■N3 第一話■


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セブン=フォートレスX3 in Night Wizard ! 
                       N3 〜コメカミノ銃創〜

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   プリ・プレイ  

     オトコタチノ詩

 〇月×日某所。
 5人の男たちが、新たな命を生み出すべく集まっていた。

 …………。
 表現が悪かった。
 TRPGのキャラクター作成をするために、集まっているのです!
 別に、ガチホモとかじゃないから。  ……たとえそうでも、やっぱり子供とか無理だから!

 ……とにかく! おれたちは新たな命の誕生のために、精を出していた!

 …………。

   *   *   *

 阿部屋:今回の話は、どんなのになるの?
 GM:えー、今回の特徴のひとつは……全員、ロンギヌス!(笑)
 イカバー:オレ、ハードボイルドやりたい!
 GM:題名は『オトコタチノ詩(仮)』だから、それは良いですね!
 マッチ:俺、コンセプトが『ウィザードリィ』の忍者だから、裸だけど良い?(笑)
 U-式:ラース=フェリアのキャラをやりたいのだが……とりあえず、ハンドアウトを聞いてからだな。
 GM:では、今回予告から読みます!

■今回予告

 心に穴が空いているようだ
 なんの前触れもなく開いた、心の穴。 この穴を埋められるものは、何も無いと分かった。
 私は、「何か」を失ったのだ。
 「何か」は「誰か」かもしれない。
 「彼」からの伝言。存在しなかった者からの言葉。
 心の穴にたったひとつ放られた……小石。

 セブン=フォートレスX3 in NightWizard! リプレイ
 『オトコタチノ詩(仮)』 前編

 少しでいい! 俺は「アイツ」のために、何かしてやりたい!

 マッチ:何かを失った……俺のキャラ、失ったものあるかもな!(笑)
 GM:ほう?
 マッチ:羞恥心!(一同笑)
 イカバー:羞恥心からの、最後の伝言!(笑)
 U-式:何かをしてやりたい! ……何やらかす気だ!(一同笑)
 GM:(笑)…次はハンドアウト! PC1……新米SAT──。
 一同:さっと?
 GM:S、A、T──サット。
 イカバー:SWATじゃないの?
 マッチ:日本はSAT。アメリカはSWAT。阿部屋:スペシャル・アサルト・チーム。GM:SWATはスペ シャル……なんだ?(笑)
 イカバー:スペシャル……ワカンナイ・チーム!(一同笑)

 ハンドアウト

■PC1……新米SAT

 君はあるウィザード組織に所属する、名うてのウィザード。
 実力を認められた君は、世界の守護者アンゼロットが組織する特殊チーム、「SAT」への編入が決まった。
 君は日常の学生生活から、離れることになる。
 コネクション……同級生の少女

 U-式:アンゼロットの、SAT?(笑)
 マッチ:まず最初に、お茶に耐えなければ!(笑)

■PC2……古株SAT

 君は「スペシャル・アンゼロット・チーム」、通称「SAT」の古株ウィザード(一同笑)。

 イカバー:ストレート過ぎる!(笑)
 U-式:そうじゃないかと思った(笑)。

 それは突然、君の心に穿たれた空虚な穴。例えようもない感覚を覚えながら、君はアンゼロットの呼び出しに応じる。 そこで聞かされる、言葉。
 君の心の穴に、ひとつ石が投じられた。
 コネクション……存在しない者

 U-式:今回予告に則したキャラだ。
 GM:いちおー、前編はPC1が主役で。後編でPC2を主役にしようかと思っているんだけどね。

■PC3……隊長SAT

 君は、司令官アンゼロットの下でSAT隊員たちをまとめるSATの隊長だ。
 君の敬愛する司令官から、新たな任務が言い渡された。
 脅威の魔道具、「エンサイクロペディア・ヴェルム」を回収せよ!
 コネクション……アンゼロット

 イカバー:「エンサイクロペディア」が「百科事典」というのは分かるが……?
 GM:「ヴェルム」は何語か忘れたけど、「真」、「真の」って意味だったかな……おれの好きなマンガから引っ張ってきた。

■PC4……異界SAT

 君は異世界から、アンゼロットにスカウトされたSATの戦士だ。
 任務地はファー・ジ・アース。存在が消えてしまう事件を捜査することになった。
 コネクション……オジサマ

 U-式:あ、俺が4決定だな(笑)。
 イカバー:ん? このPC5というのは?
 GM:それは鋼氏用。まだ、参加するかどうかわかんないから、保留。
 イカバー:では新米か、古株か、隊長か……どうする?

 ちょっと揉めてから配役決定。
 GM:次はキャラの作成。レベルは10です。……お金はどれぐらい欲しい?
 イカバー:1億円!
 GM:はい。じゃあそれで(笑)。
 U-式:10万GPだな。
 阿部屋:あと、魔道具1つを配給?(笑)
 GM:うむ……古代兵器は不許可だからな!

 各々キャラ作成開始。10レベルとなると、時間かかる。
 雑談やら、パソコンで動画見始めるやらで、結局、その日はキャラ未完成のうちに解散。

   *   *   *

 シナリオ当日。
 鋼氏、参戦。
 各々、キャラクター作りの最後の詰めを行い……いざ、録音開始!

 GM:まず、報告。……シナリオの題名が変わりました!(笑)
 イカバー:『N3──』(笑)。
 GM:『オトコタチノ詩』から──→『N3・コメカミノ銃創』になった!(笑)
 阿部屋:ペルソナじゃないか!(笑)

 この2週間のうちに、ペルソナ3にすっかり毒されてしまった(笑)。

 GM:てかっ、おまーらのキャラが5人中3人が女の子になったから、変えたんだよ!(笑)

■ハンドアウトPC5……言霊SAT

 君はラース=フェリアで有名を轟かせ、「選定者」の異名を持つ言霊使いだ。
 君は見つけてしまった。世界を滅ぼしかねない力を持った、言霊を。
 言霊に導かれ、君は異世界ファー・ジ・アースへと赴く。
 コネクション……言霊〜N3〜

 鋼:む!

  キャラクター紹介

 GM:ほんじゃあ、PC1からキャラ紹介をして丁髷。

■鳳成 天志(ほうじょう たかゆき)   
    マッチ:PC1……名前は鳳成天志。「鳳凰と成って天を志す」わけです(笑)。
 鋼:名前負けもいいところじゃないか、それは?(一同笑)
 マッチ:普段は17歳の高校生ですが、実は忍者です。移動力が6もあります。
 GM:戦闘では、素早く動いて、殴ると。マッチ:クリティカルでコンボが発動します! ……こんなもんですかね?
 GM:はい。……次、PC2いってみよー。

■神薙(かんなぎ)   
       イカバー:自己紹介は苦手なんだがな……。
 GM:それでも、するんだ!(笑)
 イカバー:わかった………私の名前は、神薙。もともとの名前は、捨てた……神への信仰とともに──!
 GM:す、捨てましたか(笑)。
 イカバー:今は、アンゼロット様の犬をやっている。
 マッチ:い、犬ですか(笑)。
 GM:(笑)……次、PC3。

■竜崎 桃子(りゅうざき とうこ)     
 阿部屋:はい。竜崎桃子です! SATという……スペシャル・アンゼロット・チームの隊長をやらせてもらっています。
 GM:戦闘では補助担当……隊員を影で支える女の子ですかね?
 阿部屋:むしろ、支えられています!(笑)
 GM:では次ー……PC4。

■イシュタリア・ホワイト 
 U-式:イシュタリア・ホワイト。貴族の出で、父親の反対を押し切って、騎士を志した女の子です。今までの戦いで、一滴の血も流していないことから、「シルバーメイデン」の異名を持ちます。
 GM:シルバーなのにメイデン?(笑)
 U-式:老人なのに処女って…おい!(笑) そんなこと言ってると、斧で脳天かち割りますよ!
 GM:最後は、鋼くんですよ。

■オーガスト・レイン   
 鋼:はい。言霊使い、オーガスト・レインです。自分の持っている魔道書が、「言霊の書」というんですが、これには! 世界破滅レベルの予言が、逐一うpされるんですよ!(笑)
 GM:預言書ですか?(笑)
 鋼:「……七つの光 堕つる時──」みたいに、曖昧な感じに記される言葉を解読して、世界の破滅を防ごうとしているのがコイツなんです!(一同笑)
 GM:な、なるほど(笑)。
 鋼:銀髪、隻眼……スゲー貧弱です。防御魔法が得意です! ……あ、あと、魔法を使うときにタロットカードを出して、カードが示す言葉の意味を魔法の力に変える感じです!
 GM:お、OK……わかった(笑)。……自己紹介終了! 言い残したことは、ないかッ?
 U-式:イシュタリアは、銀色です!
 GM:おし! それじゃあ、オープニングシーンいってみよーかッ!!

 ──Opening00── 

     ■消失


 GMシーン

 演壇に男が上がる。世界中の誰もが知っている男。アメリコ合衆国43代大統領、ジャージ・W・ブッシュ。
 大観衆を前に、いや、マスメディアを通して世界の多くの人々が見守る中、彼は言った。

 「二酸化炭素、万歳!!」

 一同:おいおいおいおい!(笑)
 GM:その時だった──!

 次の瞬間──!
 ジャージ・ブッシュは、世界から消えた──。
 そのことに気がつく者は、誰もいない……。

 演壇に男が上がる。世界中の誰もが知っている男。アメリコ合衆国43代大統領、ナイ・ゴア──。

 神薙:プラーナが消失して、存在が消されたのか?
 GM:いや、彼のことはナイトウィザードでも覚えていられない。アンゼロットでさえも、ね。

 ジャージ・W・ブッシュ。彼は初めから、この世界に存在していないことになった。

 ──Opening01── 

    SAT


 GM:オープニング01。シーンプレイヤー……神薙と桃子! 2人で一緒にお願いします。
 神薙・桃子:はい。
 GM:早速ですが……ここは、宇宙っ!(笑)
 神薙:宇宙っ!?(一同笑)
 GM:──地球から最も離れた惑星……太陽系第九惑星──『冥王星』。
 神薙:ん? 冥王星は最近では太陽系の惑星からはずされたんじゃないか?
 GM:この世界では冥王星は、今はまだ、惑星なのだよ!(笑)
 リア:コレはファー・ジ・アースの話ですよ(笑)。
 GM:神薙。君は突然、心に穴が空いたような錯覚を覚えるよ。

 宇宙。
 星々の瞬き。
 目を瞑ると、暗い。
 何か大切なことを、忘れてしまったような気がする。

 神薙:ハッ! ……ブッシュ!?(笑)
 GM:あー、ブッシュとは関係ないから(一同笑)。
 神薙:まあ、そう感じておこう……今、私は宇宙空間でモビルスー……じゃない、箒にまたがっているんだな?(笑)
 天志:君のはモビルスーツというより、デンドロビウムだろ(一同笑)。
 GM:宇宙に輝く2つの光! それは君たち2人への作戦開始の合図だ!
 桃子:信号弾! ……神薙さん、行きましょう!
 神薙:了解した。こちらも準備はOKだ。──あ、私の箒はタンデムシートだから、たぶん2人乗りだ。
 桃子:じゃあ、わたしは後ろに乗せてもらってます(笑)。
 GM:……巨大な惑星だった冥王星は、エミュレイターの大群にプラーナを奪われて縮小してしまいました(笑)。
 神薙:外なる宇宙への門が開いた!?(笑)
 GM:なんのネタだ?(笑)……別働隊のストレンジャーズが陽動をかけている間に、SATである君たち2人が敵本隊を叩くという非常にシンプルな作戦です。
 リア:ストレンジャーズって?
 GM:オリジナルのロンギヌスチームです。あとで登場するので詳しいことはその時に。──すでにストレンジャーズが、エミュレイター供をいい具合に引きつけていますよ?
 神薙:分かった。じゃあその隙を突いて、私たちは回りこんで本隊に!
 桃子:作戦時間は30秒。急ぎましょう!
 神薙:30秒あれば十分だ。
 桃子:敵の殲滅をお願いします。フォローは任せて下さい!
 神薙:了解した。
 GM:君たち2人は敵の中をかいくぐり、敵本隊へと接近した──んがしかし!いるのは雑魚っぽいエミュレイターばかり。……ワラワラ。「ワーワー、敵だー、倒せー」。
 神薙:何?
 GM:「核爆弾、ゴー!」(笑)。
 神薙:何で核持ってんだ!(一同笑)
 桃子:撃ってこようとする連中に、『タンブリングダウン』!
 GM:じゃあバランスを崩して──「ワー、核がー!?」。ドゴーンッ!(一同笑)
 神薙:ナイスだ! 今のうちに、ここを突破する!
 桃子:はい!
 GM:しかし、幾ら敵を蹴散らしてみても、ワラワラ、ワラワラ……。
 神薙:おかしいな? 中核となる奴が見当たらないが……。
 GM:ワラワラ、ワラワラ(笑)。
 神薙:……いるのは雑魚ばかりか(笑)。
 GM:「核兵器、第2射ーっ!」(笑)。
 神薙:分かった! 仕方がない!(笑)ここは私の切り札を使おう──その雑魚供は、この『超巨大サンライトソニックスピア』で一掃する!
 GM:この宙域には雑兵の雑魚エミュレイターが千匹ぐらいいるのですが?(笑)
 神薙:問題ない。私の射程は「視界内」。そして、視界内の全対象に私は攻撃が可能だ。……ターゲット、マルチロックオン!(一同笑)
 リア:ピ、ピ、ピピピピピピピピピ……(笑)。
 桃子:じゃあ、それをわたしはサポートしている感じで(笑)。
 GM:ワラワラ、ワラワラ(笑)。
 神薙:──吠え猛ろ、サンライトソニックスピアっ!(一同笑)
 レイン:武装錬金だ!(笑)。
 GM:チュドンチュドン……チュドドドドドドドドドドドオオオォォォンッッッ!!!(一同爆笑)
 神薙:ガンダムちっくに(笑)。
 リア:ガンダムってゆーか、ガンバスターだな、今のは(笑)。
 GM:ピピ! 「……ご苦労様です」。
 桃子:あ、アンゼロット様!
 GM:「この宙域のエミュレイターは今の攻撃で、掃討しました」。
 桃子:でも、これだけの事件なのに、現れたのは雑魚ばかりです。魔王級エミュレイターの存在を確認していません。大丈夫でしょうか?
 GM:「……まあ、あれだけのエミュレイターがいたのです。きっと奴等が、冥王星からプラーナを奪ったのでしょう」(笑)。
 桃子:……そうなんでしょうか?
 GM:「そうなんじゃないのー?」(笑)。
 桃子:分かりました。では任務完了ということで良いんですね?
 GM:「ええ。わざわざあなたたちSATを、作戦に参加させるまでもありませんでしたね。私の取り越し苦労だったようです。ご苦労様でした」。
 桃子:ふぅ……戻りましょう?
 神薙:……ああ。

 小さくなった冥王星は、その後、惑星から小惑星に格下げされた(笑)。

  ───Opening02─── 

     ■異世界へ


 第一世界・ラース=フェリア。
 フォーチューン地方。
 貴族の屋敷。
 客間に2人の人物。

 GM:次ー、シーンプレイヤー……リアとオーガスト・レインです!
 リア:貴族の屋敷ってことは、ここは私の実家?
 GM:そう。リアは以前にアンゼロットからスカウトされ、今日はその返事をする約束の日です。……で、もう1人の男レインさん。
 レイン:ム?
 GM:あなたは「 N3 」という言葉を発見した。
 レイン:ほう……N3とはなんです?

 N3。
 それはある男が残した言葉。
 滅びへと向かう言葉。
 しかし同時に、主への強い忠誠心と、娘への深い愛情を内に秘めた言葉。

 GM:……君は言霊の内包する力に導かれて、この場所に来た!(笑)
 レイン:ほうほう……OK。わかった。
 GM:天気の良い昼下がり。フリーシェン邸の客間にいる、イシュタリア・ホワイトとオーガスト・レイン──。
 レイン:……イシュタリアさん。私たちはどうしてこの場所にいるのでしょうか?
 リア:私は、アンゼロット様を待っているのですが?(笑)
 GM:しかし、アンゼロットはまだ来ません。
 レイン:そうでしたか……私はつい成り行きでここまで来てしまいました(一同笑)。
 リア:おいおい(笑)。
 レイン:いえ、安心してください! ……あなたからは、私は何かを感じます! (一同笑)
 GM:あやしいよ!(笑)
 神薙:いいよね。あやしいキャラはいいよ(←あやしい人好き)。
 リア:とりあえず……待ってるのにもあきました。こちらからお迎えにあがりましょうか──。
 GM:ではリアが玄関を出た辺りで、先ほどまで快晴だった青空が、一転にわかに掻き曇り、雷雲たちこめる! ゴロゴロ……ピカッ! ゴロゴロ……ピカッ!(笑)
 レイン:むぅ───吉兆か!?(一同笑)
 神薙:「ズガシャ──────ンッ!!」。と稲妻が落ちて……屋敷が炎上する!(笑)
 レイン:凶兆か───!?(一同爆笑)
 GM:いや、いくらなんでも炎上までは!(笑)

