もっとも目を引くのはだな……金庫が2つある。
リア:お?
GM:大〜きな金庫と小〜さな金庫がある。そして、金庫の上に……『汝のなしたいように為すがよい』……と書かれた額縁が架かってお る(笑)。
リア:ファ、ファ……ファラリスの教えですか!?(一同笑)
天志:……で、どっちを開けるんだ?
リア:え〜っと、これは知ってますよ……確か、大きいつづらを開けると酷い目にあって、小さいつづらを開けると良いことがあるんです よね?
神薙:私は大きい方を希望するが?
天志:俺も大きい方。
レイン:大は小を兼ねると言いますね。
リア:……お、おかしいな……ファー・ジ・アースで聞いた物語と違う?(笑)
部屋の外の桃子:汝の為したいように……両方開けたらいいんじゃないかな?(笑)
リア:ああ、お父さま……皆の頭の中は欲張りお爺さんと同じようです!(笑)
天志:いや、待て。開ける前に、罠感知をしないと(笑)。

 このジャッジで、レインが3連続クリティカル! 罠の機構をすべて教えることになる。

神薙:……金庫を両方とも開けてから部屋を出ないと、トラップが発動する?
リア:つまり、両方開けろと?(笑)
GM:……汝の為したいように為すがよい……欲望に忠実であれ、と(笑)。

 小さい金庫には、カードキーが。
大きい金庫には、欲望の塊が(笑)。

一同:これか!!(笑)
レイン:これを放り込めばいいのか(笑)。
天志:では早速、持っていく。
GM:なんかね、持ってるとだんだん手が湿ってくるよ?(笑)
天志:うぉおお〜!?(一同笑)

 5人はすぐに機関室に戻り、欲望の塊を謎機関に放り込んだ。
 欲望の塊は幸運エネルギーに変換され、1シナリオに1回ダイス目をクリティカルに変えられる幸運を授けた(笑)。

リア:なんだか、イヤな幸運ですね……(笑)。

 公園区画

神薙:なぜ、戦艦の中に公園がある?
GM:戦艦には、リフレッシュ空間が必要なのだ! というわけで、回復の泉があるよ〜。
天志:さて、恒例の泉だ……深度いくらまで潜る?
神薙:私は、Aでいく(一同笑)。
リア:私は溺れます(笑)。
GM:「……お客さん方、ゲームが違いますよ?」。と泉の妖精さんが言いますよ!(笑)
神薙:そうだったな……プラーナの回復は頼めるか?
GM:「プラーナの回復は2D6×2D6で、3回までとなってますぜ?」。
神薙:おっかないな……少しの回復でいいのだが……。
GM:「まだプラーナが減ってないなら、また改めて来ちゃどうだい?」(笑)。
神薙:それは、戦闘後にまたここに来られるということだな(笑)。
GM:「もうひとつ教えといてやろう……危ない目をした男と、それに付き従うメイド人形がこの辺をウロウロしていたぜ。気をつけるん だな」(笑)。
レイン:……豪円山とフォウか。
神薙:私の前に立ち塞がるのであれば、答えは決まっている。
桃子:じゃあ、ブリッジに行きましょう!

 ブリッジ区画

神薙:カードキーを。
桃子:……ピッ……。
GM:……シャコー……っと扉が開く。すると……おや? もう一枚扉が(笑)。
一同:え?
桃子:……ピッ……。
GM:……ブッブー……もう一枚、別の呪的カードキーが必要なようだ(笑)。
神薙:このカードキーも放り込めば、別のカードキーになる……とか?(笑)
レイン:それは……ゼルダ〇伝説だな(一同笑)。
リア:もう、行っていない所はないですよね?
桃子:……これでフラグが立ったと考えて……秘密の部屋に行くと、豪円山がいる?(笑)
レイン:可能性はありますね(笑)……ともかく、子供たちにもう一度話を聞きに行きましょう。

 秘密区画

GM:「やっぱりいた〜!(泣)」。と言いながら、さっきの子が泣きついてくる(笑)。
リア:やっぱりいるんだ(笑)……どっちに行きました?
GM:「え〜っと……あっち向きの電車に乗っていった!」。
天志:スタート地点……格納庫か!

  ◆ Dive02 ◆  

   止まるを知らず

 「フハハハハハ! これだ! これだよ! これさえ我が手に戻れば、私は今一度、誇りを取り戻すことができる!!」

天志:いた!(笑)
桃子:……神薙さん、射撃用意!(笑)
リア:あ、私も投擲準備します(笑)。
神薙:超ロングレンジライフルを発射して、良いですか?(笑)
GM:おまえ等なぁ……様式美というものを理解できんのか?(笑)
神薙:はい?(笑)
GM:「……お前たちにはここで、死んでもらおう」。
リア:まるで、用意されていたかのような戦闘ですね(笑)。
GM:その通りだ……いや……「奴とは、一度だけだが酒を酌み交わした中なのだ!」。
リア:あ、それ聞きました(笑)。
神薙:酌み交わしたのは……酒だけか?(一同笑)
リア:それは、もういいです! 思い出させないでください!!(一同笑)
GM:「とにかく、そういうわけで(←どういうわけだ?)お前たちはここまでなのだ!」(笑)。
桃子:艦隊を引き連れて、わたしたち2人に敵わなかった、あなたが?
GM:「フッフッフッ……だから、これなのだよ!」。言いながら豪円山が示した先に、数条のライトがあてられる! そこにあるのだ! 謎の勇者系、巨大ロボットがっ!!
一同:勇者系っ!? (笑)

 「これぞ、超絶ッ!欲動───ッ! ゴーエンザーVッ!!!」

レイン:欲動?(笑)
リア:欲動……ですか?(笑)
桃子:なんて、恥ずかしい勇者ロボ!(笑)
GM:豪円山はトラクタービームのようなもので、勇者ロボに乗り込む(笑)。
神薙:メイドロボはどうした?
GM:フォウはゴーエンザーVの前に立ち、君たちに対して、戦いの構えをとっている。
リア:なんだー、一緒には乗らないんですか?(残念らしい)。
GM:残念でした! ……さあ、イッツァ戦闘ターイムッ!!(笑)

 ラウンド・1

フォウ:「オルギア発動します!」(笑)。
神薙:いきなりオルギアモードか!
GM:オルギア使わないと、君らにダメージ通りそうもないからな(笑)。

 オルギアモード……戦闘力が大幅アップ! ただし1ラウンドのみ。次ラウンドは反動でポンコツロボ子になる。

桃子:イニシアティブ!
一同:とう!(krkr)……。
桃子:わたしは、30点プラーナを解放!(krkr)……行動値53!
神薙:桃に『ストーム・ラン』をかける! 『フェイバー・オブ・ジ・アース』を使え!
桃子:『フェイバー・オブ・ジ・アース』!
神薙:行動値を、さらにプラス10したまえ!
GM:ぎょぎょぎょ!?(笑)