 閃光と轟音、巻き上げられた砂塵。
 煙幕の中から現れたのは1人の少女。
 GM:稲妻のあとからは、少し煤けた美少女が──「けほっけほっ」。と咳き込みながら現れるのです(笑)。
 桃子:──凶兆!!(一同笑)
 一同:(うんうんと頷きながら)──凶兆だ!(笑)
 GM:しつれーな!(笑)
 レイン:いや……なんかこう、神々しいオーラをまとっているはずだ(笑)。
 GM:少女、アンゼロットは体裁を取り繕って……「わざわざ出迎えていただき、ありがとうございます。……イシュタリアさん、決心の方はつきましたか?」。
 リア:はい。
 GM:「そうですか……断るのですね……」(笑)。
 リア:(笑)……いえ。私の力が、力なき人々のためになるのなら、是非──!
 GM:リアの後ろにヌッとじじいが現れて──「よくぞ言った、イシュタリア!」、と(笑)。
 リア:あ、お爺さま。……よく言ったもなにも、きっとお爺さまの教えの賜物ではありませんか?(笑)。
 GM:「うむ! ……力ある者は、力なき者のために命を賭す義務があるのだ!」。
 リア:はい!
 レイン:(ボソリと)……N3──。
 GM:「……? あの、そちらの方は?」。とアンゼロットがレインに気づいて言います(笑)。
 レイン:N3……この言葉に何か感じるものはありませんか?
 GM:「いえ、まったく」(笑)。
 レイン:……私はあなたに、この言葉を届けるためにここまで来ました。
 GM:「あなたは一体──?」。
 レイン:私はオーガスト・レインです。
 GM:「あなたが、あの……『選定者』と呼ばれる──!?」(笑)。
 レイン:(カッコつけて)フッ……いえ、私はただの放浪者です(一同笑)。……このN3という言葉を残した者はあなたに強い忠誠心を持っていたようです。この言葉を残した者に心当たりはありませんか?
 GM:「N3……はて?(笑) ……いや、しかし! 選定者様。私にはN3という言葉に心当たりはありません。ですが、その言霊の持つ想いは、今私が……いえ、私たちの世界が抱える懸案事象に関わりがあるように感じます。もしよろしければ……」。
 レイン:いいでしょう……私もしばらくは、このお嬢さんと行動を共にするつもりですから──。
 リア:……そうなのですか?(笑)
 レイン:──そうなのです!(一同笑)
 GM:「……ではイシュタリアさん、そして選定者殿。あなた方2人をロンギヌスへと迎え入れましょう──!」。アンゼロットがそう言うと……ゴロゴロ……ピカッ! ゴロゴロ……ピカッ! ……っと雷雲がたち込める(笑)。「さあ……痛いですよぉ──っ!!」(一同爆笑)。
 一同:痛いんかいっ!(爆笑)

 ズガシャ───────ンッッ!!
 雷鳴が轟いた。

 GM:稲妻は3人に直撃する! 瞬間──! リアとレインは異世界へと旅立つのだった!(笑)

 静寂。
 「イシュタリア────っっ!!」
 だが老騎士の声の先に、すでに3人の姿はなかった。

 ──Opening03── 

    学園祭の夜


 ファー・ジ・アース。
 日本。
 N県N市。
 N市立北高等学校、2-B。

 神薙:ナイトウィザード県ナイトウィザード市でしょ?(笑)
 リア:いや、「UGN」の支部があったところじゃないか?(笑)
 GM:ちがう!(笑) N3って題名だから、Nを並べてみただけです。
 リア:じゃあ、新潟県新潟市(笑)。
 天志:あー、オイラの(プレイヤーの)実家だ(笑)。

   夜。時刻は21時。
 だが、天志のクラス、2-Bの教室には2-Bの生徒全員が残っていた。

 天志:ああ、学園祭が近いのか?
 GM:いや。今日、学園祭は終了して、今はみんなで後片付けをしているところです。
 神薙:フォークダンスも終わったか?
 GM:そうです。天志のクラスはクラスの出し物で、最来客数、最売上高を記録し、最優秀クラスに選ばれました。
 天志:出し物は何だったんですか? ──メイド喫茶? ……メイデン喫茶?(笑)
 GM:何ですかそれは?(笑)
 リア:乙女喫茶なんだよ(笑)。

 だから、なんだよそれは!(笑)

 GM:……まあ、とにかく。初めは片付けしてたんだけど、クラスメイトたちはテンション上がり過ぎて、今は宴会みたいな盛り上がりを見せています。
 天志:あー、みんなオレンジジュースで酔っ払ってるんだな(笑)。

 この学園祭における2-Bの成功はひとえに、1人の少女の努力と、その少女の熱意にクラスメイト全員が応えた結果だった。

 神薙:(生徒A)「じゃー、本日の主役ーっ!」。
 天志:そして俺が壇上に立つ、と……ありがとっー!
 GM:「ひっこめー!」(笑)。
 桃子:瓶とかが飛んでくる(笑)。
 GM:「改めて……今年の学園祭の主役ーっ……八幡ゆかりちゃーんっ!」。「キャーキャー」「ヒューヒュー」(笑)。
 桃子:「ゆかビッチーっ!」(笑)。
 GM:「『ゆかビッチ』って呼ぶなー」(笑)。
 リア:(ダミ声で)「ゆがり〜んっ!」(笑)。天志:どこぞのアキバ系な人たちがいっぱいいるよ(笑)。
 リア:彼女は学園のアイドルなんだろ、きっと(笑)。
 GM:「みんなと一緒にこんなに楽しい学園祭ができて、わたしとっても嬉しかった。……みんな、今日のこと一生忘れない、よね?」。とゆかり。
 神薙:「サー! イエッサー!!」(笑)。
 リア:それは強制ですか?(笑)

 興奮冷めやらぬ2-Bの教室。
 担任教師の注意で、強制下校させられても、まだ興奮は収まらなかった。

 「よおーし! みんなでカラオケに行こーぜーっ!」

 GM:クラス全員で行くノリです(笑)。
 天志:じゃあ、俺も……。
 GM:いや、実は天志は今夜、里の長老に呼ばれているのだ。なにか重要な用件があるらしくて(笑)。
 天志:えええぇ!?(笑) もう、夜遅いですよ?(←カラオケ行きたいらしい)
 GM:何をいっとるかね! 忍者といったら夜の活動が基本であろう。
 神薙:夜闇の魔法使いだしな?(笑)
 GM:今晩は、時間を守って帰ってくるように、と厳命されている。このままカラオケにいくと、村の掟を破ることになってしまう!
 天志:わかった……じゃ、帰るよ!
 神薙:「なんだよ北条。相変わらず、つき合いわりぃーな」(笑)。
 GM:ところが──「ええ!? ゆかりっちも帰るだとぉ!!? 」。という声があがる。
 神薙:「なにぃ!? きさまら2人して!」(笑)。
 GM:「ごめーん。今夜、わたしも用事あるんだ」。
 桃子:「おまえら2人とも同じ用事じゃないだろうな!?」(笑)。
 GM:「え? いや、そんなことはない!」。
 レイン:「おまえらもしかして、デキてんじゃないだろうなぁ!?」(笑)。
 天志:それはない。それはない。
 神薙:「てめーらのそのモーションがかぶってんだよ!」(笑)。
 レイン:「つき合ってる奴等って似てくるっていうけど……まさかな」(笑)。
 GM:「ちがうって──! とにかく、今日はどうしてもはずせない用事があるの! カラオケならわたしも、明日誘ってくれればいくから!」。
 神薙:「……まあ、しゃーないッスか。主役がいないけど、盛り上がることは盛り上がるでしょう」。
 GM:「うん。盛り上がってきてよ! で、また明日、わたしも盛り上げてよね!」。

 天志と八幡ゆかりを残して、2-Bのクラスメイトたちはカラオケへとくりだした。

 GM:というわけで、2人っきりになるのです。
 天志:はい(笑)。
 GM:「北条君は行かないの?」。
 天志:え? 俺、用事あるから……。
 GM:「わたしもなんだ。残念だね。──ねぇ、どうだった学園祭? 楽しかった?」。
 天志:えーっと、どうかな……俺、裏方でずーっと料理作ってばっかだったからなー。忙しないったらなかったな。
 神薙:学校で一番の売り上げってことは、相当忙しかったろう(笑)。
 GM:「うん。北条君がんばってたね。ありがとう!」。
 天志:いや……八幡が一番がばってたろう。おまえのおかげでみんな楽しそうだった。
 GM:「うん! わたしがんばったんだ。クラスのみんなに、ずっとこの学園祭のことを憶えててもらいたくて……(唐突に)なぜ、わたしがこんなにがんばったかというと──」。
 天志:?
 GM:「──わたし実は、来週引越しするの!」。
 天志:……えええっ!?(笑)
 GM:「みんなと一緒に過ごせる、最後の大イベントだったから」。
 リア:「えええっ!?」って言いながら周りの茂みの辺りからゾロゾロッと(笑)。
 GM:出てくんな! おまえらはもういないんだよ!(笑)
 天志:……そうか。じゃあ、残り一週間、がんばって思い出作りするか、みんなと。GM:「残り一週間……わたし、燃え尽きるよ!」。
 天志:いや、まぁ、ほどほどにな(笑)。
 GM:「北条君。また明日からお休みするんだよね?」。
 天志:え?
 GM:ほら、長老からの重要な呼び出し(笑)。
 天志:あー……確かに暫く休むことになるかもしれないけど(笑)。
 GM:「だから君にだけは、今日お別れをしておこうかなと思って」。
 リア:彼女とはもう二度と、学校で会うことはないということだな。
 天志:う〜ん……いや、とりあえず、絶対に見送りには行くと約束しとこう。
 GM:「うん。期待はしないけど、来てくれたら嬉しいかな」。
 天志:何があっても行くよ──と死にフラグっぽいセリフをつける(笑)。
 GM:「──じゃあね。これで君とは、今生の別れだよ」(笑)。
 天志:絶対に見送りにいってやるからな──っ!
 GM:「うん、ありがとう! ──北条君、 1つ約束して?」。
 天志:なんだ?
 GM:「今年の学園祭を、一生忘れないこと! ──ただ、それだけ!」。
 天志:むー……そいつはちょっと自身が……(笑)。
 レイン:言い切ってやれよ!(笑)
 天志:わかった──メモリます(笑)。
 GM:「よし! ……じゃあね、北条君。さよなら──」。
 天志:いや、さよならは言わないよ……また!
 GM:「うん! じゃあ……またね!」。言って彼女は走り去っていくのだった。

 八幡ゆかりとの仲が少し深まった気がした。
 まだ彼女とは特別な関係ではない(笑)。

 天志:……さてと、さっさと仕事を終わらせなきゃならなくなった。
 GM:ゆかりと別れて、そう呟いた直後、天志の体は突然光に包まれる!
 天志:へ?

 天志の視界が歪む。
 気がつくと、目の前では見目麗しい少女がティーカップに口をつけている。
 ……コトン。ティーカップが置かれる。

 「別れのあとには、新たな出会いが待っています。それが青春! 鳳成天志さん、ようこそロンギヌスへ!」

 天志:……ここ、どこよ?(一同笑)

──Research00──

      魔王


 GMシーン

 「もう! おかしいわね……どうして、こうも使えない奴しかいないのかしら?」

 ポンチョを着た少女が毒づく。
 都内のワンルームマンション。
 乙女チックな部屋で、少女は世界滅亡計画書を作っていた。
 どう計画を練っても、人材不足に悩まされる。
 ピンポ〜ン、ピンポ〜ン♪

 「あ〜、はいはい! どちら様?」
 「宅急便でーす!」
 「あーはい。代引きですよね? ちょっと待ってくださいね……」

 ガチャ。

 「えーっと、あれ? 荷物は?」
 「……ベール・ゼファーを削除……」
 「──! ウィザードか!? ……なッ!? この力は!!!」

 なるほど、ね……そう呟いて、魔王ベール・ゼファーは、この世界から消えた。

──Research01──

 エンサイクロペディア・ヴェルム

 アンゼロット宮殿。
 ブリーフィングルーム。
 GM:ではここからリサーチシーンに入りまーす。
 一同:何をリサーチするんだよ!(総ツッコミ)
 GM:(笑)……大丈夫大丈夫。このシーンで、それがわかりますから。シーンに登場するのは神薙、桃子、レインです。神薙:お呼びでしょうか、アンゼロット様。桃子:お待たせしました。
 GM:「話を始める前に紹介しておきましょう。この方は異世界の選定者、オーガスト・レインさんです」。
 神薙:はじめまして。
 桃子:私は竜崎桃子です。よろしくお願いします。
 レイン:はじめまして。よろしくお願いします(ぺこり)。
 GM:君たちの挨拶が済むと、アンゼロットは神妙な顔をして言う。「大変なことになりました。……世界に現れてしまったのです……エンサイクロペディア・ヴェルムがッ!!」。
 桃子:エンサイクロペディア……ヴェルム?
 神薙:また、たいそうな名前ではありますが?
 GM:「……真名辞書とも呼ばれ、この世界のすべての人間の名前が記されていると言われています」
 レイン:フムフム。
 GM:「そして、その辞書から名前を消された者は……この世界から存在が消えてしまうのです!」。
 一同:ほお〜。
 GM:「しかも、世界結界と密接な繋がりを持つらしく、消された人間は初めからこの世界に存在しなかった者として情報処理されます」。
 桃子:つまり……デスノートッ?(笑)
 レイン:なるほど、そうですね!(笑)
 神薙:いや、最強のデスノートだ!(笑)消された人間の存在そのものを消すから、消えたという事実さえ残らない!
 桃子:よく、気がつきましたね?
 GM:「ええ……魔王級エミュレイターも消されているらしく、最近……世界の危機が少ないんです!」(笑)。  桃子:そんな理由ですか!(一同笑)
 GM:「他にも、犯罪件数が激減していたり、地球環境改善の動きが高まったりと、人間供の世界が平和なものですから……」(笑)。
 リア:今、人間供って言った?(笑)
 GM:「でも、確信に至ったのは選定者様が届けてくれた言葉です」。
 レイン:……N3──。
 GM:「そうです……この言葉を残した者はわたしに忠誠心を……そして神薙、あなたに娘に対する愛情を持っていたそうです」。
 神薙:私に対して……? つまり、私の父親?
 桃子:(ひかえめに)……あの〜、わたしは蚊帳の外ということですか?(笑)
 GM:「いやまあ……あなたは隊長という立場ですから──カノジョの苦しみはアナタの苦しみ?」(笑)。
 桃子:ワタシはミナサンの力になりますヨー(笑)。
 GM:「……N3という言葉を残した者は、わたしの部下、ロンギヌスの一員であり、あなたの父親である存在だと思います」。
 神薙:しかし……私の父は病死したものとばかり。
 GM:「ええ。わたしも、そう記憶しています。それに、あなたの父親はロンギヌスではありませんでした」。
 神薙:……つまりこの記憶が、世界結界に情報改ざんされた結果ということか──「……病死?」(笑)
 桃子:「珍しいね、神薙さんが言いよどむなんて?」(笑)。
 神薙:そして私は屋上に駆け上がる──と(一同笑)。
 GM:「わたしや神薙のように月衣を持ち、その者と密接な関係を持った者の記憶から消えるとなると、これは普通のプラーナ消失ではありえないのです」。
 神薙:その辞書から、父の名が消された、と……しかしながら、アンゼロット様。私に父がいようがいまいが、関係のないことです。私達をここに呼び出した用事はなんなのでしょう?
 GM:「……そうですね。では、ここからがもっとも憂慮すべき問題なのですが──。」
 レイン:それは?
 GM:「──このロンギヌスの隊の中に、ヴェルムを所持する者、または所持者に繋がっている人間がいる可能性があるのです──!」。

 ──Resaerch02── 

   ブリーフィング

 神薙:(サプリメント・ロンギヌスを見ながら突然叫びだす) ──ロンギヌス服務規程、五箇条!
 GM:なんですか!? 突然!?(笑)
 神薙:ひと─────────つッ! アンゼロット様のためなら死ねる!
 一同:死ねるっ!!!

  神薙:地球の平和を守りぬくっ!

 一同:守り抜くっ!!!
 神薙:エミュレイターカッコ悪いっ!
 一同:カッコ悪いっ!!!
 神薙:決して仲間を見捨てないっ!
 一同:見捨てないっ!!!
 神薙:あとはテキトーにっ!
 一同:テキトーにっ!!!(大爆笑)
 神薙:以上のこと、背く者はロンギヌス道不覚悟につき、軍法会議っ!!(一同爆笑)
 リア:毎日毎日、軍法会議ですね(笑)。
 レイン:いやー、熱かったぞ(笑)。
 天志:闘って、死ねと?(笑)
 レイン:神薙さんの熱意を感じました(笑)。
 GM:(笑)……えー、では。そんな服務規程の唱和から、ブリーフィングは始まります。ここからPC全員登場です。
 天志:GM?
 GM:はい?
 天志:俺がアンゼロットに拉致られてから(一同笑)、どれぐらい経ってるの?
 GM:えーっと、君やリアは拉致られてから一週間ばかりロンギヌスの訓練施設に放り込まれてたってことで(笑)。
 天志:一週間……ゆかりの見送りに行く為に俺は脱走したいのだが?(笑)
 GM:……では、今日が八幡ゆかりの引越し予定の日ということで。時間はまだある。
 天志:わかった。

 アンゼロット宮殿内。ブリーフィングルーム。
 この場所でエンサイクロペディア・ヴェルム所持者、または所持者と繋がる者を見つけるための作戦会議が行なわれていた。
 SAT他数名の情報部員。10名程の極秘会議。

 GM:「──プルートの事件は発生から発覚までほとんど時間はかかっていません。そして発覚直後、すぐにこれを殲滅しています。存在を消された魔王級エミュレイターがいたと仮定するならば、それに近づいたのはロンギヌスだけです。そして最も怪しいのがストレンジャーズの8人ということになります」。
 神薙:ストレンジャーズを……ストーカーする?
 GM:──まあ、そうです(笑)。「SATにはストレンジャーズを、情報部は他数名を調べてもらいます。そして情報部にはミスターN (N3を残した男)の調査もしてもらいます。何か質問はありますか?」。
 リア:はい(挙手)。1つよろしいでしょうか?
 GM:「はい。リアさん」(笑)。
 リア:……なぜ、近づいたという理由だけでロンギヌスが怪しいとなるのでしょうか?
 桃子:そうですね……魔王の名前があらかじめ分かっていれば、なにも近づかなくても消せたのでしょうし?
 GM:あっ……言うのを忘れてた(笑)。神薙:おいおい(笑)。
 GM:まあ、ようは名前以外にも必要なものがあったんですよ〜。いわゆるデスノートと同じ理由なわけで(笑)。
 レイン:ああ、そういうことか(笑)。
 桃子:つまり、「顔と名前が一致しなければならない」と(笑)。
 神薙:そうだな。消すためには存在を知らなければならない。存在を知らない者を消すことはできない。
 リア:なるほど……名前だけ聞いてもその人物がどういう人間なのか、分かるわけないですね。
 GM:同姓同名の人もいるだろうしねー。天志:そのうち顔だけでなら消せるってのは出てきそうだけど(笑)。
 GM:とまあ、その「顔と名前」という観点から君たちは選ばれているわけです。SATは名前はもちろん、顔もほとんど知られていない部隊で、しかもアンゼロットに信頼されています。
 桃子:そうなんだ。
 GM:リアとレインは異世界人だからもちろん。天志も忍者という職業柄、自分の個人情報漏洩には細心の注意を払っているはず(笑)。
 天志:俺は常に本名も伏せているからな。
 GM:ではそろそろ、ここで皆さんに互いに自己紹介をしてもらいましょう。
 リア:アンゼロット様。ここでは本名を名乗った方が良いのでしょうか?
 GM:おっと、そーでした。「スパイがこのアンゼロット宮殿いるかもしれないということから、今回の作戦期間中は皆さん二つ名、または偽名で互いに呼び合うようにしてください」。
 レイン:なるほど。それでキャラ作るときに二つ名決めろと言ってたのか。
 GM:そうそう。あとこれはGM的注意です。もしも今後、PCの名前がスパイに知られるようなことがあれば、PCであっても消されます。発言には十分注意してください(笑)。
 神薙:そーゆー大事なことはもっと早く言ってください。
 桃子:ではお互いの紹介と、呼び名を確認しましょう。

 ということで5人はそれぞれの呼び名を話し合いで決めていきます。
 学校に潜入するかもしれないということから、二つ名では通りが悪いと結局決めなおしていたりします。
 5人の二つ名、偽名は以下の通り。

 鳳成天志 → 黒川幸貴
 神薙 → 神薙
 竜崎桃子 → 羽川翼
 イシュタリア・ホワイト → イシュタリア・ホワイト
 オーガスト・レイン → 赤目

 神薙:私はもともと神薙というのは本名ではないからな。このままだ。
 GM:そーすか。んじゃ、本当の名前はなんていうんですか?
 神薙:それは私自身、覚えていないという設定だ。
 GM:そ、そーすか(笑)。
 リア:私もイシュタリア・ホワイトのままです。リアとお呼びください。
 GM:そーいや、リアは名字が別にあるんだったね。
 リア:そうです。だからまあ大丈夫かなと。桃子:私は普段学校に通っている時に名乗っている名前をそのまま使います。
 レイン:私は赤目で。閉じられた片目を開くと赤いからです。
 GM:そして天志くんが?
 天志:黒川幸貴です。本当は北条貴之という同じ音の偽名があったんですけど。
 レイン:ヴェルムが音声認識だとまずいからな。
 桃子:相談の結果、変えてもらうことにしました。
 GM:わかりました(メモメモ)……おっとそうだ、えーっと幸貴くん?
 天志:はい?
 GM:ブリーフィングで渡されるストレンジャーズの資料の中に──。
 天志:どっかで見たような名前でもある?(笑)
 GM:うん。八幡ゆかりがいる。
 天志:え、あ? ……あうっ?!
 GM:ストレンジャーズ・NO.8だね。
 天志:あうあうあうっ!? ──ってなっちまう(笑)。
 桃子:……知ってる人の名前でもあった?
 天志:……い、いや。なんでもない。
 GM:それではアンゼロットが、「これでブリーフィングを終了します。両隊ともよくコミュニケーションをとってください。……解散!」。
 桃子:それでは退室しま……。
 GM:いや、まってくれ! あと1人だけNPCを出したい!
 天志:だ、だれ?(ドキッとしたらしい)
 リア:ん……じゃあ、退室しまーすと敬礼したあたりで。
 GM:では、そこの敬礼している君に声をかけよう。(朗らかにバカっぽく)「やあ異世界から来たお嬢さん!」(笑)。
 天志:違った……(ホッとしたらしい)。
 リア:なんですか?(笑)
 GM:ナンパです(笑)。
 リア:ナンパですか(笑)。
 GM:「僕は情報部所属の、アルフレッド・ペンバー。……っと間違えた。偽名を使うんだったっけ? えーっと……」。
 リア:ペンバー? ペンバーって!?(笑)
 GM:「えーっとえーっと……そうだ! アール! アール! 僕の名はア〜ルっ!!」(最後巻き舌)。
 リア:はぁ、アールさんですか?(笑)
 GM:「アンゼの宮殿には、もう慣れたかい?」とか言ったりする(笑)。こいつはアルフレッド・ペンバーという男でですね……。 
 レイン:レイ・ペンバーっ!?(一同笑)
 GM:気にするな!(笑)
 リア:ペンバーの名前はまずい! あなた死にますよ!(一同笑)
 GM:こいつはアンゼ宮の中でナンパ野郎として有名で、桃子も神薙も何回か声をかけられている(笑)。
 神薙:なるほど。一番最初に名前を知られて殺されるタイプだ(一同笑)。
 GM:そうそう。まあ、気にするな(笑)。
 桃子:ということは犯人は女?(笑)
 神薙:その可能性は確かに……いやいや、それはまだ事件が起きてからにしよう!(笑)
 GM:「僕は調査のために明日から地上に降りなくてはならない……」。
 リア:……(笑)。
 GM:「……だから! 君と夜を共にできるのは今夜しかない! どうだろう?」(声だけはシブく)。
 レイン:ストレートだっ!(一同爆笑)
 リア:ストレートっていうか……切羽詰っていらっしゃいますね(笑)。
 GM:「おれはもうすぐ、死ぬんだよっ!」──とかワケわかんない言ってみたり?(一同爆笑)
 神薙:なんてこといってんだよっ!(爆笑)
 桃子:アールの後ろに立ちます……アールさん!!(いい加減にしなさい!)
 GM:「はっはっはっ。君か、そんなにやきもちやくなよぉ☆」。
 天志:ロンギヌスになんでこんな奴がいるんだ?(笑)
 神薙:いや、ここにはこんな奴しかいない(笑)。
 GM:「しょうがないな。すまない異世界の君。今夜はこっちの隊長さんと過ごすことになりそうだよ」(笑)。
 桃子:アールさん……(ゴゴゴゴゴゴ)。
 レイン:いや、アールさん。確かに、発言に気をつけないと命が危うい(笑)。
 桃子:いや、私、戦闘力はないんですけどね(笑)。
 リア:……食事ですか?
 GM:(180°回頭)「そう! 食事食事! 行く?行く?!」(一同笑)。
 リア:これからお昼ですけど、皆さん一緒にどうですか?(笑)。
 GM:「皆さん? ……ああ、いいよ!それじゃあ、僕とSATの女の子達で行こうか! 男2人はいらないから」(笑)。
 桃子:はぁ……ため息をついてブリーフィングルームをでます。
 神薙:私も遠慮することにしよう。部屋を退室するときにアンゼロット様に───O Gloria Angelot In Vita Mea──。
 一同:おお!?(笑)
 GM:「………………ぐ、ぐっじょぶ!」(一同笑)
 リア:わかってないですね?(笑)。

 「アンゼロット様に栄光あれ。我が命ある限り」
 ──Research03── 

   屋上でお弁当

 GM:それではここからコミュニケーションフェイズと称して、PC間の親睦を深めたり、気になるNPCに声をかけたりしてください!(笑)
 神薙:もうストレンジャーズに接触してもいいのか?
 GM:基本的には明日、作戦開始まではやめて欲しいです。ゲーム的には彼女たちの調査はダイブとして処理しますので。ただ、天志がゆかりっちに会うのはOK……ってゆーか会え!(笑)
 神薙:ここでコミュランク上げろと(笑)。
 GM:そうそう(笑)。さて、どうしますか?リア:私はペンバーと昼食をとります(笑)。
 GM:他の人は?
 桃子:えっと……屋上で私のお弁当をみんなでつつきませんか?(笑)
 神薙:でもお弁当食べるのに勇気がマックス必要なんだ(一同笑)。
 桃子:『破壊的な料理の腕前』はありませんよ(笑)。
 天志:俺も屋上に合流しようかな。
 レイン:私はリアさんとの回想シーンをやりたいので、彼女を待ちます。
 GM:では、先に屋上のシーンをやりましょう。

 アンゼロット宮殿。屋上。
 亜空間にあるはずのアンゼロット宮殿だが、屋上に出てみると空には青空が広がっている。
 桃子がお弁当を広げ、神薙と天志がそれをつつく。

 桃子:……黒川さん? 何か気になることでもあるの?
 神薙:……ストレンジャーズに誰か知り合いがいるんじゃないのか?
 天志:言うべきなのかな……まあいいや…………いる。
 桃子:そう……。
 神薙:その娘に会うのは構わん。だがその娘の監視は、誰か別の者に任せた方が良いかもしれないな。
 桃子:そうね……。もしも彼女がスパイだった場合、あなたの名前は知られているかもしれない。
 リア:音声認識だったら間違いなくね。
 桃子:あなたが、この作戦に加わっていると分かれば、一番最初に消されるのはあなたの可能性だってある。
 神薙:そうだな。SATであることは秘密にしておくべきだ。
 天志:…………。
 桃子:……それでもあなたが、彼女に会いに行くと言えば、私には止められないけど。
 神薙:君の心は、君のものだからな。
 桃子:ただひとつだけ……あなたと私たちは仲間、だからね?(にこり)
 神薙:そう……同じく、アンゼロット様に心を捧げた者同士として、な(一同笑)。
 GM:いや、彼はまだ捧げてないと思うぞ?!(笑)
 神薙:ほう?(声のトーンを一段下げて)……私の前で、アンゼロット様に対する不敬だと?(一同爆笑)
 桃子:か、神薙さん……?(笑)
 神薙:もし、それが真実なら──処刑だ(一同爆笑)。
 桃子:か、神薙さん、こわい──神薙さんの処刑こわいから!!(笑)
 GM:処刑って、どんなんだろ?(笑)
 神薙:超ロングレンジライフルで狙撃!(一同笑)
 桃子:しかも超至近距離から!(笑)
 神薙:……私の前でアンゼロット様に対する不敬発言は控えるのだ。
 天志:まだ何も言ってないけどな(笑)……あ、ちょっと用を足しに……。
 神薙:気をつけろ。トイレに行く者は大抵、殺される。
 リア:便器に顔突っ込んで死ぬぞ(笑)。
 桃子:(笑)……でも、さっき言ったことは覚えてて?
 天志:……ほんとに漏れそうなんで。そそくさー──(走り去る)。
 神薙:漏れそうなのってプレイヤー?
 天志:いやいや(笑)。

 ──Reserch04── 

 食堂の中心で愛を囁く     ケダモノ

 GM:というわけで、ペンバーです(笑)。
 リア:ペンバー……じゃなくてアールと食事をしながらお話を(笑)。
 GM:(バカっぽく)「アハハアハハ。存在が消えちゃうなんて、コワイよねー! アハハアハハ──」(笑)。
 リア:(無視)……ところでアールさんは──。
 GM:あ、はい? なんですか?(笑)
 リア:このロンギヌスにいる女性のことはよくご存知なんですか?
 GM:「フッ、まあね。はっきり言ってロンギヌスにいる女の子で──いやさメスで、知らないことは僕にはないよ!」(一同笑)。
 レイン:駄目な奴だ(笑)。
 リア:とゆーか、女の子の前で「メス」は危ないと思うので、いちおーやり直しを要求します(笑)。
 GM:「──女の子で、レディで、女であれば、動物でもOKだ!」(一同笑)。
 リア:おいっ(笑)……えーっとじゃあ、ストレンジャーズの8人のことを何かご存知ではありませんか?
 GM:「それはもちろん、みんな知っているよ!」。
 神薙:あれでしょ、さっきブリーフィングで配られた資料もア〜ル提供なんでしょ?(笑)
 GM:そうそう。「あれは俺提供なんだ」(笑)。
 リア:じゃあ、どんな感じの娘がいるかというのを聞いてみる。
 GM:じゃあ教えた。今後ストレンジャーズの情報が必要になった時に、そのつど質問してくれ。アールに聞いてて知っていたということにするから。
 リア:わかった。
 GM:「さあ! このあとは僕のことを、もっと君に教えちゃおっかなぁ〜!」(笑)。神薙:「まずはキスの味から!」とか言って?(笑)
 レイン:駄目だろ(笑)。
 GM:「すごいぜ俺は、昨日からにんにくしか食ってないんだ!」(一同爆笑)。
 リア:(無視)。それじゃあ、ありがとうございました。
 GM:「(めげずに)──うん。夜はここに部屋をとってあるから──」と言って(笑)。
 天志:カードキーを渡される?(笑)
 GM:うん。「それじゃあ。待ってるよ、ハニー! ……永遠にアディオス!!」(一同爆笑)。───と言いながら去る(爆笑)。
 リア:……なにがしたいんでしょう。あの人は……?(笑)
 桃子:──死・確・定──!(笑)

 イシュタリアはペンバー……いや、アールの背中を見送る。

 ────それが、私たちが彼を見た最後でした────。

 リア:まあまあ、まだ彼にも出番あるよ、きっと……ひと言ふた言(笑)。

 ──Research05── 

      継ぐ者

 神薙:私はレインに聞きたいことがあるのだが。
 GM:おお、いいッスね。是非、話してほしいッス。
 レイン:では私は、よたよたと歩いていよう。
 GM:なんで、よたよたとっ?(笑)
 レイン:いや、病弱でね。アルビノなんで、色素欠乏症なんだよ。ふらふら。
 神薙:呼び名は「赤目」だったな………ちょっとそこの、部下S!
 レイン:……私のことでしょうか?(一同笑)
 桃子:通じた!?(笑)
 GM:赤目……ルビーアイか!(笑)
 桃子:しかも、「部下S」で普通に!?(笑)
 GM:いや、彼は言霊を理解するから(笑)。
 神薙:言いたいことはちゃんと伝わるんだな(笑)。
 リア:いま自分が呼ばれたって、分かってしまうんですね(笑)。
 神薙:君にひとつ聞きたいことがある。
 レイン:なんでしょうか。答えられることであれば?
 神薙:N3という言葉についてだ。
 レイン:N3ですか。
 神薙:ああ。その言葉は……確か、君の持っている預言書に記載されているんだよな?
 レイン:そうだ(自信たっぷり)。
 GM:そうなのか(笑)(←特に決めてなかった)。
 神薙:……その預言書、私にも見せてくれないか?
 レイン:うむ……ぺらり。
 神薙:……!……すまない。ラース=フェリアの言語は読めない(一同笑)。
 GM:(笑)……いや、N3だけはこっちの言葉で書いてあるはずだ。残した男がこっちの世界の人間だからね。
 神薙:あ、そうか……しかしそれをレインは理解していると? ……やるな。
 GM:優秀な言霊使いだからな(笑)。
 レイン:この預言書はこく一刻と変化するのですが、まだこのN3という言葉には変化がない。事象は解決していないんですよ。
 GM:おお、なるほど。
 レイン:今はまだN3という言葉は、滅びに向かう言葉だとしか私には理解できません。
 神薙:……滅び……。N3というのはなんなのだろうか? ──人物なのか……。
 レイン:──それとも物なのか、場所なのか……。
 神薙:──事象なのか……。
 GM:──誰にも分からない……そう、この俺にさえも、な(笑)。
 桃子:おいおい(笑)。
 レイン:あなたの父親のことは、やはり覚えていないのですか?
 神薙:……病死した、とだけ。そういう記憶にすり替わっているらしいが……。
 レイン:なんとも……酷なことをしますね。
 神薙:……いや、それはそれで構わないのだ。ただ、そのエンサイクロペディア・ヴェルムを使い、その者がいったい何をしようとしているのか……? もしそれが、アンゼロット様に反逆するような行為なのであれば!(笑) 私はそれを止めねばならない!!(一同笑)
 レイン:(笑)……あの方を愛しているのですね。
 神薙:私の主だ。私はアンゼロット様の、犬だからな(一同笑)。
 レイン:な、なんか発言がすごいけど(笑)……ですが、あなたの言葉には強い言霊を感じます。あなたはきっと、彼女を守ることになるでしょう。
 神薙:それさえできれば、私は本望だ(一同笑)。……わざわざ呼び止めてすまなかったな。そういって、この場をさります。
 レイン:では、その彼女の背中に声をかけます。──この場所には多くの光が集まりました。それらはひとつとなり、大きな闇を払う力となるでしょう……あなたの力が、必要です。
 神薙:そうか。……コミュランクが1上がった、気がした(笑)。

 ──Research06── 

    白銀の天殺星

 リア:私はブリーフィングで聞かされたことを頭の中で整理しながら、廊下を歩いています。
 レイン:……廊下の向こうから私が歩いてくるぞ(笑)。
 GM:こっちも1人出そうかと思ったけど、PC優先でいきましょう。
 リア:早いもの勝ちということで(笑)……こんにちは。
 レイン:ついに始まりましたね……エンサイクロペディア・ヴェルム、ですか。
 リア:どうにも私には難しいことは分かりませんが……。ここまで発生したと思われる事象を鑑みるに、危険ではありますがまったくの私利私欲で動いているというわけではなさそうですが。
 レイン:確かに、ヴェルムを使用している者は世界の平和を促がしているようでもあります……。
 神薙:新世界の神にでもなるつもりじゃないか?(笑)
 レイン:ですが、本当にそうなのでしょうか? 裁かれた者達が本当に悪であったのか、そのようにして得られた平和は本当の平和といえるのかどうか……あなたはどう思いますか?
 リア:私には……その使用者の気持ちが少し分かるような気もするんです。……例えば、自分の大切なものを守るためなら、それを脅かすものを消し去りたいと思うのは誰にでもある欲求だと思うからです。……ですが、その者はもっと深く知るべきだと思います。自分が消した者達にも、消えてしまった者にも大切なものがあったということを。
 レイン:あなたは強い意志を持っていますね。
 リア:父から教わりました。……と、晴れやかな表情で言ってあげようか。

 そう言ったイシュタリアの表情。瞳の奥の輝きが増したようにレインには感じられた。
 その輝きは、彼女にはじめて会ったあの時と同じ、白銀の輝きだった。

 レイン:とゆーわけで回想シーンです!(笑)
 リア:私は戦場で銀の斧を振るっているガン! ガーン!(笑)
 レイン:では、戦いが一通り収まってからツカツカと近づいていこう。
 リア:ぜはーぜはー……い、いけない。もうすぐ……おなかが空くっ!(笑)  このままではいけない……だ、だれか……誰か私にごはんをーっ!(一同笑)
 レイン:そこに──ツカッツカッ……とやってくるのです。
 神薙:「ぼくの顔をお食べよー!」って?(一同笑)。
 レイン:ようやく見つけました。
 リア:い、いけない! 今の私に近づかないでください!(笑)
 桃子:頭からまるかじりぃっ!(一同笑)
 レイン:ま、まって下さい、落ち着いて!私はあなたに危害を加えるつもりはない!(笑)
 リア:私があなたに危害を加えるかもしれないから、DEATH!(笑)
 レイン:私は、あなたに言葉を届けに来たのです。
 リア:こ、言葉よりも今はむしろ……こここ、コッペパンをっ!(笑)
 レイン:わ、わかりました……私のなけなしのこの、コッペパンをかじってください!
 リア:ギラーン! っと目が光って、瞬間消える!
 天志:手首ごと!?(一同笑)

 選定者オーガスト・レインはコッペパンを持っていた方の手を見る。な、なんと! 手がこここ、コッペパンごとなくなっていたッ!?