行動値……桃子:63 フォウ:39
天志:27 レイン:24 リア:24
豪円山:18 神薙:15

桃子:カウントを9つ下げて……『スター・フォール・ダウン』!
豪円山:うおお!? それは我が艦隊に手傷を負わせた!?(笑)
桃子:(krkr)……発動は成功。(krkr)……命中は45!
GM:まずは豪円山。そんなの避けられるわけ(krkr)……クリティカル!
レイン:それはファンブルにしま──。
神薙:いや、待て! それはオルギアの方にとっておけ。今は彼女の方が危険な気がする。
GM:(豪円山の振り足しkrkr)……駄目だ。とどかねぇ(笑)。
リア:クリティカルしても、足りなかったんですね(笑)。
GM:そしてオルギア。クリティカルすんなよ!(krkr)……げげぇ! クリティカルしたぁ!!(一同笑)
レイン:懐から「フール」のカードを取り出す……その幸運は不運に変わる!『不運の星、天に輝く時』!
GM:クリティカルしなけりゃ、避けられたのに〜ッ!(一同爆笑)
リア:良い戦術。先見の明でした!(笑)
神薙:フッ(笑)。

 この魔法でゴーエンザー、フォウ共に10分の1ほどHPを削られる。

フォウ:いくでアリマス! 『アルティメット・ブレッド』! 対象を4体増やして、5人全員に攻撃!(krkr)……命中41!
レイン:それは避けられないな。
神薙:どうしようもない。
リア:『八重垣』、プラーナ5点使用(krkr)……受け成功!
桃子:(krkr)……クリティカル! 『霧散』で回避!
天志:『分身』(krkr)……クリティカルで回避! 『順逆自在の術』発動!(笑)
GM:2人も避けたか(krkr)……ぐは!またクリティカル!(笑)
レイン:……いや、これをファンブルに変えると、私が死にます。
GM:よし!(krkr)……119点、物理ダメージ!
レイン:『幻夢の色彩』。その弾丸は、すべて炎に変わる。 『炎の鎧』! 私に対しての炎のダメージは0になる。
桃子:イシュタリアに『アースシールド』! 防御にプラス18。
リア:プラーナ5点解放(krkr)……ダメージが35点以下なので『ねじられた力場』! 私もノーダメージ!
神薙:私は(krkr)……出目5。67点止める……52ダメージ。残りHP20。
GM:ダメージ入ったの、神薙だけか?……まあいい! 次の人!
天志:待った! 俺の順逆自在カウンターが入る!(笑)
神薙:『エンチャントフレイム』!
天志:『気功』! プラーナ30点使用!(krkr)……153点、魔法ダメージ!
GM:げげっ!?(一同笑)

 フォウはプラーナの代わりにHPを消費して特殊能力を使っている。
 自分の攻撃カウントだったのに、すごく損した気分だ……。

カウント34:桃子の『啓示』
カウント27:天志は移動し、フォウに38点のダメージ。
カウント24:レインは『疾き風の流れ』で移動。『我覆う光の壁』と『硬きことは鋼の如く』を使用。
カウント24:リアは味方の盾に徹するため、2回行動を捨て、カウントを落とす。

 全員のカウントが20以下になったところで、カウントの下げ合い。
 PC5人が行動値を1まで下げたところで、フォウとゴウエンザーは行動値2で動くことにした。

GM:じゃあ、フォウの攻撃から──。
レイン:このタイミングに、私は懐から「デス」のカードを出そう──『狂乱』!
GM:しまった! フォウにはそれに対抗する手段がない。
レイン:魔法の発動判定に、プラーナを30点使う(krkr)……ふむ。88を抗魔で抵抗してくれ!
GM:できるわけねーだろ!(一同笑)
レイン:では、自分自身を攻撃してくれ。
GM:(コメカミに銃口)くそぉ! 避ければいいんだろ!(krkrkrkr)……回避! はぁはぁ……(一同笑)。
神薙:しかし、行動を消費させただけでも十分だ。
GM:フォウと連携できなければしょうがない。ゴーエンザーはカウントを1まで下げる!
神薙:そのカウントで行動しなかったのは失敗ではないか?
GM:……あ、そうかも(笑)。……ええい! とりあえず、貴様らを動揺させるために、『ゴーエンザ−チェンジ』! と叫んでおこう( 笑)。
レイン:な、なんだってぇー!? と動揺しよう(一同笑)。
GM:胸についている宝玉の色が、赤から青に変わっただけだけどね(笑)。
リア:攻撃モードを変えたのでしょうか?
GM:とりあえず、秘密だ! 動揺しやがれ!(笑)

カウント1:PCからの行動。我々USKルールでは、カウント1で対抗タイミングを使わなかった場合は、
行動が終了した後でも、防御で対抗タイミングの行動をしても良いことにしている。
なので、PCたちはゴーエンザーの攻撃に備えるように行動するようだ。

 桃子は『レイ・ライン』で神薙を回復。
 神薙は『フェニックス・ライブス』の2連クリティカルで自身を回復。あわせて49点HPを回復。そして、『アンブッシュ』。
 天志はフォウに攻撃。はずれ。
 レインは自分と桃子に『魂の体躯』。
 リアはまた待機。

GM:はぁはぁ……ようやくまわってきたぜ。ゴーエンザーVッ! 攻撃対象は、レイン!
レイン:大丈夫だ。私には鉄壁の守りがある。どんな攻撃も、完全遮断ですよ!
GM:『ゴーエンザーチェンジ』! 『ゴーエンザーチェンジ』!! 『ゴーエンザーチェンジ』!!!
リア:何回使えるんですか!?(笑)
GM:あ、これ超超対抗だから(笑)……『ゴーエンザーフェイク』!
桃子:フェイクっ!?(笑)
GM:そして……『ゴーエンザーエレメント・ヴォイス』!
神薙:なんだそれはっ?(笑)
GM:いくぞ! 必殺! ファイアァ・シュウウウゥゥゥトッ!! ……レインに、2回攻撃しますよ。
レイン:な、何だとぉ!? 2回だと……いかん! 2回は危険だ!!(一同笑)
リア:属性は、「ファイア」って言ってましたから、火か炎でしょうけど……。
GM:ちなみに現在の宝玉の色はピンクだ(笑)。
レイン:桃色か!(笑)
GM:……(krkrkrkr)……一撃目がクリティカルして、命中46!
レイン:(krkr)……駄目だ。あたった。
GM:二撃目の命中を先に振らせてもらう(krkr)……41!
レイン:41……こっちは避けよう!
GM:…………。
レイン:プラーナ20点を回避にまわして、(krkr)……この出目を、さっきの変な幸運でクリティカルに変える(krkr)……大 丈夫だ。二発目は避けた!
神薙:豪円山の攻撃を、豪円山の欲望で避けるとは(笑)。
GM:(チッ)……はい、終了。
レイン:ん? 一発目は?
桃子:二発ともあたらないと意味がない攻撃ってこと?
GM:秘密だ。とにかく、こっちの攻撃は終了だ(笑)。
桃子:あったったことは、あたったんだ?
GM:あたってないよ。あたったと思ったけど、何も感じなかった(笑)。
天志:フェイクはそれか!(一同笑)
レイン:どっちか一方が本物か!(笑)
GM:そうそう……ちくしょー(笑)
桃子:今のはラッキーだった!(笑)
リア:面白い攻撃ですね(笑)

 いや、あたるとスゲー口惜しいんだよ? この攻撃(笑)。

 ラウンド・2

 ここからは、豪円山のやられっぷりを照覧あれ。

神薙:もう、オルギアモード終わってるだろ?
GM:うん。もう、ポンコツロボ子(笑)。
レイン:東方の鈴を鳴らしながら、『偽りの魔弾』をフォウに向けて撃つ──……。
フォウ:(あたった)……──ルックス80%低下……(一同笑)。
リア:フォウを攻撃します……優しき白銀、荒ぶる黄金……『二刀流』! ソニックブウウウゥゥゥム!(投擲)
桃子:『シャドウブレード』!
GM:あ、魔法ダメージはまずい(笑)。
リア:荒ぶる黄金の攻撃に、『幸運の一撃』を使います──……
フォウ:(両方食らう)……──撤退します……(笑)。
豪円山:フォオオオオオオオウッ!!
リア:シャキ、シャキ──ンと戻ってきた斧を取る。
豪円山:……貴様ら、よくもフォウをやったなぁ!! ──な、なんだ? この感情は? ……私はロリコンのはずだッ!(笑)
GM:豪円山は、『ゴーエンザーチェンジ』を連発している(一同笑)。
レイン:ピコンピコンピコンピコンッ……!(笑)
リア:それ、あなたの動揺を表してるんでしょ!(一同笑)
桃子:たぶん転ばないと思うけど、豪円山に、試しに『タンブリングダウン』!
GM:ズデ──────ン!!!(笑)
一同:こけた─────ッ!!(爆笑)

豪円山:どうしたんだ、いったい!? 私は、フォウを失って、これほどの衝撃を受けているというのかッ!?(笑) レイン:ピコピコピコピコピコ──ッ!!(一同笑)
神薙:……桃。超ロングレンジライフルの使用許可を?
桃子:ポーン!(判子) 承認します!(笑)
神薙:了解した……超ロングレンジライフル────発射する!!
豪円山:……私ひとりでは逝かんぞ! おまえの魂も道連れにしてやるッ!!(笑)
神薙:私の攻撃は、虚数空間からの攻撃だ。ダメージは500から(一同笑)。
桃子:神薙さん。1歩前に出てくれますか? そうすれば、『シャドウブレード』がかけられます!
GM:(キタ────────ッ!!)
神薙:それは……意味あるのか?(笑)
桃子:あ、いらないかな?(笑)
GM:(いや、意味はある! 出て来い! 1歩前に出て来い!!)
神薙:まあ、あるといえばあるな……… 516からのスタートになるから(一同笑)。
GM:(来い、来い、来い、来いッ!)
神薙:……じゃあ、1歩移動して──。
GM:(キタ────────────────────ッ!!!)
神薙:────撃つッ!!
豪円山:くっくっくっ……ツキはまだ私を見放していない! フォウ、私を導いてくれ!!(笑)
神薙:(krkr)……攻撃力は、507!!
GM:はいは──……あ、あれ? 『シャドウブレード』は?
桃子:……かけてないよ。
GM:なんでかけないのよッ!?
桃子:だって、500で十分じゃない?(笑)
豪円山:くそっ! 対抗タイミングで『ゴーエンザーミラー』発動ッ!!
桃子:『グリードシャドウ』(笑)。
GM:ちくしょーッ! なんで『シャドウブレード』使わんのじゃーッ!?(一同笑)
豪円山:ば、ばかなー!? ゴーエンザーミラーがあッ!!?(笑)
リア:パリ─────────ン!!(一同笑)
豪円山:このまま食らえば、間違いなく飛ぶな……しかたない! ──── 『ゴーエンザータクティカル・オメガ・ドライブ・スルー』ッ !!!
リア:ドライブスルー?(笑)
神薙:ドライブスルー?(笑)
天志:スルー?(笑)
桃子:スルー?(笑)
レイン:……スルー?(笑)
GM:ゴーエンザーVがダメージを肩代わりしてくれる!(笑)
レイン:あー、なるほど(笑)。
GM:ゴーエンザーV、破壊! ──ガラガラガラ……!
リア:で?
レイン:豪円山は生きてるわけだ……。
豪円山:……私の、負けだ……(一同爆笑)。
神薙:……その言葉だけで、許されると思っているのか……?
豪円山:好きにするがいい……私の命は、既におまえたちのものだ。……だが、ひとつだけ言わせ────。
桃子:『タンブリングダウン』(笑)。
豪円山:──ぶはあッ!?(一同笑) (這いつくばったまま)フォ、フォウだけは……フォウだけは助けてやってくれ!!
神薙:それは、彼女の姉妹たちからの頼みでもある……そうだな、では豪円山。おまえにひとつ命じよう。
豪円山:…………。
神薙:フォウを連れて、彼女の姉妹たちの元へ行け!
豪円山:……!! いいのか? 私を逃がしたら──(笑)。
桃子:──逃がして、また悪さをするようなら、そのとき粉砕するまでです。
豪円山:……フッ……いいだろう。……夜道には気をつけなッ!!(一同笑)
GM:ダメだ……決まらねぇ(笑)。
桃子:じゃあ、去っていくところに……『タンブリングダウン』ッ!!(一同笑)

 豪円山の転んだところには、カードキーが落ちていた。

 5人は公園に戻り、回復。ほぼ全快した。

クラァイマックス!