 レイン:お、お……(ローブから手を出して)……な、なんだ、思わず手は引っ込めて、難を逃れていました(笑)。
 神薙:手品だ(笑)。
 レイン:ワンテンポ遅れていたら、私の右手はなくなっていましたよ(笑)。
 桃子:「……この左目と同じように……」(一同笑)。
 GM:そのときは『隻腕の魔力』というのが手に入ったかもしれないのに(笑)。
 神薙:惜しかったな(笑)。
 レイン:それはいやだー!(笑)
 リア:(コッペパンを噛みしめて)……固いパンです。ありがとう。……あなたは?
 レイン:(シリアスになって)……私はオーガスト・レイン。あなたに言霊を届けにきました。
 リア:言霊?
 レイン:私の預言書はおそらく、あなたのことを示唆している──。

 ──光に満ちた世界。
 しかし、その平穏は巨大な災厄を覆い隠すベールにしか過ぎない。
 闇を切り裂くは白い閃光。
 白銀の天殺星が長き夜の終焉を告げるのだろうか──。

 リア:……それが、私だと?
 レイン:ええ。私はあなただと確信しています。
 神薙:なんかGMが、「初耳だ」って顔してますが?(笑)
 GM:……そんなことが記されているのか!(一同笑)
 レイン:あなたはこの先おそらく、これまで出合ったどんな敵よりも強大な力に立ち向かうことになるでしょう。……災厄は世界を覆いつくします。我々の世界だけでなく、もうひとつの世界も……。
 リア:…………。
 レイン:それを止められるのは、あなただけです。
 リア:私だけ、ですか……。

 その時、レインは白銀の光を見た。
 目の前の少女から発せられたその光は、しかし、鎧でも、斧でも、少女の美しい髪からでもなかった。
 その光は、少女の瞳の奥の輝き。
 意志の光だった。

 リア:……ならば、私はもっと強くならなければいけない!

 イシュタリアは新たに湧いた魔物供に向かって行く。
 「いけ! 操魔球っ!!」
 彼女の鎧から吐き出された6つのファンネル(?)が魔物の群れに飛び込む。
 ドオオオオオオオ───ンンンッ! 銀色の閃光が戦場を照らし出した……。
 「……ッ! 魔物の中に核が混じっていた!? やるなっ、魔王っ!!」

 一同:おいおいおいおいっ!(爆笑)

 戦場に輝く銀色の閃光を見つめながら、選定者オーガスト・レインは呟いた。
 「言霊は届けましたよ。また会いましょう……白銀の天殺星──。」
 ──Research07── 

    「テキトーに」

 天志:じゃあ、俺のシーン。
 GM:どうするのかね?
 天志:んー……まずは、アンゼロットの部屋に行こう。
 神薙:入るときはまず、五箇条を言わなくちゃ(笑)。
 天志:ええっ?!(笑)
 GM:「いえ、いいんですよ(笑)。もう、聞き飽きました……もう全部、『テキトーに』……でいいですよ」(一同笑)。
 神薙:──全部っ!!(笑)
 桃子:それは、ルールがあるといえるんですか!?(笑)
 天志:……今回の任務の確認をさせてください。
 GM:「ええ、構いませんよ。えーっと……(メモを見て)……黒川さん」(笑)。
 リア:わざわざメモを見ないと分からないのか?(笑)
 GM:名前が複数あると覚えられん。まったく、めんどくさいことにしたもんだ(笑)。天志:調査の過程で、ストレンジャーズとの接触は可能?
 GM:うん。接触は可能。……そのあたりはダイブとして処理するので詳しいことはその時、説明します。
 天志:接触は可能か……そのストレンジャーズの人物を指名して接触することは可能?
 GM:「それは、部隊の皆さんとよく相談して決めてください……あなたが何を気にしているのかはわたしは分かっているつもりですよ?」。
 天志:……では、ひとつお願いがあります。……俺を、彼女の学校に転校させてくれ……!
 GM:「フ……分かりました。では明日付けで、あなたの輝明学園秋葉原分校への転校手続きをしておきましょう」(笑)。
 レイン:輝明学園なんだ(笑)。
 GM:それはそうでしょう。ロンギヌスの少年少女といえば輝明学園ですよ!(笑)
 天志:あと、俺がSATであることは、彼女に知らせないほうがいいのかな?
 GM:「それも、お好きなように」。
 天志:お好きなように……ですか?
 GM:「それも、『テキトーに』……です」(笑)。
 桃子:適当でいいのか? 作戦として……それで本当に良いんでしょうか? 私は最近、疑いを持ち始めている(笑)。
 神薙:それはちがうな、桃……すべて『テキトーに』というのは、その行動したすべての責任を自分で負えということだ。
 GM:そのとーりです!(笑) 「……だから、任せましたよ?」。
 神薙:『テキトーに』という言葉は、アンゼロット様のお墨付きがあるといってもいい。ただ、何をやってもアンゼロット様が責任を取ってくださることはないがな(笑)。
 天志:ああ……わかった。
 GM:「こんなところで、わたしと会話するだけで良いのですか? 彼女は今、この宮内の『遠見の水晶の間』にいますよ?」。
 レイン:遠見の水晶ー?(笑)
 GM:ファンタジー世界にありがちな、遠くの景色を見ることができる魔法の水晶だよ。それで下界の様子を見ることができるわけだ。
 天志:……俺はこの任務、SATのチームのやり方とは別な手段をとるかもしれない。
 GM:「そうですか……分かりました」。
 天志:それに対する処罰は、すべてが終わってから受け──。
 神薙:──処刑だな(ボソリ)。
 レイン:怖ぇ! いい方が怖ぇ!(一同笑)
 天志:──責任はとります。
 GM:「わかりました。……けんかだけにはならないようにしてくださいね」。
 リア:仲良くけんかしなくては(笑)。
 GM:そうそう。「けんかするときは、仲良くですよ?」(笑)。
 神薙:ではそれも、服務規程のひとつに追加しましょう。
 GM:そうですね(笑)。
 天志:失礼します──扉を開けずに消えていこう。
 GM:「……失礼な奴ですねー。躾がなってない!」(笑)。

 ──Research08── 

    記憶に留めて

 アンゼ宮。遠見の水晶の間。
 輝明学園の制服を着た少女が、水晶の前に立っていた。
 水晶の中に映る者たちに、少女はひとりツッコミをいれている。
 「あはは! あれから皆、カラオケ行くこと多いなぁ。う〜ん……なっちと高倉くん、やっぱあやしいwww」
 GM:水晶の前で、前の学校の友人たちの映像を見ながら、独り言をいっている八幡ゆかりがいる。
 天志:じゃあ、彼女に……カラオケは楽しかったかい? と声をかける。
 GM:「え? ……その声……北条くんっ?!」 。
 天志:そして、振り返ると俺がいる。
 リア:かっならーず てっにいーれ……♪(←やーやーやー)
 GM:「うそ……なんで北条くん、ここに……?」。

  *     *     *

 「やっぱりなー、君もウィザードだったんだ! 思ったとおり只者じゃなかったね!」 「八幡もな」「うん。わたしも2ヶ月前にロンギヌスに移ったんだ。それで、ロンギヌスなら輝明学園に転校しろって言われて」 「ああ、俺も明日から輝明学園だ」 「えっ、ほんとっ!? 北条くんもロンギヌスなんだ?」 「ああ……そうだ。俺、任務の都合でいまは黒川幸貴って名乗ってるから」 「わかった。ユキタカくんだね。あ、わたしはゆかりで大丈夫だからね!」

 GM:「あっ! ねー聞いてよー!」。
 天志:うん?
 GM:「わたしねストレンジャーズって隊にいるんだけど、急に明日っから休暇になっちゃったんだよ〜!」
 リア:ああ、なるほど。任務から外して、泳がせるんだな。
 GM:「こんなことなら皆ともう少し一緒にいられたのにぃーって、思うんだよ! なんでもっと早く言ってくれないんだ、ちくしょー! あんのアンゼロットぉー!」。
 神薙:(間髪おかず)……アンゼロット様に対して不敬か?(一同爆笑)
 リア:あんたどっから湧いて出たー!!(爆笑)
 天志:巻き戻し! 「あんのアン……」のところで口を塞ぐ(笑)。
 GM:「……もがもが……ぷはぁ……あ、ありがとう。助かったよ」(笑)。
 リア:有名なのか、アレは(笑)。
 GM:そんな風に話をしていると、遠見の水晶に映し出される同級生たちの姿が目に入る。どうやらまたカラオケにいっているらしいのだが……。
 神薙:「今日はアニソン特集!」(一同笑) 。
 リア:「マジかよ!」(笑)。
 GM:「あー、またやってるよー」(笑)。
 神薙:「ただし、特撮もあり!!」(笑)。
 GM:「学園祭の次の日からね、わたしも行ったんだカラオケ。もう〜毎日カラオケ! 一週間! 最後なんて涙声なのか、のど涸れてるだけなのか。歌ってるんだが、歌ってないんだかで──」(笑)。
 リア:行くなっ(笑)。
 天志:俺は水晶に映る同級生たちを見て、ボソリという…… 俺には遠い世界だな……。
 GM:「そんなことないよ! ──ほら見て、今わたしのこと喋ってる……」。水晶を見ると、確かに同級生たちがゆかりのことを話している。
 神薙:「ゆかりっちってさー……結構、胸おおきくね?」。とか?(笑)
 GM:「ちょ……な…高倉ぁーっ!!(一同笑) ……ほ、ほら、話の内容はともかく、遠くなんてないんだよ──」。
 リア:「おれ、チラッとだけどアイツの着替え見ちまったことがあるんだけどよ……ありゃあ、Dはあったぜ!」(笑)。
 GM:「た、高倉……殺スッ!!」(一同笑)。
 レイン:高倉って誰?
 神薙:テキトーな名前でしょ。初出だよ(笑)。
 GM:ゆかりっちは2回おおきく深呼吸して、高倉への怒りを鎮めてからゆっくりと話し出す。「……わたしね、小さい時から引越しとか多くて、全然友達できなくてね。ウィザードやってるし、いつ死んじゃうか分かんないし……で、わたしが死んでもわたしのこと覚えてくれてる人なんていないんだろうなって思ってたんだ。わたしの存在ってなんなんだろう?って……暗い子だったんだよ」。アハハと、ゆかりは自嘲気味に笑う。
 天志:それで? ……茶化さず先を促がそう。
 GM:「……でもね」。ゆかりは続ける。「……でもね! 皆と同じクラスになって、皆と友達になれてわたし思ったの! ……引っ越すか、死ぬかしてわたしがいなくなっても、皆にわたしのことを憶えていてもらいたいって! みんなの中に明るくてパワフルなわたしがずっといたらいいなって! そうしたら、ずっと皆と一緒にいられるんじゃないかって! だから、わたしがんばったんだ。皆の中からわたしが消えないように──! これからずっと会えなくても、皆の中にいるわたしがいつか皆の力になれるように……って、あ! あはは、ちょっと熱く語っちゃったかな……」。ゆかりは照れくさそうに鼻の頭をかいたりする。
 天志:そっか……。
 レイン:いやー、その言葉の端々に色々感じるものがあるね。
 GM:「え、えーっと……わたしの言いたいことわかった? 距離は離れていても、見えてるものが違っても、二度と会えなくても……わたしは皆のところにいるんだよ。そのために、わたしがんばったんだから!」。
 天志:うん……わかるよ。
 GM:「それでね。わたしだけじゃないんだよ? ほら、ユキタカのことも話してる──高倉が!」(笑)。
 神薙:「あいつ、ゆかりっちにベタベタし過ぎじゃなかった? ま、いなくなってせいせいしたって感じ?」(一同爆笑)。
 桃子:もう、転校したことになってる!(笑)
 GM:「……なんか、萌え萌えの銀髪美少女が北条の転校伝えにきたらしい……職員室で噂になってた」(一同笑)。
 神薙:「北条の野郎……ゆかりっちの次はその銀髪かよ……マジあいつ? 超ウザくね?」(一同笑)。
 天志:……ゆかり。コイツ、殺していいか?(笑)
 GM:「うん。今度、一緒に殴りにいこう!」(笑)。
 リア:なっぐりーにゆこーかーっ♪(またやーやーやー)
 天志:……でも、こんなのでも、俺のことを憶えてもらってるっていうのかな?(一同笑) ……いや、俺もゆかりみたいにがんばれば、もっといい感じに憶えてもらえるのかもな。
 GM:「そう! そうなんだよ! 明日から2人で同じ学校なんだから、一緒にがんばろう!」
 天志:ああ……そうだな。
 リア:いつの間にか、天志が励まされるシーンになってるな(笑)。
 GM:「よろしくね! 北条く…じゃなくて! ユキタカくん!」。
 天志:こちらこそ、よろしく──といって手を差し出す──2人っきりの時はタカユキでいいぜ?
 GM:「な、なにそれ?! へ、変なこといわないでよー!」、と言いながら……こう手をゴシゴシと服で拭いてから握手する(笑)。
 リア:なんでそんな男らしい仕草なんですか、ゆかり?(笑)

 「それじゃあ、また明日。学校でね!」
 「ああ……また明日!」

 GM:八幡ゆかりとの仲が少し深まった気がした(笑)。
 神薙:特別な関係に一歩近づいた(笑)。

─── Dive ───

   ストレンジャーズ

 GM:さあ、準備はよろしいですか? これから先は、仲間を疑うイベントの始まりだぁ!(ニヤリ)
 レイン:キラゲームか?!(笑)
 GM:その通り! このロンギヌスの中に裏切り者、スパイがいる可能性がある──いずれも見目麗しい8人の少女たち。その中の誰がエンサイクロペディア・ヴェルムに関わっているのか?! 運命の1日目がやってきた!
 神薙:1日目? 何日がかりでやるんだ?
 GM:はい。ここからは1日を昼と夜の2つのフェイズに分けて処理して行きます。
 桃子:昼と夜(笑)。
 神薙:昼間は学校行って、夜は自由時間か?(笑)
 GM:まあ、そんな感じです(笑)。PCそれぞれが、昼と夜、1日2回の行動決定をしてもらいます。調査対象の心の扉を開くことが重要です。
 神薙:心の扉?(笑)
 桃子:コミュ? コミュ?(笑)
 GM:なので積極的に話しかけることをお薦めします。ただし、心の扉を開く為には、適切な鍵を用意する必要があります。鍵は大抵、対象の人物が興味を持つ物であったり、人であったりします。
 桃子:うあ、むずそう(笑)。
 GM:何度も話しかけて少しずつ仲良くなっていく、という方法もあります。箸にも棒にかからないときは、どんなに頑張っても駄目です。情報を集めたり、アイディアを振り絞って再チャレンジしてください。
 神薙:ストレンジャーズは8人中何人が学校に通ってるんだ?
 GM:えーっと……5人ですね。あと2人はアンゼ宮にいて、1人は本業の方に戻っています。
 レイン:学校に行ってない人をあたろうかな。
 GM:それじゃあ、ここでストレンジャーズの紹介をしておきましょう。

 GM:ストレンジャーズbP、一条礼子。天志:イチジョー!(ゴンザレス風)
 桃子:奇面組?(笑)
 リア:いや、あれは一堂だから(笑)。
 神薙:……属性って?(笑)
 GM:はっはっはっ──属性は、属性だ!(笑)
 桃子:リーダー属性ってっ?(笑)
 GM:些細なことは気にするな(笑)。
 桃子:じゃあ私が彼女を調べます。

 GM:わかりました。──次、bQ、二階堂ユキ。
 リア:修練の間にいるということは武闘派とみていいのでしょうか? それなら私とは気が合うかもしれません。
 GM:あ(笑)。一応、アールからある程度の情報は聞いているということで……二階堂ユキはどっかの怪しい新興宗教にハマッているらしく、いつも怪しい修行やお祈りをしているらしい(一同笑)。
 リア:……そっちかよ!(笑)

 神薙:(勢い込んで)私それ行きたい!はーい! はい! ぼく、ぼく! ぼく行きます!!(一同笑)
 リア:じゃあ、お願いしますね(笑)。

 GM:はいbR、ナタリー・スリーピース。レイン:……ねえ、ナタリー・さんPって呼んでいいかな?(一同笑)
 GM:やめてくれ(笑)。
 リア:夜はアンゼ宮自室か……。まあ、女の子の方がいいかもしれない。
 レイン:私、ナタリー・さんP行っていい?(笑)
 GM:その呼び方やめい(笑)。……彼女はラース=フェリアの戦災孤児で、才能を認められロンギヌスに拾われた。遠見の水晶でいなくなった家族を探している。しかし、仲の良い家族を見つけてはひとり涙している……という美しい設定だ。
 リア:……くれぐれも、わけわかんないこと言って混乱させないように!(笑)
 レイン:大丈夫、大丈夫(笑)。

 GM:bS……フォウ・ムラマサ──。
 一同:ちょっとまてーっ!?(爆笑)
 レイン:「さめ」が「まさ」になっただけだろ、それ!(笑)
 GM:その通りだが、属性が違うから平気だ(←なにが平気なんだ?)。
 神薙:その属性もひどいな(笑)。
 リア:ロボ子?
 GM:ロボットの女の子──ロボ子。
 桃子:つまり、マーヤロボみたいな感じですか?(笑)
 GM:なんだそれは?
 桃子: 「七転び八起きであります!」
 神薙:坂本マーヤ・ロボ(笑)。
 GM:あー、そういうことね(笑)。
 神薙:……待て! なんだこの「場所/豪円山邸」と「BACK UP:豪円山博英」ってのはっ!?(笑)
 一同:え?!
 レイン:いるのか!?(笑)  神薙:もう、黒幕が誰だか見えたな……(一同笑)。
 GM:うるしゃい、黙れ(笑)。
 神薙:私、豪円山にも会いたい!(笑)
 リア:じゃあ、フォウと二階堂は神薙さん担当で(笑)。

 豪円山博英は、このGMが頻繁に登場させる敵キャラNPCです。

 GM:──bT……書記の娘。
 神薙:書記の娘!?(笑)
 リア:名前の公式設定は?(一同笑)
 GM:書記の娘は書記の娘だ!(笑)
 神薙:名前が明かされていないということは、この娘はヴェルムの被害には遭わないということだな……?
 リア:そうなると、怪しいかもしれない?……私、書記の娘行こうかな。もしかしたら、気持ちが分かるかもしれない(笑)。
 GM:前世の記憶か?(笑)
 リア:まあ、なんか色々とフォローしとかないといけないかと思いまして(笑)。
 GM:会ってみれば、分かるよ(笑)。
 神薙:壊れてるんだ、きっと(笑)。

 書記の娘も、前回のリプレイで登場したNPC。GMのお気に入り。

 GM:bU、リウ・ルー。
 天志:チャイナ(笑)。
 桃子:夜は駅前か。
 天志:駅前留学かな?(笑)

 GM:bV、七瀬ナナオ
 桃子:七瀬っていうのは、男の子?
 GM:いや、みんな女の子です……。
 天志:ボクっ子らしい(笑)
 神薙:ナナセってあれでしょ、乙女志願の女の子でしょ?(笑)
 レイン:それはまた、古いネタだな(笑)。
 天志:出会いがしらに、チュウを決め込むという(笑)。
 神薙:担当すればいいじゃん(笑)
 天志:いいね(笑)。では乙女志望のナナセは俺が。

 GM:……そしてbWが、八幡ゆかり。
 リア:ゆかりの担当は黒川さんで決定で。
 神薙:彼にしない方がいいと我々は言っていたのだが……。
 リア:近づき易いという点では彼が一番でしょう?
 桃子:私はもう、無理には止めませんよ。
 神薙:まあ、それは私もだな……私はリーダーの決定に従うだけだ(笑)。
 桃子:それって楽だよね……(笑)(←なんか苦労しているらしい)。
 天志:俺は俺でアンゼのお墨付き(?)をもらっているからな。
 神薙:それに、彼女の鍵は多分天志だろ?
 GM:はっはっはっ(笑)。
 リア:あと、bUのリウはどうする?
 桃子:初めから無理に決めて行かなくてもいいんじゃない?
 GM:とりあえず、初めに接触する相手は決まっているんだから、後から手の空いた人で行けばいいと思うよ。
 神薙:あと、質問だ。……影時間はあるのか?(笑)
 GM:影時間はない! ゴメンな(笑)
。  リア:なんの話ですかっ?(笑)
 神薙:いや、そうじゃなくてな(笑)……
 昼と夜の調査の間にPC間の情報の交換はできるのか?
 GM:ああ、それはOK。PC間の情報受け渡しはいつでもしていいよ。……さて、それでは改めて、1日目昼間からいってみよう!