  ◆ Climax01 ◆ 

  闇を切り裂くは……

 カードキーを使い、ブリッジに繋がるエレベーターに乗り込む5人。
 ブリッジ。
 キャプテンシートに座る、男。

GM:「よくぞ、ここまでたどり着いた。こんばんは、戸谷剛です」(笑)。
桃子:(慇懃)……こんばんは。お招きに与りました。
戸谷剛:そう! 私の名前は戸谷剛! それ以上でも、それ以下でもない……はず、だ!
リア:……はず?
戸谷剛:君たちは私をどうしたい? どう、なりたい? そして! 私は私をどうしたい!? どう、なりたいんだッ!?
リア:……どう、したんですか?
レイン:あなたは、愛する人を守りたかったんじゃないんですか?
戸谷剛:そうだぁ! 私は娘を守りたかった!! だが、娘は私を愛してくれないいいいいイイイイイイイッッ!!!
GM:話していれば分かると思うけど、今、戸谷剛は普通じゃない。頭がイッちゃってる。
戸谷剛:何故だ!? 何故いつも、アイツだけ!? 私とアイツ、どこが違ぁうというんだああああああああッッ!!?
桃子:……あなたは、愛されたいと思ってるだけじゃないですか? あなたは、愛することを知らなかった、だから──。
戸谷剛:私は、あの男のアレまで、舐めたんだぞぉおっ!(笑)
桃子:いや、それは愛じゃない!(一同笑)
戸谷剛:そーか、愛じゃないか……それは認めよう!(一同笑)
桃子:……何かに奉仕することが、愛というわけじゃないと思います。あなたは、可哀相な人ですね。
戸谷剛:私は……すべての人間の業を背負うことまで選んだ! 褒めてもらいたかったんだよぉッ!! レイン:愛情に飢えているんですね……。
神薙:エンサイクロペディアは、どこだ?
戸谷剛:そこだよぉ!
GM:戸谷剛が指差した先に、空間の歪みみたいなものがある。そこを潜った先にあるようだ。
戸谷剛:向こーにある! だが、通すわけにはいかなぁい! 私は、約束をしているんだ! ……愛するべき娘も、目の前にいる! 私は、す
べてをてにいれるのだぁああああああああああッッ!!!
リア:矛盾しています! 約束を守るために、娘さんを手にかけるのですか!?
レイン:……私たちは、あなたを殺しに来たんじゃない。救いに来たんです!
戸谷剛:救いにぃ?
神薙:……君たちは優しいんだな……私は初めから、コイツを殺すためにこの場に立っている。
戸谷剛:……やはり、私を父とは認めてくれないか……。
神薙:生憎と、私に父の記憶はまったくない。私に父など存在しなかった……それでいい!
戸谷剛:ククク……アイツも否定するんだな? まー、それで良しとするかぁ!
レイン:彼の魂は、束縛されている……その束縛を解くのが、魂の救済だというのならば──戦闘態勢をとります!
戸谷剛:そんな救済はお断りだ! 選んだのは、私自身なんだよぉおおおおオオオオオッッ!!! ────見ろぉ!

 戸谷剛はコメカミに銃口を押し当てる。

 パン!

 パンパンパンパンパンパン───!

戸谷剛:……ゲヒャ……ゲッゲッ……アヒャヒヒャヒャヒャヒャヒャヒャヤヒャヤヒャハyヒャヒャヒャハyハyハヤヒャヒャヤハヤヒャ
ヒャハyヒャハ────ッ!!!
一同:…………。
桃子:アルベドっぽい(笑)。
戸谷剛:……ゲハヘ……ヨウハ、ワタシハ、殺せない……トイウコトナノダ……!
神薙:ほんとにアルベドじゃないか(笑)。
戸谷剛:ワタシハ…エンサイクロペディア・ヴェルムの所有者だから死なない……ドゥユーアンダスターン?
GM:戸谷剛はゾンビのようにカクカク動きながら、無様に攻撃してくる。ダメージはない(笑)。
神薙:(冷めた目で)……ウィッチ・ブレードでなぎ払う。
GM:「ぶべらッ!」。体が半分になっても、ズルズル動いている。
神薙:……こんなモノは無視して、さっさと奥へ行こう。
桃子:ええ……。
GM:「いがぜねぇ〜!」。ガシィっとしがみついてくる(笑)。
神薙:邪魔だ── ドスッ!
天志:転がってきたコイツの顔を踏みつける──うるさい! 死ねよッ!
リア:待って。……もう戸谷剛を無視して、奥へは進めるんですね?
GM:はい。無視して行ってください(笑)。
レイン:彼には、トドメを刺してあげられませんか?
GM:無理。どんなにやっても、ゆっくりとだけど再生している。
レイン:では、せめて『そのうそホント?』を──。
リア:待ってください! その魔法も、天志も制して、戸谷剛に歩み寄ります……先に行っててください。すぐに追いつきます。
一同:おお?
桃子:……分かりました。リアさん、必ずきてくださいね?
リア:はい。
桃子:皆さん、行きましょう。

 4人は空間の歪に入る。
 イシュタリアは跪き、戸谷剛の上半身を抱きかかえた。

 ◆ Climax02 ◆  

   永き夜に終焉を

 アーク豪円山、艦橋。
 夜空は暗く。月も星も見えない。

リア:……あなたのことを、なんとお呼びすればいいんでしょうね?
男:……戸谷…剛だ……。
リア:いいえ、あなたは戸谷のオジサマじゃない。
男:ううあ……アイツにならなきゃ、私は娘に愛されない! だから……私は、戸谷剛だ!
リア:あなたはオジサマじゃない。だから、あなたが同じように愛されようとしても駄目なんです! あなたは、あなたとして彼女に……いえ、誰かに愛されようとするべきだったんです!
男:ううう……私は……。
リア:あなたは誰なんですか? ……名前を知らないと、あなたのことを覚えられません!
男:……!
リア:あなたは以前、存在が消えることを恐れないと言いました……でも、本当はすごく恐れている。
男:あああ……!
リア:誰かに、覚えていてほしかったんですよね?……だから、私が……あなたのことを覚えています! 絶対に忘れません!!
男:……ナンバー……3。
リア:ナンバー3?
男:……名前はない……ただ、アイツは俺のことを…そう呼んだ。
リア:覚えました。ナンバー3のオジサマ(にこり)。
男:……もう、行ってくれ! これ以上、無様な姿を覚えられたくない。
リア:……わかりました。しばらく、ここで大人しくしていてください。……愛されたいと願ったオジサマのその業も、私が……私たちが請け負って、払ってさしあげます!
男:……ありがとうよ……お嬢さん。
リア:……リアと呼んでください(にこり)。
男:……リア……行け!

 男の体を横たえてから、血に濡れた姿のまま、リアは空間の歪へと入った。

 強く輝く星がひとつ、男の目に映っていた。

神薙:リアと合流する前にひと言だけ、言っておきたいことがある。
GM:はい、どうぞ?
神薙:……アンゼロット様が彼女をこの世界に呼んだ理由、なんとなく分かったような気がする……私では無理だから、な。
レイン:……計らずも、預言書の通りになりましたね?(一同爆笑)
GM:ほんとにスゲェ!(爆笑)
桃子:もう名言だよね!(一同笑)
レイン:いかん……ネタになってる(笑)。

  ◆ Climax03 ◆  

       病室

 ピ、ピ、ピ……。
GM:異空間の通路を抜けた先。君たちは今、薄暗い病室にいる。ひとつだけあるベッドには、10歳ぐらいの少年が寝ている。そして、その側の椅子に──。
神薙:──斬馬刀の男。
GM:そう。「……来たか」。
桃子:その子は?
GM:「この子が……この俺の息子が、エンサイクロペディア・ヴェルムだ」。
レイン:まさかとは思いましたが……。
神薙:やはり、ヴェルムは人だったか……。
桃子:わたしたちは、世界を守るためにここに来ました。
GM:「ああ……だが、俺は息子を守るためにここを退くわけにはいかない」。
リア:……どういう、ことなんでしょう?
GM:うん。じゃあ、少し説明的に話すよ。
リア:どうぞ(笑)。
GM:少年の名前は、中津孝司。ある時、タカシの頭の中に突然ヴェルムが現れた。膨大な量の人名。タカシの脳はその情報量に占領されてしまった。その時から、タカシに意識はなく、眠り続けている。ただ、目覚めようとする意志はある。タカシの耳元で特定の人物の名前をささやくと、タカシはその人物を認識し、頭の中の人名を少しでも減らそうと、その名前を消してしまう。これが、エンサイクロペディア・ヴェルムの正体だ。
一同:ほほう。
GM:斬馬刀の男、中津孝也はタカシを目覚めさせる方法を探したが、見つからなかった。そんな時に出会ったのが、ナンバー2、ナンバー3という2人の男。
リア:ナンバー2もいるのですか?
GM:いや、いまはもういない。この2人は戸谷剛のクローンで、彼のサポートをしていたが、娘に対する愛情ゆえの嫉妬から、オリジナルをヴェルムで消した。そのとき、ナンバー2も消えてしまった。
神薙:ではやはり、私の父は消えてしまっていたのだな。
リア:愛ゆえに、消した男はただひとりと言っていましたね。
GM:そしてナンバー3は所有者となった。所有者は特別な存在となる。所有者となった者は死なない。なぜならば、消えた者の存在を引き受けるから。ヴェルムから消えた者の名前は、消した者の記憶に移る。所有者はヴェルムからすべての名前が消えるまで、死なないのだ。
桃子:人の業を背負うとは、このことか。
リア:ナンバー3の頭の中には、既に何十億もの人名が移っているんですね?
レイン:それで許容範囲を超えてきて、彼はおかしくなってきているわけか。
GM:説明が長くなってしまった………「これから、おまえたちがやるべきことを教えよう」。……現在、世界結界は短期間に大量の人間が消えたことによる情報処理が追いついておらず、フリーズ状態にある。今のうちならば、消された名前をヴェルムに戻すことによって、復元が可能……「具体的には、タカシの耳元で奴の名前を言えばいい。奴が消えることで、奴の頭の中に移った人名はヴェルムに戻る」。
リア:……わかりました。では、そこをどいていただけますか?
GM:「ここはどけない。俺は息子に目覚めてもらいたい。タカシに、自分がこの世界に存在しているのだと感じさせてやりたい」。
桃子:……わたしは、できるならばあなたもタカシ君も助けてあげたい……でも、ここで悩んで、世界の崩壊を見過ごすわけにもいかない……わたしは、戦う!
神薙:とんだ道化だな……だが、もし私があなたと同じ立場だったとしたら、私は同じ行動をとっていただろう。だから、私は誇りを持っ
て、あなたを殺す。
リア:……オジサマと約束しました。あなたたちの業は、私たちが請け負い、そして払うと。……お覚悟を!
レイン:私は、あなたたちを救いに来たのです。タカシ君には一瞬でもいい、必ず、世界を見せましょう。私が、約束します。
天志:……もういいか? 消えた人間が戻ってくる? 俺は……彼女を殺しているんだよッ! おまえ等には、死んでもらうッ!!
GM:「タカシのために、その身を犠牲にしてくれている友のために! ────来いッ!!」。

  ◆ Climax04 ◆ 

      死の風

 HP:1000 
 攻撃力150の2回連続攻撃。
 中津孝也は、強い!

桃子:『啓示』。
レイン:『我覆う光の壁』、『硬きことは鋼の如く』。
桃子:『フェイバー・オブ・ジ・アース』、『シャッテンバナー』! 『タンブリングダウン』! (krkr)……『タンブリングダウン』の発動値56!
GM:フン! たった56か(特殊能力として『魔法抵抗+50』を持たせているので余裕)……抵抗した。しかし、『シャッテンバナー』は抵抗できないんだったな。
桃子:はい。回避マイナス10です。
GM:移動。自分中心に範囲3sqのなぎ払い! 全員対象だ!
桃子:『禁術領域』で、神薙、リア、天志を対象から外す! わたしは回避の出目をクリティカルに代え『霧散』で回避!
レイン:『幻夢の色彩』、『炎の鎧』でダメージゼロ! その炎は私には届かない。
GM:この攻撃でお前たちの力量を判断させてもらった……としておこう(笑)。
リア:『空の神兵』!
天志:スペルジュエルを使う……『空の神兵』!
レイン:「魔術師」のカードを取り出す……『魂の体躯』を私と桃子さんに!
桃子:『大呪符』! プラーナ20点使用!
GM:……まずは、チームリーダー桃子を屠らせてもうらう! 2連撃!(krkr)……一撃目!
レイン:『幻夢の色彩』で攻撃属性を「冥」に変え、『虹色の衣』、属性指定は「冥」!
桃子:二撃目の攻撃に『シャドウブレード』!
GM:これで一撃目、二撃目とも通ったダメージが半分か……やってくれる!
桃子:それでも、ダメージの合計が163……MPが1になった(笑)。
神薙:『魂の体躯』がなければ、即死だったな。
GM:まあ、よしとするか……1ラウンド目のこちらの行動は終了だ。
レイン:チャンスですね。
神薙:……リーダー、命令を。
桃子:はい……「ダウンさせろ!」(笑)
神薙:了解、任せてくれ。
GM:?
神薙:私は、『大呪符』のかかったsqに移動……呪文の詠唱に入る。
桃子:皆さん! カウントを1まで下げてください!
GM:??
神薙:私を、攻撃一辺倒の人間だと思うな。……『デス・ゲイル』ッ!!
GM:な!? ───しまっ!!? ……う、うわあああああああああッッ!!!

 『デス・ゲイル』。ロンギヌスで追加されている風属性の攻撃魔法。しかし、その恐ろしさは攻撃力などではない。
 この魔法でダメージを1点でも食らった者は、抵抗の余地なく、「転倒状態」になる!