 1日目 Daytime 昼間

 リアのターン コミュ:書記の娘  

 リア:──短い間ですが、よろしくお願いします。
 GM:「イシュタリアさんはー、見ての通り外国の方ですー。皆さんー、よく教えてあげてくださいー」。
 リア:あ、大丈夫です。こちらの世界のことは、お爺さまから聞いているので(笑)。
 GM:「……だ、そうですー」。
 リア:変わった先生ですね?(笑)

 輝明学園に転入したリア。
 まずは、書記の娘について、周りからの情報収集。

 GM:彼女は男を取っ替え引っ換え、毎晩のようにデートしているらしい(笑)。
 リア:う……っ……なにか嫌なことでもあったのでしょうか?(一同笑)

 天志のターン コミュ:七瀬奈々緒 

 アンゼの力で、奈々緒と同じクラスに転入する天志。ゆかりも同じクラスだ。

 天志:七瀬奈々緒は、俺の前の席だ。……眠い……髪を縛っちゃうか(笑)。
 神薙:古いネタだ……(一同笑)。
 GM:髪を触ろうとすると、「ビクビクッ!」 ってしちゃうよ。奈々緒ちゃんは、極度の人見知りで、初対面の人とはお話できません。
 天志:むぅ……。
 神薙:(ボソボソ)……そういう時は、『ムー』だよ。月刊『ムー』(笑)。
 天志:おお! ……これ読む?(一同笑)
 GM:「…………」。
 神薙:『ムー』では反応しないか(笑)。
 天志:……と、とりあえず……よろしく!
 GM:「…………」。彼女はコクリとも頷かない。
 天志:む、難しいなぁ……。

 神薙のターン コミュ:二階堂ユキ 

 修練の間。
 頭だけで逆立ちし、座禅を組むユキ。

 神薙:相変わらず、精が出るな。
 GM:「コクコク」(笑)。ユキちゃんは無口キャラなので、代わりに彼女が抱いているヌイグルミが喋る……「ユキさんは、オマエのような凡夫と語る舌は持たないんだよ!」(笑)。
 神薙:……では、君と語ろう……アンゼロット様について、君はどう思っている?
 GM:「ああん? アンゼロットか?」。
 神薙:……呼び捨てか──!
 天志:そして、時は止まる──!(一同笑)
 GM:ユキは慌てて人形をボコボコにして謝る。「……ゴメンなさい」(笑)。
 神薙:ま、冗談はここまでにして(笑)……(いくつか質問する)……。
 GM:「コクコク…フルフル……」。ユキは君の話に興味を持たなかった。
 神薙:この話題には乗ってこないか……さて、どうしよう。

 レインのターン コミュ:ナタリー  

 遠見の水晶の間。

 レイン:(優しい声色で)……なにを、しているんですか?
 GM:「フォーチューンを見てるの」。とナタリー。
 レイン:フォーチューンの生まれなんだ? 僕も以前は、この辺りにいたんだよ。
 GM:「お兄ちゃん、ラース=フェリア人なの!?」──ピロリロリ〜ン♪(笑)
 神薙:音符でた!(笑)
 レイン:ああ、そうだよ……僕は「赤目」って言うんだ。君は?
 GM:「わたし、ナタリー。友達はナタリーとか、ナタリーちゃんとか、ナタルとか呼ぶよー」。
 一同:ナタルッ!?(笑)
 GM:ああ、嘘嘘!(笑) ナタルは嘘!(一同笑)
 神薙:ナタルだと、死ぬぞ!(一同笑)。
 レイン:……どうしていつもここで、ラース=フェリアを見ているんだい?
 ナタリー:お兄ちゃんやお姉ちゃん、お父さん、お母さんを探しているの……。レイン:そうなんだ……どんな人なんだい? もしかしたら、僕は会ったことがあるかもしれない。
 ナタリー:えっ! ほんとっ!?
 レイン:うん、特徴をいってみてくれよ?
 GM:ナタリーはレインに家族の特徴を、あれやこれやと話した。
 レイン:特徴をよく聞いてから、魔法をひとつ使う。懐のタロットカードの中からムーンのカードを取り出す──『実体ある幻』! それは月の魔力──。彼女の父親の幻を作りだす。
 GM:言霊使いであるレインは、ナタリーの言葉から正確に彼女の父親の像をイメージできる。
 ナタリー:お父さん!!
 レイン:でも、実体はあってもこれは幻だからさ……僕のイマジネーションで作った偶像に過ぎない。
 ナタリー:ううん……ありがとう、お兄ちゃん! わたし、すごく元気が出た!!

 ナタリー・スリーピースの心の扉を開いた!

 一同:早っ!!(笑)
 レイン:よっしゃー!(笑)
 リア:あっという間でしたね(笑)。
 レイン:いやー、彼女の設定を聞いたら、これしかない! って思って。
 GM:ナタリーは『ラース=フェリア人』が鍵になっていたんで、あとはそれなりのことをしてくれれば開くってことにしてたんだけどね。
 レイン:よしよし、それなりに開いた。
 GM:いえ、もう完璧に開きました(笑)。なので、これ以降ナタリーに会いに来ると、質問したことに何でも答えてくれます。
 リア:他のキャラの情報を持ってるかもしれないですね。
 神薙:夜、自室行けますよ? 自室(笑)。
 レイン:行けますね(笑)。
 GM:ナタリーちゃんは12〜13才の設定だからね!
 レイン:ただ……彼女がスパイの可能性が、なくなったわけではないんだよな……。

 桃子のターン コミュ:一条礼子  

 桃子:わたし、学校では羽川翼と名乗っていて、眼鏡をかけてる。一条さんとは実は同じクラスなんだけど、彼女はわたしのことをウィザードとは知らない。
 GM:おーけー。ではそれで(笑)。
 桃子:じゃあ、ちょっと彼女に話かけてみる。
 GM:休み時間。一条さんは自分の席から窓の外をじーっと見ている。
 桃子:どうしたの一条さん? 外ばかり、じっと見て?
 一条:(兵隊のような受け答え)……いえ、ただ外を見ていただけです。
 桃子:そう? なんだかとても、寂しそうに見えたけど?
 一条:寂しそう……? 私も人間です。そういう日もあるかもしれませんね。
 桃子:……ひとりでいると、もっとそういう気持ちになっちゃうよ?
 一条:そうかもしれませんね……たまには、世間の若人のように徒党を組んで、騒いでみるのも良いかもしれません……(一同笑)。
 リア:あなた、いくつですか!?(笑)
 GM:やべ、おかしい人になりそうだ(笑)。
 リア:強化しすぎじゃないですか?(笑)
 GM:一条さんの興味を引くような話はできなかったけど、少し仲良くなれた気がした(笑)。
 桃子:じゃあ今度、機会があれば、どこかに遊びにいこうよ?
 一条:はい。機会があれば(一同笑)。

 1日目 Night Hour 夜

 リアのターン コミュ:書記の娘  

 カニ道楽

 リア:第八世界の……カニ! ああ、いったいどんな味がするのでしょう!(笑)
 GM:君がそんな風にドキドキしていると(笑)、書記の娘が現れる。今夜はひとりのようだ。
 リア:私は彼女の視界に入る位置で、大量のカニを食べています。
 GM:書記の娘も大量のカニを注文する。そして……これでもか! これでもか! というほどにカニを、カニを食らうッ!
 神薙:親の仇のように(笑)。
 GM:何かに憑かれるかのように! 何かを払うかのように! ──ボリボリボリボリッ!(笑)
 神薙:殻ごと食ってる!(一同笑)
 リア:……私には気がつきませんか?
 GM:残念ながら、彼女は女には興味を示さない。来店する男に視線を走らせ、物色している。
 神薙:どうやら、男でなければ彼女を落とすことはできないようだな。
 リア:仕方ありませんね……はー、カニ、美味しかった(笑)。

 天志のターン コミュ:八幡ゆかり 

 天志:七瀬は夜自宅なので、ここは事務所に行きます。
 GM:ゆかりですね……ここは政治家、田所力丸の事務所。彼は、ゆかりの叔父にあたり、ゆかりは叔父の簡単な手伝いをしているらしい。
 神薙:政治家……アヤシイな(笑)。
 GM:ゆかりが男を連れて来たという話を聞いて、田所力丸が出てくる(笑)。
 天志:あ、ども。はじめまして(笑)。
 GM:「ほう……君が最近よく、ゆかりっちの話に出てくる……」(笑)。
 一同:ゆかりっちって呼ぶなぁ!(笑)
 GM:「ユキタカくん。これからも、ゆかりっちと仲良くしてやってくれよ?」。ガシッと手を握る(笑)。
 リア:ぎゅう〜(笑)。
 神薙:万力で締め付けるように?(笑)
 GM:そうそう(笑)。月衣があるのに、スゲー痛いよ!(一同笑)
 天志:コクコクコクコク!(←頷いている)

 天志はゆかりを公園へ誘う。。
 ストレンジャーズの話を聞くが、ゆかりはまだ入ったばかりで、他の少女たちのことはよく知らないと言った。

 天志:じゃあ……君について。
 ゆかり:え!? あ、え〜っと……ねえ、カラオケ行こう! まだ、ユキタカ君とは行ってないから。ね?
 天志:ん……俺、行軍歌ぐらいしか歌えないけどいいか?(笑)
 ゆかり:うん! よく分かんないけど、楽しければいいよ!(笑)

 明後日の夜。ゆかりとカラオケの約束をした。

 神薙のターン コミュ:フォウ   

 神薙:今夜は、フォウに対して、情報収集をする。

 フォウ・ムラマサは感情に乏しく、主の命令しか聞かない。
 主である豪円山博英は、明後日にならなければ会えないことがわかった。

 レインのターン コミュ:ナタリー  

 神薙:……自室か(笑)。
 レイン:……いや、自室のそばで、来るのを待とうかと(笑)……(自室は抵抗あるらしい)。
 GM:(笑)……近くにいるなら──シクシクシクシク……シクシクシクシク……と声が聞こえてくる。
 レイン:聞き耳を立ててみます。
 GM:ナタリーが部屋で泣いているようです。
 レイン:コンコン……ナタリーちゃんいるかい?
 GM:「おにいちゃーん!」。バフッと君に泣きついてくる。
 レイン:なでなで……(やさしい声で)どうしたんだい?
 GM:まあ、昼間にアレを……あんな生々しいお父さんを見てしまったから思い出してしまったのだろう。
 神薙:お父さんの生々しい、アレを!(笑)
 リア:それはショックですね(笑)。
 レイン:軽率なことをしてしまったかな……君は本当に家族に会いたいんだね。
 ナタリー:うん……でも、毎日探しても見つからないの……。
 レイン:大丈夫! ナタリーちゃんは家族を見つけたいと思ってる。それを今、言葉に出したよね?
 ナタリー:……うん。
 レイン:言葉には力があってさ、「本当にこうしたい」って何回も何回も言ってると、本当にそうなるんだよ!
 ナタリー:本当に?
 レイン:本当本当……だから、君がそう思っている限り、いつか絶対に会えるよ!
 ナタリー:うん。わかった……エヘヘ、お兄ちゃんと話してると、元気になる! ありがとう!
 レイン:うんうん。
 ナタリー:あ、お兄ちゃん。わたしと今日、一緒に寝てくれない?
 レイン:え……ん〜、それはアンゼロットさんに怒られるから──(笑)。
 神薙:いや! ……ロンギヌス服務規程をよく思い出してみろ!
 リア:あとは──。
 天志:──テキトーに!!(一同爆笑)
 レイン:(笑)……わ、わかりました…君が寝付くまで、一緒にいてあげましょう。
 ナタリー:……大丈夫だよ? ナナちゃんにもついてるけど、一緒に寝てくれるよ?
 桃子:……ん? ……ついてる?
 神薙:……何が、ついてるんだ?(笑)
 ナタリー:ナナちゃんには、何かついてるんだよ……わたしには、ついてないものが────。

 チャラチャ〜、チャラチャ〜ッ!!

 天志:七瀬ッ、乙女志望──ッ!!(一同爆笑)
 神薙:リアル乙女志望──ッ!!(一同大爆笑)
 レイン:ちょっと、他の子たちのことも聞いておこう(笑)。

 「リーダーは時々コワイけどやさしい」
 「ユキちゃんは人形と話せていいな」
 「フォウは冷たい……心も体も……」
 「書記姉はカニくれる。カニ好き〜」
 「リウは寝るときにお話してくれる。環境保護のお話。よく眠れるの」
 「ゆかりは……うん。やさしい……」

 桃子のターン コミュ:一条礼子  

 桃子:わたしは、アンゼ宮内を走ってます。
 GM:ん? 走ってる?
 桃子:それで、発令所辺りに来て──あれ? 一条さん!?
 GM:なるほど(笑)……「何をしているのですか?」。
 桃子:一条さんもウィザードだったんだ! ──という感じに話を持っていく。
 一条:……翼さんも、ロンギヌスだったのですか……?
 桃子:そうそう! クラスメイトが同じロンギヌスだったなんてッ!
 一条:意外です……もっと、いまどきの普通の若人だと思っていました。
 桃子:いまどきの普通の若者だけどね?──共通点を持ってきてみた(笑)。
 GM:う〜む(悩)……少し中が良くなった気がした(笑)。
 神薙:でも、これで2段階目だろう?
 桃子:何段階あげればいいんだろう?(笑)
 神薙:10段階?(一同笑)
 GM:いやいや、そこまでは……「そうだったんですね」。少し、話がはずんだ。
 桃子:じゃあ、また明日。学校でね!
 GM:「は。また明日」(笑)。

 1日目 Darkness 影時間

 神薙:さて、これで1日目が終わったわけだが……。
 桃子:情報交換をしましょう。
 レイン:私はナタリーちゃんには悪意はないと思います。
 神薙:留意すべき点はそこではない……。
 レイン:七瀬ナナオの……アレか!?(笑)
 天志:まさか本当に、乙女志望だったとはっ!(一同笑)
 神薙:違うっ、ソレではないっ(笑)……bU、リウ・ルー。彼女は自然環境の保護を強く訴えているといったそうだな?
 レイン:ああ、よく眠れるとナタリーちゃんは言っていた(笑)。
 リア:難しい話だったんですね(笑)。
 神薙:最近、世界に起きている事象を考えてみろ。
 レイン:環境改善の促進か……。
 神薙:リウ・ルーという少女は少々、あやしいかもしれん……あと、八幡ゆかりについても言葉をにごしていたらしいな?
 天志:彼女はロンギヌスに入ってからまだ2ヶ月しかたってない。ナタリーとはコミュニケーション不足なだけだろう。ゆかり自身も他のメンバーのことはまだ、よく知らないといっていた。
 桃子:8人の中の仲の良しあしで互いの心証も違うようだから、2人の言葉だけで判断するのは早いと思う……。
 リア:まだ会ってもいない人もいますからね。
 桃子:だから、もう少し他のストレンジャーズの子たちに話を聞いた方がいいですね。明日も頑張りましょう!

 2日目 Daytime 昼間

 リアのターン コミュ:リウ・ルー  

 リウ:昼休みに、屋上で寝てるアル(笑)
 リア:では、給水等の上で寝ている彼女に声をかける。
 リウ:うむ〜…ナニか用アルか?
 リア:どう話を振ろうか……ここは、遠くまでよく見えますね?
 リウ:東京は、ビルばっかしアル!
 リア:そうですね……こんなに石造りの建物ばかり並んで、驚きです。私がいたところは、もっと周りが開けていましたから……。
 リウ:オマエも山奥から来たか?
 リア:森の中で遊んだことや、故郷の話をしてみます。
 リウ:オオ……オマエ良い人アル!(一同笑) もっと今の地球環境のことを話そうアルヨ!−♪(笑)
 神薙:……彼女は、違うかな?(笑)
 リウ:今夜、駅前に来るヨロシ!