GM:ズデ────────ン!!!(一同笑)
神薙:敵は体勢を崩したぞ! チャンスだッ!!(一同笑)

 天志とリアの攻撃で、HPを300近く持っていかれる。
 さらに……。

GM:なにぃ──!? 転倒したまま、イニシアティブかよッ!!(一同笑)
リア:行動値、半分のままですね(笑)。桃子:だから……総攻撃のチャンスです!!(一同笑)
レイン:皆さん、プラーナを行動値に!(笑)
神薙:剣のサビにしてやるッ!!(笑)
GM:う、うわ─────!?(一同笑)

  「眼鏡粒子砲!」「眼鏡粒子砲!」「偽りの魔弾!」「気功!」「渾身の一撃!」 ……etc。

 ボコスカドカバキボコスカドカバキ!ボコスカドカバキボコスカドカバキ!!

リア:『渾身の一撃』! フェルミオンレイ効果でプラーナを60点解放!
桃子:『シャドウブレード』!
神薙:『エンチャント・フレイム』!
リア:(krkr)……ファンブル!?
レイン:いきなさい、白銀の天殺星!……『幸福の訪れ』!
リア:ありがとうございます! さらに……『幸運の一撃』!(krkr)……266点!
GM:ぐは……「重症値」だ……ガクッ。
レイン:おお……まさに預言書の通りだ!(笑)
桃子:そのセリフ、気に入ったんでしょ?(一同笑)。

 結局、順番回ってこなかった……。
 このデータで、一太刀しかあてられなかったなんて……。
 なさけねー…。

  ◆ Climax05 ◆ 

       N3

 イシュタリアの一撃は、中津孝也の左腕を斬り落としていた。もはや、彼に斬馬刀を振るう力はない。

神薙:まだ、続けるつもりか?
GM:「……見事だ……俺の負けだ。好きにするがいい」。
神薙:なら、そこで黙って見ていろ。
天志:好きにしていいのか?……いま、楽にしてやる!
GM:ひぃ!? この人殺し!(笑)
リア:私は、止めます。
桃子:わたしも、止めます。
レイン:同じく。
神薙:天志がどう行動するかは、彼の自由だ。私は止めない。
天志:…………(自重)。
レイン:ふぅ……まずはタカシ君に、名前を言いましょう……あの男の名前を。
リア:名前をささやいた人にしか、その存在は残らないんですよね……?
神薙:……君が、言いたいのだろう?
桃子:リアさん。あなたは彼から、名前を聞いているのでしょう?
神薙:それを言うのは、君の役目だ。
リア:……わかりました。タカシ君の側に寄り、言います──ナンバー3──!
一同:…………。
GM:…………おしい(笑)。
一同:えええええええええ!?(笑)
リア:おしい、ですかっ!?(笑)
GM:ちょっと、違うんだなぁ(笑)。
神薙:な、なんだ!? ……戸谷スリーとかか?(笑)

 なんだかコイツ等、本気で気がついていない様子(笑)。
 レインが『鏡の中の真実』を使うと言い出したとき、天志がボソリと言った。

天志:……N3……。
一同:…………。それだッ!!(笑)
神薙:いやまて、Nの要素はどこに? ……中島……N島の、Nか!(笑)
GM:中島って、誰じゃいッ!(一同笑)
天志:だから、「ナンバー」のN……だろ?(笑)
レイン:そう……私はこの言葉を、あなたに届けるために来たのです!(笑)
神薙:GMの設定では、私に届けに来たはずだが?(笑)
GM:そうだった!(笑) いやいや、計らずも、言ったことは現実になるんですよー!(一同笑)。
レイン:……計らずも──(一同笑)。
リア:今回のシナリオは、それにつきますね(笑)……では、改めて……。

 イシュタリアは、タカシの耳元に顔を寄せ、そっと呟いた──。

 「      N3      」

 病室と空間の歪を越えた、アーク豪円山のブリッジ。
 そこに横たわる男。N3.

 「N3……それが、俺の名前か………うぐッ!!?」

 N3の中に存在する。消えてしまった数十億人の想い。
 N3が今まで押さえつけていた、人々の消えたくないという想いが、暴走を始めた!!

  ◆ Climax06 ◆ 

      光の柱

 病室の空間が、広がる!
 全員が放り出された場所は、宇宙に似た暗黒の世界。
 目の前に現れる。巨大な戦艦。

一同:豪円山ッ!!?
リア:またですかッ!?(笑)
レイン:まさか、ここで?(笑)
リア:いったい、どうなったんですッ?
GM:うむ! ……もはや、おれにもよく分からないが(笑)……人々の消えたくないという想いがN3から溢れ出し、N3とアーク豪円山を融合させ、禍々しき存在……業怨残を生み出したのだ!(笑)
レイン:何十億という人々の、恐怖の感情が集まっている……なんて、恐ろしい!
GM:「消えたくねぇ〜、消えたくねぇ〜」(笑)。……業怨残はエンサイクロペディア・ヴェルム……タカシ君を狙っているようだ。
神薙:その気持ちも、分からぬではないがな……。
GM:「息子を……やらせるわけには、いかない!」と中津孝也。
神薙:その体では無理だろう!
GM:「息子の体に覆いかぶさるくらいは、できる……!」。
神薙:……そこまで攻撃は通さない。安心しろ────桃!
桃子:はい! アレの使用許可を出します!(笑)
神薙:了解した! 私は虚数空間に消える! ──イマジナリーフィールド展開ッ!
桃子:レインさん! お願いします!
レイン:(真っ直ぐに指を突き出す)……さあ、神薙さん! 指の指し示す方へ!『助言』を使います!
桃子:即座に通常行動を行なえます……あ、あと『シャドウブレード』!
神薙:ありがとう(笑)……『粉砕』を使用する……対象は、業怨残!
GM:ちょッ!? おまえらッ!!?(笑)
リア:総員! 対閃光、対ショック防御!(笑)
桃子:神薙砲……テェ─────ッ!(一同笑)
神薙:超ロングレンジライフル発射! ……『幻想舞踏』『絶対の信仰』で絶対命中! 攻撃力にプラーナ35点使用!(krkr)……1
078ダメージッ!!!
GM:(もうなにがなにやら)……ドカ────────ンンンンンッッ!!! (一同爆笑)

 一条の光の柱が、業怨残を四散させる。
 そして、N3の消滅と共に、静寂が場を支配した。

  ◆ Climax07 ◆ 

    目覚めの時

 眠り続ける少年の中に、人々の名は戻った。
 世界の復元が始まる。

レイン:まず、全員をひとつのsqに集めて……私は懐からワンドのカードを取り出して、『大いなる帰還』の魔法を唱えるのだ!
GM:ほう?(笑)
レイン:ビュィィィイン! アンゼロット宮殿に跳ぶぞ!
一同:おお?
レイン:宇宙空間に浮かんでいるアンゼロット宮殿からは、地球が見える………私は約束しましたね、その子に世界を見せると。(父親に)……名前を呼んであげてください、その子の!
GM:「……タカシ……タカシ!」。
レイン:一瞬でもいい、起きてくれ──『小さな奇跡』を使う!
桃子:それに、わたしの『小さな奇跡』も使う!
GM:そこまでやられたら、起きずばなるまい(笑)……「ここは……?」。
桃子:君の、存在する世界だよ。
GM:タカシは父親を見つけて言う……「父さん! もう、ヒドイことはやめて! 」
レイン:ああ、分かっていたのか……。
GM:「父さんがずっとそばにいてくれたこと、知っていたから! 父さんがずっと僕を見ててくれた。僕はこの世界に存在するんだって、分かっていたんだよ、父さん!」……「タカシ…!」。
天志:……さて、俺は行動にでてもいいのかな?
GM:いや、殺すのはまだ早い。今殺すと、世界はこのままだ。
神薙:……彼が、復元を望まなければならないのだな?
GM:そう。ただし、復元すればタカシはまた長い眠りにつくことになる。そして苦しみと戦い、また無意識のうちに、名前を消し始めるのだ。
神薙:……もしかしたら、今までにも、何度も同じようなことがあったのかもしれないな。
GM:そうかもね(笑)。……タカシは天志に向き直って言う。「僕は、世界を元通りにします。でもまた、誰かを消してしまうことになるでしょう。だから……あなたが僕を殺してください」。
天志:……なら、その時になったら、改めて殺しに来ることにしよう。
神薙:しかしだ……彼を殺しても、何の解決にもならないぞ? ヴェルムがまた、他の誰かの頭の中に生まれるだけかもしれん。……父親が君と同じように、悲しむことになる。
天志:…………。
レイン:復元したあと、ヴェルムの力でヴェルムを消すことは出来ないのでしょうか?
GM:ヴェルムで、人ではないものを消すと? 残念だが、それはでき──……。
神薙:いや、できる!!
GM:う、うご?(笑)
神薙:私はできると信じる!
桃子:わたしも、そう思います!
レイン:……そうでした。言葉には力がある……私もできると思います!
リア:きっと……いえ、絶対にできます!
天志:キャラ的には言えませんけど、プレイヤー的には、できる!(笑)
一同:できる! できる!! できる!!!
GM:おまーら……では、その線で(笑)。
リア:具体的には、どうやるのですか?
GM:では、それはエンディングで。対象の方に声をかけますので(笑)……最後にタカシ君が言います。「これから僕は世界の復元のために眠りにつきます。復元が始まると、皆さんの記憶にも影響が出るかもしれません」。
神薙:今回のことを、すべて忘れてしまう──というアレか?(笑)
GM:うん(笑)。
リア:わすれません……約束しましたから。
レイン:忘れませんよ……今、そう言いましたから。
桃子:わたしも! ……忘れませんよね? 神薙さん?
神薙:ああ……たとえ忘れても、必ず……思い出す!
天志:……必ず、殺しに戻ってくる……忘れる、もの…か……────!

 「おやすみなさい……」

 少年の声。意識が薄れていく……。

 ◆ ENDING ◆ 

Brand New Days

 消えた人々はすべて元に戻った。

 夢。
 竜崎桃子は夢を見ていた。

桃子:やっぱり、わたしか(笑)。
GM:「眠りについた僕と話せるのは、ヴェルムに名前のない、あなただけですから」。ここはタカシの夢の世界。
レイン:「名無き者、夢語る」ですね。
GM:桃子以外の人だと、タカシが名前を認識した瞬間に消えちゃうからね。「今、僕たちがいる所が、ヴェルムです」。
桃子:ここから、ヴェルムの名前を見つけて消せばいいのね?
GM:いや、やはりヴェルムの中に、ヴェルムの名前はない……ただ一箇所、君には光を放つ者を見つけられる。
桃子:……誰の名前?
GM:それは、ここに在るはずのない名前……君の母親だ!
桃子:え!? ……お母さん!!?
リア:どういうことですか!?
GM:説明しよう! 実は、エンサイクロペディア・ヴェルムはもともと、桃子が受け継ぐべきものだったのだ!!
一同:ええええええええええ!?
GM:ヴェルムはもともと、人間の存在を肯定するために人が作ったものだった。それを彼女の家系が親から子へと受け継いできた。だが、あの雨の日!
桃子:わたしたちは同時に死んでしまった?
GM:そう。行き場を失ったヴェルムは君たちを殺した男の息子に移った。
レイン:だんご☆三兄弟にはそんな意味があったのか!?(一同爆笑)
天志:だんご☆三兄弟、自重(笑)。
GM:引き受けるべきでない者が引き受けてしまった結果、ヴェルムはバグって、人を消すアイテムになってしまった。
桃子:それで、一度死んだわたしが今ここにいるのは、お母さんのおかげなの?
GM:いや、君が生き返ったのは、実はN3と同じ理由。
リア:名前をすべて引き受けるまで死なない!
GM:そうそう。
桃子:じゃあ……わたしがヴェルムを引き受ければいいのね?
GM:そのつもりだったけど、選択肢をもうひとつ用意した……正統なヴェルムの後継者である君が、継承を放棄すればエンサイクロペディア・ヴェルムは消滅する。
リア:どっちを選んでも、問題はなさそうですが……。
GM:うん。気持ちの問題だけ(笑)。
桃子:お母さんは何も言わないんだよね?
GM:ただ、想いのようなものが伝わってくるだけだ。

神薙:どちらを選んでも、桃が選んだことだ……君のお母様は認めてくださるだろう。 桃子:では…ヴェルムを……放棄します! 人には存在を認めてくれる仲間や、友や、家族がいます! たとえ死んでしまっても、何があってもわたしは忘れない! わたしたちは覚えている! ……だから、ヴェルムが肯定してくれなくてもいい。人間にヴェルムは必要ない!!
GM:母親が、笑ってくれたような気がした。そして、母の名前は消え、「竜崎桃子」の名前になる。
レイン:ずっと、あなたを守ってくれていたのですね……。
桃子:「お母さぁぁぁあああん!!!」。呼んでから、大声で泣きます。

 エンサイクロペディア・ヴェルムは消えた。

   *   *   *

 消えた人間はすべて蘇った。
 だが、死んだ人間は死んだままだ。

GM:ヴェルムは消えた。中津タカシはすでに目覚めている。
天志:俺は、タカシの前に現れる。
GM:……「覚悟は、できています」。
天志:……あばよ……言いながら拳を振り上げる────!