 天志のターン コミュ:七瀬奈々緒 

 人見知りの奈々緒に、一生懸命話かける天志。
 ほんの少しだが、奈々緒は頷いてくれた。

 天志:少し進展か……。
 GM:では、君に接触してくる人間がいます。
 天志:お? 誰だ?
 GM:クラスメイトの男だ……「おい、おまえ。まさか、奈々緒に興味があるんじゃないだろうな?」。
 天志:……だったら、何だ?
 GM:「なら、おまえに……協力してやろう!」。
 天志:うぇ!?(笑)
 GM:「いいか。奈々緒は極度のブラコンなんだ。アニキに紹介してもらった奴でないと、奈々緒は心を開かない……今晩、奈々緒の自宅へ来い。アニキを紹介してやる!」ー♪(笑)。
 神薙:なんなんだコイツは?(笑)
 リア:ちょ、ちょっと奈々緒さんの家族構成を思い出していいですか?(笑)
 GM:父、母、兄、彼女です(笑)。
 リア:良かった……ちゃんと、お兄さんいるんですね……あっちのアニキかと思いました(一同笑)。
 天志:いちおー、鍵ゲットか?(笑)

 神薙のターン コミュ:二階堂ユキ 

 GM:修練の間。今日は、彼女は滝にうたれている。人形がふやけてる(笑)。
 神薙:となりで一緒に修行する……ところでユキ。前から聞きたかったのだが、君のする修行にはどんな意味がある?
 ユキ:……修行に意味などない。戒律。
 神薙:戒律……? 君はなにかの宗教を信仰しているのか?
 ユキ:……そう。
 神薙:そうか……実は私も、かつてはある神を信仰していた(一同笑)。
 ユキ:主はおられます(一同笑)。
 神薙:彼女の信仰するのは、何教だ?
 GM:いや、細かいことは決めてない。怪しい新興宗教だ(笑)。
 神薙:今、世界で一番信仰されているあの宗教は──。
 ユキ:あれは、邪教です(一同笑)。
 神薙:邪教ですか!?(笑) ……邪教かどうかは分からないが、私も、まがい物だと感じたよ。だから、信仰の道は捨てた……だが、君のやっていることは、なかなか面白いな。さすがは、新興宗教だ。
 ユキ:…………−♪(一同笑)
 神薙:鍵をゲットか……また、夜に会いに来よう。

 レインのターン コミュ:書記の娘 

 輝明学園。伝説の木の下。
 物憂げにひとりの少女が木を見上げている。
 レイン:『隠身符』を使い学園内を歩きます。書記の娘の所へ。
 GM:彼女もウィザードだから、君が近づく姿は見えている。
 レイン:(かっこ良く)……皆に笑顔が満ち溢れている。実に活気のある場所だ……だが君、太陽が月が、この世界が泣いているように思わないか──?
 書記:……馬鹿じゃないの?(一同笑)
 神薙:一刀両断だ!(笑)
 レイン:切り裂かれたー!(一同笑)
 書記:(冷めた声で)まあ、いいわ……あなた、食べ物は何が好き?
 レイン:……私は……カニだな(一同笑)。
 書記:へぇ……なら、今晩わたしとつき合わない?
 レイン:ほう……美味しいカニでも、食べさせてくれるのかな?
 書記:ええ……食べさせて、ア・ゲ・ル(ニヤリ)。
 神薙:何を食べさせる気だ?(笑)
 レイン:よし……約束だ。

 桃子のターン コミュ:一条礼子  

 桃子:(元気良く)一条さん!
 一条:翼さん。おはようございます。
 桃子:あ、おはようございます! 一条さん、いつもマジメだよね?
 一条:……!!
 桃子:え? どうしたの?
 一条:……私は、よく言われるんです。「いつも真面目だね」と……。 
 桃子:えっと…でも、それは──。
 一条:私は──! ただ真面目なだけのリーダーなんです! ……私、もっと今時の若人のように、青春を謳歌したいんです!!(一同笑)……でも、私には無理なんですよね……?
 桃子:……よし! 今日は学校が終わったら喫茶店に──「小豆あらい」に、甘いものでも食べに行きましょう!(一同笑)
 一条:……え!? あ、はい……−♪

 2日目 Night Hour 夜

 リアのターン コミュ:リウ・ルー  

 GM:チャイナ服に着替えたリウが、待っている。
 リア:素敵な服ですね……私は制服のままです。
 GM:「さあ、コレを持つアル!」。そう言って渡されるのは、大量のビラだ(笑)。
 リア:なんですアルか? これは……?
 桃子:「Nyx」と書かれたビラ?(一同笑)
 GM:違います!(笑) ……環境問題に関するビラです。「よろしくネ! よろしくネ!」。リウは通行人に配り始めます(笑)。
 神薙:(その辺の若者)「はッ?」とか言って、ビラを捨てる(笑)。
 リウ:オマエ! そこに直るアルー!! ドカーンッ!!(笑)
 神薙:「ぐはぁ!?」(笑)。
 リウ:オマエ……今、紙を捨てたなァ!!
 リア:リウさん、いけません! その服装で蹴り跳ばしたら!(笑)
 リウ:パンツがなんだってんだ!(笑) オマエのカミも、捨ててやるゥー! ブチブチブチィ!!(一同笑)
 神薙:「イ、痛いー!」(笑)。
 リア:おととい来やがれ! カスが!(笑)
 神薙:「えーん! お婿にいけない頭にー!」(一同笑)。
 リア:……私も、今のようにやった方がいいのでしょうか?(笑)
 リウ:ウン。がんばるアル!(笑)

 リアはビラ配りを手伝った。
 リウ・ルーの心の扉が開いた。

 天志のターン コミュ:七瀬奈々緒 

 天志:あー……ここが奈々緒の家かー(すごく嫌そう)。
 GM:「よく、逃げずに来たな」。と昼間の同級生が──。
 神薙:「実は俺が、アニキだったんだ!」(笑)。
 GM:じゃあ、それで(一同笑)。
 桃子:同級生じゃないのッ?(笑) ……双子?
 アニキ:同級生とは仮の姿!オレはこう見えて、もう24なんだぜ!(一同笑)。
 リア:誰か、捕まえてください(笑)。
 アニキ:まあ、そんなことはどうでもいい……アンタに頼みたい! オレの妹……いや、弟というべきか……。
 リア:やっぱり、そうなんですか(笑)。
 アニキ:オレたち家族にはもう、アイツの心を解放できないと分かった……だが、アンタなら! アンタのその目なら、なんとかなるかもしれない!(笑)
 リア:いったい、どんな目ですか!(一同笑)
 天志:い、言っとくが俺は、ノーマルだ!(笑)
 アニキ:じゃあ、行くぜ! ……ガシッ! ずるずる……(一同笑)。
 天志:ひ、ひぇぇー(笑)。
 アニキ:奈々緒……入るぞ! ばーん!(扉を開ける音)

     パオ〜ン!

 天志:……イカン……マンモスがいた!(一同笑)。
 神薙:マンモスとは……デカイな(笑)。
 奈々緒:きゃあ! お、お兄ちゃんッ?(笑)
 アニキ:奈々緒……コイツはオレのダチだ。おまえの悩みを聞いてくれるってよ。
 天志:えっとー、悩み…あるのかな……?
 奈々緒:わたし……自分の存在がよく分からないんです……男なのか、女なのか!?(笑)
 桃子:いや、男でしょ(一同笑)。
 奈々緒:はっきりさせたくて……でも自分じゃ決められなくて! だから……あなたが決めてください!!(一同笑)
 天志:えぇぇ!?(笑)
 レイン:……ここは君が、黙って抱きしめて……「女になれ!」とひと言ささやくところだ!(笑)。
 天志:いや、それをやると、もう一方のフラグが崩壊する!(一同笑)。
 リア:その前に、色んな意味であなたが崩壊するでしょう(笑)。
 天志:……君は、どっちになりたいんだい?
 GM:だから、それが決められないと──。
 天志:甘ったれるんじゃないッ!(喝) ……自分の生きる道は結局、自分で決めなけりゃならないんだよ!
 一同:おお?(笑)
 奈々緒:……その続きは……?
 天志:え? ……君はどうありたい! 人から決められた人生なんて、つまらない!
 奈々緒:ああ……もっと言ってください!(一同笑)
 天志:だから! ……自分の人生を左右するような選択肢に、人を巻き込むなッ!!(笑)
 桃子:それが、本音か!(一同笑)
 奈々緒:もっと言ってください! ……もっとッ!!(笑)
 桃子:アンタもそれが本性か!!(一同笑)
 天志:いいか? もう一度聞くぞ……男になりたいのか、女になりたいのか? どっちだッ?
 奈々緒:……いま、分かりました……わたしは──ッ!

 わたしは──あなたのようになりたいッ!!!

 七瀬奈々緒の心の扉を開いた。

 神薙のターン コミュ:二階堂ユキ 

 アンゼ宮、廊下。
 ヌイグルミを抱えた少女が立っている。

 神薙:廊下に、ユキに会いに行こう。
 ユキ:いらっしゃい。
 神薙:「いらっしゃい」って、君の部屋はここ……ということはないだろう?(笑)
 ユキ:ここはワタシの部屋じゃない……ただ、今ここに、主がいらしている。
 リア:見えるらしいですね(笑)。
 神薙:君は、主と会話することができるのか?
 ユキ:コクコク……主はこう仰られた……「汝の名を問う」と。……アナタの本当の名前を教えて? そうすれば、アナタもワタシの仲間 になれる。
 一同:……ッ!
 神薙:な、なかなか……恐ろしい質問をしてくるな?(笑)
 GM:(ニヤリ)。
 神薙:私の本当の名か……私は信仰とともに、名前も捨ててしまった。だが、実を言うと私自身、自分の本当の名前を知らない。
 ユキ:……そう。
 GM:ユキは君に興味を失ったようだ。
 神薙:これは、リバースしたな……。
 レイン:しかし、これは危険な質問です。
 神薙:ここまで直接的に聞いてくるなら、教えても構わないと思うが……私は名前を知らないという設定だからな。しょうがない。

 レインのターン コミュ:書記の娘 

 書記:味覚はしっかりしているようね……行きましょう。あなたに見てもらいたいモノがあるの。

 カニ道楽を経て、レインは書記の部屋に連れて行かれる。

 レイン:見せたいモノとは?
 書記:入って……。
 レイン:……入ります。
 GM:君が部屋に入ると、彼女は後ろ手に扉をバタンと閉めて……(にやり)……部屋の明かりを灯す! 君の目に映る、巨大なカニ!(笑)
 レイン:これは! カニアーマー!(一同笑)
 書記:これを、あなたに着けてもらいたいの?(一同笑)
 レイン:残念ですが……こういったことは私は引き受けかねます!(笑)
 書記:そう……なら、、もう用はないわ。帰って。
 レイン:その前にひとつ、質問があるんだ……ヴェルムというモノを、君はしっているか? ──質問と同時に、『神明裁判』! 語るべきは、本当の真実! プラーナを50点使って発動! (krkr)……クリティカルして、達成地は125!
 GM:抵抗できるわけねぇ!(笑)
 書記:……ッ!? 何も知らない!
 GM:レイン! カニアーマーの爪が君を攻撃する! (krkr)……ファンブル(笑)。命中6。
 レイン:それなら、回避です。
 書記:着用者のいないカニアーマーが、勝手にッ!? あなた、いったい何をしたのッ?
 レイン:……いや、レディに失礼をしました。私はこれで……。

 桃子のターン コミュ:一条礼子  

 甘味処、小豆あらい。

 桃子:一条さんの悩みを聞いてあげる。
 一条:私……変態になりたいんです!(一同笑)
 神薙:また、ぶっちゃけてるな(笑)。
 一条:私はもっと個性がほしいんです! 面白い人や、おかしな人を目で追ったりしますが、とても私には真似できません……私は真面目なだけの、平凡な女……変態になりたくてもなれない、つまらない女なんです……!(一同笑)
 桃子:……一条さん……わたし、あなたのそのキャラクター、十分個性的だと思うわ……(笑)。
 一条:え? 本当?
 桃子:うん(笑)。
 一条:ありがとう、翼! なんだかすごく自身がついた。私は今のままで、いいのね!(一同笑)

 一条礼子の心の扉が開いた。

 2日目 Darkness 影時間

 桃子:さて、情報交換をしましょう。
 GM:大体みんな、コミュマックスになってきてますね。あとはユキとフォウ、書記の娘はあと一歩ですね(笑)。
 レイン:みなさん、その書記の娘なんですが……彼女の部屋で、カニアーマーに襲われました(一同笑)。
 天志:それは君が魔法を使ったから、カニが書記の娘を守ろうとしたんじゃないか?(笑)
 レイン:まあ、そうでしょうね(笑)。……真実を問う魔法で、辞書のことは知らないと言いましたからね。
 神薙:すまない。私はリバースしてしまった。
 リア:でも、あの質問はかなり危険ですからね……誰かがやらないといけないとすると……。
 桃子:いえ、必ずしも全員の扉を開く必要があるわけじゃないと思うよ?
 神薙:そうだな。私はGMトラップのような気もしている。あまりにも直接的過ぎる。
 桃子:他の子に彼女のことを聞き込んでからにしましょう。
 GM:コミュはマスターしても、そのあとに話は聞きに行ってないからね。

 3日目 Daytime 昼間

 リアのターン コミュ:リウ・ルー  

 リア:リウと地球の今後について語ります。
 リウ:とにかく、人間が多すぎるんだよ!ある程度は粛清しなければならないんだな、これが(笑)。
 リア:どこのスペースノイドですか!(笑)
 神薙:語尾に、アルついてないぞ(笑)。
 リウ:いかんアル。何か乗り移たネ(笑)。
 リア:彼女の考え方を確認しておきたいですね……この世界はよくなっているのですよね?
 リウ:それはワタシたちNGO的、環境運動の力アル! ビラ配りが功を奏したネ!(笑)
 桃子:ある意味幸せな人ね(一同笑)。
 リウ:今が儲け時アル!(笑)
 リア:あと、他のメンバーについて聞いておきましょう。
 リウから、新情報は得られなかった。
 リア:でも、リウは間違いなく白ですね。その確信が持てただけで、良しとします。

 天志のターン コミュ:七瀬ナナ男 

 ナナ男:ヤバイぜ、ヤバイぜ俺! ああッ! 戦国時代に行きてぇ!!(一同笑)
 天志:(笑)……とりあえず、他のメンバーについて教えて欲しい……。

 「ユキに名前を教えたときは、『そう』って言っただけだったぜ?」

 天志:情報はこんなもんか……ありがとう。じゃあ、今日は男になった記念の日だ。一緒に飯でも食うか?
 ナナ男:いいのかい? じゃあ今夜、ホテルの最上階で──。
 天志:今夜は駄目だ!(笑)
 ナナ男:ひでぇな、アニキ……今夜、オレを本当の男にしてもらいたかったのにッ!(一同笑)
 天志:……いいか? 本当の男ってもんは──女を愛することができる男だあああああああ!(一同笑)

 神薙のターン コミュ:フォウ 

    豪円山邸。

 神薙:豪円山が帰ってきているはずだな?
 GM:神薙は気分が悪くなりそうな、金持ちの部屋に通される(笑)。
 豪円山:本日はいったい、どのようなご用件で?
 神薙:フォウに少し話を聞きたいのだ。頼めるだろうか?
 豪円山:構いませんが……私にどんな得があるのです? 私は、損得で動く人間です(一同笑)。
 神薙:君の得か……?
 豪円山:こうしませんか? 私はアンゼロット様をこの屋敷にご招待するのが、夢なのですが……(ニヤリ)。
 神薙:……いいだろう。私から口利きをしてやろう。
 豪円山:おおお! ならば今夜、私に様々なことを聞いてください! すべて、このフォウに答えさせましょう!(一同笑)

 豪円山博英の心の扉が開いた。

 神薙:あれ? フォウのコミュじゃないのか?(一同笑)

 レインのターン コミュ:書記の娘 

 レイン:昨夜は済まないことをした。
 GM:彼女は今日は静かですね。「……あ、昨日の」。
 レイン:少々取り乱してしまい、あなたを傷つけてしまいました。
 書記:……わたし、驚いているんです。昨日、あの子が勝手に動き出したこと……。
 レイン:もしかしたら、君を守ろうとしたのかもしれない……。
 書記:わたしを……守ろうと……?
 レイン:私が、あなたに危害を加えると思ったのでしょう。
 書記:……わたし、蟹がキライなんです……だから私、毎晩、蟹をあの憎らしい女の顔だと思って、これでもか! これでもかっ! って思いながら食べ続けてました。そしてあの子にも、ずいぶんヒドイことをしてきた……この蟹め! この蟹めっ!って……それなのに……それなのにあの子は私を守ろうとしてくれた! ──私、気づいたんです。私は蟹が憎いんじゃない、むしろ、求めていたんです! ……でも、いまさらですよね……私、あの子になんて言って謝ればいいのかわからない……ううん、きっともう手遅れ、私には謝る資格なんてないんだわ───うわわあああぁぁぁんっ!!
 レイン:……あなたは蟹を求めている……大丈夫。あの蟹さんもあなたを求めています。相対した私には分かる! 蟹さんはあなたを守ろうとした! 蟹さんに触れてみなさい。そして言葉をかけるのです。きっとあなた達はひとつになれる!
 書記:あの子と……ひとつに……。

 書記の娘の心の扉が開いた。
 これが彼女が人であったときの最後の時間だった(一同笑)。

 桃子のターン コミュ:一条礼子  

 桃子:一条さーん!
 一条:はーい! 一条でーす!(笑)
 桃子:……キャラ、変わったね(笑)
 一条:翼のおかげで、スッキリしたわ。殻を破れた気分よ!(一同笑)
 桃子:ストレンジャーズのこと、少し教えて? 二階堂さんの宗教ってどんなのか知ってる?
 一条:ううん。詳しいことは知らない。無口な子だから……「本当の名前を教えて?」、と聞かれたことはあるけど、その後しつこく勧誘される、ということはなかった。
 桃子:一条さんはそのとき、名前を教えてあげたの?
 一条:ええ。隠す理由もないからね。
 桃子:──ゆかりさんは?
 一条:ゆかりはなかなかいいよ。まだ少しコミュニケーション不足だけど、彼女の性格ならすぐにチームに溶け込めると思う。何に対しても積極的だし……そうそう、先日ユキと話しているのを見たの。ぬいぐるみのことを話しているよだったけど、ユキがあんなに必死に喋っているのを見たのは初めて……話の内容までは聞こえなかった。
 桃子:それはいつのこと?
 一条:……三日前ね。