 ────振り上げられた拳。
 だが、いつまで経っても、その拳は振り下ろされない。

天志:……俺は復讐のために戦ってきた……彼女を忘れないために……彼女の笑顔を覚えておくために! けど……どうしてだ? 彼女の…顔が、思いだせない! いったい、どうしちまったんだろう……俺の記憶の中から、ゆかりの笑顔だけが……すっぽり抜け落ちてしまってて……!
神薙:彼女の最後の言葉を忘れたのか?
GM:(言葉が見つからない)……「あなたはきっと思い出せますよ。だって、約束してるんでしょ?」。
天志:……けど、どうしても思い出せないんだよ!!
桃子:「……それはあなた自身が、笑顔を忘れているから……」。
一同:おお──それだ!!
天志:それを聞くと、俺は……。

 大きく目を見開いた天志。
 彼の頬をひと筋の涙が濡らす。
 膝から砕け、うずくまり、嗚咽を続けた。

   *   *   *

 アンゼロットの私室。

レイン:イシュタリアと2人で、アンゼロットの前にいる……私の預言書が何も指し示さなくなってから、しばらく経ちます。世界にいつも通りの姿が戻ったのでしょう。
GM:「あれ? お2人はいつ頃から、うちの座敷にあがってらっしゃいます?」(笑)。
リア:……アンゼロット様。冗談はいいです(笑)。
GM:「アハハ……わかりました?」(笑)。
リア:目を見れば分かります(笑)。
GM:「お2人共、本当にありがとうございました」。
レイン:私はただ、言葉を届けに来ただけです。役目は終わりました。
リア:……私は、お役に立てたのでしょうか?
レイン:ええ、イシュタリアさん……「闇を切り裂く…白銀の天殺星」。そして、「名無き者夢語る」……計らずも、預言書の通りになったといえましょう(一同笑)。
GM:「計らずも……」(笑)。
リア:ホントですか?(笑)
レイン:……それでは、私は一足先にラース=フェリアに戻ります。
GM:「ありがとうございました……本当に」。
レイン:私は2人に背を向けて、扉の方に歩いていく。そして、扉の前で立ち止まり、預言書を開く──。

 「──いずれまた、お会いすることになりますよ」

 シュイン!
 扉を出たところで、選定者オーガスト・レインの姿は消えた。

リア:……最後の言葉は、予言でしょうか? それとも彼自身の希望でしょうか?
GM:「どちらにせよ。彼は、言葉に出しましたね(微笑)」。
リア:そうでしたね。
GM:「あなたは、どうされますか? イシュタリアさん?」。
リア:まだ、こちらでの私の役割が残っているというなら……。
GM:「ええ! 私はいつでも歓迎です!」(笑)。
リア:はい。どうかこの力、存分に役立ててください。……あ、でも一度、父に元気な姿を見せておきたいのですが?
GM:「わかりました。待っています」。
リア:では暫し、お別れです。

 アンゼロットの部屋を出た。
 イシュタリアはこの世界での戦いを思い起こす。
 戦いの中、一滴の血も流すことはなかった。父との誓い。しかし、心には傷ができている。
 誰にも見せぬよう、一度だけ、涙を流した。

   *   *   *

 戸谷家。

神薙:……お父様。私は、高校に通いたいと思います!
GM:「おお、どうした。カヲりん?」(笑)。
神薙:……その呼び方は、やめてください(笑)。
GM:「私の名前は、戸谷剛(一同笑)。 高校? そうか……わかった。では手続きは、父さんがしておこう」。
神薙:手続きは必要ありません。私は自分の力で、入学したいのです!
GM:「なに? では試験を受けると? しかし、おまえの学力では……」(笑)。
神薙:……ええ。確かに1度、私は高校受験に失敗しました!(笑) ──毎日、千円お賽銭を投げていたのに!(一同笑)……エリエリ・レマ・サバクタニ!! この世に、神などおらぬッ! ──そして私は、主への信仰を捨てたッ!!!(一同爆笑)
GM:そうだったのかー!(笑)。
神薙:でも、今再び──ッ!(一同笑) ……私はどうしても、あの学校に入学しなければならない……会わねばならない人がいる。そんな気がするのです!
GM:「そうか……決心したのだな」。
神薙:はい……周りから馬鹿にされながら勉学に励むのも、また楽しいものでしょう(一同笑)。
GM:「いや、大丈夫だ! カヲりんが馬鹿にされるようなことがあったら、この父さんが──!」。

 「──この超ロングレンジライフルで……狙撃してやるッ!!!」
 「お父様! それは大きなお世話というのですよ!」
 「ハッハッハッハッ……頑張るんだぞぉ! カヲりん!!」
 「ええ! ……頑張ります!」

   *   *   *

 カラオケボックス

 「あーもー、随分ゆかりっちに会ってないよな〜」
 「俺もそろそろ、あのDが恋しくなってきたぜ!」
 「高倉、おまえ狙ってたってな?」
 「えっ? 高倉、ナッチとくっついたんだろ?」
 「おまッ!? なにバラしてんだよ!!」
 「え〜ッ!? 知らなかったよぉ〜!」
 「フ…フフーン! バカめ、男はなぁ、複数の愛に生きる生き物なんだぜ?」
 「「おお〜!」」
 「「サイテー!!」
 「まだまだ、ナッチ以外もカムカムエブリバディなんだぜ?」
「タ〜カ〜ク〜ラ〜……?」
 「な、ナッチ!? 何故ここに──ぶべらぶえごぼきょぐばっ……きゅぅ……」

 賑やかな部屋に、またひとり男子高校生が入っていく。

 「……うわっ? 何だコレ、高倉なのかよ?(笑)」
 「あれ? おまえ久しぶりだなぁ」
 「来るなら来るって言えよなー」
 「あ! この曲も〜らい!」
 「おまえ、前もこれ歌ってたよな。誰か女子デュエットしてやれよ!」
 「……いいんだよ」
 「お、高倉復活……いいって何が?」
 「歌いたいように、歌わせてやろうぜ」

 熱唱する男がひとり。
 マイクを握るその手には、可愛らしいリボンが巻いてある。

   *   *   *

 輝明学園秋葉原分校。
 校門前。

桃子:わたしは、校門前で人を待っています。
GM:君は2年生になった。今日は、新入生の初登校日。
桃子:彼女が、今日から通ってくることは名簿で調べてある!(笑)
GM:緊張した面持ちで、彼女が登校してくるよ?
桃子:じゃあ、タタタッと彼女の後ろについて歩く……で、──戸谷カヲリさん?

 自己紹介をして、握手した。
 ファーストコンタクトは、こんなものだろうか?
彼女がこの学校を選んだというだけで、今の自分は十分に幸せだ思える。
 あ…でもあとで、校舎内を案内してあげるのは、いいアイディアかもしれない。


       N3・コメカミノ銃創

           ──fin──