 3日目 Twilight 黄昏時 

 桃子:夜フェイズの前に情報交換をしよう。みんなの考えをまとめたい。
 一同:うん。
 リア:じゃあ、この時点で白だろうと思える者をあげてみて?
 神薙:まず、4と5。フォウと書記の娘。これは間違いなくネタだから、白(笑)。
 一同:うん(笑)。
 リア:6のリウも性格的にないですね。1と7。一条とナナオも悩みの次元が違うと思いますから、白(一同笑)。
 神薙:ヴェルムを持つ者の行動とは考えにくいしな。
 桃子:(レインに)あれ? ナタリーは?
 レイン:ひとつ気になることが……N3です。 
   神薙:ナタリーのNに、スリーピースの3か……ただの偶然のような気もするが?
 レイン:消されてしまったという神薙さんの父上がダイイング・メッセージとして残したのかもしれません……。
 リア:じゃあ、ナタリーは保留にしましょう。
 神薙:二階堂は……怪しいな(笑)。
 レイン:彼女は、餌のような気もします。
 一同:うん(笑)。
 天志:一条とナナ男は名前を教えてもなんともなかったと言ってたな。
 桃子:でも、出会った人の名前をキープしたいって雰囲気はあるよね?
 神薙:単に無口だから友達が少なくて、変な宗教にも入ってるし。友達ほしくて名前を聞いてる可能性もある(笑)。
 桃子:ただ、三日前の話が気になる……無口な彼女がゆかりさんと何を話してたのか……?
 リア:それは、ゆかりさんに聞けば分かりそうですね。
 桃子:では、それは色男さんに任せることにしよう(笑)。
 天志:……ん、分かった。
 レイン:その、ゆかりさんはどうです?
 リア:まだよく分かりませんね。
 神薙:……ゆかりっちはむしろ、犠牲者になりそうな気もする。
 リア:ポジションがヒロインですからね。どっちに転ぶかってとこですか?(笑)
 桃子:現状で言えることとしては、名前を聞いてくる二階堂さんが一番危険な人物だと思う。
 レイン:偽名でもいいから、試しに教えてみるという手はあります。
 リア:……それを、私がやってみようと思います。
 桃子:危険だよ。リアさん?
 リア:私のこの名前は本当ではありませんが、まるっきり嘘でもないですから。
 桃子:なるほど……では、リアさん。あなたにそれを任せてもいい?
 リア:はい。

 3日目 Night Hour 夜 

 リアのターン コミュ:二階堂ユキ 

 アンゼ宮・廊下。
 二階堂ユキはぬいぐるみを探しているようだ。

 桃子:私、隠れて様子をうかがうことにする。
 リア:了解(笑)。そのことを私は知ってた方がいいのか、知らないことにするか?
 桃子:じゃあ、知らないことにして。
 リア:わかりました……私はユキに声をかけます──どうかしたんですか?
 ユキ:……ぬいぐるみ……。
 リア:あなたのぬいぐるみが、どこかへいってしまったんですか?
 ユキ:……コクコク……(うなずいてる)。
 リア:じゃあ、一緒に探してみましょうか……心細そうなので、手を引いてあげて一緒に探します。
 GM:遠見の水晶の間で、ぬいぐるみを発見する。
 ユキ:……ありがとう……。
 リア:もう友達と、手を離しちゃダメだよ?
 ユキ:……うん……主も喜んでいらっしゃいます(一同笑)。──あなたの名前を教えてください?
 リア:……そうだったね。まだ名前を教えてなかったね……。
 桃子:…………。
 リア:私はね……リアっていうの。
 ユキ:……リア……? ……足りません。
 リア:……ああ、イシュタリア・ホワイト。イシュタリアって長いでしょ? だからみんな、リアって呼ぶの。
 ユキ:……イシュタリア・ホワイト……。
 GM:ユキはリアに興味を失ったようだ。
 リア:え? この時点で?
 桃子:……なんで、「足りません」なんて言えるんだろう?
 神薙:結局、教えても興味を失われるわけか?
 レイン:やはり、あの子が必死に喋っていた理由を知りたいですね。
 リア:それはこの後の、彼のターンに聞いてもらいましょう。この順番が逆だったら良かったのかも?
 桃子:そうだね……まあ、何事もなくて、私はホッとしてる。

 天志のターン コミュ:八幡ゆかり 

 事務所。

 天志:……コンコンッ!(ノック)
 田所:む! ……来たぞ。ゆかりっち!(一同笑)……ユキタカくんといったね。私はこれから会食なんだが……くれぐれも、よろしく頼むよ?(ギロリ)
 天志:はっ! ゆかりさんをお預かりします!
 田所:ゆかりっち、あまり遅くならないようにな?
 天志:大丈夫です! ちゃんと、お送りいたします!

 2人だけのカラオケボックス。
 ゆかりが天志にデュエットを申し込む。

 ゆかり:カラオケ、楽しかった!
 天志:それなら良かった。また思い出が増えたな。
 ゆかり:うん。……えーっと、あ……今はユキタカくんだよね?
 天志:いや、本名でいいよ。
 ゆかり:ん、じゃあ……北条貴之くん──。
 天志:ん?
 ゆかり:わたしの中で……

   わたしの中で、君の存在が少しずつ大きくなってる。忘れないで、いま君の中にいるわたし、君の中の八幡ゆかりは貴之くんのことが大好きってこと!

   ゆかり:……じ、じゃあね! 忘れないでね! ずっと君のことが好きなわたしを!!
 GM:ゆかりは言って、その場を逃げるように──。
 天志:ゆかりの手を掴む!
 GM:うお!?(笑)
 天志:なんだ今の言いかた……もう2度と会えないような言いかただろ!?
 ゆかり:あう……そ、そんなことない……は、恥ずかしかっただけだもん!!(笑)
 天志:……これから俺が言うことも、恥ずかしいからな……!
 ゆかり:え?
 天志:俺も同じだ! おまえの存在が俺の中でどんどん大きくなってる……つまりだ──!

 俺も八幡ゆかりのことが──大好きだ!!!

 天志:俺は握ったゆかりの手を引き寄せて彼女を抱きしめる──。

 ──俺がゆかりを、守る。

 *   *   *

 天志:……だからゆかり、情報を話すんだ!(一同笑)
 GM:ゼハーゼハー……やっと終わったぜ!(笑) 3日前のことだな──。
 ゆかり:あのことかな?……ごめんね。ユキちゃんに口止めされてるから。
 天志:どうしても知りたいんだ!(笑)
 ゆかり:う〜ん……秘密だよ? 誰にも言わないでね……わたしあの日、見ちゃったんだ。ユキちゃんのぬいぐるみが──変形するところを!
 GM:リサーチ02のブリーフィングが終わったあと、二階堂ユキがブリーフィングルームに入ると、椅子のひとつがユキのぬいぐるみに変形したシーンをみてしまったらしい。
 神薙:……聞かれていたか!
 レイン:これは……核心的ですね。
 GM:「わたしが見ていたことを知ったら、ユキちゃんが黙ってて欲しいって一生懸命お願いしてきたの……ああ、言っちゃったよ。わたし口軽女だ!」。
 天志:大丈夫だよ──。
 一同:尻軽女よりはいい(笑←何故かハモッた)。

神薙のターン コミュ:豪円山博英

 豪円山:さ〜あ、アンゼロット様のおみ足のためだ。何でも聞いてくれたまへ?
 神薙:二階堂ユキについて、何か知っていることはないか?
 豪円山:だそうだ──フォウっ? 答えてやるがいい!(一同笑)
 フォウ:ユキさんのぬいぐるみは、電波を受信するであります。
 神薙:その電波の発信源はわかるか?
 フォウ:わからないであります。
 神薙:そうか……。
 豪円山:さて、それではアンゼロット様のおみ足の件、よろしくお願いしますよぅ?(一同笑)
 神薙:……わかった……ただし、その結果が君に何をもたらすかは、覚悟しておくのだな?
 豪円山:はっ!? お、おまえは神薙!しまったぁ!! 私はいままで何を口走っていたのだぁっ!?(笑) フォウ! 逃亡するぞ!!(一同笑)
 フォウ:了解であります(一同笑)。

 豪円山博英は逃げ出した。

 レインのターン コミュ:書記の娘 
薄暗い室内。冷たい空気が足元を流れている。ただひとつ点いている電気スタンドの光が、異形の鎧を身に纏う少女の姿を、照らし出していた……。

 書記の娘:(恍惚として)嗚呼……彼が求めていたのはこういうことだったのね!(一同笑)
 レイン:晴れやかな表情をしていますね(笑)。あなたの新たなスタートの起爆剤になれたのなら幸いです(一同笑)。
 書記の娘:あなたのおかげで私は、カラを着込むことができたわ……私に答えられることがあれば何でも聞いて?(一同笑)
 レイン:二階堂ユキについて聞きたいんです。
 書記の娘:ユキの宗教は危険よ。絶対に名前を教えてはダメ。私の女の勘。
 レイン:あなたは名前を教えましたか?
 書記の娘:いいえ。私の勘が警鐘を鳴らしたからね……だから私は書記の娘。カニを着込む女!(一同笑)
 レイン:案外、最後はそういうものが当てになるのかもしれませんね……ありがとうございました。あなたが生まれ変わる時に立ち会えて、光栄でしたよ。
 書記の娘:……やめてよ。その気になるじゃない(照)(一同笑)。

 3日目 Darkness 影時間

 神薙:ん? 桃のターンは?
 桃子:わたしリアさんのターンにこっそりいましたから(笑)
 レイン:第一容疑者はユキさんで決まりですね?
 リア:実はヌイグルミが本体……という可能性も考えたいところですが。
 天志:すぐに捕まえないのか?
 神薙:……いや、私はひとつ気になっていることがある。
 桃子:なんですか、神薙さん?
 神薙:……アールは、いつ死ぬんだ!?(笑) もう、GMすら存在を忘れているんじゃないのか?(一同笑)
 GM:はっはっはっ……初めから今夜、3日目の夜に死ぬ予定だったんだよ! ホントだよ!!(笑)

  ──Climax01── 

   コメカミノ銃創

 GM:君たちはいま何処で相談している?
 リア:アンゼロット宮殿の誰かの部屋?
 GM:君たち全員に、呼び出しがかかります。
 神薙:これは、アンゼロット様からの通信?
 桃子:ピッ。と、でます。
 GM:「……皆さん。アールが、死亡しました」。
 リア:死亡した?!
 GM:「……彼は、自殺です」。
 神薙:自殺っ!? あの男が自殺?!
 GM:「ビデオを見てもらいたいので、ブリーフィングルームに集まってください」。
 神薙:アンゼロット様。前回のブリーフィングのとき、あの場に紛れ込んだ者がいました。あの場所は危険かもしれません。
 GM:「なんですって! ……わかりました。ではわたしの魔力で映像を送ります。これなら盗聴の心配もありません」。

 魔法の技で送られてくる映像。
 男の顔。アールだ。
 ホームビデオの映像だろうか、彼の後ろには資料の山。アールが地上で使っていた部屋も映っている。
 すぐにアールは喋り始めた

 「現在の時刻。4日、零時32分。
十数秒前から、俺のプラーナが騒ぎ出した。たぶん俺は、名前を消された。すぐに消えちまうだろう……このままなら……こいつは、賭けだ──!」

 アールは左手に拳銃を握っていた。銃口を自分のこめかみに押し当てる。

 「もし俺の存在が消えなかったら、この数日、俺が調査したことと俺が感じたことをよく吟味してくれ。
 あとは頼む。麗しのアンゼ宮の中間たちよ。そして、さらばです。アンゼロット様……あなたをモノにできなくて、残念です────」

 パンッ!

 桃子:アールさんっ!!
 レイン:アール、最期はかっこいい男になったな(一同笑)。
 リア:かっこいいー!(笑)
 GM:おれのお気に入りのシーンだ(笑)。
 桃子:彼の残した情報は残っているんですね?
 GM:「残っています……彼のことをわたしたちは知っている。彼は消えていません……!」。
 リア:これもひとつの情報ですね……完全に消失する前に、「死亡する」ことで消失のプロセスが止まってしまう?
 神薙:消えるまでに間があるということも分かったな。
 レイン:彼が消されたということは、彼は核心に近づく何かを得たんでしょう。
 天志:すぐに彼の部屋に行って調査資料を!
 GM:「いえ、資料はすでに回収しています。同じように送りましょう──」。
 桃子:お願いします。
 GM:「──ただし、ひとつ聞いてください……ヴェルムの捜査は非常に危険です。今からでも捜査をはずれたい方はこの資料を、見ないで下さい」。
 桃子:そんなこと……あるわけないじゃないですか!
 リア:そのための、SATでしょう?
 桃子:まさか、入ったばかりのリアさんにいわれるとは思わなかった。
 リア:若輩者ではありますが……これでも、覚悟だけは一人前のつもりです!
 GM:「……皆さん、同じ気持ちですか?」。
 神薙:決まっています。
 レイン:導かれるままに……。
 天志:…………(←たぶん頷いてる)。
 GM:「……これが、アルフレッドが残してくれたものです──」。言って、データが送られてくる。──アルフレッドが3日間で調べた人物ファイル、540人分!(一同爆笑)
 レイン:調べすぎだろー!(笑)
 神薙:すげー、優秀!(笑)
 桃子:死んでから、どんどん優秀になっていくね(笑)。
 GM:そして、これがアルフレッドのノート────。

10月1日 ハレ
 不思議だ。被害者はすべて消え、いなかったことになってしまう事件だというのに、俺には何故か、どこをどう調べるべきか分かる。
 ミスターN。N3を残した男。もしかして、俺自身も彼をかつて知っていたのではないだろうか? この調査のことを俺は彼から聞いていたのかもしれない……。

 10月2日 晴レ

 昔、誰かから教わった。情報収集も武道と同じ、考えるんじゃない。感じるんだ!

 10月3日 ユカイ

 俺は確信する。ヴェルムで人を消すためには、その者の顔と名前を知っている必要がある。
 俺の顔と名前を知る者……顔はロンギヌスの女の子にはみんな知られてるよなぁ(笑)。
 名前はアンゼと、SATの女の子3人。あとメグミとミチルとキョンハ、ラムにスガコにディードリット、ヘレン、マヘリア、ケイト、ジュンコ、ペギー、コニー……おっと、あとオリファーかな? うん。彼女たちなら、大丈夫っぽいな(笑)
 ──ブリーフィングを盗聴でもされていない限りは……。

 レイン:そうか……(笑)。
 神薙:核心的だな(笑)。
 桃子:盗聴されていなければ大丈夫……か。
 神薙:だが、盗聴はされていたわけだ。
 桃子:アールさんが調べてくれた540人については引き続き情報部にあたってもらおう。……私たちは、ユキさんを押さえます。
 リア:ぬいぐるみも、ですね。
 桃子:動くなら早いほうがいいですね。アールさんが消えていないのは向こうには分かっていると考えたほうがいい。そうなると、敵はほころびを埋めようとするはず。ゆかりさんも保護したほうが良いと思います。
 神薙:そうだな。
 天志:……むう。
 桃子:皆さん。相手は未知の力を持っています。何が起こるか分かりません……覚悟してください!
 一同:おう!
 桃子:では、2分後に集合です。

  ──Climax02── 

      予感

 リアは武装を整えて廊下に出た。
 足早に廊下を歩く天志がいた。
 リア:黒川さん!
 天志:──! ……リアか、なんだ?
 リア:いよいよですね。
 天志:……ああ、そうだな。
 リア:八幡ゆかりさんとは仲がいいんでしたっけ?
 天志:え?! ……い、いやぁ、それを俺に言わせるのかよ!(テレテレ)
 GM:何だおまえっ!(一同笑)
 リア:(笑)……そのにやけている顔に……もしかしたら──。
 天志:もしかしたら、ゆかりに危険が及ぶかもしれない……だから、俺は俺のやり方をさせてもらう!
 リア:アールさんがくれた情報がありますから、もしかしたら……あなたは迷うことを許されないかもしれません。
 天志:迷う? 何について? ……迷いなんてとうの昔に捨ててるよ! 話はそれだけか?
 リア:……はい。
 天志:じゃあ、俺は行かせてもらう。隊長さんには謝っといてくれ。
 リア:去っていく彼の背中に声をかけます……守ることはできなくても、救うことはできるかもしれません──っ!
 桃子:登場します。リアに声をかける──大丈夫。きっと私たちの取り越し苦労です。
 リア:はい……。
 桃子:じゃあ、私たちも行きましょう!
 リア:顔を上げずについて行く。

 *   *   *

 レイン:私はナタリーの部屋の前です。
 GM:……OK。
 レイン:……コンコン(ノック)。
 GM:…………。
 レイン:…………コンコンッ(ノック)。
 GM:…………。
 レイン:…………コ──。
 GM:────がちゃ(笑)。
 一同:はぁー(安堵)。
 GM:「……なぁにぃー?」。目を擦りながらナタリーが出てくる(笑)。
 レイン:(やさしい声で)ゴメン。起こしちゃったね。
 GM:「……おにぃちゃんどうしたのー? 一緒にねるー……?」(笑)。
 リア:それはとても、魅力的な提案(笑)。
 レイン:う〜ん。そうしてあげたいけど、今夜はちょっと仕事にでなきゃいけなくてね……。
 GM:「ほぁ〜……そうなんだぁー……」。
 レイン:まあ、ちょっと気になって来てみたんだよ。
 GM:「ぅん……お仕事がんばってねー……」。
 レイン:今日はゆっくり休むんだよ……絶対にこの部屋を出ちゃいけない。
 GM:「……うん。わかった」。
 レイン:いいね?(なでなで)……バタン(扉を閉める音)。
 GM:ぬぅー……そう言われてしまうのか……。
 神薙:……敵が1人減った?(笑)
 GM:はっはっはっはっ(乾いた笑い)。
 桃子:つまり、名前を知られてる子は……。
 神薙:敵になる可能性がある?
 リア:大だね(笑)。
 レイン:いやな予感がしてね(笑)。

 *   *   *

 神薙:私もひとつ、決意のシーンみたいのを。
 GM:はい。どうぞ。
 神薙:部屋から出て、皆と別れたあとに……アルフレッド。おまえは大した男だったよ。おまえの意志は確かに 我々が受け継いだ。おまえは、我々の心の中に生きつづけることになる。アンゼロット様の御心の中にもな……。おまえは、ロンギヌスの鏡だ。 誇りに思え──そう言って、武器を握り締める。
 レイン:後ろから現れます──神薙さん。
 神薙:なんだ?
 レイン:彼の残した言霊は我々の心の中に宿りました。
 神薙:ああ。
 レイン:行きましょう。
 神薙:そうだな──集合の時間だ。

 *   *   *

 アンゼ宮内。ゆかりの部屋の前。

 天志:コンコン!
 GM:…………。
 天志:コンコンコン!
 GM:…………。
 天志:コンコンコン! ……ゆかり、俺だ?
 GM:……返事はない。

 天志は扉をこじ開け、部屋に入った。
 ゆかりはいない。
 少し前まで、人がいた気配はある。

 天志:……ゆかり……。

 ──GM SCENE──

 八幡ゆかりは早足で廊下を歩いていた。

 ……やっぱり、我慢できない。

 ユキちゃんとの約束。

 貴之に話してしまったことを、謝らなくちゃいけない。

 無口な彼女があんなにも必死になっていたことだ。

 彼女にとって、とても大切なことだったんだろう。

 それをわたしは喋ってしまった。

 わたしにも大切なものがある。それをたやすく扱われたら良い気はしない。

 今日たくさん大切なものができた。貴之にもらった。

 わたしの大切なものも貴之にあげた。貴之はもらってくれた。

 ……いやいや、変な意味じゃないですよ?

 ……ま、まぁ、いずれは、そーゆーのも…ある…のかも、だけど……(テレテレ)

 ──って! 今日は浮かれすぎだ!

 浮かれてたからなんて理由にならないんだからね!

 ……まずは、謝らなきゃ。

 ゴメンね、ユキちゃん。


 ──Climax03──

Kill me !


 天志:ゆかり──────っ!!!
 GM:天志が一番に見つけたことにしよう。ここは修練の間。ゆかりがユキちゃんに謝っている。
 ゆかり:ごめん。友達に、あの事喋っちゃった……。
 ユキ:……そう……。

 ……エマージェンシー……!

 ユキ:……主よ。八幡ゆかりの消去を申請します。
 ヌイグルミ:──失点だな、ユキ。
 ユキ:申し訳ありません。
 GM:ここで、天志が到着する。
 天志:ゆかりっ!
 ゆかり:「たか……ユキタカっ!?」(笑)。
 天志:……ゆかり、こっちへ来い。
 ゆかり:え……うん……あ、ユキタカもユキちゃんに謝ってあげて?
 天志:……二階堂ユキ。まさか……。
 ユキ:……もう遅い。八幡ゆかりは、まもなく消滅する。彼女の消滅により、彼女の発言はなかったことになる。結果、ワタシへの追求もなくなる。
 ゆかり:……え? なに、何の話? わたしが消える?
 ヌイグルミ:──八幡ゆかりの名前を削除した。
 リア:どんな声?
 GM:機械で作ったような声。男か女かも分からない。
 天志:……その人形を壊せば、まだ?
 GM:そんなことをしても意味ないよ。ぬいぐるみは通信機みたいなもんだ……さて、ゆかりちゃんのセリフ──。  天志:ゆかり! いいから来い!
 GM:彼女は大きく目を見開いて、立ち止まる。
 リア:プラーナの異常に気づいたか!
 ゆかり:……なに……これ? わたし……消える? ──わたしのプラーナが、消えちゃうっ!? 助けてっ、貴之──────っ!!!
 天志:ゆかりのところまで行く!
 ユキ:……恐れることはない。あなたは初めから存在しなかった。誰も悲しむ者などいない。あなたを知る者は誰もいない。
 ゆかり:いやああああああぁぁぁっ!! わ、わたし……わかる! みんなの中から、みんなの中のわたしも消えちゃうっ──いない事になるぅ!!!
 天志:……!!(ユキに)──頼む! ゆかりを助けてくれっ!!
 ユキ:……もう遅い。世界から、八幡ゆかりの名前は、消えた。
 リア:GM。我々はこの場に到着できるのか?
 GM:できます。
 リア:じゃあ、到着した!
 レイン:来る!
 桃子:くっ!
 神薙:馬鹿が! ひとりで先走って!

 キッ! と、ゆかりがまっすぐに天志を見つめる──。

 ゆかり:……貴之、わたしを、殺して──!
 天志:なッ!? それは──ッ!
 ゆかり:お願い、貴之……みんなの中の……あなたの中のわたしを、守って! ──早く!!
 リア:黒川さん──ッ!!

 (あなたは迷うことを許されないかもしれません)

 (……こいつは、賭けだ──!)

 ──エマージェンシ──ッ!!

 GM:そして、ストレンジャーズの少女たちが召喚される!
 神薙:やはり、来たか!
 ユキ:そこの言霊使いが、ゆかりに何かした。彼らはゆかりを殺そうとしている!ゆかり:殺して──! 早く──!
 GM:状況をつかめなかった少女たちも、その言葉とゆかりの様子から武器を構える!
 レイン:くっ!
 GM:さあ! バトルフェイズに突入だ!!

 *   *   *

 桃子:と、バトルの前に、ちょっと今の状況を整理させてください?
 GM:はいはい。人数も多いし、ゆかりっちもどうするか話し合ってね。
 神薙:まず、ストレンジャーは全員来てるのか?
 GM:いーえ、ナタリーとあとフォウが来てません(一同笑)。
 レイン:ナタリーは部屋から出るなと言っておいたから、その効果かな(笑)。
 神薙:フォウは豪円山と逃亡してるからだな!(一同笑)
 レイン:書記は来てるのか?
 GM:来てますなぁ。名前は知られてないけど、来るだけは来ました(笑)。
 リア:それは敵にとって、獅子身中の虫になるんじゃないですか?(笑)
 GM:状況が分からない状態でユキちゃんが君たちを敵呼ばわりしたから、敵だと思ってる(笑)。
 桃子:築いた絆は無駄ですか?
 GM:むぅ……では書記とリウはまごまごして戦闘から弾き出されたことにしましょう……まあ、敵が多すぎると処理も面倒だし(笑)。
 桃子:一条さんは敵のままですかー?
 GM:彼女はユキに名前を知られているので、半分操られてると思ってくれ。
 リア:あれ? リウは平気だったんだ?
 GM:ああ、何故か裏設定で、リウは偽名だったのだ(笑)。
 神薙:敵はユキ。一条とナナオの3人だな?
 レイン:操られてる2人には怪我させたくないですね。
 神薙:次はゆかりだが……
 GM:ゆかりを殺せば、彼女の存在は残る。殺せなければ、彼女は消えて、初めからいなかった存在となる。その場合、ゆかりの口から盗聴の件が漏れる事実もなくなり、ユキは逃亡することになるだろう。まぁ、そうなっても、ゆかりは初めからいなかった人間になってるから、誰も悲しくないし、悔しくないからね? ……あ、あとゆかりには自殺しないように変形したぬいぐるみが拘束してるから。
 リア:放っておけば彼女は消えるし、殺すなら……誰かが手をくださなくちゃならない。
 天志:…………。
 GM:よし、だいたい状況は掴めたかな? 「……空間閉鎖」。その言葉とともに、ユキの月衣が拡大し修練の間を覆う! さあ、バトルフェイズ開始だ!


 ──Climax04── 

  Memeto mei

 アンゼロット宮殿の中で、ロンギヌス同士の戦闘が始まった。

 行動値71のナナ男の空振り。
 行動値62で桃子の『啓示』。
 そして、天志の攻撃……。

 ゆかり:たかゆき……わたしを守って!
 天志:ゆかり……。

 あと、どれほど時間があるのかわからない。1秒後にゆかりが消えてしまうかもしれない。
 迷うなだと? ……迷うだろう! 迷わないわけないだろう!
 賭けるってなんだ? どっちにだよ!どっちに賭ければ、俺はゆかりを失わずにすむんだよおおおぉぉぉっ!!!  

 (あなたは初めから存在しなかった。誰も悲しむ者などいない)

 (わたしを守って!)

 (北条くん、ひとつ約束して──今年の学園祭を、一生忘れないこと!)

 (二度と会えなくても……わたしは皆のところにいるんだよ。そのために、わたしがんばったんだから!)

 (忘れないで、いま君の中にいるわたし、君の中の八幡ゆかりは貴之くんのことが大好きってこと!)

 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

 ゆかり:たかゆき、忘れないで……。
 天志:……約束、したもんな。
 ゆかり:……うん。
 天志:ゆかりのことも、ゆかりのことが大好きな俺の心も……忘れない──彼女を抱きしめる。
 ゆかり:……聞こえる。たかゆきの中にいるわたしもあなたのことが大好きだって……えへへ。
 天志:…………さよならは言わないよ。また。
 ゆかり:うん! じゃあ……またね!
 天志:ぬいぐるみの守りを貫く為に、気功も使う(krkr)……112ダメージ!!……ゆかりを、殺す────ッ!!!

 天志はゆかりの体をゆっくりと下に横たえた。

 GM:ひとりで、敵陣に突っ込んできた天志にユキが接敵! 三連攻撃!
 天志:1と3は回避!
 GM:(krkr)……ダメージ86!
 桃子:『アースシールド』!
 GM:『ディスアペア』!
 レイン:『散らされし力』!
 天志:『アースシールド』もらっても36点食らった。

 リア、神薙、一条さんは行動値が低くしばし観戦モード。
 男になったナナ男は攻撃毎に『光の刃』を組み込むが、桃子の『グリード・シャドウ』に打ち消される。

 GM:『光の刃』がないと意味ねー!(泣)
 桃子:でも『グリード・シャドウ』はMP消費大きいから、意味はあるよ(笑)。

 レインの『幸福の訪れ』と『不運の星、天に輝く時』で、PCのファンブルはクリティカル。GMのクリティカルはファンブルに!

 GM:クリティカルもしちゃなんねぇって、なっとくいかねぇ!(一同笑)

 行動値が下位になってきたことで、ナナ男と一条さんは同カウントに合わせて連携攻撃を狙う。

 レイン:その前に私の行動です……懐から「愚者」のカードを取り出し、『そのうそホント?』をその2人にかける!!
 GM:(krkrkrkr)……2人とも抵抗できない。
 レイン:この魔法は嘘を信じ込ませる魔法です。ですが今は、操られている2人を解放する力となる!……2人とも目を覚ますのです! 二階堂がすべての元凶なのです!
 GM:2人は混乱して無力化された(笑)。
 リア:ユキさん! あなたの信仰……打ち砕かせてもらいます! 『二刀流』! 両手に構えた2本の斧、「やさしき白銀」「荒ぶる黄金」を投擲!!
 桃子:『シャドウブレード』!
 GM:ぐげッ!(魔法ダメージに弱い) ……回避2本とも無理!
 リア:(krkr)……1本目、77点! 2本目には『幸運の一撃』とプラーナ50点乗せる!(krkr)……123点!!
 GM:……やってくれたな! ユキちゃんは無口だから、何も言わないが……今のは、痛かったぞ────ッ!!(笑) ……『高速言語』!!
 リア:長門ばりの早口ですか?(笑)
 GM:うん、そう(笑)……『ウォーターフロウ』! リアと桃子のsqに!
 桃子:抵抗!
 リア:抵抗失敗……転倒!
 GM:さっきの痛打のお返しだ! 続けてリアに『アクアレイヴ』!
 リア:『水人形』!
 GM:(1kr)……くそぅ! 人形に当たった! ええぃ、さらにもうひとつ『アクアレイヴ』だ!! 命中53!
 リア:転倒してますからね。避けられません。
 GM:(krkr)……ダメージ87点!
 レイン:『虹色の衣』!
 GM:『ディスアペア』!
 レイン:く……すみません。止められませんでした。
 リア:『完全防御』!
 GM:……うそ?(一同笑)
 リア:私は、戦場で一滴の血すら流したことがない……これは、父との誓いです!
 神薙:アンゼロット様に盾突いたことを、公開するがいい。 主とは、アンゼロット様ただ1人!
 GM:あー終わったか(笑)
 神薙:『コンビネーション』! 『アンブッシュ』! イマジナリーフィールド展開。虚数空間に溶け込む(一同笑)。
 GM:バケモノか!?(笑)
 神薙:そして『二刀流』で、ウィッチブレードの2回攻撃を行なう! プラーナ20点、命中47!
 GM:駄目。
 神薙:ウィッチブレードに搭載された4機のエネルギーブースターをすべて起動させる!(一同笑)
 リア:ガッガッガッガッ!(笑)
 神薙:パワードスーツのハードマッスル効果も入れて(krkr)……150点魔法ダメージ!
 GM:もう一発、来い!(笑)
 神薙:命中は『幻想舞踏』、『絶対の信仰』で絶対命中……プラーナ30点乗せて(krkr)……169点物理ダメージ!……虚数と実数からの同時攻撃だ。
 GM:……ユキは体を貫かれて、膝から崩れ折れる……。
 神薙:我は“クストース”……アンゼロット様の番犬なり──。

 戦闘終了。

 ユキ:主よ……申し訳ありません。30秒持ちませんでした……。
 レイン:生きてるよね? プラーナ全開で『神明裁判』! ──あなたの裏にいる人物は誰ですか?
 ユキ:我が主……。
 レイン:あなたの主の、名は?
 ユキ:主は……主……神。
 レイン:……あなたは何故、こんなことを?
 ユキ:……神の御心のままに……。
 レイン:声を聞いた、と?
 ユキ:……そう……。
 GM:リア。君には今、普段無表情の彼女の口元がほんの少し、微笑んだように見えたよ?
 リア:……まさか! 彼女はすでに名前を消されているのかも──!
 神薙:トドメを刺す!
 GM:気付いたか。
 桃子:……気付いて良かった……。
 GM:気付かなければ、すべてが無駄足になるところだったね。
 リア:……こうするしか、なかったんでしょうか……。
 神薙:その言いかたは間違いだな。私たちは下した決断を、正しいものへと変えていかねばならない。
 リア:そう、ですね……。
 桃子:2人を、弔ってあげて。
 リア:ユキは私が……。
 天志:……黙って、ゆかりを抱える。

  ──Ending──  

     キミの記憶

 アンゼ宮・遠見の水晶の間。

 レイン:今日もここに来てたんだね?
 ナタリー:うん……わたし、ラース=フェリアに帰れることになったの。
 レイン:そうだね。……見つかったのかな?
 ナタリー:ううん、見つからない。
 レイン:でも、見つけたいと思ってるよね?
 ナタリー:……ゆかりちゃんの話を聞いたの。お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃんも……わたしの心の中に確かにいる。
 レイン:うん。
 ナタリー:だから、ひとりで寝るの怖くなくなった!
 レイン:そうか……。
 ナタリー:……でもね、やっぱり会いたいから、探すの! 今度は自分の足で!
 レイン:じゃあ、ぽんって頭をなでて──向こうに帰ったら、また会いましょう。
私もこの件が片付いたら、必ず会いに行きます。
 ナタリー:わかった、待ってるね!
 レイン:ここで! 後ろを向いて去っていくんだけど──『小さな奇跡』を使う!
 一同:?
 レイン:水晶に映っている……その姿は──。

 偉大な預言者の背中を見送った少女は、いつも自分が見つめていた水晶につい、視線を移した。
 そこに映っていたのは────!

 *   *   *

 リア:アンゼロットにお願いして、ユキのお墓を作ってもらえないかな?
 GM:「かまいませんが、どうしてユキさんにそこまで?」。
 リア:……彼女に、一度触れたことがあるのです……彼女はただすがるものが欲しかったのだ、と。そして、彼女の分もまた私が引き受け、向こうにいた者に返さねばなりません。そのためにも、私たちが忘れるわけにはいかないんです。ですから、彼女の為でもありますが、私たちロンギヌスのためにも彼女の墓を作ることを許していただけないでしょうか?
 桃子:私からもお願いします──と入ってこよう。……忘れられるのは、あまりにも辛いですからね?
 GM:「そうでしたね……彼女のお墓、作ってあげてください」。
 リア:ありがとうございます……では最後に、現場でズタズタになったあのぬいぐるみを一緒に埋めてやる。──あなたの信仰を砕くと、宣言しましたが、無理だったようですね? あなたもまた、この世界の平和を願ったひとりのロンギヌスであることを私たちは忘れません。
 桃子:守りましょう……よろしくお願いしますね? ──ぽんっと肩を叩く。
 リア:こちらこそ。

 *   *   *

 神薙:アンゼロット様のもとへ。
 GM:はい。
 神薙:アンゼロット様……るしーた・トゥエル・売る・らぴた──間違えた(一同笑)
 リア:大丈夫、間違えたかどうか分からない(笑)。
 神薙:──Laudate Dominum meum Corde voto Angelot toto (讃えよ 我が主を 心をすべて アンゼロット様に捧げ)……私は今まで、そのことだけを、支えにしてあなたに仕えてきました。ですが、あなた様に捧げた心……ヴェルムの件に関しては、返していただきたく存じます。 私はあなたのためではなく、自分自身のためにヴェルムの問題を解決したく思います。
 GM:「そうしてくれることを、私もあなたに望みましょう」
 神薙:ありがとうございます……そういえば、豪円山との会食の件はどうしましょうか?
 GM:ああ、彼ですか? 彼はもう、この世……世界にはいません(一同笑)。
 神薙:ちょ、ちょっとー!?(笑)
 GM:それに触れるのは止めましょう? ……今はしばしその体を休めてください。
 神薙:お心遣い感謝いたします。失礼いたします。

 *   *   *

 カラオケボックス。
 N高、2-Bの生徒が集まっている。
 天志は無茶歌いしていた。
 それはあの日、2人で歌った曲。

 高倉:……なんか、寒くね?(一同笑)
 男子:帰って来たと思ったら、どうしたんだ、あいつ?
 高倉:そーいやさー、ゆかりっちどうしてるかなー? あの胸に会いたいなー(一同笑)。
 女子:高倉さー、きっと殺されるよ。そのうちー(一同笑)。
 男子:ゆかりっち、ああ見えて結構握力あったよな(笑)。
 なっち:叔父さんになんか習ってたらしいよ?(笑)
 男子:あ、おれ見たことあるぜ! レンガ割ってた!(笑)
 女子:わたしも見たことあるー(笑)。
 男子:氷柱割ってた!(一同笑)
 男子:噂じゃ、ビール切りもできるってよ!(笑)
 男子:奥義伝授されたって!?(一同笑)
 男子:まさかぁ、そんなわけねぇよー!げらげらげら!(笑)

 ゆかり……みんな、おまえのことを憶えてるぞ──。


 N3・コメカミノ銃創
■セブン=フォートレスX3 in Night Wizard !■
N3

                      コメカミノ銃創